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「はあ。まさか荷物検査までやってるとは思いもしなかったな」
学校に着くと校門の前で、身だしなみチェックと荷物検査が行われていた。
荷物検査は予告には無かったので、多分抜き打ちで行っているのだろう。
京介はバックの中にしまったネックレスを教師に取られ、俺は友人として注意を受けた。
「放課後取りに行くの面倒臭いな?」
俺も一緒に行くことが前提でコイツは話している。
「どうせ行かないって言ったって」
「もちろん、連れてくぜ」
サムズアップをする京介。
毎度のことなので、諦めている。
下駄箱から歩くこと数十秒、教室が見えてくる。
教室のドアには『1-1』の文字。
ここが俺らの席がある教室だ。
教室内に入ると、聞こえてくる話題は2つ。
1つは、先程俺らと同様にクラスメイトが受けたであろう持ち物検査について。
「マジで香水取られたんだけど!」
「ウチは化粧道具全部持ってかれた!」
「抜き打ちとかマジでめんどくさいよね」
女子は化粧道具と香水を、
「漫画持ってかれちゃった」
「トランプもダメか」
「飴が、俺の飴が」
男子は玩具やお菓子を。
そしてもう1つは、
「ニュース見た?」
「ヤバくない! 東京で行方不明者15人だよ」
「他県の人も被害に遭ってるんでしょ!」
(神隠しについてか)
終日ニュースで報道されているためか、教室内で事件のことを知らない者はいない。
だが会話の中には、俺の知らない事があった。
他県の人も被害に遭ってるという点。
話によると、他県から東京に遊びに行った人が行方不明になっている。東京駅までの足取りは掴めているもののその後が分からずじまいらしい。
今朝『神隠し』のニュースは見てこなかった為、新しい情報を知らない。
京介は見ていたらしいので、詳しいことを聞こうとするも、
(さっきまで隣にいたのにどこに行ったんだか」
教室に入るまで一緒にいた友人の姿はおらず、教室内にも見当たらない。
ひとまず、自分の席に座る。
席は1番後ろの窓側。クーラーが効いていようが、夏の窓側の席は暑い。
今日も雲一つなく、太陽は燦燦と輝いている。
(………HRまで少し時間があるな)
机に肘をつき、外を眺める。
ボーっと眺めていると、いつの間にかHRが始まっていた。
「轟木はどこに行った?」
担任が京介の名前を呼ぶ。
教室を見回すも京介の姿はどこにも居ない。
「神隠し?」
「マジで!」
「神奈川でも!」
「初じゃない!」
不謹慎極まりない発言だが、そう考えるのも仕方ない。
もしこれが、京介じゃない友人だった場合、俺は心配して探しに行っただろう。
だが、どうせ京介のことだ。
「ああ、腹痛かった! あっ、トイレに篭ってました!」
だろうと思ったよ。
「ああ、続けて続けて!」
京介は担任にそう言いながら、自身の席に着席をする。
席は1番前の廊下側。前にある分、クーラーが効いて心地良いのだろう。1限目の終わりのごろには必ずと言っていいほど寝ている。
「じゃあ、全員揃ったしHR始めるぞ!」
その言葉に生徒全員の視線が担任に向くのである。
学校に着くと校門の前で、身だしなみチェックと荷物検査が行われていた。
荷物検査は予告には無かったので、多分抜き打ちで行っているのだろう。
京介はバックの中にしまったネックレスを教師に取られ、俺は友人として注意を受けた。
「放課後取りに行くの面倒臭いな?」
俺も一緒に行くことが前提でコイツは話している。
「どうせ行かないって言ったって」
「もちろん、連れてくぜ」
サムズアップをする京介。
毎度のことなので、諦めている。
下駄箱から歩くこと数十秒、教室が見えてくる。
教室のドアには『1-1』の文字。
ここが俺らの席がある教室だ。
教室内に入ると、聞こえてくる話題は2つ。
1つは、先程俺らと同様にクラスメイトが受けたであろう持ち物検査について。
「マジで香水取られたんだけど!」
「ウチは化粧道具全部持ってかれた!」
「抜き打ちとかマジでめんどくさいよね」
女子は化粧道具と香水を、
「漫画持ってかれちゃった」
「トランプもダメか」
「飴が、俺の飴が」
男子は玩具やお菓子を。
そしてもう1つは、
「ニュース見た?」
「ヤバくない! 東京で行方不明者15人だよ」
「他県の人も被害に遭ってるんでしょ!」
(神隠しについてか)
終日ニュースで報道されているためか、教室内で事件のことを知らない者はいない。
だが会話の中には、俺の知らない事があった。
他県の人も被害に遭ってるという点。
話によると、他県から東京に遊びに行った人が行方不明になっている。東京駅までの足取りは掴めているもののその後が分からずじまいらしい。
今朝『神隠し』のニュースは見てこなかった為、新しい情報を知らない。
京介は見ていたらしいので、詳しいことを聞こうとするも、
(さっきまで隣にいたのにどこに行ったんだか」
教室に入るまで一緒にいた友人の姿はおらず、教室内にも見当たらない。
ひとまず、自分の席に座る。
席は1番後ろの窓側。クーラーが効いていようが、夏の窓側の席は暑い。
今日も雲一つなく、太陽は燦燦と輝いている。
(………HRまで少し時間があるな)
机に肘をつき、外を眺める。
ボーっと眺めていると、いつの間にかHRが始まっていた。
「轟木はどこに行った?」
担任が京介の名前を呼ぶ。
教室を見回すも京介の姿はどこにも居ない。
「神隠し?」
「マジで!」
「神奈川でも!」
「初じゃない!」
不謹慎極まりない発言だが、そう考えるのも仕方ない。
もしこれが、京介じゃない友人だった場合、俺は心配して探しに行っただろう。
だが、どうせ京介のことだ。
「ああ、腹痛かった! あっ、トイレに篭ってました!」
だろうと思ったよ。
「ああ、続けて続けて!」
京介は担任にそう言いながら、自身の席に着席をする。
席は1番前の廊下側。前にある分、クーラーが効いて心地良いのだろう。1限目の終わりのごろには必ずと言っていいほど寝ている。
「じゃあ、全員揃ったしHR始めるぞ!」
その言葉に生徒全員の視線が担任に向くのである。
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