ソフィーGradation 〜我に誓いしその力〜

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ドゥ(2)「最速の隼」

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 同級生に今までの行いを、報復されそうになってしまった私事、ソフィー マリソー。だけど次の瞬間、私は魔法の国へと飛ばされていたの。

 そこにはアキナと名乗る天使と、魔術師アグリッタがいたのだけれど、神黒翡翠と言う魔法石を探す為、魔術師の遣いになって欲しいと頼まれてしまった私。

 そこで私は当然考えはしたのだけれど、この魔法の国こそが自分の居場所だと思い、了承するの事にしたわ。

 でも魔法の国には、アグリッタの他にも魔術師が存在していて、相手領土に進出する為には、その遣いと話し合うか、戦う事で勝たなければいけないと言うルールがあったの。

 そして丁度その頃、私とは別の遣い達が、領土進出を賭け戦いをしていた事を、後に知る事になったわ。


「どうだ、可視化した俺の姿は見えまい」

「上等だ。ヌー、お前の力を示すんだっ!」

 黄道12速獣のヌーを魔法として使ったこの男性は、鈴本 隼(すずもと はやぶさ) と言うらしく、日本の魔術師ヤマト カケルの遣いであると、私は後に知る事になるの。

 そして隼は、可視化してその存在を確認出来なくなっていた敵遣いを、ヌーの能力である『嗅覚』 を使ったらしく、見事探し当てたらしいわ。


「馬鹿なっ!」

「遅いっ。スプリングボック、踏み潰せっ!」

 スプリングボックは、100頭程の大規模な群れを作り行動する動物であるそうよ。そして、スプリングボックに囲まれてしまった敵遣いは、大群に踏み潰されてしまったそうなの。


「がっ……は……」

「悪いが消えて貰うぜ。噛み砕け……ライオンっ!」

 圧勝した隼。と言うか、この時点で私は隼の事など全く知らなかったのよ。

 だけど隼も私と同じで、相手遣いを躊躇なく消し去る考えを持ち合わせていたみたいなの。と、そこへ魔術師ヤマトが現れたらしいわ。


「見事だったぞ、隼」

「ヤマト、来てたのか。まあ、この程度の遣いなら楽勝だよ」

「無茶苦茶だった隼が、良くここまで成長してくれたものだよ」

 魔術師ヤマトの遣いになる前の話だそうなのだけれど、隼は元々正義感が人一倍強い性格であったらしいわ。イジメられている人がいれば、知り合いでは無くても止めに入る程にね。(と言うか、ただの馬鹿よね)

 だけど隼は、特にケンカが強い訳では無かった様で、一緒に傷付き、共に泣く事もしばしばであったそうなの。


「あんた、何で他人の俺なんかの為に、傷付いてるんだよ?」

「だって、辛い事は1人で抱えるより、2人の方が分散して薄れるだろ?」

 隼の言っている事はそうなのかも知れないのだけれど、こんな事をしていては自分の心身も病んで行ってしまうのに。(本当に馬鹿だわ)

 でも隼は言ったそうなの。自分は、辛いと思われる出来事を、忘れる事が出来る特異体質なのだと。勿論、知識を持つ生き物である以上、そんな事は不可能な事なのだけれど、要するに辛い出来事でもスルーし、物事を前向きに考えられる性格であったみたい。

 そして、今回の様な他人のケンカに割り込んだとしても、毎回闇雲に割り込むのでは無く、前回は言葉が足りなかったので今度は付け足してみようと言う様に、少しずつだけど変化を付けて対応していた隼だった様なの。

 だけど、この時点では大した有効策は見出せず、一緒に殴られて終わりになってしまうばかりの、やっぱり馬鹿な隼だったそうよ。


「あんた……馬鹿なんだな」

「馬鹿は馬鹿でも、へこたれない馬鹿だっ」

「はは、確かにな。俺もあんたを見習うよ」

 その後、このイジメられていた男性は、隼のお陰で少しずつ状況を克服出来て行ったらしいわ。

 でも隼は、更なる事件に首を突っ込んでしまう事になっていたみたい。

 性格もさる事ながら勉強もアレな隼は、大学に提出する卒業論文を書く為に、図書館へと向かっていたそうなの。だけどその途中で、3人の黒服姿の男に囲まれている、サラリーマンを目にしてしまったと私は聞いたわ。


「オッさん。いつになったら、借金返済してくれんだよ?」

「もっ、もう少し待って頂けないでしょうか……」

 どうやら言い寄られている男性は、お金を借りて、返せない状況であったそうだわ。だけど当然、学生の隼がお金を持ち合わせている筈も無く、その様子を眺める事しか出来ないでいたみたいなの。


「もう少しってのは、聞き飽きたんだよっ」

「そうだなぁ、なら……知り合いの医者を紹介してやるよ」

 知り合いの医者……要するに、臓器を金の代わりにしろと言う事であったらしいわ。流石にそれは勘弁して欲しいと男性は泣き付いらしいのだけれど、最終的に袋叩きにあってしまったそうなの。

 でもその時、その状況を見兼ねた隼は、やっぱり割り込んでしまったみたい。(つくづく馬鹿よね)


「ストップ、スト~プっ」

「何だオマエ? ガキはあっち行ってろ」

「ガキはガキでも、只のガキじゃないぜっ!」

 隼は黒服男性に飛び掛ったそうなの。そしてサラリーマンに、今の内に逃げろと叫んだらしいわ。

 そこで、隼の言葉を聞いたサラリーマンは、ズタボロ状態であったそうなのだけど、何とか立ち上がり逃げ出す事になったみたい。

 でも残された隼と、黒服3人組は……。(あーもうっ。語っている私がイライラして来たわっ)


「あ~あ、行っちまった」

「オマエ、この状況を理解してるよな?」

 黒服はサラリーマンの代わりに、隼の臓器を貰うと言い出したそうよ。(あげちゃえば良いのに)

 そこで隼も、流石のこれはヤバイと考え、逃げ出そうとしたらしいのだけれど、両腕を2人の黒服に掴まれてしまったそうだわ。

 そしてその場所は人通りも少なかった為、助けを呼べる状況では無かったそうなの。だけど、隼は笑みを浮かべたそうよ。(……気持ち悪い、とは言わないから)


「良いねぇ。絶体絶命ってやつだ。だが俺はこんな事じゃ……負けないぜっ!」

 黒服は隼の言葉を聞き、唖然としてしまったそうなの。どう考えても隼に勝機は無いのだから。そしてその威勢を黙らせる為、黒服は懐から銃を出し隼の額に押し当て、言葉を発したらしいわ。


「兄ちゃん、こいつは本物だ。泣き言は、あの世で言いな」

 引き金に指を掛けた黒服。だけど、それでも隼は口角を上げていらしいの。自分の寿命は、こんな所で尽きる筈が無いと信じていたからだそうよ。でも当然、そんな思いに根拠など無く、正真正銘の馬鹿な隼だったらしいのだけれどね。

 そして黒服は威嚇をするのでは無く、本気で銃弾を発射させてしまったらしいの。

 その銃弾は隼の額まで、コンマ何秒で届くのか私にも分からないわ。そして隼は走馬灯を見ぬまま、その意識はこの世から消えてしまうのでしょうね。

 と、その時、隼の姿は一般世界から消えていたらしいの。いえ、私と同じで一般世界では無い、魔法の国へ飛ばされていたと、私は後に聞いたわ。


「あ……れ? …………あぁ、やっぱ俺、死んだのか」

「お前は、無茶苦茶な奴だな」

 隼に話し掛けたこの者こそ、魔術師ヤマト カケルであったそうよ。

 だけど隼は自分は既に死んでいて、あの世にいるのだと勘違いしていたらしく、ヤマトを死神か何かと勘違いしてしまったそうなの。(ホント馬……もういいわよ)


「えとぉ、ここは天国ですか? それとも地獄ですか?」

「どちらもハズレだ。ここは、魔法の国だからな」

 更に理解不能となってしまったらしい隼。魔法の国など、漫画で見た事があっただけだからだそうよ。

 しかも自分は、銃弾で撃ち抜かれてしまった筈であるのにも関わらず、ここがあの世で無いのは変だと、隼はヤマトに尋ねたそうなの。


「今時の死神は、冗談も言うのか?」

「いきなり連れて来てしまったからな。理解出来ないのも無理はない」

 その後ヤマトは、隼があまり理解力があるとは言えないと察し(それは私も認めるわ) 、丁寧に魔法の国に付いて説明する事になったそうなの。

 ここは隼のいた世界とは全く別の場所であり、普通の一般人では来る事が出来ないのだと言ったらしいわ。

 そして、隼をここに連れて来た目的として、神黒翡翠と言う魔法石を探して貰いたいのだと、ヤマトは告げたそうなの。

 だけどその内容を、5分の1程しか理解出来なかった、やっぱ馬鹿だった隼であった様なのだけど、ヤマトの願いに応える事になったみたい。


「良し、さっぱり分かんねー」

「んん~ん……選定間違えてるか?」

「でもまぁ、やるよ。俺の名前は、鈴本 隼だ。宜しくな、ヤマト」

 物事を深く考えない隼と、本当に遣いを隼にして良いのかと不安になるヤマトだったみたいね。でも、ヤマトと組む事になった隼は、後に私と同等……いえ、悔しいけど私よりも強い遣いになって行くの。

 そして隼は一旦、一般世界に帰りたいと言ったらしいのだけれど、問題が残っていたわ。一般世界に戻ってしまうと、隼は銃弾を受けてしまう事になってしまうのだから。(んん? そう言えば、私の時と状況が似てるわね?)

 そこでヤマトは、隼にある事を伝えたそうなの。今いるこの魔法の国では、一般世界での時間は止まっている状態であるのだと。そして、遣いが一般世界に戻ると時間が動き出すのだけれど、それまでには2秒程のタイムラグがあると教えたそうだわ。


「だから、その間に銃弾を避ければ良い」

「そっか。ありがとな、ヤマト」

 そして、早速帰ろうとする隼であった様なのだけれど、ヤマトは止めたらしいわ。

 1発目の銃弾を避けても、2発目を撃たれてしまえばお終いであるのだから。そこでヤマトは、一般世界でも魔法を使えと隼に告げたそうなの。

 基本、一般世界で魔法を使用する事は禁じられているわ。そしてもし使ってしまい、魔法の事を一般人に知られてしまった場合は、見てしまった者と遣いの記憶は消されてしまう事なるの。

 だけど、ヤマトが隼に与えた『黄道12速獣』 の能力は、速さを誇る獣達であるらしく、一般人にはいつ攻撃されたのかすら気付かれないであろうと伝えたらしいわ。


「隼、魔法を使う為の呪文を教える」

 ヤマトから聞かされた呪文だけは、1発で記憶したらしい隼。そして隼は進化の呪文を唱え、魔法使いとへと変身したそうよ。


「我に預けしその力 今この時この瞬間
最速で駆け抜けん……隼……エボリューションっ!」


  変身したまま一般世界に戻った隼は、ヤマトが言っていた通り、動き出すまでにタイムラグが生じていたらしいわ。そしてその間に銃弾を避け、隼は黒服に蹴りを入れておく事にしたらしいの。


「がはっ!!」

「何だっ!? 何でこいつが吹き飛ばされてるんだっ?」

「さて……何だっけ? あぁ、そうだ。……プロングホーン、頼んだぜっ!」

 プロングホーンは、その身体から激しい光を放ち、相手の視力を一瞬奪う能力を持つそうなの。そこで隼は戦うのでは無く、黒服が怯んでいる隙にさっさと逃げてしまったらしいわ……。

 そして隼の家にて。


「隼~、ご飯出来たわよ~」

「はいよ~。ん~、魔法ってスゲーなぁ。だけどヤマトが言って通り、一般世界で使うのは控えた方が良いか」

 と、心に誓う隼であった様なのだけど、結局一般世界で何度か魔法を使ってしまう事になったそうよ。だけどそれは、己の欲の為使いのでは無く、他人を救う為の行使であったみたいだわ。


「オメー、調子に乗ってんじゃねーぞっ」

「えっとですね、この辺りの住人が、夜な夜なバイクの音で悩まされてるらしいんですよ」

 今度は100人程の暴走族相手に、首を突っ込んでいたらしい隼。だけどこの頃になると隼は、魔法の使い方にも大分慣れて来ていた様で、余裕すら感じさせる程になっていたみたいなの。


「オメー、どこのチームよ? てか、何で1人何だよ? 馬鹿なの? 気でも狂ってんの?」

「ああ、俺は馬鹿だ。しかし、只の馬鹿じゃない。クォーターホースっ!」

 クォーターホースの能力は、『機動性の高さ、瞬発力、急発進、急停止』 であるそうよ。

 そして隼は、自分が乗って来た原付バイクにクォーターホースを同化させ、次々と暴走族達を薙ぎ倒して行ったらしいわ。


「クソっ、何で50ccのバイクに、そんな馬力があるんだ……」

「こいつには、少しだけ魔改造を施してるんだ。でも、これで分かっただろ? バイクに乗るなら、ツーリングでもしてろ」

 人助けとは言え、無茶苦茶な行動をしていた隼。そして魔法の国で、ヤマトに説教される事になったらしいの。(当然よね。いい気味だわ)


「あのなぁ隼、困っている人を助ける事は悪い事では無いが、お前のやり方はダメだ」

「何でだよ? 」

 ヤマトは言ったそうよ。一般人と魔法を使える者とでは、力の差があり過ぎると。これでは隼が、弱い者イジメをしている事になってしまうので、一般世界での魔法を使用する事は控えろと、隼は叱られたらしいの。

 そして何より、もし魔法が使えなくなった時、困るのは隼だとヤマトは説明したらしいわ。一般人に戻ってしまえば魔法に関する記憶は消えてしまうのだけど、その者の性質や行動自体は変わらない為、その時困るのは隼なのだと。


「それに隼、この地球上にいる全ての人を救う事は無理だ。例え、神黒翡翠の力を使ってもな」

「んなら余計、俺がやらなきゃいけないだろ? まあしかし、ヤマトの言ってる事も分かるよ」

 少しだけ反省したのか、そこからの隼は極力無茶な行動を控える様になって行ったそうなの。だけどその憂さ晴らしをする為か、他の遣い相手には容赦無く叩きのめす様になっていたみたい。


「何だ、その魔法は? 全く見えないぞ……」

「そりゃそうだ。黄道12速獣達は、最速で駆け抜けてるんだからな」

 12速獣達は、元々速さを宿した獣達であるそうなの。そして移動する際、その身体を粒子に変えている事により、光速にも似た速さで動けるらしいわ。

 光を武器とした魔法もあるらしいのだけど、その能力だけでは相手に致命傷を与えるまでには至らないの。

 だけど12速獣達は、攻撃を与える際にその身体を粒子から元に戻し一撃を与えているらしく、その姿を見る事の無いまま相手は敗北してる時もあるらしいわ。

 そして現時点において、この魔法は最強なのかも知れないの。だけど、その強さの余裕からか、隼はある遣いに苦戦を強いられてしまう事になった様だわ。(ザマーみろ)


「確かに厄介な魔法ですが、私の魔法の前では、跪く事になりますわよ。聴き惚れなさい……ソ♯っ!」

 彼女はイタリアの魔術師の遣いである、マリアベーラ アルベルティだそうよ。マリアは『12平均律魔法』 を使うらしいのだけれど、1音1音奏でるその音は、神をも魅了させる演奏者でもあるそうなの。

 そして、ソ♯は『追う』 能力を持ちつらしく、隼の速獣をその動きが止まるまで追い続けたらしいわ。


「クソっ、しつこいぞっ。プロングホーン、光を放てっ!」

「ふっ、止まりましたわね。シ、レ、トドメを刺してお上げなさいっ!」

 『束縛』 と『力強さ』 の魔法で、プロングホーンは打ち砕かれてしまったそうなの。


「マジかよ……」

「正真正銘、偽りの無い事実ですわ」


 音の魔法を使う、マリア。後に、私も苦戦させられる事になるのだけれど……。
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