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第七章 冠婚葬祭
29 何に怒っているのか 成人
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「朱実が、成人との婚姻届を受理せずに隠したことを知った際には本当に腹が立ったが、もう腹が立ちすぎて、朱実のことがどうでも良くなった。だが、謝ってきたことだし、あからさまに邪険にすると成人が気にするから、通常の付き合いは続けようと思っていた」
「ほほ。その調子」
緋色は、低い声で喋る。眉間に皺を寄せて。緋見呼さまは緋色と朱実殿下の間で座ったまま、少し机から後ろにずれた。二人が互いによく見えるように。
俺って邪魔じゃないかな?
もぞもぞしたけど、緋色はますますぎゅっと俺のお腹に回した手に力を入れた。うん。こういう時は、体を預けるのが正解。お話をちゃんと聞こう。きっと大事なことだ。
「だがこいつは、自分の誕生日の会食に成人を呼ばなかった」
「え……?」
朱実殿下のそんな声は珍しい。
「そのくせ、自分はこちらの誕生日会に呼んでくれと要求してくる。おかしくないか?おかしいよな?」
「そ、れは……。申し訳なかった」
朱実殿下は、何だかしゅんとした様子で頭を下げた。
「気付いてもいなかったのか?わざとそうした訳でもなく。今年は身内だけの簡単な会合だとか言っておいて、身内の中に弟の伴侶は入っていない?」
朱実殿下は、真っ直ぐに緋色を見た。
「正直、頭に無かった」
「まだ、わざとの方が良かった」
緋色も、朱実殿下を真っ直ぐに見て言う。眉間の皺はまだある。眉間をなでなでしたいな。皺を伸ばしてあげたい。
「そうか。まだわざとの方が良かったのか……。成人がお前の戸籍に入るまでは、そんなことでお前の戸籍を汚したくないとの思いが強く、成人のことがいつも頭の隅にあった。だが先日、ついに伴侶として戸籍が作られたと聞いてからは、もう頭に無かったよ。過ぎたことは仕方ないからな。そこからはただ、お前と今までのような関係に戻りたくて、そちらにばかり頭がいっていた。成人を利用すればお前が応えてくれるから、楽しい催しに参加してお前と話ができないかと考えたり……」
俺のことは、今はあんまり考えてなかった?まあ俺も朱実殿下は、声を掛けられたり手紙を貰ったらお返事するだけの人だと思ってるし、一緒じゃない?好きでも嫌いでもない人。でも、仲良しの赤璃さまの伴侶ってことは知ってるよ。可愛い朱音殿下のお父さんってことも。
「忘れるな。俺の伴侶は生涯ただ一人」
「…………っ」
朱実殿下が息を飲んだ。そんなに、びっくりする?俺たちには当たり前のことなのに。
「お前がそれを理解していないことに、俺はずっと怒ってる」
「ほほ。その調子」
緋色は、低い声で喋る。眉間に皺を寄せて。緋見呼さまは緋色と朱実殿下の間で座ったまま、少し机から後ろにずれた。二人が互いによく見えるように。
俺って邪魔じゃないかな?
もぞもぞしたけど、緋色はますますぎゅっと俺のお腹に回した手に力を入れた。うん。こういう時は、体を預けるのが正解。お話をちゃんと聞こう。きっと大事なことだ。
「だがこいつは、自分の誕生日の会食に成人を呼ばなかった」
「え……?」
朱実殿下のそんな声は珍しい。
「そのくせ、自分はこちらの誕生日会に呼んでくれと要求してくる。おかしくないか?おかしいよな?」
「そ、れは……。申し訳なかった」
朱実殿下は、何だかしゅんとした様子で頭を下げた。
「気付いてもいなかったのか?わざとそうした訳でもなく。今年は身内だけの簡単な会合だとか言っておいて、身内の中に弟の伴侶は入っていない?」
朱実殿下は、真っ直ぐに緋色を見た。
「正直、頭に無かった」
「まだ、わざとの方が良かった」
緋色も、朱実殿下を真っ直ぐに見て言う。眉間の皺はまだある。眉間をなでなでしたいな。皺を伸ばしてあげたい。
「そうか。まだわざとの方が良かったのか……。成人がお前の戸籍に入るまでは、そんなことでお前の戸籍を汚したくないとの思いが強く、成人のことがいつも頭の隅にあった。だが先日、ついに伴侶として戸籍が作られたと聞いてからは、もう頭に無かったよ。過ぎたことは仕方ないからな。そこからはただ、お前と今までのような関係に戻りたくて、そちらにばかり頭がいっていた。成人を利用すればお前が応えてくれるから、楽しい催しに参加してお前と話ができないかと考えたり……」
俺のことは、今はあんまり考えてなかった?まあ俺も朱実殿下は、声を掛けられたり手紙を貰ったらお返事するだけの人だと思ってるし、一緒じゃない?好きでも嫌いでもない人。でも、仲良しの赤璃さまの伴侶ってことは知ってるよ。可愛い朱音殿下のお父さんってことも。
「忘れるな。俺の伴侶は生涯ただ一人」
「…………っ」
朱実殿下が息を飲んだ。そんなに、びっくりする?俺たちには当たり前のことなのに。
「お前がそれを理解していないことに、俺はずっと怒ってる」
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