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第4章 愛
第10話 今さらの連鎖
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★◇◆◇◆◇◆◇◆
コーヒーミルは、たった今まで出張中で、パン王国を離れていたという。
行き先は、大陸の西端クリスタニア。
あの日、ターメリックがカトラリー地方で目撃したのは、クリスタニアへ向かって歩いていたコーヒーミルの姿だったのだ。
そして……
クリスタニアには、お喋り好きな神の使いが住んでいる。
クリスタニアから帰ってきたコーヒーミルは、ターメリックたちがここにいる理由も含めて、何もかも理解しているようだ。
キィオークたちとの連絡を終えたミトンとともに、ターメリックたちはミルクパン城へと向かって歩き始めた。
後ろを歩くターメリックの視線の先には、コーヒーミルの仄かなレモン色の髪……
あれ?
そういえばパン王国の人たちの髪の色って、必ず漆黒か白銀か赤胴のどれかになるんじゃなかったっけ?
ターメリックが人知れず首を傾げていると、
「コーヒーミル副団長のお父様は、マスカーチ公国の商人さんなんだそうです」
視線の先の疑問に気がついたのか、隣を歩いていたミトンが小声で教えてくれた。
「今でこそ普通になってきてますけど、当時はかなり珍しいことだったみたいで……ほら、パン王国民って他国民を毛嫌いする人が多いですから。特に、郊外のお年寄りとか」
「ああ……」
そういえば、カトラリー地方で盗難事件が起こったとき、最初に疑われたのは「よそ者」のぼくたちだったっけ。
ターメリックが数日前の出来事を自分の寝起きの悪さと一緒に思い出している間にも、ミトンの話は続いていた。
「コーヒーミル副団長は、そんな自分にとって冷たすぎる環境の中でも、決して挫けることなく、近衛兵団の副団長になったそうです」
「へぇ……そうだったんですね」
「でも、僕も詳しいことは知らなくて……副団長、あまり自分のことは教えてくれないんです。ケトル団長の協力があったからだとか、ユキヒラ国王が口添えしたとか、そういうウワサはキリがないんですけどね」
「へぇ……」
ミトンがそこまで言い終えたとき。
前を歩いていたコーヒーミルが、さりげなく振り返ってミトンに目配せした。
こそこそ話しているから怒られるのかなと、ターメリックは意味もなく身構えてしまったが、ミトンはすぐに頷いて、
「それじゃ、僕は一足先に急いでミルクパン城へ戻ります。会議室の準備とかもあるので!」
早口にそう言うと、そのまま石畳の道を駆け抜けていった。
なるほど、そういうこと……
言わなくても伝わるって、すごいなぁ。
ターメリックが感心してミトンの背中を見送っていると、
「早く謝ったほうがいいんじゃない」
「うわっ」
いつの間にか真後ろにいたクランが、ターメリックの耳元で囁いた。
驚いて振り向くと、クランだけでなく、ノウェムとクィントゥムも呆れたような顔でターメリックを見つめていた。
そうだった、どうしよう……
ちらっと前を向くと、レードル姫はコーヒーミルと楽しく語らっている。
なんとなく水を差すわけにはいかないような気がして振り向くと、仲間たちも顔を見合せ、
「ま、まあ、今じゃなくてもいいけどさ……」
「早ければ早いほど良いのは確かだな」
ノウェムの気遣いの言葉とクィントゥムの切羽詰まった声が重なり、ターメリックは項垂れた。
わかってる、わかってるよ。
でも、こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、ぼくは……
言い訳がましく口を開こうとした、そのとき。
「ターメリックは、自分がレードル姫に言った言葉って覚えてるの」
クランが、いつもの平坦な口調で尋ねてきた。
ターメリックには、その質問の意味がわからなかった。
もちろん、自分がレードル姫に言った言葉は覚えている。
しかし、それがどうしたというのか。
首を傾げるターメリックに、クランはなぜかニヤリと笑って、
「本当は、謝りたくないんでしょ」
「……」
「それなら、なおさら思い出してみるべきだよ。君が言った言葉を聞くべき人が、レードル姫以外にもいるんだから」
「え……?」
「その人がだれかわかったら、きっと謝りたくなるはずだよ」
「……?」
ターメリックは、言われるがままに自分の言葉を断片的に思い出していた。
この使命は、あなたが思っているほど簡単なものじゃない……
何も知らないのに口出ししないで……
これは遊びじゃない……
あっ……
声には出さなかったものの、クランには伝わったらしい。
さらには、頷くクランの後ろで、ノウェムとクィントゥムもニヤニヤしていた。
えっ、もしかして、みんな気がついてたの?
もぉ~、言ってよぉ~!
ターメリックは唇を尖らせていたが、仲間たちは「頑張れ」と拳を握っていた。
そのおかげで、なんとなく勇気が出てきたので、まあいいかと頷いてみせた。
クラン君が言った「君が言った言葉を聞くべき人」っていうのは……
ぼくのことだったんだね。
よし、ちゃんと謝ろう。
ターメリックはようやく決意を固めたが、
「よし、到着! 会議室は2階よ。旅の方たちも是非ご一緒に」
ミルクパン城の城門で、コーヒーミルがにこやかに手招きしていた。
それに応じるように、なんだかやる気満々のノウェムとクランが競い合うように城門を潜って行く。
あああ、また機会を逃しちゃった……
ターメリックは自分の鈍感さに、ほとほとうんざりしたのだった。
★◇◆◇◆◇◆◇
ミルクパン城の2階にある大きな会議室には、すでに団長であるケトルをはじめ、近衛兵団キィオークの面々が円卓に揃っていた。
皆同じ制服姿ではあるものの、襟の模様が違っていたり、袖の飾りの有無、桔梗のバッチの大きさなど、彼らにしかわからない階級の違いがあるようだった。
ターメリックたち4人は、会議室の片隅に椅子を並べて、何が始まるのかと様子を見ていた。
先に戻っていたミトンが説明済みだったらしく、上座に立っていたコーヒーミルは、挨拶も簡略して話し始めた。
「このまま闇雲に探していたって時間の無駄よ。少し考えて、捜索範囲を狭めましょう」
「考えるといったって……何か手がかりはあるのか?」
隣に控えていたケトルは怪訝な顔をしていたが、コーヒーミルは「手がかりしかないじゃない」と、呆れた顔をして、
「シノワ姫様は、城内……もしくは、その近くに監禁されている可能性が高いの」
と、言い切った。
その途端、会議室中がザワザワと騒がしくなり、ケトルが慌てたように口を開いた。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ、コーヒーミル。俺たちは半日かけて城の中やら近くやらを隈なく捜したが、それらしい場所はなかったぞ! いったいどこに……」
そこで、ケトルの言葉を遮るように、
「コーヒーミル殿。発言の許可を願います」
クィントゥムが手を挙げていた。
隣にいたターメリックが「え?」と驚く間もなく、コーヒーミルは「どうぞ」と、藤色の瞳を面白そうに光らせた。
……まるで、何を言うのか最初からわかっているかのように。
「犯人たちは、ケトル団長殿との会話の中で『城門を監視している』と口にしていました。それはつまり、最初から城門が見える場所にいるということではないかと。そして、城内でも付近でもないとするならば、できるだけ高いところから見下ろせる場所に陣取るはずなので……あそこ、ではないですか?」
そう言ってクィントゥムが指さしたのは、窓の外に見える、小さな塔だった。
いつの間にか日が沈んでしばらく経ち、塔は宵闇の中に浮いているように見える。
そして、クィントゥムの言葉に、コーヒーミルは大きく頷いた。
「そうね。私もそう思う。犯人たちは、あの塔……フライパン塔の中にいるはずよ」
つづく
コーヒーミルは、たった今まで出張中で、パン王国を離れていたという。
行き先は、大陸の西端クリスタニア。
あの日、ターメリックがカトラリー地方で目撃したのは、クリスタニアへ向かって歩いていたコーヒーミルの姿だったのだ。
そして……
クリスタニアには、お喋り好きな神の使いが住んでいる。
クリスタニアから帰ってきたコーヒーミルは、ターメリックたちがここにいる理由も含めて、何もかも理解しているようだ。
キィオークたちとの連絡を終えたミトンとともに、ターメリックたちはミルクパン城へと向かって歩き始めた。
後ろを歩くターメリックの視線の先には、コーヒーミルの仄かなレモン色の髪……
あれ?
そういえばパン王国の人たちの髪の色って、必ず漆黒か白銀か赤胴のどれかになるんじゃなかったっけ?
ターメリックが人知れず首を傾げていると、
「コーヒーミル副団長のお父様は、マスカーチ公国の商人さんなんだそうです」
視線の先の疑問に気がついたのか、隣を歩いていたミトンが小声で教えてくれた。
「今でこそ普通になってきてますけど、当時はかなり珍しいことだったみたいで……ほら、パン王国民って他国民を毛嫌いする人が多いですから。特に、郊外のお年寄りとか」
「ああ……」
そういえば、カトラリー地方で盗難事件が起こったとき、最初に疑われたのは「よそ者」のぼくたちだったっけ。
ターメリックが数日前の出来事を自分の寝起きの悪さと一緒に思い出している間にも、ミトンの話は続いていた。
「コーヒーミル副団長は、そんな自分にとって冷たすぎる環境の中でも、決して挫けることなく、近衛兵団の副団長になったそうです」
「へぇ……そうだったんですね」
「でも、僕も詳しいことは知らなくて……副団長、あまり自分のことは教えてくれないんです。ケトル団長の協力があったからだとか、ユキヒラ国王が口添えしたとか、そういうウワサはキリがないんですけどね」
「へぇ……」
ミトンがそこまで言い終えたとき。
前を歩いていたコーヒーミルが、さりげなく振り返ってミトンに目配せした。
こそこそ話しているから怒られるのかなと、ターメリックは意味もなく身構えてしまったが、ミトンはすぐに頷いて、
「それじゃ、僕は一足先に急いでミルクパン城へ戻ります。会議室の準備とかもあるので!」
早口にそう言うと、そのまま石畳の道を駆け抜けていった。
なるほど、そういうこと……
言わなくても伝わるって、すごいなぁ。
ターメリックが感心してミトンの背中を見送っていると、
「早く謝ったほうがいいんじゃない」
「うわっ」
いつの間にか真後ろにいたクランが、ターメリックの耳元で囁いた。
驚いて振り向くと、クランだけでなく、ノウェムとクィントゥムも呆れたような顔でターメリックを見つめていた。
そうだった、どうしよう……
ちらっと前を向くと、レードル姫はコーヒーミルと楽しく語らっている。
なんとなく水を差すわけにはいかないような気がして振り向くと、仲間たちも顔を見合せ、
「ま、まあ、今じゃなくてもいいけどさ……」
「早ければ早いほど良いのは確かだな」
ノウェムの気遣いの言葉とクィントゥムの切羽詰まった声が重なり、ターメリックは項垂れた。
わかってる、わかってるよ。
でも、こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、ぼくは……
言い訳がましく口を開こうとした、そのとき。
「ターメリックは、自分がレードル姫に言った言葉って覚えてるの」
クランが、いつもの平坦な口調で尋ねてきた。
ターメリックには、その質問の意味がわからなかった。
もちろん、自分がレードル姫に言った言葉は覚えている。
しかし、それがどうしたというのか。
首を傾げるターメリックに、クランはなぜかニヤリと笑って、
「本当は、謝りたくないんでしょ」
「……」
「それなら、なおさら思い出してみるべきだよ。君が言った言葉を聞くべき人が、レードル姫以外にもいるんだから」
「え……?」
「その人がだれかわかったら、きっと謝りたくなるはずだよ」
「……?」
ターメリックは、言われるがままに自分の言葉を断片的に思い出していた。
この使命は、あなたが思っているほど簡単なものじゃない……
何も知らないのに口出ししないで……
これは遊びじゃない……
あっ……
声には出さなかったものの、クランには伝わったらしい。
さらには、頷くクランの後ろで、ノウェムとクィントゥムもニヤニヤしていた。
えっ、もしかして、みんな気がついてたの?
もぉ~、言ってよぉ~!
ターメリックは唇を尖らせていたが、仲間たちは「頑張れ」と拳を握っていた。
そのおかげで、なんとなく勇気が出てきたので、まあいいかと頷いてみせた。
クラン君が言った「君が言った言葉を聞くべき人」っていうのは……
ぼくのことだったんだね。
よし、ちゃんと謝ろう。
ターメリックはようやく決意を固めたが、
「よし、到着! 会議室は2階よ。旅の方たちも是非ご一緒に」
ミルクパン城の城門で、コーヒーミルがにこやかに手招きしていた。
それに応じるように、なんだかやる気満々のノウェムとクランが競い合うように城門を潜って行く。
あああ、また機会を逃しちゃった……
ターメリックは自分の鈍感さに、ほとほとうんざりしたのだった。
★◇◆◇◆◇◆◇
ミルクパン城の2階にある大きな会議室には、すでに団長であるケトルをはじめ、近衛兵団キィオークの面々が円卓に揃っていた。
皆同じ制服姿ではあるものの、襟の模様が違っていたり、袖の飾りの有無、桔梗のバッチの大きさなど、彼らにしかわからない階級の違いがあるようだった。
ターメリックたち4人は、会議室の片隅に椅子を並べて、何が始まるのかと様子を見ていた。
先に戻っていたミトンが説明済みだったらしく、上座に立っていたコーヒーミルは、挨拶も簡略して話し始めた。
「このまま闇雲に探していたって時間の無駄よ。少し考えて、捜索範囲を狭めましょう」
「考えるといったって……何か手がかりはあるのか?」
隣に控えていたケトルは怪訝な顔をしていたが、コーヒーミルは「手がかりしかないじゃない」と、呆れた顔をして、
「シノワ姫様は、城内……もしくは、その近くに監禁されている可能性が高いの」
と、言い切った。
その途端、会議室中がザワザワと騒がしくなり、ケトルが慌てたように口を開いた。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ、コーヒーミル。俺たちは半日かけて城の中やら近くやらを隈なく捜したが、それらしい場所はなかったぞ! いったいどこに……」
そこで、ケトルの言葉を遮るように、
「コーヒーミル殿。発言の許可を願います」
クィントゥムが手を挙げていた。
隣にいたターメリックが「え?」と驚く間もなく、コーヒーミルは「どうぞ」と、藤色の瞳を面白そうに光らせた。
……まるで、何を言うのか最初からわかっているかのように。
「犯人たちは、ケトル団長殿との会話の中で『城門を監視している』と口にしていました。それはつまり、最初から城門が見える場所にいるということではないかと。そして、城内でも付近でもないとするならば、できるだけ高いところから見下ろせる場所に陣取るはずなので……あそこ、ではないですか?」
そう言ってクィントゥムが指さしたのは、窓の外に見える、小さな塔だった。
いつの間にか日が沈んでしばらく経ち、塔は宵闇の中に浮いているように見える。
そして、クィントゥムの言葉に、コーヒーミルは大きく頷いた。
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つづく
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