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九月生

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生配信31 鉄拳杯

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 風邪が治り、体調がすこぶる良い。

 そんな時こそ、タバコ。

 ………

 ……

 …

 ………なんてのは嘘ですよ、嘘。

 今日は天気も良く、体調もいいと来たもんだ。

 ちょっと外に出て、太陽光でも浴びるとしますか。

 何をするわけでもなく、只々外に出る。

「よし、太陽でも浴びま」

 ジュゥウウ。

 ひ、皮膚が焼ける音⁉︎

 玄関のドアを開け、少し身体を出した途端にそんな音が聞こえた。

「………大人しく家に籠ってようかな? カーテンさえ開ければ日光浴出来るしね」

 そそくさと家の中に入り、玄関に鍵をかける。

 今日は外に出ないと意思表示をするため。

「さて、カーテンでも開けますか」

 カーテンを開け、日光浴をする。

 ………ジュゥ。

 ですよね。

 いや、錯覚なのは重々承知ですよ。

 日光で肌が焼かれる病気は存在するかも知れないけど、俺は至って健康体なのでそんな事は起きません。

 じゃあ何故聞こえるのかって?

 それは多分、身体が拒否反応を起こしてるんじゃないかな。

 一昨日、佐々木さん家に行ったのは目的があって行ったわけじゃん。

 目的のためなら身体も頑張ったんだよ。

 でも、今回は目的なく外に出ようとしてるじゃん。

 身体の方は「目的ないのに外出る意味あんの」的な感じで、拒否反応を起こしてるんじゃないかな?

 分かんないけどそういう事にしとこうかな、外出るの面倒臭くなってきたし。

 あああ、何をしようかな?

 アニメでも見ようかな。

 スマホで『泣けるアニメ』と検索し、ランキング1位のアニメを公式動画配信サイトで見始める。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふぐぅ、んんんふぐぅ」

 ヤバい、涙腺が崩壊した。

 涙が滝のように出てくる。

 ズビィィィ。

 片手で鼻を噛みながら、もう片方で涙を拭う。

 こんな感動したアニメ見たの久々だし、マジ泣きしたのも久々だよ。

 昼配信間近なのに、これじゃあ鼻声になるわ。

 ………あとでリスナーさん達と共有しよう。

 ちり紙をゴミ箱に捨て、アニメに評価をつける。

 もちろん、満点で。

 涙と鼻水で流した分の水分を補給し、スマホを見る。

「そういえばアニメを見てる時、メッセージが飛んできてたな」

 PCでアニメを見ている時は、メッセージが届いても無視をしている。アニメに集中したいから。

 メッセージはTwitterからで、シオンさんからだった。

「ええっと、なになに?」

 内容は、

『おはようございます。シオンです。

 朝早くにご連絡してすみません。格ゲーを嗜んでいる友人といったら滝さんしかおらず、連絡をさせて頂きました。

 今回、私シオンは、1週間後の鉄拳杯と呼ばれる3対3のストリーマー限定大会に出場することになり、メンバーを募集しています。

 どうか、私のチームに入っていただけないでしょうか。

 また、もう1人ほど格ゲーを嗜んでいるストリーマーがいましたら紹介していただけないでしょうか?』

 ………

 ……

 …

「はっ!」

 思考が停止してた。

 内容がちょっと意味分からず、考えることを放棄してた。

 ってか、鉄拳杯って何?

 ストリーマー限定の大会って何?

 そもそも、シオンさん格ゲーやってたの?

 ああああああ、ヤバい。また思考が停止しそうだ。

 ああああああああああああああああああ、

「あっ………タバコ吸おう」

 思考停止したので、一旦タバコに逃げる。

 そして、

『光栄ではありますが、俺でいいんでしょうか? 鉄拳は殆ど触ったことがなく、初心者なのですが。

 もし、それでも良いのでしたら参加させて頂きたいです。

 あと1人必要でしたら、俺の弟子を呼びますので返信の程よろしくお願いいたします』

 とだけ、返しておく。

 多分だけど、シオンさんの返信は………うん。

「さあて、昼配信は鉄拳の練習かな」

 俺はタバコの火を消して、配信部屋へと向かった。

 配信を始める直後に返信が返ってくる。

『よろしくお願いします』と。

 
 
 

 
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