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第九章 礼儀を知る人知らない人
71 すぐ来たらしい 成人
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お昼ご飯の時間まで八百屋さんでお手伝いをして、お家に帰ってご飯を食べる。鶴丸が来る予定を聞いていたから、今日の俺の予定は全部、鶴丸のお手伝いにしてあった。最初から俺のできるお手伝いだったからすごく嬉しかった。清さんのお手伝いは、しょっちゅうしてるから得意。忙しかったなあ。お客さんがどんどん来て、ぶどうはあっという間に売れていった。俺たちが帰る時にはまだ少し残ってたけど、次に見に行ったら無くなってるんじゃないかな。そのくらいの勢いで売れていた。安いもんね! いつもより安くていつも通りに美味しそうなんだから、そりゃあ買っちゃうよ。最初のお客さんが帰って少ししたら、話を聞いて急いで来たっていう人がたくさん来た。話が伝わるのが早い。
あ、でも、そうか。俺が、商店街を歩いてたりお手伝いしてる時も、なるちゃんが来てるって聞いたよーって言う人がいっぱいいるな。うん。皆、仲良しってことかな。離宮でも、誰が何をしてるか皆知ってるし、そういうものなのかもしれない。
「殿下、来ました」
「お。行くぞ」
「はいはい。そやけど、まさかその日のうちとは」
「はは。相手もなかなか素早いじゃないか」
「そんだけ、ええ商売やったってことですよね」
「そういうことだ」
「うわあ。腹立つわー」
緋色の側に現れた一ノ瀬がひと言。まだ昼ご飯休憩の時間中なのに、緋色たちが、ぱっと立ち上がった。
待って待って。
緋色や鶴丸たちはご飯を食べ終えていたけど、俺はまだだった。
「俺も。俺も行く」
「ちゃんと食え」
「食べた」
「残ってる」
「後で食べる」
置いていかれても、気になって食べられないよ。
「殿下」
一ノ瀬が、珍しく緋色にもう一回声をかける。
「あー、もう。行くぞ」
残してごめん。後で食べる。絶対食べる。
大急ぎで行ったのは、また八百屋さん。人がたくさん集まって大騒ぎになっていた。
「どうしたの?」
「あ、なるちゃん。何だかね、この果物はどこから仕入れたんだって、清さんにえらい勢いで詰め寄る男が来てさ。もう残り少なかったから私たちは並んでたってのに、ずかずかと前に行くもんだから、皆で文句言ったんだよ。欲しいなら並びなさいって。そうしたら、自分はこの果物の仕入れの業者だ、とか言ってさ。清さんも知り合いみたいで。男が、この果物は盗品だの偽物だの言い始めて、よく分かんないことになってんのよ」
盗品? 偽物? 鶴丸の印入りなのに?
あ、でも、そうか。俺が、商店街を歩いてたりお手伝いしてる時も、なるちゃんが来てるって聞いたよーって言う人がいっぱいいるな。うん。皆、仲良しってことかな。離宮でも、誰が何をしてるか皆知ってるし、そういうものなのかもしれない。
「殿下、来ました」
「お。行くぞ」
「はいはい。そやけど、まさかその日のうちとは」
「はは。相手もなかなか素早いじゃないか」
「そんだけ、ええ商売やったってことですよね」
「そういうことだ」
「うわあ。腹立つわー」
緋色の側に現れた一ノ瀬がひと言。まだ昼ご飯休憩の時間中なのに、緋色たちが、ぱっと立ち上がった。
待って待って。
緋色や鶴丸たちはご飯を食べ終えていたけど、俺はまだだった。
「俺も。俺も行く」
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一ノ瀬が、珍しく緋色にもう一回声をかける。
「あー、もう。行くぞ」
残してごめん。後で食べる。絶対食べる。
大急ぎで行ったのは、また八百屋さん。人がたくさん集まって大騒ぎになっていた。
「どうしたの?」
「あ、なるちゃん。何だかね、この果物はどこから仕入れたんだって、清さんにえらい勢いで詰め寄る男が来てさ。もう残り少なかったから私たちは並んでたってのに、ずかずかと前に行くもんだから、皆で文句言ったんだよ。欲しいなら並びなさいって。そうしたら、自分はこの果物の仕入れの業者だ、とか言ってさ。清さんも知り合いみたいで。男が、この果物は盗品だの偽物だの言い始めて、よく分かんないことになってんのよ」
盗品? 偽物? 鶴丸の印入りなのに?
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