イケメン幼馴染に執着されるSub

ひな

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行方(???)

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「ふう……終わった。」

大量、とは言ったものの茜ががオムツを履かせてくれたおかげで大分楽だったわ。

「……さぁ、始めるか。」

実は梶原と話してた時にこっそりボイスレコーダーを付けてたの。

少ししか声は入ってないけどこれで……



(……防犯カメラは大丈夫そうね。)

眠ってる男の耳元でこれを流す。

ピッ

「『お前の言うことなんて聞かねぇよ。』」


「………」


「『お前の言うことなんて聞かねぇよ。』」




「………………」





反応が無い。
如何して?この男が大好きな梶原くんの声よ……?


「『お前の言うことなんて聞かねぇよ。』」



「…………………」




本当に、?嘘でしょ?
まって、もう一回……



「…じ……い る…の…」


「…!!」

(何か言った。この男は何か言った!!起きた!!!)

私は再度音声を流す


「『お前の言うことなんて聞かねぇよ。』」







「か…じはら…?いる…の?」



反応した!!

馬鹿ね!!

起きてくれた!!!

「隼人様。起きて下さい。」

「……かじはら、?」

「………意識はそう簡単に戻りませんよね。」

隼人さんの傷口を優しく触る。

「痛そうに…大丈夫ですか?」

「…君は……雄斗の手下かい?」

頭の回転が速い

やっぱりこの男は使える

「廣瀬家の専属メイドの遥奈と申します。」

「……………」

「あなたのその頭脳なら、私がどうしたいかご存知ですよね?」

良かった

光が見えた

これで

「……知らない。」

「…はい?」

「放っておいてくれ…」

…は?

なんで?まって、なんで???

「…っ如何して?」

「………もう、ズタボロなんだ…。」

ズタボロ………?






あー
そういうことね。

この男は愛する人に沢山の暴行を加えられて日和ったんだ。

甘えた環境で生まれたが故に厳しい愛の試練は彼には早かったのね。

「隼人様だって梶原様に暴力しましたよね?」

「したよ…だけどそれは梶原のことが好きだからしたんだ…。だけど梶原は違う。俺のことを微塵も考えないで麻耶ちゃんのことを考えながらただ俺を傷つけて……」

「…………」


(男ってほんと面倒くさい生き物ね。)


この男だって自分の欲の為に梶原風を傷つけてたでしょう

私には分からない

愛する人を傷つけたいだなんて馬鹿みたい。


「泣かないで下さい。傷が滲みますよ。」

「っ…ごめんね。」

「あっ….」

(この男、辛いはずなのに如何してこんなにも優しく笑えるの…?)

「起こしてくれてありがとう。だけど…暫く俺を放っておいてくれないかい?」

「………如何して…?」

「少し……考え事をしたい。」

「っ………判りました。では、暇つぶしと言って難ですが。」

そう言って私は指輪を渡した。

「これは?」

「梶原様の父の遺品です。」

「如何して俺に?」

「………」

「俺に、梶原を会わせてくれるのかい?」

「……はい。因みに、これは雄斗様の命令ではなく私の私情ですが」

「要らないよ。」

彼は指輪を返した。

「梶原は君に殺されるわけにはいかないんでね。」

「ぇ………そうですか。」

「起こしてくれてありがとうね」なんて呑気な言葉を男は口ずさんだ。
そんな彼を無視して私は部屋を出る。

(あー……つまらない男)

つまらない男つまらない男つまらない男

役立たず。

「…………」


“起こしてくれてありがとうね。”

どうして感謝の言葉が出るの

私は、廣瀬雄斗様の専属メイドなのに、


お前を殺す相手かもしれないのに





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