月夜にまたたく魔法の意思

ag_harukawa

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第10章 二つの炎

15話

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「あの水盤が気がかりだな。それに、ゲイルの予言書も。なんだか凄く、嫌な感じがする」
 空が柄にもなく不安そうに朱雀に打ち明けた。
「ああ、俺もだよ」
 朱雀も同じように、今や言いようのない鬼気を感じている。魔女は、何を待っているんだ?
 確かに、水盤の横でゆらゆら揺れている魔女は不気味だ。戦闘には加わらず、あそこから離れようとしない。
 吏紀も怪しんで目を細めた。
「ダイヤモンドは最も攻撃力の高い石だが、永久の攻撃でさえあの水盤を壊すことはできなかった。一体、どんな仕掛けになってるんだろうな?」

 フミアルビーによってぶち抜かれた天井から、空からの光が弱く差し込んでいた。その影が伸びて、日暮れがそう遠くないことを知らせている。
 朱雀たちに残されている時間はあまり長くない。

「聖羅の中にいる魔女を、やろう」
 朱雀の声は静かに、仲間たちの耳に届いた。
 それは難しい決断を迫られて、残された時間と優先すべき課題を選別した結果だった。朱雀にとってもそれは苦渋の判断だった。
 空の顔が険しくなる。
「けど、まず魔女を引き離さないと、聖羅も、死ぬかもしれない」
 吏紀も、表情を硬くして応えた。
「おそらくその謎を解くのが、あの水盤なんだろうが……もう、時間がない」
「そんな……」
 美空は全身を強張らせて、友を諦めなければならない事態を、必死に受け止めようとした。けど、それは簡単なことではないはずだ。
 涙を呑みこみ、押し殺した美空の嗚咽が、優には聞こえた。悔しさに震える美空の肩が、すごく可哀そうだ。
 優には、美空の気持ちがよく分かる。

「朱雀、試してみたいことがあるんだけど」
 優はそう言って、首から下げている銀色狼の小刀をギュッと握りしめた。
 肩越しに優に視線を向ける朱雀に、優は、微笑みかける。
「銀色狼の牙は、邪悪な魂を滅ぼすでしょう。それで私たち、野外実習のときも、邪悪な王たちをやっつけたよね」
「まさか、その小刀で魔女をやるつもりじゃないよな」
「そのまさかなの。これで聖羅をちょっとだけ、刺して見るのはどうかな。それなら聖羅の肉体は無事で、魔女の魂だけ滅ぼせるかもしれないよ」
 優から発せられたこの小さな発想に、皆は少しだけ、考え込んだ。
 やがて、吏紀が頷く。
「なるほど、理屈にはかなってる。朱雀、やってみよう」

「まさかそんな小さな首飾りが、勝負の鍵を握ることになるとはな……。わかった、優。けど、魔女に近づくときは俺と一緒だ」
 朱雀はそう言って、素早く頭の中で陣形を組み直した。
「俺と優で、魔女に近づく。吏紀、永久、東條、そして桜は黒のダイヤモンドを。空、流和、美空、そして三次は黒のルビーを。いいか、ほんの少し、足止めするだけでいい。無理はするな。ここからは、狙いを魔女一本にしぼる」
「わかった」
「了解」
「そして魔女を牙で倒せたら、聖羅を連れてすぐにこの場所から撤退する」
「もし、牙で魔女を倒せなかったら……?」
「炎の魔法使いが二人もいるんだ。いずれにしろ、魔女に明日はないさ」
 そう言って、朱雀は仲間たちに微笑みかけると、イタズラにウィンクして見せた。そんな朱雀から、炎の優しい温かさが広がって、寒さに凍える仲間たちを勇気づけるのだった。

「優、行こう――」
 朱雀が、後方にいる優に向かって手を伸ばした、その時。
 優は強い力に頭から打たれて、バッタリとうつ伏せに地面に倒れた。

 だが、優だけではない。ビリビリと黒く霞む視界の先で、朱雀も、空も、吏紀も――。
 次々に仲間たちが地面の上に倒れるのが見えた。流和も空も、美空も東條も、そして、三次と桜も。誰も悲鳴さえ上げなかった。

 ゴロゴロゴロゴロ! 雷の音は、衝撃の後からやってきた。黒い稲妻が、倒れる10人の魔法戦士たちの上に、尚も降り注ぐ。
 息ができない。体が痺れて、感覚がない。意識が遠のいてゆく……。

 コツ、コツ、コツ。静かになった玉座の間に響く、革靴の音。――黒い、アメジストの力。

『紫苑、帰ったか』
「随分と、手こずっておられたようで」
 深くかぶったフードを後ろに押しやって、紫苑は魔女に向かって微笑みかけ、跪いた。
『見立てに狂いがなかったか、見定める時間が欲しかったのだ。阿魏戸と華留蛙はよくやってくれた。時は満ちた。――さあ、その子をこちらへ』

 紫苑はゆっくりと優のところにやってきて、力なく項垂れる体を軽々と抱き上げた。

「何を、……する、つもりだ」
 床の上に這いつくばる朱雀の瞳に、恐怖の色が滲む。優が、魔女のところに連れて行かれるからだ。それなのに体は麻痺して、少しも動かない。

 紫苑が優の体を水盤の上に横たえると、魔女は水盤にため置かれた血をすくい上げ、それを優の唇に塗った。
 ゲイルの予言書が歌い出す。

――選ばれし若き魔法使いが魔女に立ち向かうが、彼らは二度と戻ることはないだろう。
 だが、予言は二度、三度、書き換えられた。
 星たちの数式が、5つの光に命を与え、1つの光に犠牲を定めた。
 最後のルビーは黄泉には下れない。
 魔女の魂が血の川を渡り、ナジアスの心臓に棲みついて、シュコロボヴィッツの心を永遠に砕くから。

『欲しかったのは最初から、この娘の体』
「ダイヤモンドの娘が欲しいというのは、魔女さまの気まぐれ、ワガママ、引っ掛けだったのさ。本当に欲しいものを、『欲しい』という愚か者はいない」
 ックックック、と、聖羅の中で魔女が、声にならない笑いを漏らした。

「優……」
 朱雀は、この時ほど恐ろしいと思ったことはない。動け、動け、動け!
 水盤の上で横たわる優が、喘ぐように魔女に問い掛ける。
「聖羅は、助かるの?」
 と。
『それはお前しだい。抵抗なく我を受け入れるなら、この子の肉体は引き裂かれずに済むだろう』
「わかった」

 魔女が、優の唇に血の気のない聖羅の唇を重ねて、入って来た。
 底のない冷たさが優の体の奥深くに入ってくる。――優は悲鳴を上げた。死ぬことよりも恐ろしい闇が、優の体の中に入り、意識を隷従させてくる。
 だが、優は薄れゆく意識の中で、痛み切った聖羅の肉体を抱きしめ、優しい炎の力で包み込んだ。みんなが聖羅の帰りを願っているから。どうかこんな所で死なないで。

 やがて、白く濁って、光を映さなくなっていた聖羅の瞳に、彼女自身の淡い水晶の輝きが戻っていくのを、優は見た。――良かった、戻ってこられるね。

 優は起きあがり、聖羅の体をそっと地面に横たえた。
 そして立ち上がると、急速に意識が乗っ取られて行くのを感じた。魔女の声が頭の中で響き、もはや喋っているのは、優ではない。

『賢者ゲイルと、ダイナモンの光の魔法使いがやって来る……。阿魏戸、この体を完全に支配できるまで、我は少し休みたい』
「仰せのままに」
 高円寺 亜魏戸が優の体を抱き上げ、漆黒のローブを翻して魔女の城から飛び上がった。高円寺 華留蛙と、紫苑もそのすぐ後をついて来る。
 闇の魔法使いだけが、西の森奥地でも自由に飛びまわることができる。ここは、彼らの支配する領域なのだ。


 谷底を上ったその先は、乾いた草原になっていて、さらに進むと湿地の泥炭地になった。そこで阿魏戸は地面に舞い降り、人目を避けるように水草の中を歩き始めた。
 その時、亜魏戸の腕の中で魔女が眠ったのを、優は感じた。
 今、魔女の存在は優の左胸の中に脈打っている。その力はまだ、完全ではないようだ。

「少し、歩きたい」
 と、優が言うと、阿魏戸は何も言わずに優を地面に降ろしてくれた。枯れた水草が夕陽を受けて金色に輝いて見える。
 歩けば、足がぬかるみに取られて、冷たい水がローファーからジットリと浸みこんできた。
 その場所が、ダイナモンの試しの門で見た、水辺のほとりの光景、そのものであることに気づいて、優は心から安堵する自分に気がついた。
 他の誰かではなく、自分で良かった、と。
 
 突き従って歩いて来る、阿魏戸、華留蛙、紫苑を背に、優はそっと首から下げた美しい銀色狼の小刀を握りこんだ。柄に彫られたフェニキアバラが音もなく花開き、優の意思に呼応するかのように、刀身が銀色の光を帯びたのを見て、優は自分に言い聞かせた。大丈夫、きっと上手くやれる、と。
 そして優は、迷うことなく、力いっぱいそれを自分の左胸に突き刺した。

『ぐああああああ! 小娘が、何をしたああああ!?』
 
 左胸に深く鋭い痛みが走り、意思に反して優の口から喘ぎが漏れた。頭の中で魔女がのたうち狂気の叫びを上げるのを聞きながら、優はグッタリと濡れた水草の中に倒れ込んだ。生温かく、ぬるっとしたものが小刀を伝って優の手のひらに流れ出して来た。命と炎の瞬きが、とどめようもなく体から流れ出て行くのを感じながら、同時に、優の体内に入り込んでいた魔女の気配も遠のいてゆくことに、優は作戦の成功を確信した。
 穢れた魂は、黒い粒となって優の体外に吐きだされ、それは行き場を失ってくるくると優の周りを旋回し始めた。
 やがてその黒い魂の粒は、日の光を受けて粉々に弾け飛んでしまって、後には塵も残らなかった。

 魔女、アストラは消滅した。それは高円寺夫妻の目にも明らかだった。
 二人は何やら言い争って、優を殺そうとするが、わざわざ手を下さずとも優がすでに死にかけていることを見てとって、少しでも長く苦しませるためにその場に放置することに決めたようだ。二人は優に呪いの言葉を浴びせると、優をその場に残し、上空かなたに飛び去って行った。

「驚いた。自分の命を犠牲にして、こんなにも簡単に魔女さまを滅ぼしてしまうとは……」
 紫苑だけが、いつまでもその場にとどまり続けた。優は手を伸ばし、屈みこんできた紫苑の腕を掴んだ。
「マリー先生」
「元気なのか、真理子は」
「パペットの呪いがかけられてる。紫苑さんが戻らなければ、マリー先生、死んじゃうかもしれない」
「……、そうか」
「伝言――今でも、あなたを待っています。たとえ貴方が闇の世界に囚われようとも、私はあなたを永遠に、愛しています。紫苑さん、マリー先生のところに、戻ってあげて」
 優は不思議に思った。見上げるとそこにあるのは深い闇色なのに、マリー先生のことを話すと瞼が優しく下がる。その暗い瞳が、悲しみに揺れているように見えた。
「今さら、どうやって」
「光の中に、帰りたい?」
「帰りたくないと思ったことは、一度もない。けれど、僕にはもう闇しか見えないんだ」
「マリー先生のことを考えて。世界で一番大好きな人が、信じて待っていてくれるなら、できないことも『できる』って思える。……勇気が、湧いて来る。道しるべは、いつもここに……」

 優の白くて小さな手が紫苑の胸を指差すと、その指先から紅色の優しい炎が、スーッと紫苑の胸の中に吸い込まれて消えた。
『ルーメン エスト』 ――光よ、あれ。

 瞬きした紫苑の瞳から、涙がこぼれ落ちた。まるでバースデーケーキの蝋燭の灯りみたいに、優しい炎。
 世界はまだ、こんなにも光に満ちているのか。その目が見つめる先に一筋の光明が差し、そのたった一筋の光が闇を切り裂いて、明るく道を照らし出してゆく。
 青白い顔で、優が笑った。
「ほらすごく、綺麗……」
 優の目に、まばゆいばかりのアメジストの光に包まれた紫苑の姿が映る。光はそこに、いつも私たちの内側から溢れだすもの。

 正気を取り戻した紫苑は、急に険しい顔つきで冷たくなりかけている優の体を抱き上げた。
「君を、助けなければ」
「これを、はずさないといけないの」
 と、優は右手の親指にはめられている、大きなルビーの指輪を見せた。それは、朱雀にしか外すことのできない、特別なプレシディオ・リング。優がこのまま死んでしまえば、朱雀の命も危ない。だから優は、死ぬ前に朱雀に指輪をはずしてもらわなければいけない、と思ったのだ。

 優は胸ポケットからまだ使わずにとっておいた金色の鍵の1つを取り出すと、それを宙にかざしてねじった。
 キュルルルル!
 金色の線を割って、空中に最速のシュピシャー・ドラゴンが元気に躍り出してきた。
「シュピシャー……、チビドラゴンさん。大急ぎで、朱雀を呼んで来て」
 優が今にも息絶えそうなことに気づいたのか、一瞬、チビドラゴンはその大きな金色の目を不安そうに潤ませた。だが、優の願いを聞き入れて、すぐにクルリと反転すると、残像の残る速さで翼をバタつかせて宙を駆って行った。

 紫苑も、優を抱きかかえて朱雀のいる、魔女の城に向かって歩き出す。優の体になるべく振動が加わらないように、ゆっくり、優しく運び進む。
 空を飛べればもっと早かったのだろうが、闇を払った紫苑は、すでに西の森では飛ぶことができなかった。

――きっと、間に合わない。
 優がそう悟るのに、さして時間はかからなかった。あと何回、息を吸い、吐くことができるだろうか。意識が手のひらから滑り落ち、命の音が遠ざかっていくのを感じる。
 その時優は、最後の力振り絞り、プレシディオ・リングを胸の前で握りしめた。

『どうか朱雀が生涯、幸せで、愛に満ち溢れた毎日を送りますように。お願い、朱雀の命を守って……』
 願いを込めて吹きかけた優の炎の息吹を受けて、プレシディオ・リングが強く輝いた。

 それを最後に、優は紫苑の腕の中で眠るように目を閉じて、再び目覚めることはなかった。

――朱雀、大好きだよ。
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