男として育てられた公爵家の令嬢は聖女の侍女として第2の人生を歩み始めましたー友人経由で何故か帝国の王子にアプローチされておりますー

高井繭来

文字の大きさ
15 / 109

14

しおりを挟む
「ここでの食事も最後か…」

「ようやくお前のハーレム見ずに朝食が摂れるかと思うと嬉しくて涙が出るな」

「そんなに寂しがるな、何時でも会いに来てやる」

「今の話の流れから嬉し涙だと思わないかな?」

「私の親友が素直じゃない…」

「お前何処までもポジティブなんね」

「たまには足元を見る事も必要だが、前を見て歩かないと棒に当たるのだぞ人は」

「棒に当たるのは犬じゃなかったか?」

「しかしやはり食事は食べ慣れたものに限るな。ここの食事は量はあるが肉も魚も無いからな。大豆も嫌いではないがやはり育ち盛りなのだから動物でたんぱく質が取りたい」

「あ~その気持ちは分かるわ。騎士専用の食堂の飯は多いし肉マシマシで上手かった」

「フレイムアーチャの王宮の食事は確かに美味かったな」

「そう言えばお前【認識阻害】かけてしれっと食べに来てたね…」

「誰もが気付かないのが愉快であった。何処の国でも通用するのか試してみたら大国全ての王宮に忍び込めた事をここで伝えておこう」

「うん、知らなくて良かったかなその情報!」

「ちなみにフレイムアーチャが1番簡単に入れたぞ」

「更にその追加情報はいらなかったね、うん!」

「食事の美味しさはやはり食べ慣れたカカンのものが美味しいが、海に面した法力国家のフォクウンの食事は旨かったな。海鮮料理が美味であった。生の魚があれほど旨いとは」

「生!生で魚食べんの!?」

「今はガフティラベル帝国の宦官用食堂でも食べれるぞ。宦官用食堂の料理はかなり旨い」

「ちょっと待て!何でお前が帝国の宦官用食堂で飯食ってる訳!?」

「職場だからな」

「おまっ、何ちゅーとこを職場に選んでんだ!宦官て!!」

「男装して聖騎士してた事例もあることだし、そんなに珍しいモノでもなかろう」

「いや、自分を棚に上げてなんだが、かなり変だから!え、つーことはお前のお相手は職場で見つけた訳!?」

「うむ、皇太子の後宮が出会いの場だ。綺麗で可愛い愛猫だぞ」

(つー事は相手も宦官!?)

「ちょっとしたことで赤くなったり涙ぐんだり、見ていて飽きん」

(やっぱり宦官だよな?普通の男はすぐに赤くなったり涙ぐんだりしないよな!?)

「昼には会えると思うかと楽しみだ」

(宦官誑し込んでいるサイヒの図が見て来たかのように想像できる…)

「どうした無口になって?」

「いや、耽美だなと思って」

「まぁ美麗な姿はしているな」

「人の恋路に口出すのもなんだし、恋愛は個人の自由だし、まぁ私は祝福するよ」

「それは有難い。お前も早く…いや、その内いい相手が見つかると良いな」

「今、胸見てから言い換えただろう!?私だって年頃なんだからな!いい相手さえ現れたら一気に大恋愛何だからな!!」

「大丈夫だ、胸は小さくても柔らかければよい」

「フォローになってねーわ!」

 モキュモキュ食べるサイヒは突っ込みを受け流す。
 この食事にしか興味を示さない女が良くぞ恋愛相手を見つけたものだとルーシュは感心した。
 宦官だから逆に相性が良かったのだろうか?

 昼にサイヒの想い人が迎えに来た時、ルーシュと迎え人がお互い想像していた人物像とあまりに違い驚くことになるのはこの後の話しである。
しおりを挟む
感想 197

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  ブックマーク・評価、宜しくお願いします。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...