2 / 109
1
しおりを挟む
私の名前はルーシュ・サウザント・ドラゴニア。
誇り高き王家専属聖騎士団の聖騎士を12歳から15歳まで勤め上げた。
女の身を隠しながらだ。
女だとよくバレなかったと思うだろう。
ソコには私の努力の結晶があったからだ。
まず物心ついて魔術の操作を覚えてから脳内ホルモンに干渉し、男性ホルモンを流しまくった。
女性ホルモンの分泌は出来るだけ抑えるようにした。
止めると言う手もあったが髪は女性ホルモンが影響しているので、若い身空でハゲになるのは御免だったので適度に流しておいた。
お陰で私は背は女にしてはぐんぐん伸び、綺麗に筋肉の付いた細マッチョになった。
戦いを主にしていたおかげで皮膚は褐色に焼け、自慢の筋肉を映えさせる。
本来なら”おっぱい”になる物は”雄っぱい”に変化を遂げていた。
腋毛もすね毛もギャランドゥも年の割に濃かったのではないか?
腰にタオルさえ巻いていれば、男風呂に入っても誰にも疑われることは無かった。
勿論生理も無い。
喉は僅かに隆起し、簡易喉仏のお陰で声はハスキーボイス。
誰も私の性別を疑わない。
まぁ一緒に風呂に入っているのだから当たり前だろう。
腰のタオルだけは死守した。
屈辱的だが包〇であると誤魔化して。
仲間たちの憐みの目は一生忘れることは無いだろう。
:::
そして現在。
私は聖女付のメイドをしている。
身長こそ低くならなかったものの、”雄っぱい”は”おっぱい”になった。
男性ホルモン止めただけなのに…。
”おっぱい”が出来た………。
”ちっぱい”だけど正式な”おっぱい”だ。
”雄っぱい”が懐かしい。
さようなら私の”雄っぱい”……(´Д⊂グスン
すね毛も腋毛もギャランドゥもはらはら抜けた。
男が頭皮の毛が抜けていくときの絶望はあんな感情なのかもしれない。
とにかく絶望が私を襲った。
鍛えられた筋肉は萎み、腕も足も腰も細くなり体全体が柔らかくなった。
何処に消えたんだ、私のシックスパックは!?
日に当たらない生活のせいで褐色の肌が白くなってしまった。
これでは残された筋肉すら映えないではないか!!
喉の隆起も無くなり声が高くなった。
ハスキーボイスは何処に身を隠した!?
つーか私の地声ソプラノだったのかよ!!
そして連れ戻されて3ヵ月、私は姉たちから徹底的に淑女のマナーを叩き込まれた。
今ではお茶を美味しく淹れるのもお手の物だ。
「あ~お茶くそまず~。生ぬるいから入れ直してね~」
この聖女、頭勝ち割ってやろうか。
私の3年と3ヵ月を返しやがれ。
引きつく頬を隠しながら聖女様のお茶のおかわりを淹れるべく、私は新たにお湯を取りにいくのだった。
つーか不味いなら飲むな糞聖女!!
誇り高き王家専属聖騎士団の聖騎士を12歳から15歳まで勤め上げた。
女の身を隠しながらだ。
女だとよくバレなかったと思うだろう。
ソコには私の努力の結晶があったからだ。
まず物心ついて魔術の操作を覚えてから脳内ホルモンに干渉し、男性ホルモンを流しまくった。
女性ホルモンの分泌は出来るだけ抑えるようにした。
止めると言う手もあったが髪は女性ホルモンが影響しているので、若い身空でハゲになるのは御免だったので適度に流しておいた。
お陰で私は背は女にしてはぐんぐん伸び、綺麗に筋肉の付いた細マッチョになった。
戦いを主にしていたおかげで皮膚は褐色に焼け、自慢の筋肉を映えさせる。
本来なら”おっぱい”になる物は”雄っぱい”に変化を遂げていた。
腋毛もすね毛もギャランドゥも年の割に濃かったのではないか?
腰にタオルさえ巻いていれば、男風呂に入っても誰にも疑われることは無かった。
勿論生理も無い。
喉は僅かに隆起し、簡易喉仏のお陰で声はハスキーボイス。
誰も私の性別を疑わない。
まぁ一緒に風呂に入っているのだから当たり前だろう。
腰のタオルだけは死守した。
屈辱的だが包〇であると誤魔化して。
仲間たちの憐みの目は一生忘れることは無いだろう。
:::
そして現在。
私は聖女付のメイドをしている。
身長こそ低くならなかったものの、”雄っぱい”は”おっぱい”になった。
男性ホルモン止めただけなのに…。
”おっぱい”が出来た………。
”ちっぱい”だけど正式な”おっぱい”だ。
”雄っぱい”が懐かしい。
さようなら私の”雄っぱい”……(´Д⊂グスン
すね毛も腋毛もギャランドゥもはらはら抜けた。
男が頭皮の毛が抜けていくときの絶望はあんな感情なのかもしれない。
とにかく絶望が私を襲った。
鍛えられた筋肉は萎み、腕も足も腰も細くなり体全体が柔らかくなった。
何処に消えたんだ、私のシックスパックは!?
日に当たらない生活のせいで褐色の肌が白くなってしまった。
これでは残された筋肉すら映えないではないか!!
喉の隆起も無くなり声が高くなった。
ハスキーボイスは何処に身を隠した!?
つーか私の地声ソプラノだったのかよ!!
そして連れ戻されて3ヵ月、私は姉たちから徹底的に淑女のマナーを叩き込まれた。
今ではお茶を美味しく淹れるのもお手の物だ。
「あ~お茶くそまず~。生ぬるいから入れ直してね~」
この聖女、頭勝ち割ってやろうか。
私の3年と3ヵ月を返しやがれ。
引きつく頬を隠しながら聖女様のお茶のおかわりを淹れるべく、私は新たにお湯を取りにいくのだった。
つーか不味いなら飲むな糞聖女!!
22
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる