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Evo22 「結晶の刻み」
しおりを挟む12月に入り、街は彩り始めていました。年末最後の行事であるクリスマスに向け、イルミネーションが輝き出していたです。
人々は何処と無く忙しさを見せ、一年の終わりを迎えようと、カウントダウンが始まったいたのでした。
「翡翠ちゃんは、卒業したらどうするんだい?」
「私は大学に進学するつもりです。光也君はどうするの?」
「そうだなぁ、俺は……」
店長をチラ見する光也君。そして店長もそれに答えるかの様に、光也君は、既にうちの社員であると告げたのでした。更に、私にも大学を卒業したと同時に、店を任せるのだと言い出す店長。
「んで、光也と翡翠ちゃんを結婚させて、店の後を継いで貰う」
「ててて、店長っ!? 結婚はそのまだ心の準備と言いますか段取りと言うものがありましてっ!!」
冗談で言ったつもりの店長でしたが、私は真に受けてしまい慌てふためく事になってしまったのです。だけど光也君は、思いも寄らぬ提案をしてくたのでした。
25日の仕事終わりに、少し散歩でもしないかと、私に尋ねて来てくれたのです。そして、その日はやって来ました。
「ふぅ、皆んなお疲れさん。店は年始の4日まで休みだから、各々羽を伸ばしてくれ」
店の片付けをし帰る頃には、既に10時を回っていました。今年の冬は私達が住む街にも寒波が来ていて、その夜も一段と厳しい寒さになっていたのです。ですがっ、私にのとってはそれどころではありません。前日、光也君の為に買ったマフラーを、渡せるかの瀬戸際であったのですから。
「さっむ。翡翠は大丈夫か?」
「うん。私、暑いのより、寒い方が得意なんだぁ」
建前です。本当はどちらも苦手な私だったのですが、緊張で温度を体感出来なくなっていたのでした。
だけど、空にはどんよりとした雲がかかり、夜空の星を眺めると言ったシチュエーションとはいかなかったのです。
と、そこで、光也君から私へプレゼントを渡して来てくれたのでした。
「翡翠、メリークリスマス。俺、プレゼントとか良く無いから、喜んで貰えるか分からないんだけどさ」
私は光也君からのプレゼントを受け取り、開けて良いと尋ねました。そして開封したその中には。
「これって……。光也君、私からもメリークリスマスだよ」
光也君も私からのプレゼントを受け取り開けてくれたのですが、それは光也君が私に贈ってくれた物と同じ品で、柄違いのマフラーが入っていたのです。
ペアマフラーというのも、少し恥ずかしい気がしましたが、首に巻きつけた時の感覚は、普通のマフラーとは全く違う暖かさを感じる事になれました。
「翡翠、ありがとな」
「うん。私もありがとう。光也君がくれたマフラー、暖かいよ」
高校生最後の冬、私は光也君の気持ちを、少しだけ確かめる事が出来たかも知れませんでした。
そして私は勇気を振り絞り、光也君の手を握ろうてしたのですが、その時、光也君の携帯が無情にも鳴り響き出したのです。
「ごめん。ちょっと電話に出るわ。もしもし、オヤジか?」
「光也、大変だっ。智也が倒れたっ!」
数週間前に、風邪気味であった智也君。しかしその時は、私が魔法を使い治した筈でした。
そして、智也君は救急車で病院へ運ばれたと聞いた光也君と私は、直ぐに向かう事になったのです。
その頃夜空からは、小さな純白の粒が舞い降りて来たいた事を、私達が気付く事は無かったのでした……。
「智也、大丈夫かっ!?」
「兄貴、それに翡翠さんまで。平気だよ。風邪をこじらしただけだから」
熱は40度近くあるらしいのですが、一先ず意識はあった智也君。だけど私は、智也君の顔色が真っ青な事に気が付き、もう1度魔法で風邪を完治させようと考えたのでした。
「……智也君、ちょっと待っててね」
私はトイレに行き、変身をしました。そして直ぐに病室へ戻り、智也君の額に手を当てミルキさんの治癒魔法を使ったのですが……。
「翡翠さん、有難う御座います。この前の魔法も効きましたから、今回もこれで……」
「智也君っ!?」
智也君の熱は下がるどころか、気を失ってしまったのです。そして直ぐに担当医が処置を施してくれたのですが、智也君の容態は悪化して行くばかりであったのでした。
「クソっ! 何でこんな事に……」
「光也君……」
その後、光也君が智也君に付き添う事になり、私はタクシーを呼んで貰い帰宅する事になりました。そして、そこにアキナ君が現れ、智也君の症状に付いて話し出したのです。
「翡翠、彼は呪いを掛けられているんだよ。その術者は多分……」
アキナ君がその術者の名を語ろうとした時、タクシーは私の家に到着していました。そしてそこには、ある人物が待ち構えていたのです。
「翡翠ちゃん、こんばんは」
「こんな遅くにどうしたの……笑姫ちゃん?」
「翡翠、呪いを掛けた術者は、笑姫だよ」
私はアキナ君を言葉を理解出来なかったのですが、一先ず今の状況を笑姫ちゃんに話しました。だけど笑姫ちゃんはその事を当然の様に知っていて、自分の魔法で掛けたのだと告げたのです。
「翡翠……ちゃん……ごめんなさい……
我に射し込むその力 今この時この瞬間 運命の扉を開かん……笑姫……エボリューションっ!」
変身し、戦闘体勢に入った笑姫ちゃん。だけどそれには、勿論理由があったのです。
私達がバイトをしていた時、笑姫ちゃんは魔法について聞きたい事があった様で、魔術師アライスターさんの元を訪ねていたと、私は後に聞きました。
「アライスターさん、タロットカードは12枚以上有りますよね? 他の能力は使えないんですか?」
「笑姫が遣いとして成長すれば、使える様になるぞ」
他愛も無い会話をしていた時だったそうです。そこに、徹君を遣いにした魔術師のサンサラーさんが現れたと、笑姫ちゃんは言っていました。
「久しいな、アライスター」
「サンサラー……様。私に何用で御座いますか?」
サンサラーさんは、アライスターさんの師匠であったそうなのです。その為、領土にも自由に入れたのだと聞きました。
「アライスター、お前の力が借りたい。……いや、笑姫の力をだ」
「私の力? それに貴方は、次会う時は神黒翡翠を呼び寄せる時だって言ってましたけど、どう言う事何ですか?」
サンサラーさんは、笑姫ちゃんに告げたそうです。神黒翡翠は、今日出現させると。だけどそれには笑姫ちゃんの力が必要であるらしく、協力しろと言って来たそうなのです。
そして確かでは無いのですが、神黒翡翠を出現させるには、争いが必要になるとも告げたと、笑姫ちゃんは言っていました。だけど、その相手となる人物に、私を選ばなくてはいけないとサンサラーさんは告げたそうなのです。
神黒翡翠はここ数百年、その存在を表す事は無かったと、私は聞いています。でも偶然か、私が遣いになる少し前と、完全に遣いになった時期に、その気配を強め始めたと、サンサラーさんは説明したそうです。
そして1つの神黒翡翠は、私が戦う中でその姿は形を示し、私の手に渡ったのでした。
これは先程も述べた通り、只の偶然かも知れません。しかしサンサラーさんは、その偶然か必然かを確かめる為、先ずは笑姫ちゃんの能力で占わせ様としたらしいのです。それはアライスターにやらせても良い事であった様なのですが、私に近しい笑姫ちゃんの方が示しやすいであろうと言う事であったのだと、私は聞きました。
「さあ笑姫、占うのだ。神黒翡翠の出現場所をっ」
笑姫ちゃんは考えたそうです。もし神黒翡翠が見つかれば、もう争いは無くなるのではないのかと。そして笑姫ちゃんはその能力を使い、占い始めたそうです。
「神黒翡翠は……今日、出現します」
「やはりな。私が動いた事で、運命の歯車も回り出したと言う事か」
「だけど、神黒翡翠は翡翠ちゃんの物よっ!」
その占い結果には、私が神黒翡翠の近くにいると出ていたらしいのです。だけど、それと同時に大きな悲しみを背負う事になっている私の姿も映し出されていたと、後に笑姫ちゃんから聞きました。
そしてサンサラーさんは、次の段階へ移行してしまったらしいのです。アライスターさんに、笑姫ちゃんと私を戦わせろと指示を出したそうなのでした。
「サンサラー様、それは出来ませぬ。確かに遣い達は、戦う運命。しかし、笑姫と翡翠には、友と言う絆があるのですっ」
アライスターさんの叫びに、同調した笑姫ちゃん。突然、自分も私とは戦わないと言ってくれたそうです。
だけどサンサラーさんは、アライスターさんに告げたのでした。協力しないのであれば、お前の魔力を全て奪うと。
アライスターさん自身、元々魔術師としての素質はあったらしいのですが、完全なる魔術師になるには魔力が不足していた様です。それを手助けする為、サンサラーさんは己の魔力を供給していたのだと、笑姫ちゃんを通して聞きました。
そこでサンサラーさんは、アライスターさんに渡した魔力を奪い返し、魔法の国に居られなくすると告げたそうなのです。そうなれば勿論、笑姫ちゃんも遣いでは無くなってしまう事に……。
「どうする、アライスター。迷う時間はやれんぞ」
「私は……」
3秒程、黙り込んだアライスターさん。そして出した決断は、サンサラーさんに刃向かう事であったらしいです。当然、師匠に敵う筈など無いと分かってはいた事らしいのですが、それでもアライスターさんは、抗う選択をしたと聞きました。
だけど、結果は変わらず、サンサラーさんにその魔力を奪われてしまう事になってしまうそうです。
「アライスターさんっ!」
薄れ行く2人の身体。しかしサンサラーさんは笑姫ちゃんに対し、ある行動を取ったそうです。
「杉浦 笑姫、お前は今から私の遣いだ。しかし、服従しか出来ぬ遣いだがな」
アライスターさんの魔力を奪う事で、その遣いであった笑姫ちゃんは、サンサラーさんの遣いにさせられてしまったらしいのです。
そして、その契約はサンサラーさんの指示に抗えないと言うものであり、笑姫ちゃんは私と争う様、命じられてしまったのだと、後に説明してくれました。
だけどサンサラーさんは保険として、もう1つの策を講じていた様です。それは、もし笑姫ちゃんが私に負けた時に、代わりの者を遣いにする準備であったらしいのですが、その人物とは……。
そして、現時刻に戻り。
「笑姫ちゃん、何があったのっ?」
「ううっ……ストリングスっ!」
ストリングスは11番目のタロットカードで、『力』 を示すらしいです。そして、『潜在能力を引き出す』 能力を持ち、笑姫ちゃんは続けざまに、1番目のタロットカードであるバトレールの『創造』 能力で、薙刀を精製したのでした。
「笑姫ちゃん、落ち着いて」
一般世界であるのにも関わらず、魔法を躊躇無く使い出した笑姫ちゃん。一先ず私は、魔法の国へと笑姫ちゃんを誘う事にしました。
「翡翠ちゃん……私は貴女を……倒さなきゃいけないのっ!」
完全にその動きを、サンサラーさんに制御されてしまっている笑姫ちゃん。だけどその力は、今までの笑姫ちゃんの能力を遥かに超えた魔力で戦っていたのです。それは、サンサラーさんの魔力が、絶大な力だと言う証拠でもあったのでした。
そしてその頃、光也君は消灯している病院内で休憩をしていたそうなのですが。
「クソっ。医者にも原因が分からない何て、どう言う事だよっ」
仕事の疲れもあり、光也君うな垂れてしまったそうです。そしてそこに、白衣を着た医者らしき者が現れたらしいのですが、その人物はサンサラーさんであったと、後に光也君聞きました。
「藍原君だよね? 聞いたよ。弟さんが倒れたんだって?」
サンサラーさんは光也君に話し掛けたそうです。そして光也君はこの人が、魔術師サンサラーさんである事を知らずに相談してしまったと言っていました。
「弟を助けたいんですっ。先生、どうしたら良いんですかっ!?」
「簡単だよ。君が僕の遣いになれば良いだけだ」
基本、魔術師の遣いになるには、その人の同意が必要となります。更に遣いになる為には、名を告げる事で契約は完了する事になるのですが、それは悪く捉えれば、魔術師の奴隷になると言う事であるのかも知れません。
そして心身の疲れで朦朧としていた光也君は、サンサラーさんの提案を聞き入れてしまったそうなのです。いえ、魔法が実際にあるのならば、智也君を救えると判断してしまったのかも知れません。
「……分かりました。なります、遣いに。俺の名は……藍原 光也です」
契約してしまった光也君。そして直ぐに智也君の病を治して欲しいとに願ったらしいのですが、サンサラーさんは条件を突き付けたそうです。
「治してはあげるが、それには条件があるんだ。君も知っているよね、若竹 翡翠を」
サンサラーさんは告げたそうです。智也君の病を治すには、私を倒さなければいけないのだと。
その病の原因は私にあり、私を遣いでは無くす事により、智也君は元気になれるのだと吹き込んだそうなのです。
でも、その言葉を聞いた光也君は、私がとった行動を思い出したそうです。私が智也君の病を治す為、額に手を当てていた事を。だけど、もしかするとその時に、智也君の病状を悪化させたのではないのかと、考えてしまったそうなのです。
そして私は、大好きな人達と戦わなければいけなくなってしまうのですが……。
「翡翠、笑姫の魔力元は今までと違うよ」
「え、アキナ君、どう言う事?」
「この気配は……魔術師サンサラーの魔力だよ」
その通りだと笑姫ちゃんは言ったのですが、その力に抗う事は出来ないのだと、辛うじて伝えてくれたのです。
「今はまだ……何とか私だっ……けど……もう……限界……翡翠ちゃん
…………助けてっ!!」
私に助けを願う言葉を最後に、笑姫ちゃんは自我を失い所構わず暴れ出してしまいました。サンサラーさんの指示に逆らおうとする気持ちが反発してしまい、更に自我が崩壊してしまった様なのです。
その状況を見せられてしまった私は、防御に徹するしか出来なくなってしまっていたのですが、アキナ君が3つの提案をしてくれたのでした。
1つ目は、その場で耐え続ける事。2つ目は、笑姫ちゃんと戦い気絶させる事です。そして3つ目は、笑姫ちゃんを操っているサンサラーさんの元へ行く事でした。
「翡翠、どれかを選んで」
「私は…………笑姫ちゃんを気絶させて、一般世界に連れて帰るっ」
私は笑姫ちゃんと戦う事を選択しました。笑姫ちゃんの攻撃を耐え続けられるか不安であった事と、サンサラーさんの居る場所へ行っている間に、笑姫ちゃんがどうなってしまうか分からなかった為、決断したのです。
「分かったよ。でも気を付けてね」
「うん。我に宿りしその力 今この時この瞬間 開放へと導かん……翡翠……エボリューションっ!」
結晶の粒は静かに降り積もり、私と光也君が戦うまでの時を刻んで行きました…………。
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