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20 《転生者》と言う名の外来種
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それから。俺たちはマリスが教えてくれた小屋へと避難し、一息ついていた。
老人は落ち着かない様子で、俺をーー正確には俺の持っているスマートフォンをーーずっと見つめている。
「その風貌……それにスマートフォン。やはり君は……《転生者》か」
「どうしてそれを……まさか、貴方も?」
「うむ……」
苦々しい顔を浮かべて頷く老人。
その表情からは、抑えきれぬ悲しみの念が見て取れる。
アロガに続いて2人目の転生者に会ったことに驚きを隠せなかったが、今はそれどころではない。
「マリス、どう思う?奴らのあの装備……」
俺は先程マリスが伝えてくれたことへ、質問を投げかける。
キュリオさんが最近開発したレイヴンテクター……その技術がこんなにも早く外部に漏れ、使われている。
いくら何でも早すぎる、と俺は感じたのだ。
『内部から情報及びを漏洩させている者がいると考えるのが妥当かと』
「だよな……許せないよ」
人々の平和な暮らしを守るための道具を、無差別に人を傷つけるために使うなんて。
開発したキュリオさんの思いを、何だと思っているんだーーそんな怒りが募る。
「嗚呼、やはり恐れていた事態になってしまったか……私がいなければ、こんな事には……!」
その会話を聞き、1人後悔の言葉を口にする老人。
俺は気になり、聞いてみた。
「何で貴方が悔やむ必要が?」
「……私なのだ」
「え?」
「この世界に現代技術を持ち込んだのは……他でもない私なのだ!」
そう言うと、老人は己の過去を語り出した。
俺は姿勢を正し、聞くーー
※
「俺、また何かしましたか?」
それが、若き日の私の口癖だった。
私は、神の使いと名乗る者より、人並外れた肉体と現代知識、それにあらゆる物を作り出せる技術力を与えられてこの世界に生まれ変わった。
思えば、当時の私は考え足らずであった。
後先考えず技術をひけらかし、常に他者より優位に立とうとしていた。
実際、私は誰よりも優位に立てた。当然だ。この世界には存在し得ない物を外部から持ち込んでいるのだから。
言ってしまえば、《チート》。
しかしチートにはリスクが付き物であるということをーー私は忘れていた。
そしてもはや引き返せないところまで行きついてから、私は気づいた。
この世界の理を、私は崩してしまっていたということに。
外来種、という言葉がある。
ブラックバスやカミツキガメ、セイヨウタンポポーー例を挙げればキリがないが、いずれにも共通点が存在している。
それはーーその地の生態系を大きく乱してしまうということだ。
時に在来種を捕食し、時に生育環境を奪い。
そして回復しようのないほどの傷を与えてしまうのが外来種である。
その姿は、まるで侵略者だ。
私もまたーーそれと同じなのだ。
誰よりも強い力を与えられたせいで天敵も存在せず、好き勝手に振る舞った。
そのツケがーーあのような兵器の開発を許してしまった。
当時仲の良かった、1人の男。彼は常に、《正義》とは何か、ということに拘っていた。
そして彼は、私の持ち込んだ技術に目をつけた。
魔法のように適性を持たずとも訓練で扱えるようになる銃。
馬という不安定な外付け動力など無くとも己の動力で動く自動車。
彼はそれらを積極的に取り入れ、武装化を推し進めた。
そして、ある組織を結成したのだーー
※
「まさか、それって……!」
「左様。それこそが《レイヴンズ》のはじまり。あの組織は、私の罪の証なのだ」
「でも、彼らは平和のために……」
「違うのだ!」
俺の言葉を強い口調で遮り、肩へ掴みかかる老人。
その熱量に圧倒され、目を丸くするばかりであった。
「お主も見たであろう。奴らの着けていた装備を」
「え、あ、はい」
「……確かに、何も知らぬ者は純粋な心で平和のためと戦っている。それは事実だ。しかしーー奴は違う」
「奴?」
「私の古き友にして《レイヴンズ》長官、カイセ・タダシ……奴は自身の《正義》への執着を満たすため、兵器の情報を拡散している!」
老人は落ち着かない様子で、俺をーー正確には俺の持っているスマートフォンをーーずっと見つめている。
「その風貌……それにスマートフォン。やはり君は……《転生者》か」
「どうしてそれを……まさか、貴方も?」
「うむ……」
苦々しい顔を浮かべて頷く老人。
その表情からは、抑えきれぬ悲しみの念が見て取れる。
アロガに続いて2人目の転生者に会ったことに驚きを隠せなかったが、今はそれどころではない。
「マリス、どう思う?奴らのあの装備……」
俺は先程マリスが伝えてくれたことへ、質問を投げかける。
キュリオさんが最近開発したレイヴンテクター……その技術がこんなにも早く外部に漏れ、使われている。
いくら何でも早すぎる、と俺は感じたのだ。
『内部から情報及びを漏洩させている者がいると考えるのが妥当かと』
「だよな……許せないよ」
人々の平和な暮らしを守るための道具を、無差別に人を傷つけるために使うなんて。
開発したキュリオさんの思いを、何だと思っているんだーーそんな怒りが募る。
「嗚呼、やはり恐れていた事態になってしまったか……私がいなければ、こんな事には……!」
その会話を聞き、1人後悔の言葉を口にする老人。
俺は気になり、聞いてみた。
「何で貴方が悔やむ必要が?」
「……私なのだ」
「え?」
「この世界に現代技術を持ち込んだのは……他でもない私なのだ!」
そう言うと、老人は己の過去を語り出した。
俺は姿勢を正し、聞くーー
※
「俺、また何かしましたか?」
それが、若き日の私の口癖だった。
私は、神の使いと名乗る者より、人並外れた肉体と現代知識、それにあらゆる物を作り出せる技術力を与えられてこの世界に生まれ変わった。
思えば、当時の私は考え足らずであった。
後先考えず技術をひけらかし、常に他者より優位に立とうとしていた。
実際、私は誰よりも優位に立てた。当然だ。この世界には存在し得ない物を外部から持ち込んでいるのだから。
言ってしまえば、《チート》。
しかしチートにはリスクが付き物であるということをーー私は忘れていた。
そしてもはや引き返せないところまで行きついてから、私は気づいた。
この世界の理を、私は崩してしまっていたということに。
外来種、という言葉がある。
ブラックバスやカミツキガメ、セイヨウタンポポーー例を挙げればキリがないが、いずれにも共通点が存在している。
それはーーその地の生態系を大きく乱してしまうということだ。
時に在来種を捕食し、時に生育環境を奪い。
そして回復しようのないほどの傷を与えてしまうのが外来種である。
その姿は、まるで侵略者だ。
私もまたーーそれと同じなのだ。
誰よりも強い力を与えられたせいで天敵も存在せず、好き勝手に振る舞った。
そのツケがーーあのような兵器の開発を許してしまった。
当時仲の良かった、1人の男。彼は常に、《正義》とは何か、ということに拘っていた。
そして彼は、私の持ち込んだ技術に目をつけた。
魔法のように適性を持たずとも訓練で扱えるようになる銃。
馬という不安定な外付け動力など無くとも己の動力で動く自動車。
彼はそれらを積極的に取り入れ、武装化を推し進めた。
そして、ある組織を結成したのだーー
※
「まさか、それって……!」
「左様。それこそが《レイヴンズ》のはじまり。あの組織は、私の罪の証なのだ」
「でも、彼らは平和のために……」
「違うのだ!」
俺の言葉を強い口調で遮り、肩へ掴みかかる老人。
その熱量に圧倒され、目を丸くするばかりであった。
「お主も見たであろう。奴らの着けていた装備を」
「え、あ、はい」
「……確かに、何も知らぬ者は純粋な心で平和のためと戦っている。それは事実だ。しかしーー奴は違う」
「奴?」
「私の古き友にして《レイヴンズ》長官、カイセ・タダシ……奴は自身の《正義》への執着を満たすため、兵器の情報を拡散している!」
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