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昔、絵本で母親が読んでくれたお話。
とある帝国の《武神》と呼ばれる少女が魔族の王《魔王》と結ばれる話し。
少女と魔王は互いの魔力を込めた封水晶と呼ばれる石を左手の薬指に、伴侶の証としてつけていたと言う。
何故その話を思い出したかと言われると途轍もなく単純な理由だ。
現在、己が似た状況にあるからだ。
右手の薬指の指輪は「恋人が居ます」の証らしい。
現在ルーシュの右手の薬指には、碧の石が埋め込まれたシンプルなデザインの指輪が嵌め込まれている。
石の碧色は、大陸1の大帝国、ガフティラベル帝国王位継承権1位のアンドュアイスの瞳の色だ。
そして石は封水晶。
その封水晶にアンドュアイスが法力を込めて色づいた石を埋め込まれた指輪を、ルーシュは右手の薬指にしている。
石の土台になっているのはミスリル銀だ。
御伽噺でよく登場するが現実ではお目にかかれない、この貴重な宝石と鉱石をどう入手してのか?
アンドュアイスは昔かなり際どい連中と手を組んだこともあったため、貴重な品を手に入れれる機会も多いらしい。
「昔取った杵柄だよ~」
と甘い舌っ足らずなテノールボイスで言われるのだから、どう問い詰めて良いか分からなくなる。
かなり際どいとサイヒに言わせるとは、どのレベル何だと聞きたいような聞きたくないような…。
だがルーシュは、自分はたとえアンドュアイスが悪人であろうと伴侶になると決めた。
悪の道に走るのなら自分が止める。
悪の道を歩んできたのなら自分が償わせる。
そう決心しているのでアンドュアイスが何をしてきたかなんて、気になどしていない。
まぁやたらと色気を無自覚に振りまくアンドュアイスの”そういった話”にはかなり興味があるのだが。
昔の女に嫉妬するなんて女々しいと思うが、自分は女なのだから女々しくて何が悪いとその辺は開き直っている。
逆に女らしい所が自分にもあったのだと感心したくらいだ。
そして、現在アンドュアイスの右手の薬指にも同じ指輪が嵌められている。
ただし石の色は若葉色だ。
コレはルーシュの髪の色である。
「春の始まりみたいで綺麗だね~」
なんてアンドュアイスが言うから、ルーシュは春が1番好きになった。
そして己の髪の色を誇らしく思うようになった。
春の訪れの色。
そして黄色の瞳を稲穂色の豊穣の色だと言う。
一気に秋も好きになった。
アンドュアイスはルーシュの事を《実りの女神》なんて言う。
流石にそれは言い過ぎだと思わなくもないが、嬉しいのが乙女心。
己が《実りの女神》なら、アンドュアイスは《夏の化身》だ。
空を穿つ落雷のような金糸の髪に雲1つ無い青空のような瞳。
その瞳の色を宿した石を込められた指輪。
指輪を見るたび胸がドクドクと高鳴る。
何時か同じ指輪を左手の薬指に嵌める時が来る。
後2ヵ月でルーシュは16歳になる。
成人まで後2年。
2年たてばルーシュはアンドュアイスに嫁ぐのだ。
お陰で現在ルーシュは公爵家に再び迎え入れられて、公爵令嬢として教育を受け直している。
嫁ぐのだから相手の国の歴史や文化も学ばなければならない。
脳筋のルーシュに座学は辛いが、アンドュアイスの事を思えばそれも頑張れる。
自分は随分と生活が変わったが、あの心友はどうなっただろうか?
姿を消して1ヵ月と少し。
定期的な連絡すらなくなった。
そろそろあの非常識にも触れたいものだと思う。
そして約半年後。
非常識な心友がさらに非常識になっている事を伝えられ、ルーシュは胃の痛む思いをする事となる。
とある帝国の《武神》と呼ばれる少女が魔族の王《魔王》と結ばれる話し。
少女と魔王は互いの魔力を込めた封水晶と呼ばれる石を左手の薬指に、伴侶の証としてつけていたと言う。
何故その話を思い出したかと言われると途轍もなく単純な理由だ。
現在、己が似た状況にあるからだ。
右手の薬指の指輪は「恋人が居ます」の証らしい。
現在ルーシュの右手の薬指には、碧の石が埋め込まれたシンプルなデザインの指輪が嵌め込まれている。
石の碧色は、大陸1の大帝国、ガフティラベル帝国王位継承権1位のアンドュアイスの瞳の色だ。
そして石は封水晶。
その封水晶にアンドュアイスが法力を込めて色づいた石を埋め込まれた指輪を、ルーシュは右手の薬指にしている。
石の土台になっているのはミスリル銀だ。
御伽噺でよく登場するが現実ではお目にかかれない、この貴重な宝石と鉱石をどう入手してのか?
アンドュアイスは昔かなり際どい連中と手を組んだこともあったため、貴重な品を手に入れれる機会も多いらしい。
「昔取った杵柄だよ~」
と甘い舌っ足らずなテノールボイスで言われるのだから、どう問い詰めて良いか分からなくなる。
かなり際どいとサイヒに言わせるとは、どのレベル何だと聞きたいような聞きたくないような…。
だがルーシュは、自分はたとえアンドュアイスが悪人であろうと伴侶になると決めた。
悪の道に走るのなら自分が止める。
悪の道を歩んできたのなら自分が償わせる。
そう決心しているのでアンドュアイスが何をしてきたかなんて、気になどしていない。
まぁやたらと色気を無自覚に振りまくアンドュアイスの”そういった話”にはかなり興味があるのだが。
昔の女に嫉妬するなんて女々しいと思うが、自分は女なのだから女々しくて何が悪いとその辺は開き直っている。
逆に女らしい所が自分にもあったのだと感心したくらいだ。
そして、現在アンドュアイスの右手の薬指にも同じ指輪が嵌められている。
ただし石の色は若葉色だ。
コレはルーシュの髪の色である。
「春の始まりみたいで綺麗だね~」
なんてアンドュアイスが言うから、ルーシュは春が1番好きになった。
そして己の髪の色を誇らしく思うようになった。
春の訪れの色。
そして黄色の瞳を稲穂色の豊穣の色だと言う。
一気に秋も好きになった。
アンドュアイスはルーシュの事を《実りの女神》なんて言う。
流石にそれは言い過ぎだと思わなくもないが、嬉しいのが乙女心。
己が《実りの女神》なら、アンドュアイスは《夏の化身》だ。
空を穿つ落雷のような金糸の髪に雲1つ無い青空のような瞳。
その瞳の色を宿した石を込められた指輪。
指輪を見るたび胸がドクドクと高鳴る。
何時か同じ指輪を左手の薬指に嵌める時が来る。
後2ヵ月でルーシュは16歳になる。
成人まで後2年。
2年たてばルーシュはアンドュアイスに嫁ぐのだ。
お陰で現在ルーシュは公爵家に再び迎え入れられて、公爵令嬢として教育を受け直している。
嫁ぐのだから相手の国の歴史や文化も学ばなければならない。
脳筋のルーシュに座学は辛いが、アンドュアイスの事を思えばそれも頑張れる。
自分は随分と生活が変わったが、あの心友はどうなっただろうか?
姿を消して1ヵ月と少し。
定期的な連絡すらなくなった。
そろそろあの非常識にも触れたいものだと思う。
そして約半年後。
非常識な心友がさらに非常識になっている事を伝えられ、ルーシュは胃の痛む思いをする事となる。
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