イケメン幼馴染に執着されるSub

ひな

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隼人と百合

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「……まぁ、人間だもん。色んな感情があるよね。」

「…………」

「……こんな話を続けてたらこんなに美味しいアイスティーを飲み干しちゃいそうだし、少し話題を変えよっか。」


俺がそう言うとこの女はどこか安心した顔をしてやっと俺の方を向いた。


「……私が、隼人さんとお話に来た理由についてお話したいです。」

「……うん。」

「本当は……今、病院を抜け出してて…あともう少しで……帰らないとなんですけど……姉の…遥奈は……元気にしていますか、?」


(……ん???)


「分かんないな……暫く会っていないから。廣瀬の様子が悪化したこともさっきまで知らなかったからさ。」

「……そうですか、」


「直接会わないの?」


「……見せる顔がありません………」


(……そうだよな、)



遥奈ちゃんは百合さんの全てを知った上で廣瀬を憎んでる。


だけど、



「遥奈ちゃんは君に会えたら嬉しいと思うよ。」


「…………」


「……百合さんは何も覚えていないと思うけど、遥奈ちゃんは君のために頑張っていた。」


「………でも、それは私のせいで」


「それならさ、頑張った遥奈ちゃんにお礼を言うべきなんじゃないの?」




喰いつけ。

ここでこの女が遥奈ちゃんに会いたいって思えば俺は合理的に遥奈ちゃんに近づける。



(彼女と、お話がしたい。)





「………少し、考えさせてください。」


(……………)



「そうだよね、俺に会いに来てくれるだけでもきっと頑張ってくれたのに、ごめんね。」


女に分からないように爽やかな笑みを浮かべる。


本当は、イライラして仕方が無い。



「最後に、監禁されていたこと…梶原と話したこと覚えている?」


「………よく、覚えていません……」


「……そっか。大丈夫だよ。……また、明日会えそうかな?」


「……はい。」


「わかった、楽しみにしてるね。」


俺はアイスティーを飲み干して先に病院内のカフェを出た。


少し駆け足で梶原の病室へ向かう。


梶原が、まだぐっすり眠っている。


(……安心する。)


良かった。


あの女に、梶原への好意がなくて良かった。

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