心に体温が触れた時

そらいろ

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「おにいさんは昔から冷え性なの?」
「……うーん、そうだな。小さい頃からずっと手も足も冷たかった」
「僕もね、ずっと手が熱くてさ。って全身なんだけど。おにいさんの冷たさが気持ちよくて離れたくないって触れた時思っちゃった」
「それは、俺もだ。白司の体温が気持ちいいっつーか、落ち着くっていうか」


『包み込んで眠りたい』

 染は本音を隠す。今こうして狭いベッドに二人並んで眠ろうとしている状況から、本心を晒すことで一変するのを恐れている為だ。触れていないのに感じる白司の体温が布団の中にじんわりと広がっていく。その温もりを独占したいと、染は思う。

「いいよ。おにいさん」
「な……何がだ?」

 暗闇の中、その綺麗な白い天使は微笑んで悪魔のように囁く。

「僕を抱きたいんでしょ?」

 その一言で染のストッパーは安易に外れる。Tシャツから見せる腕を引き寄せて優しく包み込む。乱暴にできないのは、掴んだ腕があまりに細くてか弱く壊してしまいそうで恐れたからだ。

 すっぽりと、白司は染に包まれた。
 その身体から放たれる熱が、とても心地良く抱きしめる腕にきゅっと力が入る。

「どう?おにいさん」

 胸の中で白司は聞く。胸に当たる吐息が何故か熱い。

「温かい……。思ったより気持ちよくて、いい」
「ふふっ。良かった。僕もおにいさんの冷たい肌が気持ちいい」

 自分の冷たい箇所を無意識に白司の肌に触れさせて暖を取る。反対に白司も自分の肌を染の肌に触れさせる。

「おにいさんの冷たい肌、もっと触りたいな」

 白司の掌が、染のモコモコのスウェットの中に入る。ピクッと身体を小さく震わせたが、すぐにその熱に慣れて染は受け入れる。

「腹筋、割れてるんだね。かっこいい」

 指先が染の筋肉の割れ目に沿って動く。こそばゆいその動きに見を捩りそうになるが、染は我慢をした。

「ぉ……い。変な触り方、すんな……」

 言葉では抵抗しても、その動きを止めようとしない。力づくにしなくても、体格差ですんなり止めさすことなんて容易なのに。

「……ん。っ、おい……」

 するすると染の肌に触れていく。腹から脇腹、胸、鎖骨……。肌も体温も確認するように丁寧に触れる。

「おにいさん、熱くなってない?」

 確かに、何時もならこの暖房の効いた部屋でも布団の中で震えながら眠っているのに染の身体は火照りを感じている。

「ここも、反応してるよ……?」

 布越しに手の中に包まれた染のモノは、見なくて熱を帯びて大きくなっている。自分でも滅多に触らないソコを自分以外に触られるなんて何時ぶりだろう。と考えても遥か昔のようだった。

(不快感もなく、何故俺はすんなりと受け入れているんだ)
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