子ネズミデイジーのお引越し

white love it

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家は決まるかな

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 到着したのは街の外れにある家の床下でした。

「ここなの?」

 口からおもちゃを出すと、デイジーはまわりを見回していいました。

「そうだよ。家賃は毎月チーズを1つでどうだい?」

 でもお父さんネズミとお母さんネミは気に入らない様子です。

「なんだかせまいのね」

 お母さんネズミはため息をつきながらいいました。

「おまけにけっこうよごれてるわ」

 お父さんネズミも少し眉間にしわをよせていいました。

「ずいぶん静かだな。街なのに。せっかく街まできて、不便なところはイヤだな」

 それを聞いてスタッチはヒゲをひとなですると、しばらく考えこんでからいいました。

「それなら、他の家もみてくるといい」

 それからスタッチはデイジーにだけ、ウインクしてみせました。

 スタッチが紹介してくれたのは、猫のダッジェスでした。

 ダッジェスは3匹の親子ネズミをちらりとみると、パッと走り出していいました。

「ついてきな、ネズミども」

 デイジーたちは、あわててあとを追いました。
 ついたのは大きな家の屋根裏部屋です。

「すごいわ!!」

 お母さんネズミはびっくりしていいました。

「こんな広い家はじめてみたわ」

 デイジーもお父さんネズミも、あたりを見回してびっくりしています。

「おまけにとってもキレイだわ」

 お母さんネズミは感動しています。

「そいつはよかった」

 ダッジェスはそういってから、ニヤリと笑いました。そしてこういいました。

「ところで家賃なんだがな、毎月チーズを10こでどうだい?」

 お父さんネズミはびっくりしていいました。

「そんな無茶な。そんなには払えない!」

 するとダッジェスは全身の毛を逆立てて怒りだしました。

「そうかい。それじゃチーズのかわりにネズミをいただくとしよう」

 そういってダッジェスは3匹に飛びかかってきました。
 3匹はびっくり仰天。あわてて走り出しました。
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