顔を焼かれ妹に荒野に捨てられた公爵令嬢、その身を偽り皇太子の護衛として王国へと帰還する

高井繭来

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【22話】

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 私の腹違いの妹はメンタルが物凄く強靭なんだと思い知らされました。
 まさか脱糞事件の3日後に食事に誘ってくるとは…。

「皇太子様ぁ、今日は私の作ってきたお弁当を食べて下さいよぉ」

 間延びした声が鬱陶しい事このうえないです。
 鼻にかかっているのも鬱陶しい一部です。

「いや、今日はポリフォニーが昼食を用意してくれたのでソレは無理だ」

 バッサリ切りましたね皇太子様!
 普通そこは婚約者のお弁当選ぶでしょうて!
 何故に愛らしい見た目の少女ではなくて屈強な男の手作り弁当選んじゃうんですかね!

「じゃぁ、じゃぁお弁当交換して食べませんかぁ?」

「今日は私の好物ばかりなので無理だ」

「ぐぬぬぬぬぬ…」

 カレン、可憐な美少女の仮面外れて来てますよ…。

 まぁコレは仕方ないと言えば仕方ないですよねぇ。

 方や皇太子様の婚約者。
 方や皇太子様の護衛。
 
 どう考えても皇太子様が優先すべきは前者です。
 何で私を優先しますかね。
 と言うか、何で私お昼ご飯まで作らされているのでしょうか?
 私は護衛なんです。
 皇太子様を護るのが仕事なんです。
 決してご飯の用意をするお仕事ではないんですよ。

 怒りでこめかみに血管が浮き出ているカレンに気付かず、皇太子様はお弁当を広げました。

 まずは1つ目のお弁当箱にはお握りがぎっしり。
 私が食べる分も入っております。
 護衛って一緒にご飯食べるのお仕事に入ってましたっけ?

 おにぎりの具は鮭・オカカ・昆布・ツナマヨです。
 海苔は皇太子様がパリパリ派なので別に用意しています。
 食べる時に自分で蒔くスタイルです。
 まぁ皇太子様は食べたい具を言って、私が海苔を巻いて渡すスタイルです。
 本当にこの皇太子様、私の仕事増やすの好きですよねっ!!!

 2つ目のお弁当には色鮮やかにオカズを詰めています。
 ・アスパラガスの肉巻き
 ・チキンチャップ
 ・ひとくち照り焼きサーモン
 ・エビとブロッコリーのプリプリ塩だれ炒め
 ・味玉
 ・浅漬けピクルスパプリカ(赤)
 ・にんじんのしりしり
 ・ジャーマンポテト カレー味
 ・キャベツとアボカドのサラダ
 全部皇太子様の好きなオカズです。

 まぁ皇太子様が嫌いなメニューの方が知らないですけどね。

 でも護衛の仕事ではないのは確かです。
 今や厨房に顔パスですよ。
 朝昼お茶の時間と私が用意していますからね。

 流石にディナーは家族そろって食べるため、王宮のシェフさんのメニューを食べていますが。

 この調子では夜も作らされる日が来そうで怖いのは私の杞憂でしょうか?

 カレンもバスケットを広げます。
 色とりどりのサンドイッチ。
 邸のシェフが作ったんでしょうね。
 見覚えのあるメニューがちらほらと。
 私は食べた事ないですけど。

 そして3人で昼食を食べました。

 皇太子様がカレンの用意したお弁当に手を付ける事は1度もありませんでした。
 私の作ったお弁当に夢中です。
 カレンの前なので大人しく食べていますが。
 私だけになるとへにゃ、とした笑顔で「美味しい、もっとポリフォニーの作る色んなものが食べたい」なんて言うから質が悪いです。

 冷徹どこに消えた、てヤツですよ。

 その内に皇太子様に関する仕事全部押し付けられそうで怖いんですけど………。

 私、復讐に来たのですが何故かマロン様に仕込まれた料理スキルばかり披露しております。
 クロタン様申し訳ないです。
 教えて頂いた魔術を使う機会がこの上なく少ないです。
 クオン様にも謝罪ですね。
 このところ剣を振るっておりません。
 戦闘勘が下がると都合が悪いので今日の夜から少し自主練をしましょう。

 あ、カレンにする復讐も計画立てないといけません。
 あんまり思いつかない自分のお花畑のおつむが情けないです。

 神様なら良い復讐劇を思いつくのでしょうが…。

 天界の神様、カノンはポリフォニーとして頑張ってますが上手く復讐が進みません。
 もし様子を見ていらしたらアドバイスが欲しいと思います。
 ツナマヨのお握りを頬張る皇太子様を見ながら、天にそんな事を思わず祈ってしまうのでした。
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