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4.狙われる理由

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……はいっ???

ネラワレテル…?

訳分かんない。話が見えないんですけど…。
ぽかんとアホみたいに口を開ける。

「まぁ、受け入れがたい気持ちは分かる」

あぁ、はい。
…ん?いや、そうじゃなくて…。

「ど、どういう事ですか?命を狙われてるって…」
「……言葉通りだが」

いやいや、待って!

「あの!まず何で私は狙われてるんですか!?
てかそれ以前にあなた誰なんですか!」
「あ?説明してなかったか?」
「してませんしてません」
「マジかよ…。説明すっごく長くなるぞ?
長すぎて文字数足りなくなったらどうすんだよ」
「知りませんよ。
てか文字数とか言わないで下さい。
世界観ぶち壊しです」
「あぁ、すまない。
…じゃあこれから話すからよーく聞け。
途中で分からない所があったら言うんだぞ」
「はい」

ヒロはふーっと一息つくと、静かに話し始めた。

「まず俺は、未来からやって来た」

はい、ストップ。
もう分かりません。

「未来から来たってどういう事ですか…?」
「言葉通りだ。俺はタイムマシンみたいなので時空を越えてやって来た、未来人なんだ」

要するにこの人はドラ○もんみたいな人なのね。

ヒロは続ける。

「俺が生きてる未来は、争いのない平和な所だった。
だが、最近怪物が暴れ始めてな。俺が住んでいた町はあっという間に怪物に支配されてしまったんだ」

うわー、それはお気の毒。

「怪物達が暴れ、人々は住む場所が無くて困っていた。
しかしその中で怪物達を仕留めようと『怪物バスター』が結成され、怪物達による被害は少なくなった」

うわー、良かったじゃん。
でもどこが私に関係あるんだろ。

「しかし怪物達も黙ってはいなかった。
怪物達は『怪物バスター』に対抗した。
まず怪物達が狙ったのはある女性で、
その女性は『怪物バスター』のメンバーでリーダーをしていて、怪物達を意図も簡単に仕留めてきた人物。
…で、ここでお前が関係してくるんだが、実はその女性は…」

ひょっとして、

「私ですか!?」
「違う!お前の、娘だ」

む、娘ぇーーー?
私将来子供産むんだー。
どんな人と結婚したんだろ?イケメンかなー?

ってそうじゃなくて!

「確かに私に関係ありますけど、どうして私が狙われなきゃいけないんですか!
私は何もやってないし…」

「それはな、お前の娘がなかなか手強くて怪物も手におえないから、母であるお前の存在を消すことで、娘の存在自体を無くそうと企んでいるんだ」

なるほどー。
迷惑な話だなー!
てか娘強っ!!

「という訳で、今から俺はお前のボディーガードになる」

ボディーガード??
これから私を怪物から守ってくれるってことか…。

「光栄ですっっ!!」
私のナイト様!

「あぁ、あと敬語やめろ。
俺とお前は同い年だ。無理に丁寧でなくていい」
「あっ、うん。分かった。えっと、呼び方はヒロでいい?」
「何でもいい」

はいはい、じゃあヒロで。

それにしてもこんなイケメンが私を守ってくれるなんてサイコー!!

…あっ、でも。

「どうやって怪物から私を守るの?
怪物強そうだし、敵いそうにないけど」
「それは…」

とヒロが言いかけた瞬間、大きな爆発音が響いた。

「…逃げるぞ、四葉」
「う、うん!」

きゃー、四葉っていわれたー…!

ってキュンキュンしてる場合じゃない!

私とヒロは大通りに向かって走っていった。
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