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第7章 神の神殿洞窟 後編 絶望の町~古い炭坑

第59話 大賢者の兄を縛る魔物を倒せ。暗闇の洞窟の謎

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 マコトたちはオーブを使い反対側の大陸へ移った。

「あそこに見えるのが、牢獄のほこらです」
 マサールが言った。

「急ごう」

 マコトたちはほこらに入り、鎖で繋がれている兄に近づいた。すると、不思議な感覚に包まれた。

『大賢者マサムトよ、我らに忠誠を誓え』
『断る』
『強情なやつだ。もう一度、これを見よ』

『あれが誰か分かるか? そう、お前の弟のマサールだ。かわいそうにな。お前が強情を張るばっかりに弟は』 
『ううっ』
『どうだ? 忠誠を誓う気になったか?』

『・・・』
『動じぬか。まあ、良い。この世界の時間は無限。いくらでもお前の心を痛め付けてやる』

「おそらく、兄の心に少し触れたんだろう。私ならもっと深くまで」


『さあ、マサムト、我らに忠誠を誓え!』
『断る』
『お前の弟がどうなっても良いのか? 今ならまだ間に合うぞ?』
『・・・』
『やれ』

『待て、待ってくれ。お前たちに忠誠を誓おう。だから、弟は……』
「だまされてはいけません! 兄上、私はここにいます!」

『ん? お前は私の弟のマサールではないか』
「はい」
『まずいぞ。この二人を会わすなと言われてたのに』

『どうしてここに?』
「この世界に光をもたらそうとする、マコトさんに助けてもらったんです。マコトさん、さあ!」
 マコトたちが心の中に入った。

「この方たちは?」
「はい。このマコトさんたちこそ、この世界に光をもたらそうとする方たちです」

『どうする、ズイカク?』
『面倒だから倒しちゃおう』

『行くぞ、ズイカク』
『おう、ショウカク』
『『うりゃー』』

 ズイカクとショウカクが現れた。

「みんな、全力で行くぞ!」
「分かったわ!」

「〝豪腕〟!」
 マコトの魔法で攻撃力が上がった。

「〝大業火・炎爆〟!」
 ラミアの魔法でズイカクに大ダメージ。

「うおりゃっ」
 ズイカクは腕を振り下ろした。
「きゃっ」
 ラミアはダメージを受けた。

「大丈夫か?」
「ええ」
「〝封魔・炎掌・改〟!」
 マリアンナがすかさず、魔法を唱える。ズイカクを倒した。

「食らえ!」
 マコトの攻撃。ショウカクに大ダメージ。

「ふんっ」
 ショウカクは地面を揺らした。マコトたちはダメージを受けた。

「回復を。〝天使の息吹き〟」
 マコトたちの体力が回復。

「〝炎爆〟!」
 ラミアの魔法でショウカクにダメージ。

「ワシも手を貸そう。〝水流掌〟!」
 水の流れがショウカクを襲う。

「〝雷光〟!」
 水のお陰でミーナの魔法の威力が増した。ショウカクに大ダメージ。

「終わりよ! 〝大業火・炎爆〟!」
 ラミアの強力魔法が炸裂。ショウカクを倒した。

「グフッ」
「ガハッ」
 ズイカクとショウカクは消えた。

「今なら、兄上の鎖が外せるかもしれません」
「それには及ばん」
 マサムトは鎖を外した。

「兄上、無事でよかった」
「マサールも。マコトと言ったか。助けてくれてありがとう。このほこらは魔王城のちょうどしたに当たる。うまく行けば」
「うむ。兄上と力を合わせれば」

 二人の大賢者は魔法を唱えた。すると、光がほこらの上から出て魔王城の岩を砕き始める。そして、魔王城が大陸に落ち着いた。

「今のままでは、魔王城には行けぬ。暗闇の洞窟を通るのだ」
「ついにか」
「やっとね」
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