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第六章 家族と暮らす
10 優しい人 成人
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嬉しい言葉を聞いて、俺はぎゅっと緋色の服を掴んだ。
俺が死ぬまで、変わることはない。
緋色の言葉が頭の中で止まってる。
俺が死ぬまで?緋色が死ぬまで、俺はずっと緋色の伴侶ってこと?俺が先に死んでも、ずっと緋色の伴侶は俺だけ?きっと俺は、緋色より先に死んじゃうけど、その後も俺を一番好きでいてくれる?
嬉しい!
「何だ?ここから入れたのがそんなに嬉しかったのか?」
俺に合わせて歩いてくれながら緋色が言う。
違うよー。入り口なんてどこでもいいし。何なら、お城に入れなくても別に構わない。
「緋色、好き。大好き」
「知ってるよ」
緋色は俺を抱っこして、口にちゅっとした。
「えへへ」
嬉しくてそのまましがみついてるうちに、小さな部屋に入っていた。机と椅子が四つと、小さな水場がある。それと鍵のついた棚。兵士が一人中に居て、何か書類を書いていた。
「どうかしたか……」
部屋に居た兵士は何か言いかけて、緋色を見た途端に素早く立ち上がり、包拳礼の姿勢を取った。
おお、すごい。早い。
「仕事中に邪魔をしてすまない。出してほしい書類がある」
「はっ」
この人も、昨日扉の前に立っていた人だな。三人で交代で入り口を守っているのかな。
「成人のことを俺の愛し子と書いてある文書と、この入り口を通ることのできる人間の名簿だ」
「は。いえ、しかしそれは……」
「出せ」
部屋に居た兵士は、じいやに引きずられるように部屋に入ってきた兵士をちらりと見た。その兵士が、すっかり疲れたような顔で首を縦に振る。
それを見て、部屋に居た兵士が、腰に付けていた鍵を棚の扉にぶら下がる鍵の鍵穴に差し込んで外した。棚の中には書類が幾つか積み上がっていて、そっと何枚か捲っては確認した後で二枚取り出す。
すぐに目を通した緋色が、ふん、と小さく呟いてそれを常陸丸に渡した。
「殿下!」
「何だ?」
「それは、誰もが見ていい文書ではございません!」
声を上げながら、常陸丸の手から書類を奪い返そうとした兵士は、常陸丸に片手で押さえられた。
「戸籍課に行きますか」
兵士を片手で制圧して、書類にざっと目を通した常陸丸が言った時には、緋色はもう部屋の戸を開けていた。
「緋色殿下!規則は守って頂きたく……」
「黙れ。近衛隊の文書を近衛隊の常陸丸が読むことに、何の問題がある?」
「あ、いや、は……」
え?もしかして、この人、常陸丸も皇族を護る近衛隊だということを忘れてたの?今日は、きっちり正装してるのに?
「弁えろ。近衛隊の序列を持ち出されたいのか?」
「いえ。いいえ!ご無礼の程、誠に申し訳なく……」
「俺ではなく、常陸丸と成人に謝れ。此度の件、この文書に従った行動であると言うことで、直接の咎めはせん。だが、お前らの顔は覚えた。俺の不興を買ったこと努々忘れるな」
常陸丸とじいやに手を離された兵士二人は、床に正座をして、大きく頭を下げた。
「無礼を働き、誠に申し訳ございませんでした」
立ち止まって謝る時間を与えた緋色は、やっぱり優しい。
俺が死ぬまで、変わることはない。
緋色の言葉が頭の中で止まってる。
俺が死ぬまで?緋色が死ぬまで、俺はずっと緋色の伴侶ってこと?俺が先に死んでも、ずっと緋色の伴侶は俺だけ?きっと俺は、緋色より先に死んじゃうけど、その後も俺を一番好きでいてくれる?
嬉しい!
「何だ?ここから入れたのがそんなに嬉しかったのか?」
俺に合わせて歩いてくれながら緋色が言う。
違うよー。入り口なんてどこでもいいし。何なら、お城に入れなくても別に構わない。
「緋色、好き。大好き」
「知ってるよ」
緋色は俺を抱っこして、口にちゅっとした。
「えへへ」
嬉しくてそのまましがみついてるうちに、小さな部屋に入っていた。机と椅子が四つと、小さな水場がある。それと鍵のついた棚。兵士が一人中に居て、何か書類を書いていた。
「どうかしたか……」
部屋に居た兵士は何か言いかけて、緋色を見た途端に素早く立ち上がり、包拳礼の姿勢を取った。
おお、すごい。早い。
「仕事中に邪魔をしてすまない。出してほしい書類がある」
「はっ」
この人も、昨日扉の前に立っていた人だな。三人で交代で入り口を守っているのかな。
「成人のことを俺の愛し子と書いてある文書と、この入り口を通ることのできる人間の名簿だ」
「は。いえ、しかしそれは……」
「出せ」
部屋に居た兵士は、じいやに引きずられるように部屋に入ってきた兵士をちらりと見た。その兵士が、すっかり疲れたような顔で首を縦に振る。
それを見て、部屋に居た兵士が、腰に付けていた鍵を棚の扉にぶら下がる鍵の鍵穴に差し込んで外した。棚の中には書類が幾つか積み上がっていて、そっと何枚か捲っては確認した後で二枚取り出す。
すぐに目を通した緋色が、ふん、と小さく呟いてそれを常陸丸に渡した。
「殿下!」
「何だ?」
「それは、誰もが見ていい文書ではございません!」
声を上げながら、常陸丸の手から書類を奪い返そうとした兵士は、常陸丸に片手で押さえられた。
「戸籍課に行きますか」
兵士を片手で制圧して、書類にざっと目を通した常陸丸が言った時には、緋色はもう部屋の戸を開けていた。
「緋色殿下!規則は守って頂きたく……」
「黙れ。近衛隊の文書を近衛隊の常陸丸が読むことに、何の問題がある?」
「あ、いや、は……」
え?もしかして、この人、常陸丸も皇族を護る近衛隊だということを忘れてたの?今日は、きっちり正装してるのに?
「弁えろ。近衛隊の序列を持ち出されたいのか?」
「いえ。いいえ!ご無礼の程、誠に申し訳なく……」
「俺ではなく、常陸丸と成人に謝れ。此度の件、この文書に従った行動であると言うことで、直接の咎めはせん。だが、お前らの顔は覚えた。俺の不興を買ったこと努々忘れるな」
常陸丸とじいやに手を離された兵士二人は、床に正座をして、大きく頭を下げた。
「無礼を働き、誠に申し訳ございませんでした」
立ち止まって謝る時間を与えた緋色は、やっぱり優しい。
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