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108 嬉しくて、でも、悲しかった
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「いっちゃん」
晃が、ぐっと体を離して、真剣な顔で一太を見た。ぎゅって抱っこしてもらってたのが嬉しかったから、離れたら少し寂しい。
「エプロンなんだけど」
「うん?」
「僕、その……」
そこで、一旦言葉を切った晃が、急に立ち上がった。季節外れの服を入れてあるプラスチックケースを開けると、何かを取り出して戻ってくる。
「これ、いっちゃんにプレゼント」
見るからに贈り物に見える、綺麗な袋に入った何かを手渡される。
「プレゼント……って?」
「ええ、と。誕生日! そう、誕生日のプレゼント!」
「?」
一太は、手渡された袋を手に持って、ただ首を傾げた。
「あの。もういっちゃんの誕生日が過ぎてしまってるのは知ってるんだけど、好きな人の誕生日をお祝いしたくて、その……」
晃が必死で説明してくれるが、一太にはなんの事だかさっぱり分からない。
「誕生日だからって、岸田さんも言ってたんだけど」
「うん?」
晃の今の顔も、岸田が一太に、誕生日のプレゼントを安倍に内緒で渡したいと言った時の、少し嬉しそうな、照れたような顔とよく似ていた。どうやら皆にとって誕生日がとても特別らしいということを、一太は何となく察した。
けれど、一太の今までの人生で、誕生日は何の日でもなかった。なんなら今年、二十歳になって届いた年金支払いの案内で、誕生日は何が届くか分からない恐ろしい日になったくらいだ。
いつもなら一太は、岸田にしたように、へええ、と相槌などを打って話を先に進めたのだろう。けれど、こうしてプレゼントなんてものを差し出されてしまったら、分からないまま受け取る訳にいかない。
普段から、晃は、分からないことはどんな事でも聞いてくれたらいい、と一太に話してくれている。おかしいかな、と思うことも、気にせずに聞いてほしい。絶対に、おかしいと思ったりしないから、と。
今が、その時なのではないか。
「誕生日、には、その……プレゼントを、渡すもの、なの? ふ、普通は?」
「え、うん。たぶん……」
「だ、誰でも?」
「んん?」
目の前に座った晃が、首を傾げている。晃が質問の意味を理解できないくらい、おかしな質問だったという事だろうか。
なんと言えば、晃くんに伝わる? 皆にとって普通である何かがそこにはあって、でも、何が分かっていないのかが一太には分からない。
「ごめん、何でもな……」
「いっちゃん」
諦めかけた一太に、晃が首を横に振る。
「ゆっくりでいいから、教えて。二人で解決しよう? 分からないことをそのままにしたくない」
ああ、そうか。
こうして、どこまでも付き合ってくれるから、一太は、晃のことが大好きなのだ。
だから一太は、もう一度よく頭の中を整理してみた。考えろ、考えろ。
プレゼント。そう、プレゼントだ。これを、どうして人は人へ渡すのか。
誕生日だから、と岸田さんは言った。安倍くんの誕生日に、プレゼントを渡したいのだと。相手が必要だと思っている物を渡したいから、エプロンはどうだろう、と言った。考えて、照れて、笑って。何も分かっていない一太の、適当な返事に一喜一憂して。
晃は、一太の誕生日にプレゼントを渡したかったのだと言った。安倍くんのプレゼントを考えている時の岸田さんと、似たような顔で。何だか一生懸命、言葉を添えて渡してくれたプレゼント。こうして綺麗に包まれたプレゼントを、手にしたことはない、と思う。本当に小さな頃のことは、覚えていないけれど。
晃は、なんと言ったか。
好きな人の誕生日をお祝いしたい……?
弟の誕生日には毎年、プレゼントとご馳走が……。
「あ、ああ! 分かった、晃くん。俺、分かった……」
ぽん、と一太の頭の中で繋がるものがあった。
誕生日のプレゼントとご馳走と、そしてケーキ。
そうか! そうなんだ……!
世の中では、好きな人の誕生日をお祝いするものなんだ。
「ええ、と。いっちゃん?」
一太は、戸惑う晃の言葉も耳に入らず、手に持たされた綺麗な袋をじっと見た。
晃くんは、俺の誕生日のプレゼントって言った。
俺の? 俺の誕生日の?
そうだとしたら、これは、一太が二十年生きてきて初めての、誕生日の、プレゼントである。
かたかたと、手が震え出した。
驚いて、嬉しくて。
俺に、プレゼントをくれる人がいるんだと、一太は震えた。
先ほどの考えが正解なら、晃は、一太の誕生日をお祝いしてくれるくらいに、一太のことが好きだという事だ。今まで散々、晃に言ってもらっていた、好きという言葉が、急にすとんと胸に落ちた。
自分は、どうだろう、と考えてみる。
今までの一太は、自分が祝われたことがなかったので知らなかったのだけれども。もし今、弟の誕生日に何かが行われていた時に加わりたかったかと聞かれれば、加わりたくなかったと答えるだろう。誕生日は祝うものだと知ったところで、望の誕生日に何かを贈りたいか、祝いたいかと問われれば、答えは否だ。まあ、望のことは好きではないので、当たり前か。
では、好きな人、と考えると浮かんでくるのは、岸田さんや安倍くんだ。二人にプレゼントを渡したいか、と問われると一太は少し困ってしまう。好きな人皆に渡していたら、どんなにお金があっても足りないんじゃないだろうか。好きだけれど、そんなにたくさんの人にプレゼントを配れるほどのお金が無い。この辺りは、どうしたらいいんだろう……。
いや、大事なのはそこじゃない。
晃くんならどうなのか、という事だ。
絶対にあげたいな、と一太は思った。
好きな人の誕生日にお祝いをする、というのが一般的なのなら、俺は晃くんの誕生日をお祝いしたい。プレゼントを贈って喜んでもらえたら、どんなに嬉しい事だろう。
手作りの品、とかの方がいい? と岸田が言っていたから、買うばかりでなく、何かを作って渡してもいいのかもしれない。
そうか。
そうだったのか!
「いっちゃん? え? どうして泣いてるの? ねえ、何が分かったの? ごめん、僕には全然分からなくて。ね、教えてくれる?」
ひく、と一太の喉が鳴ったのは、悲しいからじゃない。誕生日を祝い合う相手ができた事が嬉しかったからだ。これは、嬉しい涙。そのはず。
でも、と頭の隅で悲しんでいる一太がいる。
祝われなかった二十年。誰にも祝ってもらえなかった二十回分の誕生日を過ごしたのだ、という事に、一太は気付いてしまった。
気付いて、しまったのだ。
晃が、ぐっと体を離して、真剣な顔で一太を見た。ぎゅって抱っこしてもらってたのが嬉しかったから、離れたら少し寂しい。
「エプロンなんだけど」
「うん?」
「僕、その……」
そこで、一旦言葉を切った晃が、急に立ち上がった。季節外れの服を入れてあるプラスチックケースを開けると、何かを取り出して戻ってくる。
「これ、いっちゃんにプレゼント」
見るからに贈り物に見える、綺麗な袋に入った何かを手渡される。
「プレゼント……って?」
「ええ、と。誕生日! そう、誕生日のプレゼント!」
「?」
一太は、手渡された袋を手に持って、ただ首を傾げた。
「あの。もういっちゃんの誕生日が過ぎてしまってるのは知ってるんだけど、好きな人の誕生日をお祝いしたくて、その……」
晃が必死で説明してくれるが、一太にはなんの事だかさっぱり分からない。
「誕生日だからって、岸田さんも言ってたんだけど」
「うん?」
晃の今の顔も、岸田が一太に、誕生日のプレゼントを安倍に内緒で渡したいと言った時の、少し嬉しそうな、照れたような顔とよく似ていた。どうやら皆にとって誕生日がとても特別らしいということを、一太は何となく察した。
けれど、一太の今までの人生で、誕生日は何の日でもなかった。なんなら今年、二十歳になって届いた年金支払いの案内で、誕生日は何が届くか分からない恐ろしい日になったくらいだ。
いつもなら一太は、岸田にしたように、へええ、と相槌などを打って話を先に進めたのだろう。けれど、こうしてプレゼントなんてものを差し出されてしまったら、分からないまま受け取る訳にいかない。
普段から、晃は、分からないことはどんな事でも聞いてくれたらいい、と一太に話してくれている。おかしいかな、と思うことも、気にせずに聞いてほしい。絶対に、おかしいと思ったりしないから、と。
今が、その時なのではないか。
「誕生日、には、その……プレゼントを、渡すもの、なの? ふ、普通は?」
「え、うん。たぶん……」
「だ、誰でも?」
「んん?」
目の前に座った晃が、首を傾げている。晃が質問の意味を理解できないくらい、おかしな質問だったという事だろうか。
なんと言えば、晃くんに伝わる? 皆にとって普通である何かがそこにはあって、でも、何が分かっていないのかが一太には分からない。
「ごめん、何でもな……」
「いっちゃん」
諦めかけた一太に、晃が首を横に振る。
「ゆっくりでいいから、教えて。二人で解決しよう? 分からないことをそのままにしたくない」
ああ、そうか。
こうして、どこまでも付き合ってくれるから、一太は、晃のことが大好きなのだ。
だから一太は、もう一度よく頭の中を整理してみた。考えろ、考えろ。
プレゼント。そう、プレゼントだ。これを、どうして人は人へ渡すのか。
誕生日だから、と岸田さんは言った。安倍くんの誕生日に、プレゼントを渡したいのだと。相手が必要だと思っている物を渡したいから、エプロンはどうだろう、と言った。考えて、照れて、笑って。何も分かっていない一太の、適当な返事に一喜一憂して。
晃は、一太の誕生日にプレゼントを渡したかったのだと言った。安倍くんのプレゼントを考えている時の岸田さんと、似たような顔で。何だか一生懸命、言葉を添えて渡してくれたプレゼント。こうして綺麗に包まれたプレゼントを、手にしたことはない、と思う。本当に小さな頃のことは、覚えていないけれど。
晃は、なんと言ったか。
好きな人の誕生日をお祝いしたい……?
弟の誕生日には毎年、プレゼントとご馳走が……。
「あ、ああ! 分かった、晃くん。俺、分かった……」
ぽん、と一太の頭の中で繋がるものがあった。
誕生日のプレゼントとご馳走と、そしてケーキ。
そうか! そうなんだ……!
世の中では、好きな人の誕生日をお祝いするものなんだ。
「ええ、と。いっちゃん?」
一太は、戸惑う晃の言葉も耳に入らず、手に持たされた綺麗な袋をじっと見た。
晃くんは、俺の誕生日のプレゼントって言った。
俺の? 俺の誕生日の?
そうだとしたら、これは、一太が二十年生きてきて初めての、誕生日の、プレゼントである。
かたかたと、手が震え出した。
驚いて、嬉しくて。
俺に、プレゼントをくれる人がいるんだと、一太は震えた。
先ほどの考えが正解なら、晃は、一太の誕生日をお祝いしてくれるくらいに、一太のことが好きだという事だ。今まで散々、晃に言ってもらっていた、好きという言葉が、急にすとんと胸に落ちた。
自分は、どうだろう、と考えてみる。
今までの一太は、自分が祝われたことがなかったので知らなかったのだけれども。もし今、弟の誕生日に何かが行われていた時に加わりたかったかと聞かれれば、加わりたくなかったと答えるだろう。誕生日は祝うものだと知ったところで、望の誕生日に何かを贈りたいか、祝いたいかと問われれば、答えは否だ。まあ、望のことは好きではないので、当たり前か。
では、好きな人、と考えると浮かんでくるのは、岸田さんや安倍くんだ。二人にプレゼントを渡したいか、と問われると一太は少し困ってしまう。好きな人皆に渡していたら、どんなにお金があっても足りないんじゃないだろうか。好きだけれど、そんなにたくさんの人にプレゼントを配れるほどのお金が無い。この辺りは、どうしたらいいんだろう……。
いや、大事なのはそこじゃない。
晃くんならどうなのか、という事だ。
絶対にあげたいな、と一太は思った。
好きな人の誕生日にお祝いをする、というのが一般的なのなら、俺は晃くんの誕生日をお祝いしたい。プレゼントを贈って喜んでもらえたら、どんなに嬉しい事だろう。
手作りの品、とかの方がいい? と岸田が言っていたから、買うばかりでなく、何かを作って渡してもいいのかもしれない。
そうか。
そうだったのか!
「いっちゃん? え? どうして泣いてるの? ねえ、何が分かったの? ごめん、僕には全然分からなくて。ね、教えてくれる?」
ひく、と一太の喉が鳴ったのは、悲しいからじゃない。誕生日を祝い合う相手ができた事が嬉しかったからだ。これは、嬉しい涙。そのはず。
でも、と頭の隅で悲しんでいる一太がいる。
祝われなかった二十年。誰にも祝ってもらえなかった二十回分の誕生日を過ごしたのだ、という事に、一太は気付いてしまった。
気付いて、しまったのだ。
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