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帝国編
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◆
ミクロンが集めた黒い精霊達が私達を取り囲む。私達の前でミクロンの手足が伸びていく、妹とテレビで見た魔法少女の様でとても幻想的でもある、魔法少女の変身と違うのはミクロンの服は消えない手足と身長が伸びていくだけだけど、
私はミクロンの姿を見ながら、ボッーと前世の事を思い出す。
2人の妹と美少女戦士ごっこ遊びしてた。もちろん私は悪役で妹は魔法戦士になって、妹2人にお前のココロをみせておくれー・・・なんて言ってたなぁ。私は1人で思い出しながらニマニマと笑っていたらしい、抱いていたミューが私の頭に巻き視界を塞いだ。耳元でとても不機嫌そうな声が聞こえてくる。構ってあげなかった妹の様だとまた笑いが込み上げる。
「何笑ってるのよ、まさか成長したミクロン様の事を見ていたの?」
「えっとね違うの、とても懐かしい思い出が蘇ったの、フフ・・・ミューはミクロン様にヤキモチを妬いてるのね。」
私達が話をしている間に、成長したミクロンは魔法陣を完全したようで魔法陣の真ん中でぐったりしている、私は魔法陣に入らないようにしながらミクロンに少し頭を下げお礼を言う、
「が・・・頑張った。」
「ありがとうございます。お礼は必ずしますね。まず魔法陣を確認しないと、」
「じ・・・じゃあミューと同じ様なドレスが欲しい。か・・・可愛いから」
「ライラに聞かないと分からないのよ、毎回手作りなのよ」
「か・・・ライラさんが作っていたの?知らなかった今回のモコモコもそうなの?」
「最近トゥカーナが私を抱っこするの、って言ったら作ってくれたのよ。確か谷に落とされた猫だっかかしら?」
毎回違う服装で見た事があるしどこかで見た感じはしていた。まさか知ってる人とは思わなくて驚いた。谷に落とされた猫?有名なタイトルが出そうで出ない、私は思い出そうとするが、なかなか思い出せない、
「ミクロン魔法陣から早く出ろ、シィみたいになりたくないだろ?ここで結晶化なんてしたら、フィレムの所に行けないから魔法陣の確認を頼む、」
「大丈夫ですも?カチコチにならないんですも?」
ミクロンは魔法陣を作る為に真ん中に立っていた、こっちにおいでとルクバトに促され魔法陣から出る。流石に幼女じゃなくなったミクロンを抱き上げる事はしなかった様だが、両手を広げ待っていたミクロンは寂しげに見える。「どうしたの?」ミクロンに聞くと「疲れたから歩きたく無かった」と言う、特別な感情では無かったんだなと思わず笑ってしまった。
ルクバトとルルは心配そうに魔法陣を見つめる、私達の不安をよそに黒いモヤは出てこない、結晶化の魔法を掛けた人が、もし空の人族を捕まえるなら、翼を持つ私は捕まるかもしれない、私は自分の翼を前に持ってくるとそこから1枚羽根を取る、痛さは髪の毛を取る位かな?と思っていたけど、かなり痛い。
羽根1枚で背中を鈍器で殴られた様な激痛になる、アルゲティの夢の中で翼を毟られていたけど、夢で良かった。そう思い涙目で翼を撫でているとミューも一緒に撫でる、精霊王達に習って私もお礼の魔力を渡そうとした。
するとミューは笑いながら、いつも沢山貰ってるから大丈夫なのよ、と断られた。
精霊と契約し精霊から魔力を借りると、契約者を繋ぐ糸から魔力を受け取るらしい、凄く便利だと関心し上から魔法陣に羽根を落とす。
私、ミュー、ルクバト、ルル、ミクロン、5人でヒラヒラと落ちる羽根をじっと見つめる中、羽根はミクロンの書いた文字の上に落ちた。
耳が痛くなる位の沈黙の中、数分待ったが黒いモヤは上がってこない、万が一があるので文字の上の羽根を魔法陣の真ん中にも落としたが結果は変わらなかった。
黒いモヤが上がらなかった事に安心する。よしこれで行ける。ルクバトとミクロンは心配そうに魔法陣を見る、ミクロンの魔法陣がダメならどうしようもない、と思うからかもしれない、
「行けそうか?」
「・・・大丈夫だと思います。」
私は足先で魔法陣踏んでみる、黒いモヤが魔法陣の文字を変えない、私はゆっくり一歩づつ魔法陣に入り、何も起きない事に胸を撫で下ろした。続いてルクバトとルルが続けて魔法陣に入った。(ミューを抱いていると精神的に安心する、とても懐かしい感じ)
ルルは私の目の前に飛んで来ると、両手でペンダントを私に差し出す。私はペンダントとルルを交互に見る、これはフィレムが大切な物と言っていたはず。私は首を傾げルルを見る。
「あの・・・これ持って欲しいんですも、」
「ルルさん・・・なぜ私に?フィレム様の大切な物じゃないの?精霊は空間ポッケを持ってるのでしょ?」
ルルはシュンと俯く、頭にあるアホ毛も一緒に下に垂れていて可愛い、私はミューに視線を送ると分かったのよと、自分から離れる、私は空いた両手を前に出しルルを乗せる。
「ルルは少し前に大きくなったんですも、だから空間ポッケ使えないんですも、この件が落ち着いたらフィレム様から教えてもらう筈だったのですも・・・。」
「そうなんだ・・・空間ポッケは教えてもらうものだったの?ねえミュー、皆使っていて便利そうだなぁと思っていたの、私にも使えないかな?」
「確か・・・アルゲティが言っていたのよ、地の人族は魔力量が少な過ぎて使えない、だったかしら?確かアウストも魔力量が足りなくて使えなかった筈なの、
でもトゥカーナの魔力量なら使えるのかもしれないのよ、作り方は空に大きな空間がある事をイメージするの、そうすれば直ぐに出来るのよ、
大きく生まれた時にそばに居た、風の精霊王ザニア様に教えてもらったの・・・けどあの人めちゃくちゃなのよ・・・見た方が早いって空間ポッケに入れられそうになって・・・もう逃げるのに大変だったのよ、でも作り方は分かったの、でも他の方法もあったと思うのよ・・・。」
ミューは昔を思い出しだらりと頭と手を下げる、ミュー自身産まれたての小さな頃の事は覚えていない、
覚えているのは大きくなる少し前の事、空を飛ぶ花の種の様に自由気ままにふわふわして、覚えているのはたまに魔力を貸したりして手伝いをしていた。これくらいだ。誰に貸したなんて覚えていない、
その時会った風の精霊王ザニアの手伝いしお礼の魔力で大きくなった。その事は感謝をしている。けど、
「教えてあげるわよぅ」と言われ空間ポッケに入れられそうになり焦って慌てて拒否した。いきなり過ぎて言葉が出なかった。怒ったらザニアも「あはは・・・ごめーん」と軽く謝り、手と擬音を使い「こーやって空に手を入れて、ドドーンと空間を作るのよぅ」と教えてもらった。今思うとザニアの言葉が足りない事に気が付いた。あの擬音で自分でもよく分かったと感心してしまう、
「ミュー大変だったんだね。」
「もう・・・本当に懲り懲りなのよ!」
ミューはぐったりとした声を出し、トゥカーナはミューからの話で出来そうと思った。だが、今空間ポッケ作りを実行しても良いが、悠長に話しすぎてしまった感はある。その証拠に横でルクバトは何もしてこないが、私達の事を睨みつけ口元はギリギリと歯ぎしりまで聞こえそうな程だ、怖いから視線を逸らしてしまう。そこからは慌ててルルからペンダントを受け取り首につける、チェーンの長さは短くも長くもない、フィレムのとても大切な物だから、私はペンダントトップが表に出ないよう胸元のドレスの下に隠しその上からギュッとペンダントを握った。
「お待たせしました。」
「遅せーよ!フィレムの物なら俺が預かるのによ!」
「ルクバト様ではダメですも、扱い方が雑だからフィレム様が嫌がるですも!」
「はぁ?!なぜだ?当然フィレムの物なら大切にする!」
「ダメですも!ミクロン様お願いしますも!」
「わ・・・わかったトゥカーナ、フ・・・フィレムの事お願い、モ・・・モヤを追いかけるだよね?」
ルクバトは必死でルルに訴える。昔に何かあったんだなーと思う程度だ。思い返せばルクバトはフィレムに頭が上がらない感じはしていたから、何かあったのかもしれない、だけど今聞く事では無い、私はミクロンのお願いにもちろんと頷きつつ、お願いします。とこちらもお願いする。ミクロンは頷きスっと手を伸ばすと、闇の精霊らしく黒く長いワンピースを着た精霊が現れた。髪の毛は黒く肩に着くか着かないかの長さで、ドレスから見える手足はスラリとしていて健康的な肌色だ。
「ク・・・ククルお願い」
「えっ?!私が行くの?嫌だ!お家でゆっくりしてたい。毎日ゆっくり寝て過ごしたい」
ククルと呼ばれた精霊はクルリと背を向けると、そそくさと帰ろうと飛び始めた、集まっていた黒い精霊達に捕えられ、ククルは手足をバタバタさせミクロンの所に連れてこられ、指先で服を摘み上げる、ククルの第一印象は引きこもりかな?だった。
黒い精霊にデコピンをされたククルを見て苦笑いをしなから見る。ミクロンは無表情だけど口調で怒っているのは伝わる。
「い・・・行かないなら、お・・・おやつ抜き」
「行きます!行かせてください!」
おやつ抜きと言われ、手足をバタバタとしていたのに両足をビシッと揃え、おデコに手を当てビシッと敬礼し、ミクロンを見上げる黒い瞳がキラキラしてる。ミラとみっちゃんは仲良しで一緒に食べているのを先程見たばかりだ。精霊王が好きな物は眷属精霊も好きになるのかな?と思う、
「く・・・黒いモヤの所にはククルが案内する。ク・・・ククル帰って来たらご褒美あるよ。が・・・頑張って」
「はい皆さん!パッパっと終わらせますよ!」
「ククルちゃんパッパっとではなく、確認しながら慎重にお願いします。最初に光の精霊のルルちゃんの案内でフィレム様の所に行き救出します。黒いモヤの所は救出の後です。分かりましたか?」
ククルは手を少し上げ分かったと返事をする、ルクバトのそばに居たルルは慌てながらミクロンと話す。
「フィレム様の魔力が持たないかもしれないんですも!急いで下さいも!」
「ご・・・ごめん、い・・・行ってらっしゃい」
魔法陣から黒い光が溢れ辺りを黒く染める、あの黒いモヤとは種類が違う、私達はまだミクロンが集めた精霊の中にいて、もしかしたら渦の外にいるアウラ達にも、この光が漏れ魔法陣発動が分かるのかもしれない、魔法陣が発動した事で黒い精霊も解散したらしい、グニャリとする視界の中一瞬アウラと目が合った様な気がした。アイスブルーの瞳には何も出来ない悔しさが滲み出ているが同時に、私達の出発を見逃さないという強い眼差しにも見える、なぜこうなったのか原因を突き止めなければ、この先また起きるのかもしれない、このままフィレムを助け出しこの先何もない事を心の中で祈る、
「フィレム様の所に行きますも、着いてきて下さいも」
着いた場所は予想に反して明るい、なんとなく異空間だと聞いていたけど、上を見上げれば空の様に青く地面もきちんとある、ルルを先頭に私は翼を出し青空の様な所を飛んだ。
ルルは時折キョロキョロとするけど一直線に進み、問題の場所に辿り着つ、私はフィレムが閉じ込められたのは丸い結晶体、私は空を飛び周りを見る、どこかで見覚えのあると、
その時シャムに返した空の人族の証の事を思い出した。キラキラと輝く虹色の結晶、それはまるで巨大な空の人族の証そのものだった。シャムが居たら驚き過ぎているのではないか?と思える程、驚き過ぎて固まっていると、ミューとルルが側に来て青い顔をした私を心配そうに覗き込む。
「トゥカーナ顔が青いのよ、大丈夫?魔力が足りないなら言って欲しいのよ、」
「大丈夫ですも?フィレム様の事助けられそうですも?」
「大丈夫、これ空の人族のお守りにそっくりなの、もしかして空の人族が関係してるのかも・・・でも一体誰が・・・」
私には空の人族の証の事は何も分からない、アルゲティの証はシャムが回収したから、アルゲティのでは無い、手放したらどうなるのか?とか私には分からない、確か空の人族の証を回収したシャムは、証を大切な物を扱う様にしていた。
「トゥカーナ!ぼんやりしてちゃダメなのよ!」
「ごめんミュー。ルルここに閉じ込められてるのよね?」
「そうですも、下でルクバト様が待ってますも、フィレム様を速く救出して欲しいですも、」
私達はルクバトが待つ所へ行く、ルクバトは結晶の中を張り付く様に見ていて、どうやらその場所からではフィレムを見る事はできないらしい、
私が上に飛んで行っている間に、自分で何か出来ないかと思ったルクバトがその手で赤い剣を作り出し、結晶を剣を叩きつけたが結晶に傷1つ付かなかったらしい、
その証拠に結晶はつるんとしていて、地表には剣が刺さっていた。
その剣の鞘に気だるげに頬ずえを付き座っていたククルが、何があったのかを全て話してくれたから分かった事だ。
私はシャムに言われた通り結晶をじっと見る。ここにあの黒いモヤは無い、キラキラとした物が結晶から下に落ちていくのが見える、それはフィレム魔力だとすぐに分かった。
胸にしまったペンダントを取り出しギュッと握りしめ、真剣に結晶を見て解除方法を探す。
ルルは苦しそうに顔を下に向け、ルクバトは苦しそうな顔で私を見上げ地表を叩いた。
「まだか!」
「魔法陣じゃないからまだ分からないの、」
その時握りしめていたペンダントが光輝き結晶を照らす、すると薄らと魔法陣が見えはじめた。
「見つけた。」
静かに言うとルクバトとルルはパッと顔を上げ私を見る。
『閉じ込め魔力を限界まで奪え』魔法陣の言葉と解除方法がスっと分かる、私は両手を高く上げ魔法陣の解除を始める、それは今まで聞いた事の無い大精霊の名前だった。
「私は願う全てを司る大精霊ラグエル、どうか力を貸して欲しい、フィレム様を閉じ込める忌々しい結晶を取り除け」
私の中の魔力は減り続けるのが分かる、まだ黒いモヤの事や残して来たシャムの事もある、しばらく祈り続けていると、結晶が割れる音と共にフィレムが結晶から出て、ぐったりとその場で座り込むが、ルクバトがすぐにフィレムを支え横抱きにした。ルルはフィレムに抱きつき泣いている、私は無事解除出来た事にホッとし胸を撫で下ろした。
ミクロンが集めた黒い精霊達が私達を取り囲む。私達の前でミクロンの手足が伸びていく、妹とテレビで見た魔法少女の様でとても幻想的でもある、魔法少女の変身と違うのはミクロンの服は消えない手足と身長が伸びていくだけだけど、
私はミクロンの姿を見ながら、ボッーと前世の事を思い出す。
2人の妹と美少女戦士ごっこ遊びしてた。もちろん私は悪役で妹は魔法戦士になって、妹2人にお前のココロをみせておくれー・・・なんて言ってたなぁ。私は1人で思い出しながらニマニマと笑っていたらしい、抱いていたミューが私の頭に巻き視界を塞いだ。耳元でとても不機嫌そうな声が聞こえてくる。構ってあげなかった妹の様だとまた笑いが込み上げる。
「何笑ってるのよ、まさか成長したミクロン様の事を見ていたの?」
「えっとね違うの、とても懐かしい思い出が蘇ったの、フフ・・・ミューはミクロン様にヤキモチを妬いてるのね。」
私達が話をしている間に、成長したミクロンは魔法陣を完全したようで魔法陣の真ん中でぐったりしている、私は魔法陣に入らないようにしながらミクロンに少し頭を下げお礼を言う、
「が・・・頑張った。」
「ありがとうございます。お礼は必ずしますね。まず魔法陣を確認しないと、」
「じ・・・じゃあミューと同じ様なドレスが欲しい。か・・・可愛いから」
「ライラに聞かないと分からないのよ、毎回手作りなのよ」
「か・・・ライラさんが作っていたの?知らなかった今回のモコモコもそうなの?」
「最近トゥカーナが私を抱っこするの、って言ったら作ってくれたのよ。確か谷に落とされた猫だっかかしら?」
毎回違う服装で見た事があるしどこかで見た感じはしていた。まさか知ってる人とは思わなくて驚いた。谷に落とされた猫?有名なタイトルが出そうで出ない、私は思い出そうとするが、なかなか思い出せない、
「ミクロン魔法陣から早く出ろ、シィみたいになりたくないだろ?ここで結晶化なんてしたら、フィレムの所に行けないから魔法陣の確認を頼む、」
「大丈夫ですも?カチコチにならないんですも?」
ミクロンは魔法陣を作る為に真ん中に立っていた、こっちにおいでとルクバトに促され魔法陣から出る。流石に幼女じゃなくなったミクロンを抱き上げる事はしなかった様だが、両手を広げ待っていたミクロンは寂しげに見える。「どうしたの?」ミクロンに聞くと「疲れたから歩きたく無かった」と言う、特別な感情では無かったんだなと思わず笑ってしまった。
ルクバトとルルは心配そうに魔法陣を見つめる、私達の不安をよそに黒いモヤは出てこない、結晶化の魔法を掛けた人が、もし空の人族を捕まえるなら、翼を持つ私は捕まるかもしれない、私は自分の翼を前に持ってくるとそこから1枚羽根を取る、痛さは髪の毛を取る位かな?と思っていたけど、かなり痛い。
羽根1枚で背中を鈍器で殴られた様な激痛になる、アルゲティの夢の中で翼を毟られていたけど、夢で良かった。そう思い涙目で翼を撫でているとミューも一緒に撫でる、精霊王達に習って私もお礼の魔力を渡そうとした。
するとミューは笑いながら、いつも沢山貰ってるから大丈夫なのよ、と断られた。
精霊と契約し精霊から魔力を借りると、契約者を繋ぐ糸から魔力を受け取るらしい、凄く便利だと関心し上から魔法陣に羽根を落とす。
私、ミュー、ルクバト、ルル、ミクロン、5人でヒラヒラと落ちる羽根をじっと見つめる中、羽根はミクロンの書いた文字の上に落ちた。
耳が痛くなる位の沈黙の中、数分待ったが黒いモヤは上がってこない、万が一があるので文字の上の羽根を魔法陣の真ん中にも落としたが結果は変わらなかった。
黒いモヤが上がらなかった事に安心する。よしこれで行ける。ルクバトとミクロンは心配そうに魔法陣を見る、ミクロンの魔法陣がダメならどうしようもない、と思うからかもしれない、
「行けそうか?」
「・・・大丈夫だと思います。」
私は足先で魔法陣踏んでみる、黒いモヤが魔法陣の文字を変えない、私はゆっくり一歩づつ魔法陣に入り、何も起きない事に胸を撫で下ろした。続いてルクバトとルルが続けて魔法陣に入った。(ミューを抱いていると精神的に安心する、とても懐かしい感じ)
ルルは私の目の前に飛んで来ると、両手でペンダントを私に差し出す。私はペンダントとルルを交互に見る、これはフィレムが大切な物と言っていたはず。私は首を傾げルルを見る。
「あの・・・これ持って欲しいんですも、」
「ルルさん・・・なぜ私に?フィレム様の大切な物じゃないの?精霊は空間ポッケを持ってるのでしょ?」
ルルはシュンと俯く、頭にあるアホ毛も一緒に下に垂れていて可愛い、私はミューに視線を送ると分かったのよと、自分から離れる、私は空いた両手を前に出しルルを乗せる。
「ルルは少し前に大きくなったんですも、だから空間ポッケ使えないんですも、この件が落ち着いたらフィレム様から教えてもらう筈だったのですも・・・。」
「そうなんだ・・・空間ポッケは教えてもらうものだったの?ねえミュー、皆使っていて便利そうだなぁと思っていたの、私にも使えないかな?」
「確か・・・アルゲティが言っていたのよ、地の人族は魔力量が少な過ぎて使えない、だったかしら?確かアウストも魔力量が足りなくて使えなかった筈なの、
でもトゥカーナの魔力量なら使えるのかもしれないのよ、作り方は空に大きな空間がある事をイメージするの、そうすれば直ぐに出来るのよ、
大きく生まれた時にそばに居た、風の精霊王ザニア様に教えてもらったの・・・けどあの人めちゃくちゃなのよ・・・見た方が早いって空間ポッケに入れられそうになって・・・もう逃げるのに大変だったのよ、でも作り方は分かったの、でも他の方法もあったと思うのよ・・・。」
ミューは昔を思い出しだらりと頭と手を下げる、ミュー自身産まれたての小さな頃の事は覚えていない、
覚えているのは大きくなる少し前の事、空を飛ぶ花の種の様に自由気ままにふわふわして、覚えているのはたまに魔力を貸したりして手伝いをしていた。これくらいだ。誰に貸したなんて覚えていない、
その時会った風の精霊王ザニアの手伝いしお礼の魔力で大きくなった。その事は感謝をしている。けど、
「教えてあげるわよぅ」と言われ空間ポッケに入れられそうになり焦って慌てて拒否した。いきなり過ぎて言葉が出なかった。怒ったらザニアも「あはは・・・ごめーん」と軽く謝り、手と擬音を使い「こーやって空に手を入れて、ドドーンと空間を作るのよぅ」と教えてもらった。今思うとザニアの言葉が足りない事に気が付いた。あの擬音で自分でもよく分かったと感心してしまう、
「ミュー大変だったんだね。」
「もう・・・本当に懲り懲りなのよ!」
ミューはぐったりとした声を出し、トゥカーナはミューからの話で出来そうと思った。だが、今空間ポッケ作りを実行しても良いが、悠長に話しすぎてしまった感はある。その証拠に横でルクバトは何もしてこないが、私達の事を睨みつけ口元はギリギリと歯ぎしりまで聞こえそうな程だ、怖いから視線を逸らしてしまう。そこからは慌ててルルからペンダントを受け取り首につける、チェーンの長さは短くも長くもない、フィレムのとても大切な物だから、私はペンダントトップが表に出ないよう胸元のドレスの下に隠しその上からギュッとペンダントを握った。
「お待たせしました。」
「遅せーよ!フィレムの物なら俺が預かるのによ!」
「ルクバト様ではダメですも、扱い方が雑だからフィレム様が嫌がるですも!」
「はぁ?!なぜだ?当然フィレムの物なら大切にする!」
「ダメですも!ミクロン様お願いしますも!」
「わ・・・わかったトゥカーナ、フ・・・フィレムの事お願い、モ・・・モヤを追いかけるだよね?」
ルクバトは必死でルルに訴える。昔に何かあったんだなーと思う程度だ。思い返せばルクバトはフィレムに頭が上がらない感じはしていたから、何かあったのかもしれない、だけど今聞く事では無い、私はミクロンのお願いにもちろんと頷きつつ、お願いします。とこちらもお願いする。ミクロンは頷きスっと手を伸ばすと、闇の精霊らしく黒く長いワンピースを着た精霊が現れた。髪の毛は黒く肩に着くか着かないかの長さで、ドレスから見える手足はスラリとしていて健康的な肌色だ。
「ク・・・ククルお願い」
「えっ?!私が行くの?嫌だ!お家でゆっくりしてたい。毎日ゆっくり寝て過ごしたい」
ククルと呼ばれた精霊はクルリと背を向けると、そそくさと帰ろうと飛び始めた、集まっていた黒い精霊達に捕えられ、ククルは手足をバタバタさせミクロンの所に連れてこられ、指先で服を摘み上げる、ククルの第一印象は引きこもりかな?だった。
黒い精霊にデコピンをされたククルを見て苦笑いをしなから見る。ミクロンは無表情だけど口調で怒っているのは伝わる。
「い・・・行かないなら、お・・・おやつ抜き」
「行きます!行かせてください!」
おやつ抜きと言われ、手足をバタバタとしていたのに両足をビシッと揃え、おデコに手を当てビシッと敬礼し、ミクロンを見上げる黒い瞳がキラキラしてる。ミラとみっちゃんは仲良しで一緒に食べているのを先程見たばかりだ。精霊王が好きな物は眷属精霊も好きになるのかな?と思う、
「く・・・黒いモヤの所にはククルが案内する。ク・・・ククル帰って来たらご褒美あるよ。が・・・頑張って」
「はい皆さん!パッパっと終わらせますよ!」
「ククルちゃんパッパっとではなく、確認しながら慎重にお願いします。最初に光の精霊のルルちゃんの案内でフィレム様の所に行き救出します。黒いモヤの所は救出の後です。分かりましたか?」
ククルは手を少し上げ分かったと返事をする、ルクバトのそばに居たルルは慌てながらミクロンと話す。
「フィレム様の魔力が持たないかもしれないんですも!急いで下さいも!」
「ご・・・ごめん、い・・・行ってらっしゃい」
魔法陣から黒い光が溢れ辺りを黒く染める、あの黒いモヤとは種類が違う、私達はまだミクロンが集めた精霊の中にいて、もしかしたら渦の外にいるアウラ達にも、この光が漏れ魔法陣発動が分かるのかもしれない、魔法陣が発動した事で黒い精霊も解散したらしい、グニャリとする視界の中一瞬アウラと目が合った様な気がした。アイスブルーの瞳には何も出来ない悔しさが滲み出ているが同時に、私達の出発を見逃さないという強い眼差しにも見える、なぜこうなったのか原因を突き止めなければ、この先また起きるのかもしれない、このままフィレムを助け出しこの先何もない事を心の中で祈る、
「フィレム様の所に行きますも、着いてきて下さいも」
着いた場所は予想に反して明るい、なんとなく異空間だと聞いていたけど、上を見上げれば空の様に青く地面もきちんとある、ルルを先頭に私は翼を出し青空の様な所を飛んだ。
ルルは時折キョロキョロとするけど一直線に進み、問題の場所に辿り着つ、私はフィレムが閉じ込められたのは丸い結晶体、私は空を飛び周りを見る、どこかで見覚えのあると、
その時シャムに返した空の人族の証の事を思い出した。キラキラと輝く虹色の結晶、それはまるで巨大な空の人族の証そのものだった。シャムが居たら驚き過ぎているのではないか?と思える程、驚き過ぎて固まっていると、ミューとルルが側に来て青い顔をした私を心配そうに覗き込む。
「トゥカーナ顔が青いのよ、大丈夫?魔力が足りないなら言って欲しいのよ、」
「大丈夫ですも?フィレム様の事助けられそうですも?」
「大丈夫、これ空の人族のお守りにそっくりなの、もしかして空の人族が関係してるのかも・・・でも一体誰が・・・」
私には空の人族の証の事は何も分からない、アルゲティの証はシャムが回収したから、アルゲティのでは無い、手放したらどうなるのか?とか私には分からない、確か空の人族の証を回収したシャムは、証を大切な物を扱う様にしていた。
「トゥカーナ!ぼんやりしてちゃダメなのよ!」
「ごめんミュー。ルルここに閉じ込められてるのよね?」
「そうですも、下でルクバト様が待ってますも、フィレム様を速く救出して欲しいですも、」
私達はルクバトが待つ所へ行く、ルクバトは結晶の中を張り付く様に見ていて、どうやらその場所からではフィレムを見る事はできないらしい、
私が上に飛んで行っている間に、自分で何か出来ないかと思ったルクバトがその手で赤い剣を作り出し、結晶を剣を叩きつけたが結晶に傷1つ付かなかったらしい、
その証拠に結晶はつるんとしていて、地表には剣が刺さっていた。
その剣の鞘に気だるげに頬ずえを付き座っていたククルが、何があったのかを全て話してくれたから分かった事だ。
私はシャムに言われた通り結晶をじっと見る。ここにあの黒いモヤは無い、キラキラとした物が結晶から下に落ちていくのが見える、それはフィレム魔力だとすぐに分かった。
胸にしまったペンダントを取り出しギュッと握りしめ、真剣に結晶を見て解除方法を探す。
ルルは苦しそうに顔を下に向け、ルクバトは苦しそうな顔で私を見上げ地表を叩いた。
「まだか!」
「魔法陣じゃないからまだ分からないの、」
その時握りしめていたペンダントが光輝き結晶を照らす、すると薄らと魔法陣が見えはじめた。
「見つけた。」
静かに言うとルクバトとルルはパッと顔を上げ私を見る。
『閉じ込め魔力を限界まで奪え』魔法陣の言葉と解除方法がスっと分かる、私は両手を高く上げ魔法陣の解除を始める、それは今まで聞いた事の無い大精霊の名前だった。
「私は願う全てを司る大精霊ラグエル、どうか力を貸して欲しい、フィレム様を閉じ込める忌々しい結晶を取り除け」
私の中の魔力は減り続けるのが分かる、まだ黒いモヤの事や残して来たシャムの事もある、しばらく祈り続けていると、結晶が割れる音と共にフィレムが結晶から出て、ぐったりとその場で座り込むが、ルクバトがすぐにフィレムを支え横抱きにした。ルルはフィレムに抱きつき泣いている、私は無事解除出来た事にホッとし胸を撫で下ろした。
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アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
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以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
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