26 / 105
第2章 光
第12話 出発の日の朝
しおりを挟む
★◇◆◇◆◇◆◇
青い空に白い雲、そして眩しい朝日。
あ~!
潮風が気持ちいい!
白波の踊る海辺に向かって立ち、ターメリックは大きく伸びをした。
クリスタニアに飛ばされてから、すっかり早起きにも慣れて、気持ちの良い朝を迎えられている。
今日は、旅立ちの日。
ついにターメリックは、クランとともに仲間集めの旅へと出発するのである。
海に向かって気合いを入れたターメリックは、カメリアに手招きされ、神の使いの住まいの前にクランとともに並んだ。
これからの旅の確認である。
「まずは、ここから近いパン王国へ向かうんだ。そこからヌフ=ブラゾン王国、マスカーチ公国をそれぞれ回れば仲間が集まるはずだ。それで、これは少し先の話になるけれど、仲間が全員が集まったら羅針盤で連絡しておくれ」
「はい!」
「ねぇ、叔父さん」
カメリアとターメリックの会話を聞いていたクランが、すっと手を挙げてカメリアの後ろを指差した。
「どうしてノウェムも一緒なの」
そこには、自分の荷台にターメリックとクランの荷物を詰め込んでいるノウェムがいた。
カメリアは「ああ」と微笑んで、
「ノウェム君は、世界を旅する商人だからね。今まで自分の生まれ育った場所から出たことのない君たちより、うんと人生経験が豊富だ。それで、ふたりの引率を頼んでみたら、特にやりたいこともないからと快く引き受けてくれたというわけさ」
「なるほど。まぁ、ちょっとは心強いかな」
「ちょっとはって……もう少しぐらい感謝してあげても良いと思うがねぇ」
クランのつれない一言に、カメリアは苦笑を浮かべた。
クラン君、本当は嬉しいんだろうな。
ぼくにもなんとなく、わかってきたぞ。
ターメリックは、隣で眠そうな顔をしているクランに笑いかけると、ノウェムに向かって大きく手を振った。
「ノウェム君ー! よろしくねー!」
ちょうど荷物の詰め込みが終わったらしいノウェムは、曲がった腰を伸ばすように大きく背伸びをして、こちらに手を振り返した。
「おう! 任せとけっ!」
そして、ターメリックの腰に差された真実の剣を、穴が空くのではと思うほど、じっと見つめた。
その表情から、だんだんと笑顔が消えていく。
ん……?
ノウェム君、どうしたんだろう。
何かついてるのかな?
ターメリックが首を傾げると、ノウェムは口をぎゅっと引き結んで、3人のところへと歩いてきた。
そして、ターメリックたちが見守る中で、意を決したように話し始めた。
「あの、さ……今まで黙っていたけど、オレも一応クリスタン教信者なんだよ」
「え! そうなんだ!」
ノウェムの告白に、ターメリックの顔が明るくなった。
その向かいで、カメリアが「ふむ」と頷いた。
「と、いうことは……ノウェム君も、フィリアを持っているんだね」
「そうなんだけど……オレ、自分のフィリアがあまり好きじゃなくてさ」
「え? どうして?」
「ターメリックも、行けばわかるよ。マスカーチ公国って、信者同士がフィリアで呼び合うんだ。でも、オレのフィリアは長くて呼びにくいっていうか」
「何ていうフィリアなの」
珍しいクランからの質問に、ノウェムは苦笑を浮かべて呟いた。
「アゴスティーノ……オレの名前は、ノウェム・アゴスティーノ・ピケノ=オエスシィっていうんだ」
うわぁ、確かに長い名前だね。
アゴスティーノだけでも長いのに、そこに家の名前がつくなんて……
ターメリックは、いまだにピケノ=オエスシィが言えない自分に落胆しながらも、ふと頭に引っかかるものを感じた。
アゴスティーノ……
つい最近、どこかで見たことあるような……
あ、もしかして。
ターメリックは「ちょっと待ってて!」と荷台に駆け寄り、羅針盤を持って戻ってきた。
ノウェムとクラン、そしてカメリアが「まさか」という顔をしている。
ふふっ、なんか面白いな。
何がどうなるか、ぼくにもわからないけど。
3人が見守る中で、ターメリックはそっと手をかざしてみた。
7色の光が溢れ出す……
赤色の光がターメリックを指して止まった。
黄色の光もクランを指している。
橙色、黄緑色、水色、紫色の光は、もちろん北から東を指して長く伸びていた。
そして、緑色の光はというと……
力強い明るさで、ノウェムを指していた。
光に浮かび上がった文字は、
『希望 アゴスティーノ』
だった。
「……うわ。すごいな、それ」
ノウェムは、自分の胸元を指す光を手で遮ってみたり、ちょこまかと左右に動いてみたりした。
それでも緑色の光は、ぶれることなくノウェムを指し続けている。
「ノウェム君も、伝説の剣に選ばれた仲間だったんだね……」
まじまじと緑色の光を見つめるターメリックに、ノウェムが頭をかきながら話し始めた。
「昨日、カメリアさんから光の剣を預かったときに、どこかで見たことあるなと思ってさ……そういえば、オレん家の店先に似たような剣が飾ってあったのを思い出したんだ」
「その剣、今は手元にないの」
クランの質問に、ノウェムは「残念だけど」と頷いた。
「家を出たときは、そんなにすごい剣だって知らなかったからな。だって、だれにも抜けない剣なんだぜ? どうして売り物として置かれているのか、全然わからなかったんだ」
「ノウェム君は、抜いてみてないの?」
「大切な商品だから、お前なんかには持たせられない……って親父にキツく言われててさ、触ったこともないんだよ」
ノウェムは、ひっでぇ親父だよなと不機嫌な顔になった。
ターメリックには、そんなふうに父親に悪態をつけるノウェムが少しだけ……ほんの少しだけ羨ましかった。
「ところでノウェム君、その剣には何色の宝石がついていたか、覚えているかな?」
カメリアが、まるで問題を出すように尋ねた。
答えはわかりきっているから、目を細めて微笑んでいる。
きっと、ノウェムの口から色の名前を聞きたいのだろう。
ノウェムはというと、それとは気がついていないのか、ちょっと考えてから、
「あれは、確か……そうだ、緑色の宝石がついてたよ。ほら、この光の色みたいな!」
そう言って、自分の胸元を指す光を指さした。
カメリアは満足そうに頷いている。
「やはり、それは希望の剣だね。光が君を指しているということは、もう剣は君にしか抜けないはずだ」
「あ、ああ、そっか……なんだろ、なんかドキドキしてきた……!」
ノウェムは胸に手を当てると、大きく深呼吸した。
……嬉しいなぁ。
ノウェム君みたいな世界を旅している商人さんが仲間なんて、とても心強いや。
クラン君も、そう思うよね?
ターメリックは、隣に立つクランの顔を覗き込んだ。
クランは、相変わらずの仏頂面で、
「なんだ、結局ノウェムは最後まで僕たちと一緒なんだね」
と、呟いた。
あまり嬉しくなさそうな一言だが、ノウェムもクランのことがわかってきたらしい。
「いやぁ、そんなに喜んでもらえると、なんだか嬉しくなってくるなぁ」
「……」
「……何か言えよ!」
「ぷっ、あははははっ!」
ノウェムとクランのやり取りに、ターメリックは声を出して笑っていた。
これから、楽しいことが起こりそうな予感がして、胸が高鳴っている。
しかし。
「3人とも。楽しそうなのはいいが、使命のことは忘れないでおくれよ」
苦笑いを浮かべるカメリアに、ターメリックは「そうでした!」と頭を下げた。
「すみません! それじゃあ行ってきます!」
「叔父さん、行ってきます」
「行ってくるぜ!」
「うん。気をつけて。いい知らせを待っているよ」
カメリアに見送られて、ターメリックたちはクリスタニアを後にした。
……まだ見ぬ仲間を探す旅が始まった。
つづく
青い空に白い雲、そして眩しい朝日。
あ~!
潮風が気持ちいい!
白波の踊る海辺に向かって立ち、ターメリックは大きく伸びをした。
クリスタニアに飛ばされてから、すっかり早起きにも慣れて、気持ちの良い朝を迎えられている。
今日は、旅立ちの日。
ついにターメリックは、クランとともに仲間集めの旅へと出発するのである。
海に向かって気合いを入れたターメリックは、カメリアに手招きされ、神の使いの住まいの前にクランとともに並んだ。
これからの旅の確認である。
「まずは、ここから近いパン王国へ向かうんだ。そこからヌフ=ブラゾン王国、マスカーチ公国をそれぞれ回れば仲間が集まるはずだ。それで、これは少し先の話になるけれど、仲間が全員が集まったら羅針盤で連絡しておくれ」
「はい!」
「ねぇ、叔父さん」
カメリアとターメリックの会話を聞いていたクランが、すっと手を挙げてカメリアの後ろを指差した。
「どうしてノウェムも一緒なの」
そこには、自分の荷台にターメリックとクランの荷物を詰め込んでいるノウェムがいた。
カメリアは「ああ」と微笑んで、
「ノウェム君は、世界を旅する商人だからね。今まで自分の生まれ育った場所から出たことのない君たちより、うんと人生経験が豊富だ。それで、ふたりの引率を頼んでみたら、特にやりたいこともないからと快く引き受けてくれたというわけさ」
「なるほど。まぁ、ちょっとは心強いかな」
「ちょっとはって……もう少しぐらい感謝してあげても良いと思うがねぇ」
クランのつれない一言に、カメリアは苦笑を浮かべた。
クラン君、本当は嬉しいんだろうな。
ぼくにもなんとなく、わかってきたぞ。
ターメリックは、隣で眠そうな顔をしているクランに笑いかけると、ノウェムに向かって大きく手を振った。
「ノウェム君ー! よろしくねー!」
ちょうど荷物の詰め込みが終わったらしいノウェムは、曲がった腰を伸ばすように大きく背伸びをして、こちらに手を振り返した。
「おう! 任せとけっ!」
そして、ターメリックの腰に差された真実の剣を、穴が空くのではと思うほど、じっと見つめた。
その表情から、だんだんと笑顔が消えていく。
ん……?
ノウェム君、どうしたんだろう。
何かついてるのかな?
ターメリックが首を傾げると、ノウェムは口をぎゅっと引き結んで、3人のところへと歩いてきた。
そして、ターメリックたちが見守る中で、意を決したように話し始めた。
「あの、さ……今まで黙っていたけど、オレも一応クリスタン教信者なんだよ」
「え! そうなんだ!」
ノウェムの告白に、ターメリックの顔が明るくなった。
その向かいで、カメリアが「ふむ」と頷いた。
「と、いうことは……ノウェム君も、フィリアを持っているんだね」
「そうなんだけど……オレ、自分のフィリアがあまり好きじゃなくてさ」
「え? どうして?」
「ターメリックも、行けばわかるよ。マスカーチ公国って、信者同士がフィリアで呼び合うんだ。でも、オレのフィリアは長くて呼びにくいっていうか」
「何ていうフィリアなの」
珍しいクランからの質問に、ノウェムは苦笑を浮かべて呟いた。
「アゴスティーノ……オレの名前は、ノウェム・アゴスティーノ・ピケノ=オエスシィっていうんだ」
うわぁ、確かに長い名前だね。
アゴスティーノだけでも長いのに、そこに家の名前がつくなんて……
ターメリックは、いまだにピケノ=オエスシィが言えない自分に落胆しながらも、ふと頭に引っかかるものを感じた。
アゴスティーノ……
つい最近、どこかで見たことあるような……
あ、もしかして。
ターメリックは「ちょっと待ってて!」と荷台に駆け寄り、羅針盤を持って戻ってきた。
ノウェムとクラン、そしてカメリアが「まさか」という顔をしている。
ふふっ、なんか面白いな。
何がどうなるか、ぼくにもわからないけど。
3人が見守る中で、ターメリックはそっと手をかざしてみた。
7色の光が溢れ出す……
赤色の光がターメリックを指して止まった。
黄色の光もクランを指している。
橙色、黄緑色、水色、紫色の光は、もちろん北から東を指して長く伸びていた。
そして、緑色の光はというと……
力強い明るさで、ノウェムを指していた。
光に浮かび上がった文字は、
『希望 アゴスティーノ』
だった。
「……うわ。すごいな、それ」
ノウェムは、自分の胸元を指す光を手で遮ってみたり、ちょこまかと左右に動いてみたりした。
それでも緑色の光は、ぶれることなくノウェムを指し続けている。
「ノウェム君も、伝説の剣に選ばれた仲間だったんだね……」
まじまじと緑色の光を見つめるターメリックに、ノウェムが頭をかきながら話し始めた。
「昨日、カメリアさんから光の剣を預かったときに、どこかで見たことあるなと思ってさ……そういえば、オレん家の店先に似たような剣が飾ってあったのを思い出したんだ」
「その剣、今は手元にないの」
クランの質問に、ノウェムは「残念だけど」と頷いた。
「家を出たときは、そんなにすごい剣だって知らなかったからな。だって、だれにも抜けない剣なんだぜ? どうして売り物として置かれているのか、全然わからなかったんだ」
「ノウェム君は、抜いてみてないの?」
「大切な商品だから、お前なんかには持たせられない……って親父にキツく言われててさ、触ったこともないんだよ」
ノウェムは、ひっでぇ親父だよなと不機嫌な顔になった。
ターメリックには、そんなふうに父親に悪態をつけるノウェムが少しだけ……ほんの少しだけ羨ましかった。
「ところでノウェム君、その剣には何色の宝石がついていたか、覚えているかな?」
カメリアが、まるで問題を出すように尋ねた。
答えはわかりきっているから、目を細めて微笑んでいる。
きっと、ノウェムの口から色の名前を聞きたいのだろう。
ノウェムはというと、それとは気がついていないのか、ちょっと考えてから、
「あれは、確か……そうだ、緑色の宝石がついてたよ。ほら、この光の色みたいな!」
そう言って、自分の胸元を指す光を指さした。
カメリアは満足そうに頷いている。
「やはり、それは希望の剣だね。光が君を指しているということは、もう剣は君にしか抜けないはずだ」
「あ、ああ、そっか……なんだろ、なんかドキドキしてきた……!」
ノウェムは胸に手を当てると、大きく深呼吸した。
……嬉しいなぁ。
ノウェム君みたいな世界を旅している商人さんが仲間なんて、とても心強いや。
クラン君も、そう思うよね?
ターメリックは、隣に立つクランの顔を覗き込んだ。
クランは、相変わらずの仏頂面で、
「なんだ、結局ノウェムは最後まで僕たちと一緒なんだね」
と、呟いた。
あまり嬉しくなさそうな一言だが、ノウェムもクランのことがわかってきたらしい。
「いやぁ、そんなに喜んでもらえると、なんだか嬉しくなってくるなぁ」
「……」
「……何か言えよ!」
「ぷっ、あははははっ!」
ノウェムとクランのやり取りに、ターメリックは声を出して笑っていた。
これから、楽しいことが起こりそうな予感がして、胸が高鳴っている。
しかし。
「3人とも。楽しそうなのはいいが、使命のことは忘れないでおくれよ」
苦笑いを浮かべるカメリアに、ターメリックは「そうでした!」と頭を下げた。
「すみません! それじゃあ行ってきます!」
「叔父さん、行ってきます」
「行ってくるぜ!」
「うん。気をつけて。いい知らせを待っているよ」
カメリアに見送られて、ターメリックたちはクリスタニアを後にした。
……まだ見ぬ仲間を探す旅が始まった。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた
今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。
レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。
不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。
レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。
それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し……
※短め
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
生きるために逃げだした。幸せになりたい。
白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。
2020/9/19 第一章終了
続きが書け次第また連載再開します。
2021/2/14 第二章開幕
2021/2/28 完結
【奨励賞】元・地味な令嬢ですが、婚約破棄されたので聖獣と建国します~追放した王太子と聖女は、今さら私を求めないでください~
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で奨励賞をいただきました】
地味で目立たない辺境伯令嬢のエリアーナは、王太子ジュリアスの婚約者として、ただひたすらに義務を果たしてきた。
しかし、王立アカデミーの卒業パーティーの夜、彼は異世界から召喚された美貌の「聖女」ユナを庇い、エリアーナが彼女を虐げたという偽りの罪で婚約破棄を宣言する。
王家の決定により、エリアーナは「無価値」と蔑まれる極北の辺境領への追放を命じられた。
だが、彼女の心にあったのは絶望ではなく、解放感だった。
誰にも知られていなかったが、彼女の「地味な」容姿は、その身に余る強大な魔力を封印するための魔法的な枷。
そして彼女の真の力は、古代から受け継がれてきた万物を創造する「創成魔法」にあったのだ。
凍てつく大地で、エリアーナは伝説の――そして非常にもふもふな――聖獣フェンリルと心を通わせる。
彼の力と彼女の知識を合わせ、不毛の荒野を豊かな楽園へと変えていく。
これは、捨てられた令嬢が復讐ではなく、自らの手で理想の国を築き上げる物語。
金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語
紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。
しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。
郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。
そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。
そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。
アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。
そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる