主婦、いいえ戦業主婦ですー7回目の転生で村娘になった英雄は第2皇子に溺愛されるー

高井繭来

文字の大きさ
1 / 7

プロローグ

しおりを挟む
 暗闇の町の外れで屈強な男達が、縄で縛られ猿轡をされた容姿端麗な女子供を馬車に積み込んでいた。

「早くしろ!警備隊が来るぞ!」

「この女が最後だ!」

「へへへ、今日は良い品が手に入った。これは高値が付くぞぉ」

 最後の1人はメイド服だった。
 女性らしい柔らかそうな体に縄が食い込んでいて、露出が無いが逆に淫靡に見えた。
 顔立ちは平民メイドだろうに目鼻立ちがはっきりとした美しい造り。
 逃げる手段がないだろうに、それでも気の強そうな眦がキッと男たちを睨んでいた。

「いいねぇ、気の強い女はそそられるぜぇ。売るのが勿体ないくらいだ。味見くらいしても良いよなぁ?」

 男の1人がメイドの顎を掴み顔を己の方へ向けさせた。
 少し潤んだ瞳が男を強く睨みつける。
 その眼差しに男は舌なめずりをした。

「今回はお貴族様の依頼だ!一切手を出すなよ。処女なら定価の5倍の値段で売れるんだからな!!」

「でもよ~この女こんな色っぽい体して本当に処女か?貫通済みなら1度くらい味見してもバレねぇだろぉ?」

「それは大丈夫だ。今回の依頼主は相当の潔癖でな。他人と性行為の経験が有るか無いかを調べる魔道具まで用意誰たんだ。間違いなく今日の獲物は処女ばかりだ。味見は許さねぇ」

「ちっ、勿体ない。だが10倍で売れるならその金で別の女買った方がお手頃だな。良かったなぁ姉ちゃん、えら~いお貴族様のマラで今まで守ってきた膜を破って貰えるってよぉ」

「~~~~~~っ!!」

 メイドがじたじたと体を動かす。担いでいる男の腕から逃れようとするが、屈強な男は成人女性1人担いでも力が有り余っているらしくビクともしなかった。

「10倍の値で売るにはその女は安すぎるぞ。こちらへ返して貰おうか」

 暗闇の中、鼓膜を震わせるような甘い中性的な声が路地裏に響いた。

「誰だっ!?」

「ん~っんん~~~~っ!!!」

 メイドの顔に喜色が浮かぶ。
 ジタバタとさらに体を揺らした。

「遅くなって済まなかったなモーヴ、今解放するからな」

「何だお前はっ!!!」

 男達が腰に差した獲物を抜く。
 3流日の品であろうことが分かる粗末な武器だ。
 だがその刃が吸ってきた血の数は騎士たちの太刀より遥かに多い。

「私か?私は主婦だ!!」

 黒い外套フードがまくれ、ソコから現れたのは濃すぎて黒にも見えるほどの紅の色をした髪と瞳を持つ絶世の美貌だった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

外では氷の騎士なんて呼ばれてる旦那様に今日も溺愛されてます

刻芦葉
恋愛
王国に仕える近衛騎士ユリウスは一切笑顔を見せないことから氷の騎士と呼ばれていた。ただそんな氷の騎士様だけど私の前だけは優しい笑顔を見せてくれる。今日も私は不器用だけど格好いい旦那様に溺愛されています。

日常的に罠にかかるうさぎが、とうとう逃げられない罠に絡め取られるお話

下菊みこと
恋愛
ヤンデレっていうほど病んでないけど、機を見て主人公を捕獲する彼。 そんな彼に見事に捕まる主人公。 そんなお話です。 ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。

偶然同じ集合住宅の同じ階に住んでいるだけなのに、有名な美形魔法使いに付き纏いする熱烈なファンだと完全に勘違いされていた私のあやまり。

待鳥園子
恋愛
同じ集合住宅で同じ階に住んでいた美形魔法使い。たまに帰り道が一緒になるだけなんだけど、絶対あの人私を熱烈な迷惑ファンだと勘違いしてる! 誤解を解きたくても、嫌がられて避けられている気もするし……と思っていたら、彼の部屋に連れ込まれて良くわからない事態になった話。

獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。

真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。 狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。 私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。 なんとか生きてる。 でも、この世界で、私は最低辺の弱者。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。

待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。

王太子殿下が、「国中の未婚女性を集めて舞踏会を開きたい」などと寝言をおっしゃるものですから。

石河 翠
恋愛
主人公のアレクは、ある日乳兄弟である王太子に頼みごとをされる。なんと、国中の未婚女性を集めて舞踏会を開きたいというのだ。 婚約者がいない王太子による、身分の垣根を越えた婚活パーティー。あまりにも無駄の多い夜会であること、何より「可愛い女の子のドレス姿が見たい」という下心満載の王太子にドン引きしつつも、王太子の本音に気がつき密かに心を痛める。 とはいえ王太子の望みを叶えるべく奔走することに。しかし舞踏会当日、令嬢の相手をしていたアレクは、怒れる王太子に突然からまれて……。 転生後の人生を気ままに楽しむヒロインと、ヒロインにちっとも好意が伝わらないポンコツ王子の恋物語。 ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は、チョコラテさまの作品(写真のID:4099122)をお借りしております。

やけに居心地がいいと思ったら、私のための愛の巣でした。~いつの間にか約束された精霊婚~

小桜
恋愛
ルディエル・アレンフォードは森に住む麗しの精霊守。 そんな彼が、いよいよ伴侶を迎えようと準備を始めているらしい。 幼馴染という関係に甘んじていたネネリア・ソルシェは、密かにショックを受けていた。 そろそろ彼との関係も終わらせなければならないけれど、ルディエルも精霊達もネネリアだけに優しくて――? 「大丈夫。ずっと居たいと思えるような場所にしてみせるから」 鈍感なネネリアと、一途で奥手なルディエル。 精霊に導かれた恋は、本人だけが気づかない。

処理中です...