ソフィーGradation 〜我に誓いしその力〜

えーしろ

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アン(1)「魔法使いの誕生」

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 初めに言っておくわ。自分で言うのも何だけど、私には親友と呼べる人、もっと正確に言えば、友達と呼べる人は1人もいなの。だからこれから話す事は、強制的になるかも知れないけど、アナタに聞いて貰うから、しっかりと想像して。

 それじゃあ、簡単に自己紹介をするわね。私の名前は、ソフィー マリソーよ。生まれはフランスのボルドーなの。

 私は幼い頃からある程度の知識は持っていたんだけど、自分がしたいと思った事は、他人に迷惑が掛かろうとも行動してしまっていたわ。これは他人からすれば、少し、いえ大分我儘の性格に見えてていたでしょうね。

 でも、この性格は大学生になっても変わらず、日常茶飯事で争い事を起こしていたの。


「ソフィー、ちょっと付き合いなさいよ」

「……良いけど、5分で済ませて欲しいわ」

 私は、同級生の女性達に、人気の無い場所まで連れて行かれてしまったの。

 要件は、同い年の男性が私に告白して来たんだけど、話の途中でスッパリと断ったから、その態度に知り合いの女性達から反感を買ってしまっていたみたいだわ。


「アンタさ、ちょっとお高くとまり過ぎじゃない?」

「フランク君、半泣きだったんだからねっ」

 私は顔をしかめ、面倒くさそうな態度をとっていたわ。そして、興味の無い相手に告白されたところで、断るのは当然な事だと言い返したの。

 だけどその女性達は、断るにも断り方があると激怒してしまったわ。


「ソフィー、調子に乗り過ぎだよっ」

「私達を怒らせるとどうなるか、教えてあげるわ」

 これで2回目。私はまたしかめ面をしたわ。そして時計をチラ見し、約束の5分が経ったので帰ると告げたの。

 そしたらね、その女性達は鞄からカッターとナイフを取り出して、私に襲い掛かって来たのよ。だけど私はその女性達に背を向けていたから、振り向きざまに服を裂かれてしまったの。そこで漸く、この子達が本気なんだって気付いたわ。


「そう言う事ね。なら初めから言ってくれれば良かった……のにっ!」

 次の瞬間、私の回し蹴りが1人の女性に炸裂したわ。

 私自身、他人に嫌われる様な態度をとっている事は、重々承知していたの。だけど自分がしたいと思った事を止めるなど、己の生き方に反すると言う考えだった私は、その思いを貫いていてたのよ。

 そして、こんな場面にも出くわすであろうと想定していた私は、子供の頃から通信教育で護身術を習っていたから、回し蹴りが出来たの。


「え? ちょっと落ち着いて、ソフィー」

「私はね、1度手を付けた物は、残さず食べる事にしているの」

 その後、5人いた女性達は、私に20秒程で全員気絶させられていたわ。

 ふぅ。まあこんな状況を幼い頃から過ごして来た私よ。でも、そんな私にも転機が訪れる事になるの。

 私は1人っ子なのだけれど、ある日父と母が結婚記念日という事で、私を家に残してドライブに行ってしまったのよ。

 だけど、夜になっても帰って来ない両親達を心配した私は、電話を掛け様としたわ。


「いつまで、イチャイチャしてるのよ? 携帯電話はっと」

 電話を手にした私。だけどその時、先に着信音が響いたの。

 それは警察からの連絡で、私の両親が事故に遭ったという内容であったわ。

 その後、私は両親が運ばれたという病院に急いで向かったのだけれど、そこには既に目を覚まさぬ父と母が、横たわっていたの。


「即死だったそうです」


 私は言葉を無くし、立ち竦む事になっていたわ。だけど、何故だか自分の頬に涙は流れていなかったの……。

 何でだろう? 未だに私は、理解出来ていないわ。だけど多分、泣いてはいけないのだと思ったのかも知れないわね。

 でもその時、私にはある感情が芽生えていの。死んでしまっては、全てが無になってしまう。辛い事や悲しい出来事は、もう経験しなくていいけれど、生きていなければ、その者の存在していた証は忘れられてしまうのだとね。

 私は、人に好かれる性格を持ち合わせていないわ。友達と呼べる人もいない。それでも、生きて、生き抜いて、自分がここにいた事を知って貰いたかったのかも知れないの。それは私の性格の裏返しで、本音の部分であったのかも知れないわ。

 その後、私は自立する為家を出て、1人暮らしをする事にしたの。


「私は、知識を詰め込むわ。そして、自分にしか出来ない事を成し遂げてみせるっ」

 それからの私は、毎日の様に図書館へ通う事となっていたの。知らない事、知りたい事の全てを、この頭に叩き込んで行ったわ。

 だけどそんなある日、私は1冊の本を手にしてしまったの。その題名には、『数字の魔法』 と書かれていたわ。

 今まで読み漁った知識本とは、全く違っていた内容。読み始めは私も、魔法など眉唾物だと思っていたのだけれど、読み終える頃には少しだけ、『魔法があったら良いであろうな』 ぐらいにはなっていたわ。

 そして、私の家にて。


「続いて、明日の天気をお知らせします」

「アンっ、ユイットっ! ……馬鹿馬鹿しい。本を発行した会社を訴え様かしら」

 テレビを付けながら、何となく呪文を唱えていた私。その頃の私には既に魔力が備わっていたらしいだけれど、魔法など使えないという思いが強かった為、数字の魔法である呪文を唱えても発動する事は無かった様なの。

 と言うか私は今、サラッと魔力が備わっていたと話したのだけれど、この事は後に説明するわ。

 そして私は、大学を後1ヶ月程で卒業しようとしていた頃、ある事件に巻き込まれてしまったの。


「おはよう、ソフィー」

「私達も、仲良く卒業出来そうね」

 以前、私に絡んで来た女性達が挨拶をして来たわ。

 私は適当に返事をし、その場を立ち去ろうとしたのだけれど、その時背後にいた女性に睡眠薬が塗られたハンカチで、口を蓋がれてしまったの。

 そして、私はそのまま気を失ってしまい、次に目が覚めた時は手足を縛られた状態で、見知らぬ倉庫の中に連れて行かれていたわ。


「うっ……これは、どう言う了見かしら?」

「アンタにやられてから肩身が狭かったんだよねぇ」

 要するに卒業間近になり、女性達は私に御礼参りをしに来たという事だったの。

 だけど私は、そんな状況の中でも落ち着きを見せていたわ。手足はロープの様な物で縛られていたのだけれど、普段から護身用として持ち歩いていたナイフがある事を思い出したからよ。

 そして私は後ろポケットに手を入れ、取り出そうとしたのだけれど。


「残念。アンタの持ち物は、全て没収させて貰ったわよ」

「ソフィー。アンタは今日、一生消せない思い出を作るんだよ」

 女性達は、私から奪ったナイフで、高笑いしながら服を切り裂いて行ったわ。そして私にフラれた男性を呼び付け、襲えと指示を出したの。

 今までの私は、自分のやりたい様に過ごして来た。時には今回の様に、人を傷付け傷付けられる様な事もして来ていたのだけれど、この状況下で漸く気付いた事があったわ。

 それは、自分が独りきりだと言う事よ。

 目の前で馬鹿笑いしている女性達にさえ、仲間と呼べる人達がいる。些細な事でも、笑い合える友達がいるの。それは私自身、等に気付いていた事であるのだけれど、自分には喜びも悲しみも分かち合える人などいないと言う事であったわ。

 私は勉強も運動も、全て自分の力だけで熟して来ていた。他人の力を借りずとも、己の力だけで生きて来れたの。両親と別れた後も同じで、自分はこの先も独りきりで生きて行けると勘違いをしていたのかも知れないわね。

 だけど今、私に起きている状況は、自分を救ってくれる人の力が必要だったの。


「ソフィー、悪く思うなよ」

「嫌、誰か…………私を助けてっ!!」

 私は生まれて初めて、心からの叫びを発っする事になったわ。その声は、共倉庫内へ響き渡っていたのだけれど、次の瞬間……私の身体はそこに無かったの。

 身体が無いと言うか、倉庫とは別の場所に飛ばされたみたいだったわ。


「ふぅ、危機一髪だったね」

「ここは……どこなの?」

「ここは魔法の国だよ」

 私の目の前には、手の平サイズの生き物らしき物体が浮いていたわ。

 そして辺りを見渡すと、そこには宝石の山々が広がっていたの。夢? 幻? 流石の私でも、状況把握に時間が掛かってしまっていたわ。


「これ、作り物? 浮いてるけど、ヘリウムでも入っているのかしら?」

「僕は、天使のアキナだよ。君を、魔術師アグリッタ様の遣いとして、選定しに来たんだ」

 天使、魔術師、選定……。更に私を混乱させる言葉の数々。

 そこで、私はある事を思い出したの。自分は、同級生達に襲われていた事を。だけど、今ここにその者達はいなかったわ。

 そして初めて見る風景に、ここが一般世界では無いのだとやっと理解……いえ、そう思う様にしたの。

 だって、一般世界とは別の世界があるだなんて、普通考えられないでしょ?


「アキナ……と言ったかしら? あなたが助けてくれたの?」

「そうだよ。僕は、遣いになってくれる人を探していたんだ」 

 その後、アキナは魔法の国について語り出したわ。魔法の国には魔術師がいて、その魔術師は一般世界の常識を覆す、魔法の力を宿しているのだと。

 だけど、その魔術師の中には悪しき事を考えている者もいるらしく、平和を保つには『神黒翡翠 』 (しんくろひすい) と言う魔法石が必要なのだと言っていたわ。

 そして、その神黒翡翠を手に入れる為には、その魔力を感じる事が出来る、魔力を宿した一般人の『遣い』 が必要なのだと。

 この時点で、私は混乱寸前だったけれど、平静を装ってアキナに聞いたわ。


「……その遣いに、私がなれと?」

「ああ。君には、その素質があるんだ。と言うか、君には元々魔力が備わっているんだよ」

 私が今まで得て来た常識では、到底理解出来ないアキナの言葉。

 そこで私は確証を得る為、魔法とやらを見せて欲しいとアキナに告げたの。だけどアキナは、基本天使自身が単体で魔法を使えるのでは無く、遣いと同化して使うものだと説明していたわ。

 そして遣いになるには、その者の了承が必要になるらしく、アキナは私に名を尋ねて来たの。だから私は言ったわ。


「私の名前は……ソフィー マリソーよ。……良いわ、遣いになってあげる」

 と。私はアキナと契約を交わしてしまったの。

 そして魔法を使うには変身が必要であると聞かされた私は、その呪文を教えられ唱える事となったわ。


「じゃあソフィー、唱えて」


「分かったわ。……我に集しその力 今この時この瞬間 悪なる者を排除せん……ソフィー……エボリューションっ!」

 私は、夢を見ていたのかも知れないわ。呪文を唱え終えると、王侯貴族が着るドレスを纏った姿だったの。だけど、その姿では動き難いとアキナは不満を言い出しのよ。そしてアキナは変身する際のイメージを変えれば良いのだと説明していたわ。

 その後結局、私はラフな格好へと変身し直したのだけど、まだ今の状況を完全には理解していなかったの。


「さっき姿の方が、気品があったね」

「黙りなさい。それで、これからどうすれば魔法を使えるの?」

 アキナは先ず、魔法について簡単に説明していたわ。魔力自体は、魔術師のアグリッタから遣いに供給されるのだと。

 更にアグリッタの魔法は12誕生石を、黄道12宮天使に宿しているものらしいの。

 そして、それら天使達を遣いがその身に同化させる事により、発動出来る魔法であるのだとアキナは告げたわ。


「じゃあソフィー、取り敢えずザリエルを同化させてみよう」

 ザリエルは9月の誕生石であるサファイアを示し、『厄除け』 の能力を持つ天使であるらしいわ。

 そして、ザリエルは変身している私の身体の中に溶け込んで行ったの。


「何これ? 身体に鎧が武装されたわ」

「それじゃあ、行くよ」

 続いてアキナは近くにあった宝石を砕き、勢い良く私に投付けたの。

 だけど、突然の出来事であった為、私は避ける事を忘れてしまい、まともに宝石を打ち付けられてしまっていたわ。


「ちょっとっ! 危ないじゃな……あら? 私、怪我1つしていないわ?」

「ザリエは、防御魔法の能力も持つんだ。これで魔法を信じてくれたかい?」

 まだまだ、完全には信じていなかった私だったのだけれど、その後アキナは私を、アグリッタの城へ連れて行く事にしたの。


「初めまして。私はこの城の主人兼、魔術師のアグリッタ ハインリヒ コルネリウスです」

「は、初めまして。ソフィー マリソーよ」

 簡単に挨拶を済ませ、アグリッタは本題に入ったわ。自分は魔法の国の平和を維持する為、神黒翡翠を探しているのだと。そしてその手伝いとして、自分の遣いになって貰いたいと私に告げたの。


「ソフィーさん、神黒翡翠が手に入れば勿論、貴女の願いも叶える事が出来ます」

「私の願い……」

 その時はまだ、これと言った願いを持っていなかった私。だけど、逆に考えれば断る理由も無かった為、私はアグリッタの遣いになる事を、正式に了承する事にしたわ。

 そしてこの状況を何となくだけれど理解し始めていた私は、今1度、魔法の世界を眺める事にしたの。


「何だろう……懐かし感覚がするわ」

「ソフィー、言い忘れてた事があったよ」 

 もし、アグリッタの魔力が尽きてしまうか、私自信が遣いとしての任を解かれてしまった場合は、魔法に関しての事を含め、数年分の記憶を消されてしまうと、アキナは今更言っていたわ。

 そして神黒翡翠を手に入れるには、他の遣い達と戦う事になるであろう事も。


「そう言う事は先に言いなさい。でも、私はやるわ。だってここが……私の思い描いていた場所なのだから」

 こうして魔術師の遣いである、魔法使いの私が誕生したのでした。

 そしてその後、私は1週間程で、全ての天使を使い熟せる様になって行ったわ。

 そう言えば私が襲われた時の事なのだけれど、魔法の国にいる間は、一般世界での時間が止まっているらしいの。

 更に、私が一般世界に戻ると、男性に襲われる瞬間であったのだけれど、時間が進み始めるまでにタイムラグがあるらしく、私は縛られていたロープを解く事が出来たの。

 そして即座に蹴りを入る事で残った女性達も、ただでは済まない状況になった事は言うまでもないわね。
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