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第七章 冠婚葬祭
48 衣装部で相談するお仕事 成人
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「こんにちは」
「成人さま。ようこそいらっしゃいました」
お昼ご飯の後で、お城の衣装部を訪ねると、いつもの若い女の人がお出迎えしてくれた。扉を開けてから包拳礼をしてくれるから、びっくりしてしまう。
「俺にはいらないよ?」
と、言ってから、あ、いるんだったっけ、と思い出す。そろそろ慣れないといけないな……。
「いるんだった。ええ、と。もういいよ」
「はい」
にこにこ笑って顔を上げてくれたから良かった。
「まだ慣れてなくて、ごめんね」
いらないって言えないなら、格好良く受け取るしかないよね?格好良く受け取れるように練習しよう……。
「いえ。お気になさいませんよう。成人さまへの敬意ですので、お受け取り頂けると嬉しいです」
「うん」
そう。いらないよって言っちゃ駄目なのだ。せっかくくれている気持ちなのだから、ありがとうって受け取るのが正解。
うん。敬意をくれて、ありがとう。
緋色が選んだ人だからって、俺のことも大事にしてくれるのは、とても嬉しい。緋色のことを尊敬して、大事に思っているってことだもんね。俺のことを大事にしてくれる人は、緋色のことをとても大事に思っている人なんだって分かったから、俺は堂々と礼を受けることにした。だから、ありがとうって笑える。
緋色の横で、長生きする!
「本日は、どのようなご用件ですか?」
お客さま用のソファに座ると、すぐにお茶を出してくれた。蓋を開けても湯気が出ないから、きっと淹れておいてくれたんだ。俺が熱いの苦手って知ってる!赤璃さまのとこの侍女さん、朝桐と一緒。この人も、いっつも優しい。
そうだ、名前。名前聞いておこう。
「名前、なあに?」
「へ?」
「え?」
女の人は、びっくりした顔をして少し止まった。
「……あ、ああ。名前?名前、ですか?」
「うん。俺は、成人です」
「あ、ええ、と。私は、祈里です。祈里と申します」
「祈里。よろしくね」
名前だけ?俺と一緒だ。名字はないのかな?ある人の方が多いみたいだけど、無い人もいるから、どっちでもいいか。両方名乗られると、どっちを呼べばいいか分からなくなるし、名前だけ言ってくれると助かる。
「あ、あ、あの、よろしくお願いします」
何か涙浮かべてるけど、どうしたのかな。大丈夫?どっか痛い?しんどい?
「祈里、大丈夫?」
「あ、あ、いえ。何でもありません。すみません。お気になさらず」
祈里は目をぱしぱしと瞬いてから、よし、と何故か気合いを入れた。
うーん?
「申し訳ありません。もう大丈夫です。それで、本日のご用件は……」
「あ、そうそう。あのね、結婚式の衣装を相談してこいって緋色が」
結婚式の衣装……、と呟いた祈里が俺を上から下までしっかり眺めて、ものすごく、ものすごく嬉しそうな顔で笑った。
「受け賜りましてございます!!」
うん。……うん?
「成人さま。ようこそいらっしゃいました」
お昼ご飯の後で、お城の衣装部を訪ねると、いつもの若い女の人がお出迎えしてくれた。扉を開けてから包拳礼をしてくれるから、びっくりしてしまう。
「俺にはいらないよ?」
と、言ってから、あ、いるんだったっけ、と思い出す。そろそろ慣れないといけないな……。
「いるんだった。ええ、と。もういいよ」
「はい」
にこにこ笑って顔を上げてくれたから良かった。
「まだ慣れてなくて、ごめんね」
いらないって言えないなら、格好良く受け取るしかないよね?格好良く受け取れるように練習しよう……。
「いえ。お気になさいませんよう。成人さまへの敬意ですので、お受け取り頂けると嬉しいです」
「うん」
そう。いらないよって言っちゃ駄目なのだ。せっかくくれている気持ちなのだから、ありがとうって受け取るのが正解。
うん。敬意をくれて、ありがとう。
緋色が選んだ人だからって、俺のことも大事にしてくれるのは、とても嬉しい。緋色のことを尊敬して、大事に思っているってことだもんね。俺のことを大事にしてくれる人は、緋色のことをとても大事に思っている人なんだって分かったから、俺は堂々と礼を受けることにした。だから、ありがとうって笑える。
緋色の横で、長生きする!
「本日は、どのようなご用件ですか?」
お客さま用のソファに座ると、すぐにお茶を出してくれた。蓋を開けても湯気が出ないから、きっと淹れておいてくれたんだ。俺が熱いの苦手って知ってる!赤璃さまのとこの侍女さん、朝桐と一緒。この人も、いっつも優しい。
そうだ、名前。名前聞いておこう。
「名前、なあに?」
「へ?」
「え?」
女の人は、びっくりした顔をして少し止まった。
「……あ、ああ。名前?名前、ですか?」
「うん。俺は、成人です」
「あ、ええ、と。私は、祈里です。祈里と申します」
「祈里。よろしくね」
名前だけ?俺と一緒だ。名字はないのかな?ある人の方が多いみたいだけど、無い人もいるから、どっちでもいいか。両方名乗られると、どっちを呼べばいいか分からなくなるし、名前だけ言ってくれると助かる。
「あ、あ、あの、よろしくお願いします」
何か涙浮かべてるけど、どうしたのかな。大丈夫?どっか痛い?しんどい?
「祈里、大丈夫?」
「あ、あ、いえ。何でもありません。すみません。お気になさらず」
祈里は目をぱしぱしと瞬いてから、よし、と何故か気合いを入れた。
うーん?
「申し訳ありません。もう大丈夫です。それで、本日のご用件は……」
「あ、そうそう。あのね、結婚式の衣装を相談してこいって緋色が」
結婚式の衣装……、と呟いた祈里が俺を上から下までしっかり眺めて、ものすごく、ものすごく嬉しそうな顔で笑った。
「受け賜りましてございます!!」
うん。……うん?
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