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第5章 勇気
第18話 誇り高き決闘
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★◇◆◇◆◇◆◇
羅針盤から伸びる橙色の光……
鮮やかに輝くそれを辿って、ターメリックたちは地下牢から地上を目指して走っていた。
羅針盤を持っているのはノウェムだが、ターメリックは羅針盤を覗き込んで呟いた。
「橙色の光……なんだか揺れてる気がする」
勇気の剣に選ばれし者であるフィオを指す光は、なぜか先ほどから落ち着きがない。
右に左に大きく揺れ動いたかと思えば、震えるように小刻みに波打つこともある。
「ふむ、確かにターメリックの言う通りだな」
「ノウェムの走り方の問題じゃないの」
「足の遅いお前に合わせてるのにその言い方……」
ノウェムの文句を遮るように、レードル姫が「違うわ」と羅針盤を指さした。
「これは、たぶん剣士の動きだと思う。キィオークの剣術練習に似ているもの。わたしはいつも窓から中庭を見ていたから、なんとなくだけれど動線がわかるわ」
大きく揺れる動きは、相手の攻撃をかわして自らが攻撃に転ずるもの。
小刻みに波打つときは、相手の隙を伺い剣の先を揺らしているとき。
レードル姫の説明に、クィントゥムが「なるほど、ということは……」と呟き、その続きをターメリックが引き取った。
「フィオさんが勇気の剣で戦っているんだ!」
橙色の光を辿って階段を上がり、地上へと繋がる扉を開ける。
どうやらここは、城内の物置部屋らしい。
壁際には、空の木箱が3段になって積み上がっていた。
「ふむ、絨毯の上を何かが滑った跡がある……形状からいって、この木箱かな。ここを、つい先ほど通った人たちがいる、ということだな」
「クィン兄さん、そんなの推理しなくてもフィオ姉さんとコーヒーミルさんだってわかるから! 早く行こうぜ!」
羅針盤を持つノウェムに促されるまま、クィントゥムは名残惜しそうな様子で物置部屋を後にした。
城内の廊下は不気味なほどに静まり返っている。
……あのときと同じだ。
ターメリックは、スパイス帝国でカイエンの部下たちから必死に逃げ延びたときのことを思い出していた。
この静寂は、何かが起こる前兆に違いない。
ターメリックは額に汗を浮かべながら、仲間たちとともに走り続けた。
足の遅いクランが「もう無理」と弱音を吐き、それを励ましつつ角を曲がると……
わずか数時間前に見たばかりの、煌びやかな装飾が施された大きな扉が現れた。
謁見の間への入口である。
最初に辿り着いたターメリックが扉に耳を押し当ててみた。
扉の向こうからは、金属のぶつかり合う激しい音が響いて聞こえてくる。
これはおそらく、フィオが何者かと戦っている音に違いない。
仲間たちが揃ったのを確認して、ターメリックは勢いよく扉を押し開けた。
目の前に飛び込んできたのは、玉座の前で剣を振るう、ふたりの剣士……
お団子頭の少女は細身の剣を手に、まるで踊りを踊っているかのように相手を攻めていく。
対する濃い緑色の髪の男は、防御に徹しているように見えるが、素早く激しい突きを繰り出し相手を怯ませる。
いったい、いつから続いているのか……
ふたりの強さは互角で、決着が着く気配は微塵も感じられない。
「あ! コーヒーミル!」
レードル姫が、壁際に佇むコーヒーミルを見つけて駆け寄った。
ターメリックたちも続いたが、コーヒーミルはレードル姫の前に跪き、深く頭を垂れていた。
「申し訳ございません、レードル姫様……先ほどは突然のこととはいえ、咄嗟には動けず……姫様をお守りできずに私は……」
「謝らないで、コーヒーミル。こうして無事に出会えたんだもの。わたしなら大丈夫よ。だって、みんなが……仲間たちが一緒だったんですもの」
レードル姫は、後ろに控えていたターメリックたちの顔を順繰りに見回し、優雅に微笑んだ。
顔を上げて見守っていたコーヒーミルも、レードル姫の微笑みを前に、もう一度深く頭を下げた。
「それより……いったい何が起こっているのかわからないけれど、とりあえずフィオを助けないと!」
レードル姫は自らの杖を手にして、フィオとクレソンの前へ出ようとした。
しかし、コーヒーミルは「いけません」と、やんわりレードル姫を制した。
「あれは、誇り高き剣士たちの戦いなのです。手助けはなりません」
「でも、フィオが……」
「彼女の勝負の行方に、この国の未来がかかっているのです」
コーヒーミルの真剣な言葉に、レードル姫をはじめ、ターメリックたち全員はフィオとクレソンへと視線を向けた。
ふたりは、いまだに決着のつかない戦いに身を投じていた。
謁見の間に響き渡る金属音は、ときに甲高くときに重厚に、その場にいる者たちの耳へと届いた。
「フィオちゃんがクレソンに勝てば、この国は戦争に巻き込まれずに済む。そのために、自らクレソンに勝負を挑んだの。クレソンも、この勝負を受けてくれた。まあ、フィオちゃんが勇気の剣を手にしたときは驚いていたけれどね」
コーヒーミルの説明中も、ふたりの剣士の戦いは続いていた。
……フィオさん、格好良いなぁ。
あんな格好良い人が、ぼくたちの仲間だなんて。
ターメリックは自分たちが置かれた状況も忘れて、ふたりの戦いを眺めていた。
と、そこで、
「……は? なんでクレソンが戦ってんだよ。相手は勇気の剣……伝説の剣に選ばれし者だろ? どうなってんだよ……っ!」
ノウェムが堪らずといったように口を開いた。
その今にも「もうやめろ!」と叫び出しそうなノウェムに、クランが怪訝な顔を向けた。
「どうしたの、ノウェム。フィオさんは伝説の剣に選ばれし者として、僕たちの敵であるクレソンと戦ってるんだよ。クレソンは勝負を申し込まれて、受けて立っただけじゃないか」
「うん、それはその通りだけど、さ……でも、そうだけど、そうじゃないんだよ」
「え、どういうことなの。いつにも増して意味わかんないよ、ノウェム」
こんなときでも一言多いクランに、ノウェムは初めて突っかからずに説明を始めた。
「オレたちも知ってる通り、クレソンの目的は『伝説の剣に選ばれし者たちを捕まえておくこと』であって、戦うことじゃない。だから、もうすぐ戦場になる国から逃げろって言うべきなんだよ。さっきオレに地下牢の鍵を渡しながら言ったみたいに」
「……え!?」
ノウェムの告白のような説明に、仲間たちの声が揃った。
「ノウェム君が持ってた鍵って、クレソンがくれたものだったの!?」
「ああ……話せば長くなるんだけど、まあ、いろいろあって」
「いろいろって。教えてよ」
「だから長くなるって……うん、まあひとつだけ説明するとしたら……クレソンは、それほど悪いやつじゃないってことかな」
「はぁ!?」
ノウェムの衝撃発言に、またしても仲間たちの驚愕の声が揃った。
ちょ、ちょっと待ってよノウェム君!
あいつは、ぼくたちのノワール先生を死に追いやった張本人なんだよ!?
それなのに、悪いやつじゃないなんて言われても……!
ターメリックの頭の中を、これでもかと言葉が駆け巡る。
そしてもちろん、動揺しているのはターメリックだけではなかった。
自らの杖を手にしたレードル姫が「どうして」と声を荒らげた。
「あいつは、パン王国を乗っ取るために、わたしの大切なシノワ姉様を誘拐したのよ! どこからどう見たって悪い奴に決まってるわ!」
「そ、そうなんですけど……でも、違うんです。クレソンは……」
ノウェムがレードル姫の勢いに圧倒されつつも説明しようとした、そのとき。
謁見の間に、それまでとは違う、金属が跳ね返される激しい音が響き渡った。
ターメリックたちが見つめる先で、クレソンの剣が宙を舞っていた。
つづく
羅針盤から伸びる橙色の光……
鮮やかに輝くそれを辿って、ターメリックたちは地下牢から地上を目指して走っていた。
羅針盤を持っているのはノウェムだが、ターメリックは羅針盤を覗き込んで呟いた。
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勇気の剣に選ばれし者であるフィオを指す光は、なぜか先ほどから落ち着きがない。
右に左に大きく揺れ動いたかと思えば、震えるように小刻みに波打つこともある。
「ふむ、確かにターメリックの言う通りだな」
「ノウェムの走り方の問題じゃないの」
「足の遅いお前に合わせてるのにその言い方……」
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「これは、たぶん剣士の動きだと思う。キィオークの剣術練習に似ているもの。わたしはいつも窓から中庭を見ていたから、なんとなくだけれど動線がわかるわ」
大きく揺れる動きは、相手の攻撃をかわして自らが攻撃に転ずるもの。
小刻みに波打つときは、相手の隙を伺い剣の先を揺らしているとき。
レードル姫の説明に、クィントゥムが「なるほど、ということは……」と呟き、その続きをターメリックが引き取った。
「フィオさんが勇気の剣で戦っているんだ!」
橙色の光を辿って階段を上がり、地上へと繋がる扉を開ける。
どうやらここは、城内の物置部屋らしい。
壁際には、空の木箱が3段になって積み上がっていた。
「ふむ、絨毯の上を何かが滑った跡がある……形状からいって、この木箱かな。ここを、つい先ほど通った人たちがいる、ということだな」
「クィン兄さん、そんなの推理しなくてもフィオ姉さんとコーヒーミルさんだってわかるから! 早く行こうぜ!」
羅針盤を持つノウェムに促されるまま、クィントゥムは名残惜しそうな様子で物置部屋を後にした。
城内の廊下は不気味なほどに静まり返っている。
……あのときと同じだ。
ターメリックは、スパイス帝国でカイエンの部下たちから必死に逃げ延びたときのことを思い出していた。
この静寂は、何かが起こる前兆に違いない。
ターメリックは額に汗を浮かべながら、仲間たちとともに走り続けた。
足の遅いクランが「もう無理」と弱音を吐き、それを励ましつつ角を曲がると……
わずか数時間前に見たばかりの、煌びやかな装飾が施された大きな扉が現れた。
謁見の間への入口である。
最初に辿り着いたターメリックが扉に耳を押し当ててみた。
扉の向こうからは、金属のぶつかり合う激しい音が響いて聞こえてくる。
これはおそらく、フィオが何者かと戦っている音に違いない。
仲間たちが揃ったのを確認して、ターメリックは勢いよく扉を押し開けた。
目の前に飛び込んできたのは、玉座の前で剣を振るう、ふたりの剣士……
お団子頭の少女は細身の剣を手に、まるで踊りを踊っているかのように相手を攻めていく。
対する濃い緑色の髪の男は、防御に徹しているように見えるが、素早く激しい突きを繰り出し相手を怯ませる。
いったい、いつから続いているのか……
ふたりの強さは互角で、決着が着く気配は微塵も感じられない。
「あ! コーヒーミル!」
レードル姫が、壁際に佇むコーヒーミルを見つけて駆け寄った。
ターメリックたちも続いたが、コーヒーミルはレードル姫の前に跪き、深く頭を垂れていた。
「申し訳ございません、レードル姫様……先ほどは突然のこととはいえ、咄嗟には動けず……姫様をお守りできずに私は……」
「謝らないで、コーヒーミル。こうして無事に出会えたんだもの。わたしなら大丈夫よ。だって、みんなが……仲間たちが一緒だったんですもの」
レードル姫は、後ろに控えていたターメリックたちの顔を順繰りに見回し、優雅に微笑んだ。
顔を上げて見守っていたコーヒーミルも、レードル姫の微笑みを前に、もう一度深く頭を下げた。
「それより……いったい何が起こっているのかわからないけれど、とりあえずフィオを助けないと!」
レードル姫は自らの杖を手にして、フィオとクレソンの前へ出ようとした。
しかし、コーヒーミルは「いけません」と、やんわりレードル姫を制した。
「あれは、誇り高き剣士たちの戦いなのです。手助けはなりません」
「でも、フィオが……」
「彼女の勝負の行方に、この国の未来がかかっているのです」
コーヒーミルの真剣な言葉に、レードル姫をはじめ、ターメリックたち全員はフィオとクレソンへと視線を向けた。
ふたりは、いまだに決着のつかない戦いに身を投じていた。
謁見の間に響き渡る金属音は、ときに甲高くときに重厚に、その場にいる者たちの耳へと届いた。
「フィオちゃんがクレソンに勝てば、この国は戦争に巻き込まれずに済む。そのために、自らクレソンに勝負を挑んだの。クレソンも、この勝負を受けてくれた。まあ、フィオちゃんが勇気の剣を手にしたときは驚いていたけれどね」
コーヒーミルの説明中も、ふたりの剣士の戦いは続いていた。
……フィオさん、格好良いなぁ。
あんな格好良い人が、ぼくたちの仲間だなんて。
ターメリックは自分たちが置かれた状況も忘れて、ふたりの戦いを眺めていた。
と、そこで、
「……は? なんでクレソンが戦ってんだよ。相手は勇気の剣……伝説の剣に選ばれし者だろ? どうなってんだよ……っ!」
ノウェムが堪らずといったように口を開いた。
その今にも「もうやめろ!」と叫び出しそうなノウェムに、クランが怪訝な顔を向けた。
「どうしたの、ノウェム。フィオさんは伝説の剣に選ばれし者として、僕たちの敵であるクレソンと戦ってるんだよ。クレソンは勝負を申し込まれて、受けて立っただけじゃないか」
「うん、それはその通りだけど、さ……でも、そうだけど、そうじゃないんだよ」
「え、どういうことなの。いつにも増して意味わかんないよ、ノウェム」
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「オレたちも知ってる通り、クレソンの目的は『伝説の剣に選ばれし者たちを捕まえておくこと』であって、戦うことじゃない。だから、もうすぐ戦場になる国から逃げろって言うべきなんだよ。さっきオレに地下牢の鍵を渡しながら言ったみたいに」
「……え!?」
ノウェムの告白のような説明に、仲間たちの声が揃った。
「ノウェム君が持ってた鍵って、クレソンがくれたものだったの!?」
「ああ……話せば長くなるんだけど、まあ、いろいろあって」
「いろいろって。教えてよ」
「だから長くなるって……うん、まあひとつだけ説明するとしたら……クレソンは、それほど悪いやつじゃないってことかな」
「はぁ!?」
ノウェムの衝撃発言に、またしても仲間たちの驚愕の声が揃った。
ちょ、ちょっと待ってよノウェム君!
あいつは、ぼくたちのノワール先生を死に追いやった張本人なんだよ!?
それなのに、悪いやつじゃないなんて言われても……!
ターメリックの頭の中を、これでもかと言葉が駆け巡る。
そしてもちろん、動揺しているのはターメリックだけではなかった。
自らの杖を手にしたレードル姫が「どうして」と声を荒らげた。
「あいつは、パン王国を乗っ取るために、わたしの大切なシノワ姉様を誘拐したのよ! どこからどう見たって悪い奴に決まってるわ!」
「そ、そうなんですけど……でも、違うんです。クレソンは……」
ノウェムがレードル姫の勢いに圧倒されつつも説明しようとした、そのとき。
謁見の間に、それまでとは違う、金属が跳ね返される激しい音が響き渡った。
ターメリックたちが見つめる先で、クレソンの剣が宙を舞っていた。
つづく
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