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第15章 天界、サメエルたちの故郷

第95話 天界装置破壊される

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「とりあえず、ここから出よう」
 マコトたちはイミューを連れて世界樹から出る。途端にズドンと音がしてホコリが舞う。

「何事だ?」
「大変です。装置が破壊されました。ガハッ」
 知らせに来た天界人は、胸を貫かれ、死んだ。
「そんな……」
 みんな愕然とする。

「この神聖な場所になんで?」
 すると、魔物が入ってきた。

「ここにマコトとかいう人間がいるだろう。出せ」
「俺だが」
「怯まず出てきたことは褒めてやろう。だが、それはお前の死を意味する」

「死、だと?」
「俺は世界の全てを統べるアジュラー様の手下。お前を殺すように言われた」
「簡単に言うな。俺はそう簡単にはやられん」
「なら、勝負しろ。お前たち、全員で掛かってこい」

 ヘブンクラットが現れた。
 ヘブンクラットは灼熱の炎を吐いた。マコトたちは涼しい顔をしている。

「〝錬成〟!」
 マコトはハイメタルアーマーを錬成した。
「装備して」
 みんなハイメタルアーマーを装備した。

「食らえ!」
 マコトは魔法を放つ。
「この程度か。ガッカリしたぞ」
 ヘブンクラットは手を前に出して、魔法を詠唱しようとした。

「させないわ! 〝大業火・炎爆〟」
「ぬぅ」
「えっ?」
 ヘブンクラットはいつの間にか、マコトの後ろに移動していた。

「何!?」
「〝破神〟」
「ぐはぁっ」
 マコトは光の刃を受けながら、吹き飛ばされ、やがて動かなくなった。

 神の力を無効化し、闇の力で攻撃する〝破神〟を食らえば、魔力が強くてもただではすまない。

「嘘でしょ?」
 ラミアを含む全員が言葉を失う。
「あんな簡単に……」
「マコト!」
 ミアが体を揺するが、反応がない。

「死なないで!」
 ラミアが泣きながら、マコトの体を揺する。
「どいてください。私が」
 イミューがマコトの体に近づいて、魔法を詠唱する。
「世界樹の大精霊イミューとして、この世の万物に命ずる。この者に神の加護と命を吹き込みたまえ。〝生転〟!」

〝生転〟は神属性もしくは大精霊しか使えない究極蘇生魔法。マコトの体を光が包み、やがて光が消える。

「んん」
「マコト!」
「マコトさん!」
 マコトが呻き声を上げたので、ラミアとクリスが声をかける。

「みんな」
「良かった……」
「お主も無茶するのぉ。なぜ、〝鉄壁〟を使わなかったんじゃ?」
「夢中で忘れてたよ」
「バカ! 心配したんだから!」
 ラミアがマコトの体をポコポコ叩く。
「ごめん」

「気を取り直して、〝鉄壁〟〝豪腕〟!」
 マコトが魔法を唱え、全員の攻撃力と守備力が上がった。

「食らえや! 死ね!」
 マコトが魔法を放つ。ヘブンクラットは武装解除され、飛ばされる。

「ヤバイな」
「〝封魔・炎掌・改〟!」
 マリアンナが魔法を唱え、ヘブンクラットの魔法を封じ、大ダメージを与える。

「人間ごときが。許さん!」
「マコトさん!」
 ヘブンクラットはマコトに斬りかかるが、マコトはニヤリとする。
「何!?」

「〝天変地異〟!」
 〝天変地異〟は禁忌の魔法。普通は使うのを許されていない。
「なぜ、その魔法を?」

 天から激しい稲妻がヘブンクラットを襲う。
「ギャア!」
 ヘブンクラットは煙を上げながら、燃える。

「人間はその魔法は使えないはず。私たちでも使えないのに……」
 サメエルたちがビックリしている。

 ヘブンクラットは跡形もなく消えた。
「俺は錬成でさまざまな魔法を作ることが出来る。だからだ」
「すごいですね。さすが、マコトさんです」
 サメエルが関心している。

「装置を修理します。しばらくお待ちください」
 修理には何時間も掛かったため、日が暮れてしまった。
「今日は宿屋に泊まってください。明日は別の場所にご案内します」
「そうさせてもらいます」


 その夜、宿屋で。
「うーん、マコトぉ」
 ラミアがマコトの上に乗っかっていた。それだけでなく……

「お兄ちゃん、スースー」
「むにゃむにゃ」
 ミアとリリアが両側から抱き付いている。おっぱいを押し付けられて気持ちいい。
 ウンディーネとからくりマシンは見回りをしてるようだ。

「ウンディーネ様、おかしなところはございませんか?」
「今のところはな。しかし、アジュラーというのは何者なんじゃろうか?」
「裏の世界の魔王という感じでは?」
「そんなところか」


「マコトさぁん」
 クリスがよじ登って、ラミアをどかせて、その豊満なおっぱいを顔に押し付ける。
「うーん」
 マコトは顔を動かす。
「あん♡乳首当たってる。んぁ。マコトさん、エッチですぅ♡」
 寝るときは上着を脱いでいるため、マコトの顔はクリスの谷間に埋まっている。

「モミモミ」
「あん♡ダメぇ♡」
 クリスのおっぱいではなく、マリアンナの爆乳だった。
「ん。ちゅーちゅー」
「マコトさぁん。ダメぇ♡」
 今度はサミエルの巨乳。

 女性陣ははあはあ息を荒くする。そして、朝になる。

「ふぁあ。なんか気持ち良かった」
 女性陣がマコトに抱き付く。
「マコトさん、大胆だったわ♡」
 マリアンナが赤くなる。
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