男として育てられた公爵家の令嬢は聖女の侍女として第2の人生を歩み始めましたー友人経由で何故か帝国の王子にアプローチされておりますー

高井繭来

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本編で語られなかったイチャラブ事情

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「ルーシュ、ココの解釈どう思う?」

「えーソレは無いでしょう?それだとココとココに矛盾点が生まれますよ」

「だよね~意外と王宮の古書も当てにならないね~」

「それにしてもアンドュ様が次元を渡る方法を知りたいなんて意外でした」

「だってたまにはルーシュと一緒にサイヒやルークの所に行きたいんだもん。ルーシュはサイヒの前ではすっごく可愛いから!」

「え、ちょ、ちょっと待って下さい!誰が誰と一緒の時に可愛いですって!?」

「ルーシュ無自覚なの?サイヒの前ではすっごく可愛いよ?僕可愛いルーシュが好きなんだ~♡」

「私もアンドュ様が好きです、が、サイヒの前で可愛いと言うのは納得できないんですが………」

 ルーシュが可愛いと思われたいのはアンドュアイスである。
 それが他の人間(まぁ神様なんだが)といる時が1番可愛いと言われてしまった。
 片頭痛がするのは気のせいであるまい。

「ルーシュ疲れた?少しお茶にしようか?」

「そうしてくれると有難いです」

 一気に脱力してしまったルーシュである。

 アンドュアイスが「次元移動の術を身に付けたい!」と言い出した時は何処に行きたいのだろうかと思っていたが、と言うよりそんなにルーク様とサイヒに会いたいのかな~、なんて思っていたのに。
 まさかルーシュとサイヒのコンビが見たかったとわ………。
 意外過ぎる。
 そしてソレを上手く呑み込めない。

 言っては何だがルーシュはサイヒの前では素も素である。
 何なら言葉遣いは男として生活していた頃に戻っている。
 サイヒも女らしいとは言えないし、ルーシュは男物の服を着れば少年にしか見えない。
 その2人が一緒に居る時が1番可愛い?
 意味不明だ。
 可愛いいのゲシュタルト崩壊だ。
 ルーシュは頭を抱えたくなるのを根性で堪えた。
 ここで頭を抱えたらアンドュアイスが心配してしまう。
 せめて頭痛を解そうとこめかみを指で揉む。

「ルーシュしんどそうだね、ごめんね、変な事に付き合わあせて」

 犬の尻尾と耳が垂れている。
 いや、幻覚だが。
 アンドュアイスに犬耳と尻尾が見えるのは今に始まった事では無いので気にしない。
 大丈夫だ。
 コレが見えるのはルーシュだけでない。
 アンドュアイスを大切に思うものはほぼこの耳と尻尾が見えている事だろう。

「カカンならよい昔の魔導書あるかもしれませんよ?」

「カカン?」

「千年前の大聖女の伴侶は世界でも類を見ない凄腕の魔術師だったそうですから。古書を探せばその人物の魔導書が見つかるかもしれません」

「カカンかぁ~いっぱいの花見に行くの良いね~」

「お風呂文化も大陸で1番発達しているらしいですし、ガフティラベル帝国とはまた違った旅人の国とも言えます。行ってみますか?」

「うん!ルーシュとお泊りでデート良いね~♡」

「え、え、ええ!?」

「お部屋同じでい~い?」

「え、えええええええええええええ!?」

 自ら墓穴を掘るのがルーシュの短所であり、全能神を喜ばせる長所でもあったりする。
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