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第2章 光
第4話 冷たい素振り
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★◇◆◇◆◇◆◇
あらら……
確かに、これはひとりじゃ無理だよね。
自慢の足で駆けつけたターメリックが見たものは、車輪が砂に埋まって傾いた荷台だった。
荷台はターメリックが両手を広げたぐらいの大きさで、車輪は4つ……
そのうちの左側がふたつとも砂に埋まって、身動きが取れなくなっている。
「ふぬぬ……っ!」
荷台の持ち主らしい少年が持ち上げようとしているものの、荷台は知らん顔でもしているかのように、びくともしない。
「あ! ぼくも手伝うよ!」
ターメリックも並んで荷台に手をかけてみたが、非力なターメリックが手伝ったところで自体は変わらなかった。
それにしても……
「お……重いね、これ……!」
「……オレの……全、財産、だから……っ!」
全財産……?
持ち上げる手を休めて、荷台の中を覗いてみた。
そこには、服や靴といった日用品や、何やら雑多な食料品がうず高く積まれている。
底のほうには、高価な刀剣などが仕舞い込まれているようだった。
どこかから、家出してきたのかな……
ターメリックは、隣で必死になっている少年の顔を覗き込んでみた。
黒髪に、黒い瞳……
背丈や顔立ちからいって、ターメリックよりも年下かもしれない。
クランより……は、わからない。
まぁ……それは今は置いといて。
こっちを早くなんとかしないと。
「……」
「……」
ターメリックと少年が力を合わせて荷台を持ち上げようと格闘していると、浜辺をゆっくりと歩いていたクランが、ようやくふたりの前に現れた。
「あ、クラン、君……ちょうど良かった、手伝って、くれると、嬉しい……な」
「……」
しかし、クランはターメリックの呼びかけに手を貸そうとしなかった。
そして、荷台を見つめてこう言った。
「思ったんだけど……中の荷物を全部降ろしたら、荷台が軽くなるから動かせるんじゃない」
「……」
その一言に、ターメリックは隣の少年と顔を見合わせた。
まさに、クランの言う通りだった。
な、なんで気がつかなかったんだろう……!
ターメリックはそう思いつつ、同じことを思っているだろう少年と協力して、荷台から荷物をすべて降ろした。
中身が無くなった荷台は、先ほどの重さが嘘のように軽くなり、ターメリックと少年だけで運べるほどになった。
荷台を車輪が埋まらない茂みへと協力して移動させ、それから降ろした荷物を復元した。
荷台から出すときも思ったけれど……
とんでもない量の荷物だなぁ……
ターメリックは、せっせと荷台の中に収まっていた日用品やらを運びながら、これをひとりで引いてきた少年を感心したように眺めていた。
「あぁ、よかった……ふたりとも、ありがとう。どうなることかと思ったけど、助かったよ」
荷物をすべて積み終えた少年は、白い歯を見せて笑った。
風になびく黒髪が、少年の人懐っこい笑顔を際立たせている。
そして、
「あ、まだ名前言ってなかったな。オレはノウェム。よろしくな」
そう言って右手を差し出した。
ターメリックはその手を握り返しながら笑顔で名乗ったが、クランは手も出さずにそっぽを向いたまま短く名乗っただけだった。
それでもノウェムという名の少年は、嬉しそうに何度も「ありがとう」と頷いていた。
ノウェム君か……
どこの国から来たんだろう。
ターメリックは、復元した荷台に視線を向けた。
「この荷台と荷物って、全部ノウェム君のものなんだよね?」
尋ねてみると、ノウェムは嬉しそうに「もちろん!」と胸を張った。
「今までの旅で集めてきた、いろんな国の宝物。それから、要らなくなった日用品なんかを買い取って売り捌いて貯めてきた金貨。つまり……オレの全財産ってわけさ!」
「え、ってことは……これ、全部売り物ってこと?」
「ああ、そうだぜ。すごいだろ?」
自慢げなノウェムの笑顔に、ターメリックは「あはは」と笑って、
「とんでもない大荷物だから、ぼくはてっきり家出でもしてきたのかなって思ってたよ」
「え、家出? オレが?」
ターメリックの一言に、ノウェムは目を丸くして驚いていた。
そしてクランはというと、呆れた様子で荷台の側面を指差した。
そこには、大型船と小豆をデザインしたエンブレムが飾られていた。
「マスカーチ公国の商人は、自分の荷台に家の紋章をあしらったエンブレムをつけて区別する……って、地下の物置にあった本で読んだことあるよ」
「そういえば……スパイス帝国の市場でも、見たことある気がするなぁ」
「気がするんじゃなくて、見ているのに気がついてなかっただけじゃないの」
「あー……うん、そうだね」
相変わらず、クランは痛いところを突いてくる。
意地悪なことを言っているようでいて、だいたいが本当のことなので、ターメリックも何も言い返せない。
……というか、どうして見てきたようなことが言えるんだろう。
もしかして……
もう、ぼくの性格とかをわかってくれている……わけないか。
話を戻そう。
「ノウェム君って、マスカーチ公国の商人なんだね」
「そうそう。この荷台を引いてるのに、家出してきたなんて言われたの、初めてだ。あんた……ターメリックか、面白いこと言うんだな」
「え、あ……ありがとう」
「この人別に褒めてないと思うけど」
「……」
まったく、話が進まないでしょうが。
クラン君はもう黙っててよ。
ターメリックは渋い顔でポリポリと頭を搔いた。
鉱山を持つスパイス帝国、漁業の国ヌフ=ブラゾン王国、農業の国パン王国……
マスカーチ公国の商人は、モンド大陸の3つの大国を行き来して商売をしている。
マスカーチ公国はスパイス帝国の隣国であるため、よく貴金属と食料品を売買していた。
ターメリックが見ているのに気がついていなかったのは、マスカーチ公国の商人がスパイス帝国の城下町に溢れていたせいかもしれない。
「……で、マスカーチ公国の商人がクリスタニアに何しに来たの。ここは自給自足でやっているし、必要なものは間に合ってるから、商売は無理だよ。どうしてもって言うなら、考えるけど。でも、どこかよそへ行ったほうがいいんじゃない」
クランは、相変わらず抑揚のない喋り方で、よそ者のノウェムに冷たい言葉を浴びせた。
ああ、もう……
なんでそんなこと言うのかな。
まあ、今すぐ帰れって言わないだけいいのかもしれないけど……
ターメリックはノウェムが怒ってしまわないかと心配で不安になったが、クランの事情を知らないノウェムは気にしていない様子で「違う違う」と、にこやかに手を振った。
「確かにオレはマスカーチ公国の商人で、ここまで商売をしながら旅をしてきたわけだけどさ……本当にやりたいことは商売じゃない、かもしれないんだ」
「え、そうなの?」
「うん……なんていうのかな、自分がどこで何をすべきなのか、その答えを探していてさ……だから、しばらくここで暮らしてみて、自分が本当にやりたいことを探そうと思ってるんだ」
なるほど、そうだったのか。
ターメリックは、いわゆる「自分探し」にやって来たノウェムに頷いてみせた。
ノウェムはというと、クランに向かって「いいかな?」と尋ねている。
先ほどの冷たく簡単な説明で、クランのほうがクリスタニアの代表に近い存在だとわかったようだ。
その中で、クランは「ふーん」とつまらなそうに返事をして、
「とりあえず、向こうの小屋まで一緒に来て。神の使いの叔父さんにも相談しないといけないから」
そう言って歩き出したクランの顔は寂しげで、ターメリックには、
「どうせ仲良くなっても、すぐにここからいなくなってしまうくせに」
と、書いてあるように見えた。
つづく
あらら……
確かに、これはひとりじゃ無理だよね。
自慢の足で駆けつけたターメリックが見たものは、車輪が砂に埋まって傾いた荷台だった。
荷台はターメリックが両手を広げたぐらいの大きさで、車輪は4つ……
そのうちの左側がふたつとも砂に埋まって、身動きが取れなくなっている。
「ふぬぬ……っ!」
荷台の持ち主らしい少年が持ち上げようとしているものの、荷台は知らん顔でもしているかのように、びくともしない。
「あ! ぼくも手伝うよ!」
ターメリックも並んで荷台に手をかけてみたが、非力なターメリックが手伝ったところで自体は変わらなかった。
それにしても……
「お……重いね、これ……!」
「……オレの……全、財産、だから……っ!」
全財産……?
持ち上げる手を休めて、荷台の中を覗いてみた。
そこには、服や靴といった日用品や、何やら雑多な食料品がうず高く積まれている。
底のほうには、高価な刀剣などが仕舞い込まれているようだった。
どこかから、家出してきたのかな……
ターメリックは、隣で必死になっている少年の顔を覗き込んでみた。
黒髪に、黒い瞳……
背丈や顔立ちからいって、ターメリックよりも年下かもしれない。
クランより……は、わからない。
まぁ……それは今は置いといて。
こっちを早くなんとかしないと。
「……」
「……」
ターメリックと少年が力を合わせて荷台を持ち上げようと格闘していると、浜辺をゆっくりと歩いていたクランが、ようやくふたりの前に現れた。
「あ、クラン、君……ちょうど良かった、手伝って、くれると、嬉しい……な」
「……」
しかし、クランはターメリックの呼びかけに手を貸そうとしなかった。
そして、荷台を見つめてこう言った。
「思ったんだけど……中の荷物を全部降ろしたら、荷台が軽くなるから動かせるんじゃない」
「……」
その一言に、ターメリックは隣の少年と顔を見合わせた。
まさに、クランの言う通りだった。
な、なんで気がつかなかったんだろう……!
ターメリックはそう思いつつ、同じことを思っているだろう少年と協力して、荷台から荷物をすべて降ろした。
中身が無くなった荷台は、先ほどの重さが嘘のように軽くなり、ターメリックと少年だけで運べるほどになった。
荷台を車輪が埋まらない茂みへと協力して移動させ、それから降ろした荷物を復元した。
荷台から出すときも思ったけれど……
とんでもない量の荷物だなぁ……
ターメリックは、せっせと荷台の中に収まっていた日用品やらを運びながら、これをひとりで引いてきた少年を感心したように眺めていた。
「あぁ、よかった……ふたりとも、ありがとう。どうなることかと思ったけど、助かったよ」
荷物をすべて積み終えた少年は、白い歯を見せて笑った。
風になびく黒髪が、少年の人懐っこい笑顔を際立たせている。
そして、
「あ、まだ名前言ってなかったな。オレはノウェム。よろしくな」
そう言って右手を差し出した。
ターメリックはその手を握り返しながら笑顔で名乗ったが、クランは手も出さずにそっぽを向いたまま短く名乗っただけだった。
それでもノウェムという名の少年は、嬉しそうに何度も「ありがとう」と頷いていた。
ノウェム君か……
どこの国から来たんだろう。
ターメリックは、復元した荷台に視線を向けた。
「この荷台と荷物って、全部ノウェム君のものなんだよね?」
尋ねてみると、ノウェムは嬉しそうに「もちろん!」と胸を張った。
「今までの旅で集めてきた、いろんな国の宝物。それから、要らなくなった日用品なんかを買い取って売り捌いて貯めてきた金貨。つまり……オレの全財産ってわけさ!」
「え、ってことは……これ、全部売り物ってこと?」
「ああ、そうだぜ。すごいだろ?」
自慢げなノウェムの笑顔に、ターメリックは「あはは」と笑って、
「とんでもない大荷物だから、ぼくはてっきり家出でもしてきたのかなって思ってたよ」
「え、家出? オレが?」
ターメリックの一言に、ノウェムは目を丸くして驚いていた。
そしてクランはというと、呆れた様子で荷台の側面を指差した。
そこには、大型船と小豆をデザインしたエンブレムが飾られていた。
「マスカーチ公国の商人は、自分の荷台に家の紋章をあしらったエンブレムをつけて区別する……って、地下の物置にあった本で読んだことあるよ」
「そういえば……スパイス帝国の市場でも、見たことある気がするなぁ」
「気がするんじゃなくて、見ているのに気がついてなかっただけじゃないの」
「あー……うん、そうだね」
相変わらず、クランは痛いところを突いてくる。
意地悪なことを言っているようでいて、だいたいが本当のことなので、ターメリックも何も言い返せない。
……というか、どうして見てきたようなことが言えるんだろう。
もしかして……
もう、ぼくの性格とかをわかってくれている……わけないか。
話を戻そう。
「ノウェム君って、マスカーチ公国の商人なんだね」
「そうそう。この荷台を引いてるのに、家出してきたなんて言われたの、初めてだ。あんた……ターメリックか、面白いこと言うんだな」
「え、あ……ありがとう」
「この人別に褒めてないと思うけど」
「……」
まったく、話が進まないでしょうが。
クラン君はもう黙っててよ。
ターメリックは渋い顔でポリポリと頭を搔いた。
鉱山を持つスパイス帝国、漁業の国ヌフ=ブラゾン王国、農業の国パン王国……
マスカーチ公国の商人は、モンド大陸の3つの大国を行き来して商売をしている。
マスカーチ公国はスパイス帝国の隣国であるため、よく貴金属と食料品を売買していた。
ターメリックが見ているのに気がついていなかったのは、マスカーチ公国の商人がスパイス帝国の城下町に溢れていたせいかもしれない。
「……で、マスカーチ公国の商人がクリスタニアに何しに来たの。ここは自給自足でやっているし、必要なものは間に合ってるから、商売は無理だよ。どうしてもって言うなら、考えるけど。でも、どこかよそへ行ったほうがいいんじゃない」
クランは、相変わらず抑揚のない喋り方で、よそ者のノウェムに冷たい言葉を浴びせた。
ああ、もう……
なんでそんなこと言うのかな。
まあ、今すぐ帰れって言わないだけいいのかもしれないけど……
ターメリックはノウェムが怒ってしまわないかと心配で不安になったが、クランの事情を知らないノウェムは気にしていない様子で「違う違う」と、にこやかに手を振った。
「確かにオレはマスカーチ公国の商人で、ここまで商売をしながら旅をしてきたわけだけどさ……本当にやりたいことは商売じゃない、かもしれないんだ」
「え、そうなの?」
「うん……なんていうのかな、自分がどこで何をすべきなのか、その答えを探していてさ……だから、しばらくここで暮らしてみて、自分が本当にやりたいことを探そうと思ってるんだ」
なるほど、そうだったのか。
ターメリックは、いわゆる「自分探し」にやって来たノウェムに頷いてみせた。
ノウェムはというと、クランに向かって「いいかな?」と尋ねている。
先ほどの冷たく簡単な説明で、クランのほうがクリスタニアの代表に近い存在だとわかったようだ。
その中で、クランは「ふーん」とつまらなそうに返事をして、
「とりあえず、向こうの小屋まで一緒に来て。神の使いの叔父さんにも相談しないといけないから」
そう言って歩き出したクランの顔は寂しげで、ターメリックには、
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と、書いてあるように見えた。
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