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黒衣の女
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まあ、聞きなさいよ。そんなに話は長くかからないからさ。
あれは今日と同じように暑い日だった。そうだったわよね?
私たちにとっちゃ、いつもの任務だった。今までとなんにも変わらない日になるはずだった。そうよね?
私達の任務はいつもどおり、食料品の輸送だった。メンバーは私とクレアとあんたと、それからルスカ。ルスカはあれが初の任務だっていうんで、大分はしゃいでたっけ。
砦にもどる途中で、あんたがいつもと別の道を行こうって言い出したのよね。
確かに新しいルートを開発するっていうのも、大事なことよ。そうやって私たちは新たに領土を広げてきたんだもの。土を掘って、食料を集めて、敵を殺して、それが私達のやり方よね?
でもあの時は嫌な予感がしてたのよ。
あの辺りは先住民が住んでた。
部族の名前、何だったかしら?
連中は私達よりあの辺りの地形になれていたし、数も多かった。
だけどあんたは大丈夫だって言い張ってた。いざとなったら仲間を呼ぶからって。ちょっと偵察をかねていくだけだって。
実際には奴らのテリトリーに入り込んだ途端、囲まれることになった。
最初にルスカがやられたわ。
それからクレア。
私は群がる連中を撃退するのに必死で、気づかなかったわ。
あんただけ全く襲われてないことに。
あんた、もうずっと前から連中とつるんでたんでしょ?
あの時、あんたからは連中と同じ匂いがしてた。裏切り者の匂いよ。
足を一本なくしたわ。命からがら逃げ出して、砦にもどってみれば、すでに連中に襲われたあとだった。
目的は何?
今度は自分が女王にでもなるつもり?
言っておくけど、あんたには無理よ。
何よ?震えてるの?
そうね。ここであんたを倒したって何にもならない。仲間も子供たちもよみがえらないわ。
でも許せない。
このままじゃ済まさない。
さあ、決闘よ。覚悟しなさい。
「ねえ、お母さん!今ね、お庭でアリさんが2匹ケンカしてるの見ちゃった!」
「まあ、アリさんでもケンカするのね」
「うん」
「それで、どっちが勝ったの?」
「うーんとね、足が一本ない方が勝ったわ」
fin
あれは今日と同じように暑い日だった。そうだったわよね?
私たちにとっちゃ、いつもの任務だった。今までとなんにも変わらない日になるはずだった。そうよね?
私達の任務はいつもどおり、食料品の輸送だった。メンバーは私とクレアとあんたと、それからルスカ。ルスカはあれが初の任務だっていうんで、大分はしゃいでたっけ。
砦にもどる途中で、あんたがいつもと別の道を行こうって言い出したのよね。
確かに新しいルートを開発するっていうのも、大事なことよ。そうやって私たちは新たに領土を広げてきたんだもの。土を掘って、食料を集めて、敵を殺して、それが私達のやり方よね?
でもあの時は嫌な予感がしてたのよ。
あの辺りは先住民が住んでた。
部族の名前、何だったかしら?
連中は私達よりあの辺りの地形になれていたし、数も多かった。
だけどあんたは大丈夫だって言い張ってた。いざとなったら仲間を呼ぶからって。ちょっと偵察をかねていくだけだって。
実際には奴らのテリトリーに入り込んだ途端、囲まれることになった。
最初にルスカがやられたわ。
それからクレア。
私は群がる連中を撃退するのに必死で、気づかなかったわ。
あんただけ全く襲われてないことに。
あんた、もうずっと前から連中とつるんでたんでしょ?
あの時、あんたからは連中と同じ匂いがしてた。裏切り者の匂いよ。
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でも許せない。
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さあ、決闘よ。覚悟しなさい。
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「まあ、アリさんでもケンカするのね」
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