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第一章
仲良し大作戦
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食事直後。時刻は夕刻1時あたり、既に戦いは始まっていた。
台所で食器を片付けているイアを見つめる人影が一つ。そう、海斗である。
イアと仲良くなるため、自分が出る機会を伺っている。
周りから見たら、完全に不審者だった。
「よし。さりげなく【手伝おうか?】これで好感度を上げる!今度こそ...」
「なあイア、手伝おうか?」
厨房に片手をひらひらさせながら入ってくるさりげなさを装おう海斗の顔は、何とも苦笑するものだった。
片手を上げながらこちらに歩いてくるその海斗を見て、イアは嫌なものに出会ったように少し身を引いた。
「い、いいえ結構です。部屋にお戻りください」
「だめか...」
ため息を漏らし、肩をがくんと下げる海斗。とぼとぼ歩きながら、厨房を後にする。
一度下げた肩をもう一度上げ直し、目を鋭くする。
海斗は諦めない。
場所は屋敷の廊下。
「イア掃除してるの?俺も手伝うよ」
掃除道具を片手に廊下の窓を拭いているイアに、海斗が声をかける。
「いいえ結構です」
そう言うとイアは、道具を持って足早にその場を後にした。
「まだだ!」
場所は屋敷の庭園。
「草むしりか?俺もてつだー
「結構です」
声をかけるが、セリフの途中で声が遮られた。もはや最後まで言わせてもらえない。
「まだまだ!」
場所は屋敷の裏の倉庫。
「俺も何か持とうか?重い物持つの大変だろ」
手伝いが必要か尋ね、手を差し伸べる。
「け、けっこうで...すっ!?」
背を向けながら海斗に何度も放った同じ言葉を言おうとしたその時、イアが大きな樽を持ち上げようとして後ろによろめいた。
「おい!」
咄嗟に海斗がイアを支え、なんとか転倒は免れた。
「危なかったな...大丈夫か?やっぱ俺が持つよ」
「あ、ありがとう...ございます。では...お願いします」
恥ずかしさとはどこか違う表情を浮かべるイア。
海斗の助けに対して感謝の意を覚えたのか、イアが避けていた海斗に手伝いを初めて求めた。
「お、おぉ..!」
女性が男性に手伝いを求めるのは珍しいことではないが、今の海斗からはとても感動するものだった。
涙を浮かべて激唱する海斗を、イアは冷たい目で見ていた。
本人は、それに気付かない。
「よし!任せとけ!で、これどこに運べばいいの?」
少し上がった海斗の評価が、無駄になったことに本人は気付かない。
「おや?海斗くん働き者だね」
海斗が樽を運んでいると、通りかかった玄関からイヴァンの声がした。
「タダ飯もらってるからな...これくらいはな」
樽を抱えながら、樽に隠れている顔を横から覗かせ、イヴァンの方を見て返事をする。
「イアとは仲良くやれそうかい?」
「おう、この仕事もイアに頼まれたんだよ」
任せてくれと言わんばかりに張り切って言い張る海斗。
「仲良くやれているようだね、それなら良かった」
安心の表情を浮かべながら、イヴァンは小さく頷いた。
イヴァンの中の海斗の評価も、少しは上がっただろう。
「ところでさ、これ、備品室に運べって言われたんだけど、そこどこ?」
「そこを正面に行って左。奥から2番目の部屋だよ」
通路の行き当たりを指差しながら、イヴァンに道順を教えてもらった道順を教える。
「ありがとう。イヴァンは出かけるのか?」
普段着ているシャツ姿とは違う、襟を正したような礼装をしているイヴァンを見て、海斗は疑問を口にする。
「うん、今から少し中央都市にね」
「じゃあイアも行くのか?」
「いいや、僕一人で行ってくるよ。僕が留守の間、頼むよ」
深く、重みのある言い方をし、出発の挨拶をすませると、イヴァンは玄関を開け館を後にした。
「そういえばイヴァンってなんの仕事してるんだろうな。こんな豪邸だし、やっぱすごい仕事なんだろうなぁ...。さて、これ運びますか」
なんでもない独り言を漏らしながら、止めていた足をもう一度動かし始めた。
「えっと...奥から2番目...ここか?」
イヴァンに教えてもらったとうりに進み、突き当たりから2個目の扉を数えて中に入る。
部屋の中は薄暗く、奥の壁の方からは光がいくつか差し込んでいた。
所狭しと並べられている棚には、自分が持ってる樽と似たものがいつか置いてあり、他にも掃除道具や花瓶など、様々なものが置かれていた。
入り口から入ってすぐ右の樽の山の一角に持っていた樽を置くと、海斗は腕で額の汗を拭った。
「これでいいかな。さてと、他にも手伝うことがないかイアに聞きに行くか!」
そう言うと、海斗はその場で伸びをした。
同時刻、イヴァン。
イヴァンは馬に跨りながら森の道を進んでいた。
木々のさざめきの中に、イヴァンの声が混ざる。
「もう勘付かれたんだ。早いね」
そう言い放つと、イヴァンは微笑んだ。
台所で食器を片付けているイアを見つめる人影が一つ。そう、海斗である。
イアと仲良くなるため、自分が出る機会を伺っている。
周りから見たら、完全に不審者だった。
「よし。さりげなく【手伝おうか?】これで好感度を上げる!今度こそ...」
「なあイア、手伝おうか?」
厨房に片手をひらひらさせながら入ってくるさりげなさを装おう海斗の顔は、何とも苦笑するものだった。
片手を上げながらこちらに歩いてくるその海斗を見て、イアは嫌なものに出会ったように少し身を引いた。
「い、いいえ結構です。部屋にお戻りください」
「だめか...」
ため息を漏らし、肩をがくんと下げる海斗。とぼとぼ歩きながら、厨房を後にする。
一度下げた肩をもう一度上げ直し、目を鋭くする。
海斗は諦めない。
場所は屋敷の廊下。
「イア掃除してるの?俺も手伝うよ」
掃除道具を片手に廊下の窓を拭いているイアに、海斗が声をかける。
「いいえ結構です」
そう言うとイアは、道具を持って足早にその場を後にした。
「まだだ!」
場所は屋敷の庭園。
「草むしりか?俺もてつだー
「結構です」
声をかけるが、セリフの途中で声が遮られた。もはや最後まで言わせてもらえない。
「まだまだ!」
場所は屋敷の裏の倉庫。
「俺も何か持とうか?重い物持つの大変だろ」
手伝いが必要か尋ね、手を差し伸べる。
「け、けっこうで...すっ!?」
背を向けながら海斗に何度も放った同じ言葉を言おうとしたその時、イアが大きな樽を持ち上げようとして後ろによろめいた。
「おい!」
咄嗟に海斗がイアを支え、なんとか転倒は免れた。
「危なかったな...大丈夫か?やっぱ俺が持つよ」
「あ、ありがとう...ございます。では...お願いします」
恥ずかしさとはどこか違う表情を浮かべるイア。
海斗の助けに対して感謝の意を覚えたのか、イアが避けていた海斗に手伝いを初めて求めた。
「お、おぉ..!」
女性が男性に手伝いを求めるのは珍しいことではないが、今の海斗からはとても感動するものだった。
涙を浮かべて激唱する海斗を、イアは冷たい目で見ていた。
本人は、それに気付かない。
「よし!任せとけ!で、これどこに運べばいいの?」
少し上がった海斗の評価が、無駄になったことに本人は気付かない。
「おや?海斗くん働き者だね」
海斗が樽を運んでいると、通りかかった玄関からイヴァンの声がした。
「タダ飯もらってるからな...これくらいはな」
樽を抱えながら、樽に隠れている顔を横から覗かせ、イヴァンの方を見て返事をする。
「イアとは仲良くやれそうかい?」
「おう、この仕事もイアに頼まれたんだよ」
任せてくれと言わんばかりに張り切って言い張る海斗。
「仲良くやれているようだね、それなら良かった」
安心の表情を浮かべながら、イヴァンは小さく頷いた。
イヴァンの中の海斗の評価も、少しは上がっただろう。
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「そこを正面に行って左。奥から2番目の部屋だよ」
通路の行き当たりを指差しながら、イヴァンに道順を教えてもらった道順を教える。
「ありがとう。イヴァンは出かけるのか?」
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そう言うと、海斗はその場で伸びをした。
同時刻、イヴァン。
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