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第2章 光
第10話 家族と運命と
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◆☆◆◇◆◇◆◇
玄関先で、見慣れた薄桃色の法衣が風に揺れていた。
眉を八の字にしたカメリアが、じっとクランを見つめている。
そんな叔父の表情を見るのは、ずっと一緒に暮らしてきて初めてのことだった。
『こんな場所に捨てられて、いつまでも悲しい思いをするくらいなら、僕なんて……僕なんて、最初から生まれてこなければよかったんだ!』
あんなにひどいことを言ったのに……
そして、叔父さんは僕を突き放したはずなのに。
今さら……
なんて言えばいいのか、わからないよ。
クランは、気まずくて何度も足を止めた。
けれどもそのたびに、ターメリックとノウェムが肩を叩いて促してくるので、なんとか叔父の前まで歩くことができた。
しかし。
「……」
言わなければいけないことは星の数ほどもあるというのに、いざ口を開いてみても、何も言葉にはならない。
「叔父さん……」
それだけ絞り出すのが精一杯で、クランはそのまま俯いてしまった。
視線の先の砂浜は、向かい合うカメリアの影で暗くなっている。
その影が、クランの足元で小さくなった。
……顔を上げた先で、カメリアが頭を下げていた。
「すまなかった、クラン。あのときは魔がさして、ずいぶんとひどいことを言ってしまった……お前を傷つけるつもりは、これっぽっちもなかったんだ」
「……」
クランは、先ほどの叔父の言葉たちを思い出していた。
『この世界で可哀想なのは自分だけだと思い込み、自ら人との交流を避けて塞ぎ込み、迷惑をかけても悪いのは自分じゃなくて自分を取り巻く環境だと思い込んでいる……確かに、こんな人間は生まれてこないほうが良かっただろうな』
さっきは部屋を飛び出してしまったけれど、冷静に思い出してみたら、よくわかった。
叔父さんは何も悪くない。
悪いのは、叔父さんが言った「本当のこと」を受け入れられなかった僕のほうだ。
「ターメリック君がお前を連れてきてくれたら、すぐに謝るつもりだったんだ。まさか……あそこでイゾリータの毒気が出てくるとは思ってもいなかった」
「……」
「何事も無く、無事でいてくれてよかった。本当に、すまなかった」
顔を上げたカメリアは、まだ困ったような情けない顔をしていた。
……言わないと。
悪いのは叔父さんじゃなくて僕のほうだって、ちゃんと謝らないと。
そう思って口を開いたクランだったが、出てきた言葉は謝罪ではなかった。
「叔父さん……ありがとう」
こんなふうに面と向かって感謝の言葉をかけるなんて、いったいいつ以来だろう。
……そこまで考えて、クランは小さく笑った。
これ、叔父さんの口癖じゃないか。
ああ、そうか……
これが「家族」なんだ。
血が繋がってようが繋がってなかろうが、そんなことは関係ない。
大事なのは、そこじゃなくて……
きっと、一緒に過ごした年月なんだろうな。
クランは、自分の尖っていた心が滑らかになっていくのを感じていた。
それはまるで、海辺の小石のよう……
長い間波に洗われて、角の取れた丸い石。
今なら、何でも言えそうな気がする。
「やっとわかったんだ。僕は、叔父さんと一緒に家族として過ごせて、幸せ者だったんだってこと」
「クラン……」
「今まで心配かけてごめんなさい。僕ならもう、大丈夫だよ。ターメリックが一緒にいてくれるそうだから、もう寂しくないんだ」
後ろを向くと、様子を見守っていたターメリックが、急に自分の名前が出てきて驚いたのか、挙動不審な動きをしていた。
先ほどクランを追いかけてきて、熱く声をかけてくれた人物と到底同じ人物とは思えない。
……前言撤回しようかな。
クランの表情が「無」になった。
そしてそれは、後ろ姿を見ていただけのカメリアにもわかったらしく、クスクスと笑っている。
「そうかそうか。やっぱり、ターメリック君は頼りになるね」
「え、いやいや! ぼくは特に何も……」
謙遜するターメリックの背中を、ノウェムがバシーンと音がするくらい思い切り叩いた。
「何言ってんだよ! あの必死の説得、クランじゃなくても心に響いたぜ! ほら、あの『まずは自分が動くんだ。そうすれば、見つかるはずなんだから!』ってやつ!」
「いてて……あれは実は、ぼくの言葉じゃないんだ。ぼくの師匠の……」
ターメリックがそこまで口にしたとき、クランは知らぬ間に口を開いていた。
「ノワール先生だよね、懐かしいなぁ。その言葉のことは、ターメリックに言われるまで忘れていたけど」
自分でも驚くほど、言葉がするすると口から流れていく。
まだまだ平坦な口調でしか喋れないけれど、こうして気軽にだれかと話せる日が来るなんて、思ってもみなかった。
それにしても……
懐かしいな、ノワール先生。
まさか、ターメリックの口から先生の名前が出てくるなんて。
そうか、先生は最後にスパイス帝国に行ったんだっけ。
ターメリックが「ノワール先生」って呼ぶのは、ターメリックも先生の弟子だからかな。
それなら……
僕のほうが兄弟子だね。
ターメリックはというと、クランが先に「ノワール先生」と口にしたのがよほど嬉しかったのか、瞳をキラキラさせながら頷いている。
すると、それまで「ノワール先生……」と腕組みしていたカメリアが「あぁ!」と手を叩いた。
「思い出したぞ! ノワール先生! クリスタン教信者でもないのに、随分と熱心にクリスタン神話を研究していた、黒が好きな風変わりなお兄さん! いやぁ、懐かしいなぁ。ええっと、彼がここを去って……」
「8年だよ」
「ああ、もうそんなになるのか。気の向くままにその日暮らしをしていたみたいだったけど、少し気の向くままに動きすぎていたような青年だったねぇ」
カメリアのしみじみとした声に、クランもまたしみじみと頷いた。
「先生の故郷のマスカーチ公国から、まっすぐクリスタニアへ来たって言ってたよね。まさか、そこからスパイス帝国へ行くなんて思わなかった」
そういえば、先生はなんだか急いでスパイス帝国へ向かっていたような気がする。
まるで、何かに気がついてしまったかのように。
クランは、ふと在りし日のノワールの姿を思い浮かべていた。
残念ながら、ノワールはもう亡くなっている。
彼がどうしてまっすぐスパイス帝国へ向かったのかは、永遠の謎になってしまった。
「……ぼくは、ノワール先生のおかげで毎日楽しく過ごせていました。でも、今でも時々思ってしまうんです。ノワール先生がスパイス帝国に来なければ、あんなことにならずにすんだのにって」
ターメリックが小さく呟いた。
視線は足元に向けられて、まるで昨日のことを思い出しているかのように寂しげである。
あんなこと……
そうだ、あんなことがあったから、僕は……
クランは、自分が家族との別れ以上に傷つき、さらに引きこもるようになった、ノワールの死を思い出して顔を曇らせた。
カメリアもまた、深いため息をついている。
「私とクランも、クリスタン神様のお告げで彼が処刑されたことを知ったんだよ。どうして、あんなに気持ちのいい青年が、と嘆いたものだが……今思えば、何か定められた運命のようなものを感じるね」
「運命……?」
首を傾げたターメリックに小さく微笑み、カメリアは空を仰いだ。
「ノワール君がスパイス帝国へやって来てターメリック君に会わなかったら……もしかすると、クランを助けられなかったかもしれない」
その言葉に、ターメリックは大きく頷いた。
なるほどね……
そう考えると、別れも寂しいだけのものじゃないのかもしれない。
止まっていたクランの心が、再び未来に向かって動き出そうとしていた。
つづく
玄関先で、見慣れた薄桃色の法衣が風に揺れていた。
眉を八の字にしたカメリアが、じっとクランを見つめている。
そんな叔父の表情を見るのは、ずっと一緒に暮らしてきて初めてのことだった。
『こんな場所に捨てられて、いつまでも悲しい思いをするくらいなら、僕なんて……僕なんて、最初から生まれてこなければよかったんだ!』
あんなにひどいことを言ったのに……
そして、叔父さんは僕を突き放したはずなのに。
今さら……
なんて言えばいいのか、わからないよ。
クランは、気まずくて何度も足を止めた。
けれどもそのたびに、ターメリックとノウェムが肩を叩いて促してくるので、なんとか叔父の前まで歩くことができた。
しかし。
「……」
言わなければいけないことは星の数ほどもあるというのに、いざ口を開いてみても、何も言葉にはならない。
「叔父さん……」
それだけ絞り出すのが精一杯で、クランはそのまま俯いてしまった。
視線の先の砂浜は、向かい合うカメリアの影で暗くなっている。
その影が、クランの足元で小さくなった。
……顔を上げた先で、カメリアが頭を下げていた。
「すまなかった、クラン。あのときは魔がさして、ずいぶんとひどいことを言ってしまった……お前を傷つけるつもりは、これっぽっちもなかったんだ」
「……」
クランは、先ほどの叔父の言葉たちを思い出していた。
『この世界で可哀想なのは自分だけだと思い込み、自ら人との交流を避けて塞ぎ込み、迷惑をかけても悪いのは自分じゃなくて自分を取り巻く環境だと思い込んでいる……確かに、こんな人間は生まれてこないほうが良かっただろうな』
さっきは部屋を飛び出してしまったけれど、冷静に思い出してみたら、よくわかった。
叔父さんは何も悪くない。
悪いのは、叔父さんが言った「本当のこと」を受け入れられなかった僕のほうだ。
「ターメリック君がお前を連れてきてくれたら、すぐに謝るつもりだったんだ。まさか……あそこでイゾリータの毒気が出てくるとは思ってもいなかった」
「……」
「何事も無く、無事でいてくれてよかった。本当に、すまなかった」
顔を上げたカメリアは、まだ困ったような情けない顔をしていた。
……言わないと。
悪いのは叔父さんじゃなくて僕のほうだって、ちゃんと謝らないと。
そう思って口を開いたクランだったが、出てきた言葉は謝罪ではなかった。
「叔父さん……ありがとう」
こんなふうに面と向かって感謝の言葉をかけるなんて、いったいいつ以来だろう。
……そこまで考えて、クランは小さく笑った。
これ、叔父さんの口癖じゃないか。
ああ、そうか……
これが「家族」なんだ。
血が繋がってようが繋がってなかろうが、そんなことは関係ない。
大事なのは、そこじゃなくて……
きっと、一緒に過ごした年月なんだろうな。
クランは、自分の尖っていた心が滑らかになっていくのを感じていた。
それはまるで、海辺の小石のよう……
長い間波に洗われて、角の取れた丸い石。
今なら、何でも言えそうな気がする。
「やっとわかったんだ。僕は、叔父さんと一緒に家族として過ごせて、幸せ者だったんだってこと」
「クラン……」
「今まで心配かけてごめんなさい。僕ならもう、大丈夫だよ。ターメリックが一緒にいてくれるそうだから、もう寂しくないんだ」
後ろを向くと、様子を見守っていたターメリックが、急に自分の名前が出てきて驚いたのか、挙動不審な動きをしていた。
先ほどクランを追いかけてきて、熱く声をかけてくれた人物と到底同じ人物とは思えない。
……前言撤回しようかな。
クランの表情が「無」になった。
そしてそれは、後ろ姿を見ていただけのカメリアにもわかったらしく、クスクスと笑っている。
「そうかそうか。やっぱり、ターメリック君は頼りになるね」
「え、いやいや! ぼくは特に何も……」
謙遜するターメリックの背中を、ノウェムがバシーンと音がするくらい思い切り叩いた。
「何言ってんだよ! あの必死の説得、クランじゃなくても心に響いたぜ! ほら、あの『まずは自分が動くんだ。そうすれば、見つかるはずなんだから!』ってやつ!」
「いてて……あれは実は、ぼくの言葉じゃないんだ。ぼくの師匠の……」
ターメリックがそこまで口にしたとき、クランは知らぬ間に口を開いていた。
「ノワール先生だよね、懐かしいなぁ。その言葉のことは、ターメリックに言われるまで忘れていたけど」
自分でも驚くほど、言葉がするすると口から流れていく。
まだまだ平坦な口調でしか喋れないけれど、こうして気軽にだれかと話せる日が来るなんて、思ってもみなかった。
それにしても……
懐かしいな、ノワール先生。
まさか、ターメリックの口から先生の名前が出てくるなんて。
そうか、先生は最後にスパイス帝国に行ったんだっけ。
ターメリックが「ノワール先生」って呼ぶのは、ターメリックも先生の弟子だからかな。
それなら……
僕のほうが兄弟子だね。
ターメリックはというと、クランが先に「ノワール先生」と口にしたのがよほど嬉しかったのか、瞳をキラキラさせながら頷いている。
すると、それまで「ノワール先生……」と腕組みしていたカメリアが「あぁ!」と手を叩いた。
「思い出したぞ! ノワール先生! クリスタン教信者でもないのに、随分と熱心にクリスタン神話を研究していた、黒が好きな風変わりなお兄さん! いやぁ、懐かしいなぁ。ええっと、彼がここを去って……」
「8年だよ」
「ああ、もうそんなになるのか。気の向くままにその日暮らしをしていたみたいだったけど、少し気の向くままに動きすぎていたような青年だったねぇ」
カメリアのしみじみとした声に、クランもまたしみじみと頷いた。
「先生の故郷のマスカーチ公国から、まっすぐクリスタニアへ来たって言ってたよね。まさか、そこからスパイス帝国へ行くなんて思わなかった」
そういえば、先生はなんだか急いでスパイス帝国へ向かっていたような気がする。
まるで、何かに気がついてしまったかのように。
クランは、ふと在りし日のノワールの姿を思い浮かべていた。
残念ながら、ノワールはもう亡くなっている。
彼がどうしてまっすぐスパイス帝国へ向かったのかは、永遠の謎になってしまった。
「……ぼくは、ノワール先生のおかげで毎日楽しく過ごせていました。でも、今でも時々思ってしまうんです。ノワール先生がスパイス帝国に来なければ、あんなことにならずにすんだのにって」
ターメリックが小さく呟いた。
視線は足元に向けられて、まるで昨日のことを思い出しているかのように寂しげである。
あんなこと……
そうだ、あんなことがあったから、僕は……
クランは、自分が家族との別れ以上に傷つき、さらに引きこもるようになった、ノワールの死を思い出して顔を曇らせた。
カメリアもまた、深いため息をついている。
「私とクランも、クリスタン神様のお告げで彼が処刑されたことを知ったんだよ。どうして、あんなに気持ちのいい青年が、と嘆いたものだが……今思えば、何か定められた運命のようなものを感じるね」
「運命……?」
首を傾げたターメリックに小さく微笑み、カメリアは空を仰いだ。
「ノワール君がスパイス帝国へやって来てターメリック君に会わなかったら……もしかすると、クランを助けられなかったかもしれない」
その言葉に、ターメリックは大きく頷いた。
なるほどね……
そう考えると、別れも寂しいだけのものじゃないのかもしれない。
止まっていたクランの心が、再び未来に向かって動き出そうとしていた。
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