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18 ◇気付けて良かった
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託児室のある建物から外へ出ると、うだるような暑さだった。
「あー、本当にお腹空いたな。一太先生、なに食べる?」
松島がそう言って一太の方を振り向くと、ふら、と一太の上体が揺れるのが目に入った。慌てて抱きとめて目を見開く。
え、細い。
細いことは分かっていたつもりだったが、想像していたよりずっと薄い体に、松島はぞっとした。
「大丈夫? しんどい?」
「あ…………?」
一太は少しの間、松島にもたれ掛かって動かず、そうかと思えば急にびくり、と体を離した。
「ごめん。……太陽が眩しくて」
目を伏せて言った言葉は、まるっきりの言い訳だ。
松島が改めて一太の顔を観察すると、目の下の隈は濃く顔色が悪い。顎の下にはぷつぷつと赤い湿疹があって、肌は、夏だと言うのにかさかさと乾いて荒れていた。いつもこんな様子だったような気もするが、と思ってから、いやいや、と思い直す。松島と学食で食べるようになってからは、顔色はもう少し改善していたはずだ。何より、元気だった。
松島は、初めての現場に緊張していて、朝の挨拶を交わしたときには、久しぶりに会った一太のそんな様子には気付きもしなかった。実際の託児が始まってからは、本当に自分のことでいっぱいいっぱいだった。今の今まで、うまくできなかった今日の自分の反省で埋め尽くされていた胸のうちが、あっという間に一太への心配でいっぱいになる。
どうしよう。ちょっと病院に連れていった方がいいだろうか。いや、まずはご飯をしっかり食べさせよう。そうだ。大好きなハンバーガーならたくさん食べるかもしれない。あれなら野菜と肉とパンがいっぺんに食べられるし、ポテトも野菜だし、オレンジジュースでビタミンが取れるんじゃないか。
「学食のうどん食べたいな……」
「え?」
よし、ハンバーガー屋に行こう、と思い始めていた松島は、驚いて聞き返してしまう。
「学食……。あったかいうどん食べたい……」
「あ、ああ」
「やってるかな……?」
松島は、素早くスマホで大学のホームページを開いた。調べながら空いている手を繋ぐ。一太がぎゅっと握りかえしてくれてほっとした。
「あ、うん。……いいね、近いし。夏休みも、お盆以外は部活の人のために開けてるって。メニューは、長期休み限定の品になってるからいつも通りではないけど、部活に入ってない人も食べられるみたいだ」
一太が、ほっとしたように笑って頷いたので、その手を引いて通い慣れた大学へと向かった。
「あー、本当にお腹空いたな。一太先生、なに食べる?」
松島がそう言って一太の方を振り向くと、ふら、と一太の上体が揺れるのが目に入った。慌てて抱きとめて目を見開く。
え、細い。
細いことは分かっていたつもりだったが、想像していたよりずっと薄い体に、松島はぞっとした。
「大丈夫? しんどい?」
「あ…………?」
一太は少しの間、松島にもたれ掛かって動かず、そうかと思えば急にびくり、と体を離した。
「ごめん。……太陽が眩しくて」
目を伏せて言った言葉は、まるっきりの言い訳だ。
松島が改めて一太の顔を観察すると、目の下の隈は濃く顔色が悪い。顎の下にはぷつぷつと赤い湿疹があって、肌は、夏だと言うのにかさかさと乾いて荒れていた。いつもこんな様子だったような気もするが、と思ってから、いやいや、と思い直す。松島と学食で食べるようになってからは、顔色はもう少し改善していたはずだ。何より、元気だった。
松島は、初めての現場に緊張していて、朝の挨拶を交わしたときには、久しぶりに会った一太のそんな様子には気付きもしなかった。実際の託児が始まってからは、本当に自分のことでいっぱいいっぱいだった。今の今まで、うまくできなかった今日の自分の反省で埋め尽くされていた胸のうちが、あっという間に一太への心配でいっぱいになる。
どうしよう。ちょっと病院に連れていった方がいいだろうか。いや、まずはご飯をしっかり食べさせよう。そうだ。大好きなハンバーガーならたくさん食べるかもしれない。あれなら野菜と肉とパンがいっぺんに食べられるし、ポテトも野菜だし、オレンジジュースでビタミンが取れるんじゃないか。
「学食のうどん食べたいな……」
「え?」
よし、ハンバーガー屋に行こう、と思い始めていた松島は、驚いて聞き返してしまう。
「学食……。あったかいうどん食べたい……」
「あ、ああ」
「やってるかな……?」
松島は、素早くスマホで大学のホームページを開いた。調べながら空いている手を繋ぐ。一太がぎゅっと握りかえしてくれてほっとした。
「あ、うん。……いいね、近いし。夏休みも、お盆以外は部活の人のために開けてるって。メニューは、長期休み限定の品になってるからいつも通りではないけど、部活に入ってない人も食べられるみたいだ」
一太が、ほっとしたように笑って頷いたので、その手を引いて通い慣れた大学へと向かった。
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