あんたは俺のだから。

そらいろ

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妬心-toshin-4

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「しゆちゃん。落ち着いた?」

涙が止まり、感情が落ち着くまでしばらく樹矢に抱き締められていた。

「う、ん…。」

顔を見上げて樹矢を見ると、軽いキスをされる。

ちゅ…

「涙目で上目遣いは反則でしょ。」

「そんなの、知らねぇよ…。」

突き放すように言葉を言う。俺は鶫みたいに可愛くて素直にはなれないな。とまた妬ましさが込み上げる。

「しゆちゃん?俺ね、しゆちゃんの顔も身体も性格も生意気な言葉も撮る写真も作ってくれる料理も、全部全部が好きだよ。他の誰にも渡さないし本当は見せたくもない。しゆちゃんは俺だけのしゆちゃんでいて欲しい。絶対に手放したく無い。」

「もし、しゆちゃんも同じ気持ちで俺の事が好きなら、仕事柄すごく辛い思いさせるだろうなってずっと考えてた。けど…」

樹矢は罰が悪そうに話を続ける。

「心の何処かで、しゆちゃんなら大丈夫だろう。そこまで嫉妬したりしないだろう。って思ってたの。」

「実際はそんな事無かったね。俺が思う以上にしゆちゃんは俺の事を好きなんだって思わされた。凄く凄く今は嬉しい。」

いつもの眩しい笑顔で俺に言う。

「それと…ゴメンね。俺がモデルなんかしてるから…しゆちゃんにそんな思いさせて、ごめん。」

素直に伝えよう。今だから、素直になろう。

「俺さ………樹矢が好きだ。手放したく無い。本当は俺だけの樹矢でいて欲しい。けど、モデルの樹矢も大好き。
俺が初めて見て心を奪われた樹矢は、モデルの瀬羅樹矢だから…」

「ずっと、撮りたい。」
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