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19 闇への誘い
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「5年ぶりだなぁ……会いたかったぜ?ま、もっともお前がおねんねしてる間に会ってはいるがな」
剣を肩に乗せ、何とも嬉しそうな口調で話すベリル。
その口ぶりからは、村人を殺したことへの罪の意識など微塵も感じられない。
むしろ、愉しんでいるようにすら見える。
「君は一体……何をしているんだっ!」
「見てわからないか?でぇっ!」
「ぎゃあっ!」
僕と話をしつつ、背後からの攻撃を回避し逆袈裟方向に一撃。またも、村人の命が奪われる。
「やめろっ!」たまらず駆け出して詰め寄るが、
「おっと」
首元に剣を突き出され、阻まれる。刃から滴り落ちる血に、彼への怒りが一層強くなる。
「何故だ、何故こんなことを?僕たちは人々を……この世界を守るため戦っていたんじゃないのか!」
「ああそうだな……けどな、気づいたんだよ。こんな世界は滅びたほうがいいってな」
「人間は、皆殺しだ!」
「邪魔が多いな……ふんっ」
彼は襲い掛かる男へ左手から黒い衝撃波を放ち吹き飛ばすと、そのまま腕を上げ、ドーム状の薄い膜を展開。中にいるのは、僕ら二人だけだ。
「見ろ、奴らの姿を」
彼は剣先で外を指しつつ、僕へ語り掛ける。
外には、どうにかしてこの壁を破ろうとしている村人達。
殴り、斬り付け、魔法を浴びせ。一心不乱なその姿からは、みなぎる殺意が見て取れた。
「醜い姿だと思わないか?一部の人間から受けた恨みを、『人間』という種族全体にまで広げ、皆殺しを謳う」
「だが人間も人間だ。平和になった途端、自分たちが頂点と思い上がり他種族を排斥し始めた。しかもそれだけじゃ飽き足らず、人間同士で戦争まで始める始末だ」
「何が言いたい……?」
「こんな世界に、守る価値なんかないってことさ……だからな」
一通り語り終えると、彼は僕に詰め寄り――
「俺と来い、ハジメ」
「なっ……」
僕の顎に左手をゆっくりと這わせながら、そう言った。
「お前はエヴォリュート、『進化』した生命体……つまり選ばれた存在と言ってもいい。その力を持ってすれば全てを超えることができる……そう、神すらも。そんなお前が、こんな醜い世界を守る必要があるか?いいやない。だからな?俺と一緒に来い、この素晴らしい闇の世界に。闇は離れないんだよ、ハジメ。陽はいずれ沈み、夜が来る。だが影は……闇はいつだってそこにある。それと同じだ。お前が俺と一緒に来てくれたなら……寂しい思いはもうさせない。あの頃のように、また一緒に行こう。この世界を……滅ぼす旅に。これからはずっと一緒だ……ハジメ」
彼は僕の背後から腕を回し、耳元で囁く。
背筋に走る寒気に耐えつつも、僕は彼に目線をやり、返した。
「……それは、できない」
首を横に振る。
「竜人族の中にだって、ルージュのような人がいた。人間の僕を、信じてくれた人がいた!」
僕は叫び、腕を振り払う。
そして彼を見据え、懐から短剣を取り出す。
「だから僕も信じたい。人の……心の光を!」
そう宣言し、トリガーを押した。
『エヴォリューション!ジェネス・ウェイクアップ!』
僕の体が光に包まれ、変わる。
「この力は……その為の物だっ!」
「クク……そうか、そうかハジメ……ハハハ」
彼は僕を見て、何処か寂しげにも聞こえる笑いを上げると――
「なら、守ってみろよ」
彼もまた杖のような物体を取り出し、禍々しい装飾が施された鍵を装填。それを天に掲げ、トリガーを押した。
『サモン・マグニス!』声とともに空に現れた魔法陣から、あの魔人が姿を現す。
「言われなくても……そうするさ!」
僕は飛び上がり、壁を砕き割ってそのまま空へ。魔人の下へと直進し、
「デャアッ!」渾身の力を持って、その頭部を殴りつけた――!
剣を肩に乗せ、何とも嬉しそうな口調で話すベリル。
その口ぶりからは、村人を殺したことへの罪の意識など微塵も感じられない。
むしろ、愉しんでいるようにすら見える。
「君は一体……何をしているんだっ!」
「見てわからないか?でぇっ!」
「ぎゃあっ!」
僕と話をしつつ、背後からの攻撃を回避し逆袈裟方向に一撃。またも、村人の命が奪われる。
「やめろっ!」たまらず駆け出して詰め寄るが、
「おっと」
首元に剣を突き出され、阻まれる。刃から滴り落ちる血に、彼への怒りが一層強くなる。
「何故だ、何故こんなことを?僕たちは人々を……この世界を守るため戦っていたんじゃないのか!」
「ああそうだな……けどな、気づいたんだよ。こんな世界は滅びたほうがいいってな」
「人間は、皆殺しだ!」
「邪魔が多いな……ふんっ」
彼は襲い掛かる男へ左手から黒い衝撃波を放ち吹き飛ばすと、そのまま腕を上げ、ドーム状の薄い膜を展開。中にいるのは、僕ら二人だけだ。
「見ろ、奴らの姿を」
彼は剣先で外を指しつつ、僕へ語り掛ける。
外には、どうにかしてこの壁を破ろうとしている村人達。
殴り、斬り付け、魔法を浴びせ。一心不乱なその姿からは、みなぎる殺意が見て取れた。
「醜い姿だと思わないか?一部の人間から受けた恨みを、『人間』という種族全体にまで広げ、皆殺しを謳う」
「だが人間も人間だ。平和になった途端、自分たちが頂点と思い上がり他種族を排斥し始めた。しかもそれだけじゃ飽き足らず、人間同士で戦争まで始める始末だ」
「何が言いたい……?」
「こんな世界に、守る価値なんかないってことさ……だからな」
一通り語り終えると、彼は僕に詰め寄り――
「俺と来い、ハジメ」
「なっ……」
僕の顎に左手をゆっくりと這わせながら、そう言った。
「お前はエヴォリュート、『進化』した生命体……つまり選ばれた存在と言ってもいい。その力を持ってすれば全てを超えることができる……そう、神すらも。そんなお前が、こんな醜い世界を守る必要があるか?いいやない。だからな?俺と一緒に来い、この素晴らしい闇の世界に。闇は離れないんだよ、ハジメ。陽はいずれ沈み、夜が来る。だが影は……闇はいつだってそこにある。それと同じだ。お前が俺と一緒に来てくれたなら……寂しい思いはもうさせない。あの頃のように、また一緒に行こう。この世界を……滅ぼす旅に。これからはずっと一緒だ……ハジメ」
彼は僕の背後から腕を回し、耳元で囁く。
背筋に走る寒気に耐えつつも、僕は彼に目線をやり、返した。
「……それは、できない」
首を横に振る。
「竜人族の中にだって、ルージュのような人がいた。人間の僕を、信じてくれた人がいた!」
僕は叫び、腕を振り払う。
そして彼を見据え、懐から短剣を取り出す。
「だから僕も信じたい。人の……心の光を!」
そう宣言し、トリガーを押した。
『エヴォリューション!ジェネス・ウェイクアップ!』
僕の体が光に包まれ、変わる。
「この力は……その為の物だっ!」
「クク……そうか、そうかハジメ……ハハハ」
彼は僕を見て、何処か寂しげにも聞こえる笑いを上げると――
「なら、守ってみろよ」
彼もまた杖のような物体を取り出し、禍々しい装飾が施された鍵を装填。それを天に掲げ、トリガーを押した。
『サモン・マグニス!』声とともに空に現れた魔法陣から、あの魔人が姿を現す。
「言われなくても……そうするさ!」
僕は飛び上がり、壁を砕き割ってそのまま空へ。魔人の下へと直進し、
「デャアッ!」渾身の力を持って、その頭部を殴りつけた――!
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