男として育てられた公爵家の令嬢は聖女の侍女として第2の人生を歩み始めましたー友人経由で何故か帝国の王子にアプローチされておりますー

高井繭来

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本編で語られなかったイチャラブ事情

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 はぁ~と誰からともなく溜息が出た。
 多分ルーシュとジャスミンの2人からだろう。
 先輩はにやけているし、アンドュアイスはカヌレをモグモグしている最中だからだ。

「え~と、つまり今この大陸は神話時代から数億年後の世界で、神話時代はの世界でその時代の神が人間使って残酷なゲームを始めたせいで文明が失われて、その神を倒した後に世界を繁栄させたのが【古代種】と言われる人種たちであった、と」

「そうそうルーシュちゃんの見込み速いなぁ」

「で、更に色々あってサイヒが全能神になった、と」

「そうそう。んで古代種【時渡り】はその名の通り時を渡ることが出来るんや。色々縛りはあるらしいけどな。時間魔術に関しては他んもんと比べて、全能神になったサイヒの嬢ちゃんと【時渡り】が頭1個どころか10馬身以上の差があるで」

「…………じゅうばしん?」

「お馬さんパカパカのゲームやで~ワンコも今度連れて行ったるさかいにな~」

「子供を博打に誘わない!!」

 ジャスミンが先輩に一括を入れた。
 この先輩を怒れるとはやはりジャスミンもただ物ではない。
 肝が据わっている。
 ただ1つ言うとすればアンドュアイスは子供ではない。
 26歳の成人男性である。
 しかしこの場にソレを突っ込める者は居なかった。
 アンドュアイス=ワンコ=保護するもの、と言う方程式が皆の中に出来てしまっていたからだ。
 恐るべし保護犬!
 さすがは全能神が番に次いで多大な愛情を注いでいる存在なだけある。

「でもその【時渡り】さんは何処に行けば会えるんですか?」

「古代種は自由奔放やからな~長生きしとる分娯楽に飢えとるんよ。だから楽しい事すれば多分出てくるで~」

「楽しいこと、祭りとかですか?」

「いい線いっとるでジャスミン。古代種は祭りに弱い!後旨いモンに弱い!そこでワイらがするべきなのは甘味が好きな【時渡り】をおびき寄せるべく『カカン王国和菓子祭りトーナメント』を開くことや!!」

「「はいぃぃぃぃぃぃぃっぃぃ??」」

 ルーシュとジャスミンの疑問の叫びが部屋に響いたのであった。
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