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帝国編
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ケーティは不安な気持ちを顔に出さない様に気をつけつつレオニスと話をしていた。自分の秘密を話そうかまだ迷っている。
レオニスはケーティ瞳が左右不安定に揺れるのを見て、「いきなりだったからな」と不安な気持ちを和らげるように優しく微笑む、
「良いんだ気にする必要は無い、まず自分の事だケーティ、返事をどうするかそれを考えておく事だ。俺達王族は空の人族に関わる事なら拒否しない、アウストラリス王国は過去空の人族のあるお方に色々と沢山助けられ守られていた。反対をしないのはその恩返しの意味もある。」
「はい返事は必ず決めます。今回私は絵本を作るにあたり教会から貴重な本を貸して頂きました。
幼いルピー姫様にも分かりやすい様にと絵本を作りました。それに私も貴重な本を読めてとても勉強になりました。次回絵本を作る時にワルド様がルピー姫様のお好きなお話がある貴重な本を貸していただけると、とても有難いお話を頂きました。
エニフ王国の初代王が教会を建てた理由を、全てではありませんが少しは知識として知っています。
教会にある天使像のモデルのアルゲティ様とトゥカーナ様、似ていい過ぎる程姿が似ています。
私が聞ける範囲迄で構いません、お聞かせ願えないでしょうか?」
レオニスは1度シャムとライラの方をチラリと見る、それからケーティの方を見た。ケーティから見れば誰に気を使っているのかすぐに分かったが、それだけでは話が分からない、レオニスはケーティが言いたい事が分かったがそのまま話を進める。
「俺達王家の人間はその方にとても恩がある。そしてその方の話をけして他の人に話さないと約束をしている。」
「恩人様なのですね。それは仕方がありません」
ケーティが緩く横に首を振った時、話を聞いていたシャムは肘下だけでゆるく手を挙げ、レオニスとケーティを見る。
「その話私達が話すわ、ライラお願い」
シャムがライラに視線を向けると、ライラは返事の代わりにシャムに頭を軽く下げ1歩前に出る。
ライラはケーティにニッコリと微笑むのと同時にアウラに視線を向けると、チラチラとこちらを伺っていたアウラと目が合ったのでこちらに呼んだ。
ライラからの呼び出しを1度目を伏せ考える。
『心優しく美しい天使は、王子に助けられたお礼に王国に蔓延っていた流行病を治した。
心優しい娘は目立ちたくはないという、自分の事は秘密にして欲しいと懸命に訴えた。アウストラリス王国を救うと、愛する者を残し遠い空に帰っていった。』
歌は知っていてもアルゲティの名前は知らなかった。後から教えてもらうと同時にその理由も習う、
アウラは意を決してライラの元に向かう、もう隠し事は出来ないと考え覚悟は決まった。だが王家は口止めされているその為この話をするなら、アルゲティ様のお母様でもあるライラ様に一言断らねばならない、
ライラはアウラと一緒に来たミューにあるお願いをした。アルゲティが書いていた日記と手紙それを出して欲しいと言うと、ミューは空間ポッケから数冊の日記と、大量の手紙をライラに渡す。と言っても魔法陣でサッと移動させ終わった。
アルゲティの話はミューから時折手紙を貰っていた。なのである程度どこに書かれているか分かる。
それにあの子は親の私にも分からない所で律儀な子だった。しんみりした所で目的の日記のページを開きケーティとアウラを交互に見てミューを見る。
「本来なら日記は見せるものでは無いけど、ミューから預かったあの子…アルゲティの日記を見せてもいいかしら?」
「ライラ構わないのよ、空に帰ったあの日アルゲティは書いた日記を私に預けたのよ、もしかしたら分かっていたのかもしれないのよ、自分が無事に帰れない事が分かっていたから、私に無理難題を押し付けてフィレム様の所に送り出したのよ。私が簡単にアルゲティの元に帰って来れない様に祈りを込めたと思うの、でないと契約者が空に帰ってから気がつくなんて事はないと思うの、
もしもの事があったらライラ達にこれを渡して欲しいと言っていたの、驚きすぎて日記を預かった事を忘れてしまったのよ、
それに手紙と日記はライラに全て渡す様に言われていたから、私が持っていても仕方がないのよ。それに今の私にはトゥカーナとアウラがいるの、以前の契約者でもあるアルゲティは、ずっと私のココロの中に居続けているから寂しくなんてないのよ、それにずっとトゥカーナの葛藤をずっと見てきたし感じていたの、アルゲティの夢を見る度に、トゥカーナはとても苦しそうだったの、」
「ありがとうミュー、ケーティとアウラ日記を読むわねくれぐれも他言無用でお願いするわ、
後·····貴方はレオニスだったわね、私と話すのは始めてね、私はライラ宜しくね」
「ライラ様お気遣いありがとうございます。御息女にアウストラリス王国を救って頂いたお礼を、我が国の王に変わってお礼を言わせて下さい。我が国を救って頂きありがとうございます。後からシィ様とライラ様ゆっくり話をしましょう。その前に先に話を進めましょう」
レオニスはスっと頭を下げる、アウラとケーティもレオニスの言葉に頭を下げた。しばらく頭を下げ黙礼をした3人がほぼ同時に頭を上げた。
ライラは3人が納得したのを見て日記を読み始めた。日記は日にちと天気、その日何をして何があったかを簡単に書いているらしい、文字が長い日もあれば短い日もある。ライラは重要な所だけを見つけそれを読み進める。
『私は今日小さな宝物を産んだ。幸い空の人族の証でもある翼と虹色のお守りは持っていなかった。あれはセットで持つと空から迎えがきてしまう、
もし翼とお守りがあったなら、あの子は父様の手により空の人族の街に連れていかれただろう。2人で悩みに悩んで決めた名前は男の子からサムル女の子ならシャム、女の子の名前はお忍びでアウストラリス王国の街をアウストと2人で散策していた時に、街で見つけた女の子の名前だ、
驚く事にその迷子のシャムちゃんも空の人族だったからとても印象が残った。それに私と同じ髪の色と瞳の色だった。アウストが私に向かって隠し子?!と驚いたから全力でシャムちゃんは否定して皆で笑った。
だって空の人族の私の事も詳しく知っていたし、なんだか予言じみたものも言っていた。壺を買えと言われないかハラハラしたが、結局何も買う事なく少し城に客人として滞在し空に帰って行った。
だけど偶然だろうか、幼い頃助けてくれた長の名前と同じだ。私が助けてくれたお礼がしたいと母様に言った時とても嬉しそうな顔をした事を覚えている。
母様が昔聞いて作った長の好きな食べ物、オムライスとたこさんウィンナー喜んで食べてくれただろうか?』
アウラはカーナの名前が出た事で顔を上げた。だがここで話を途切れさせると話が進まない、また視線を下げ考えつく、話の中に聞いた年の数は数年と言っているがこちらの日数はそんなでもないまだ2日だ。
ライラはこの日記を読み進め軽くめまいがする。あの子どこまで行ってるの?と、頭を抱えたくなる気持ちになった。それと同時にアルゲティから変な手紙が来ていた事を思い出す。「母様もしかして私に妹が出来た?」と一言だけの手紙だ。返事は「そんな予定はありません。」と一言添え返したはずだ。
トゥカーナの婚約者アウラの様子を見て、苦笑いをひとつ零す。またライラは日記に目を落とした。
「えっと次はここね。あの子地の人族との間に子供が出来にくいと言われていたの、身体の作りも違うからとか理由は色々あるわ、もう言ってくれればあの子がいない間位は孫の顔くらい見に行って様子見るのに、もうあの子ったら…。もっと甘えて頼って欲しかった。親としてこれほど悲しい事は無いわね。」
はぁ。とライラはため息を漏らし話を続ける。横にいるシャムは話を聞いて頭痛がするらしい、眉間とこめかみを揉みほぐすと大きなため息と共に、肘掛けに力なく手と頭を乗せぐったりとしてしまった。
『小さな手をニギニギするあの子を見て頬が緩む、親になって思うことがある。私は空の人族の街には帰らない、私の命が続く限りこの街を守りたい、あの子の父親でもある優しいアウストや、翼がある私を異端者として見ない優しいお義父さんとお義母さんそして私やアウストを慕ってくれる人々、家を飛び出した時にはけして考えられなかった幸せな日々だ。毎日が楽しい空の街にいた時も父様達と毎日笑っていたがそれとは比べ物にならないくらいに、今はとても幸せで満ち溢れている。なんて幸せな日々だろう、』
『ある日母様から手紙が来た。久しぶりに見る母様の文字に浮かれていた。手紙をアウストと2人で一緒に開いて後悔した。
手紙には10年間だけでいい、祈りの乙女として教会に行きなさい。少し街の結界が弱くなったの、司祭様は祈りの乙女でもあるアルゲティの事を待っているわ、と、
自分の役割は知らない訳では無い、父様も母様も自分の役割を全うしている。私は帰らない決めてしまった。母様の手紙を見て気持ちが揺らいでいた。
アウストは私の気持ちを見透かしたのだろう優しい人だから、私の手を握りしめ1度帰ったらどうだろうか?と私に勧めてきた。
私は母様に後20年だけ待って欲しいと手紙を書き送った。サルムが産まれたのは秘密にしている為理由は書かない、
私達空の人族の10年と地の人族の10年は違う、私達の10年はアウスト達地の人族には1年位の感覚なのだから、
地の人族の成人は15歳、サムルが成人して結婚するまでは心配なので5年追加した。
それに大好きなレオニスと長い時間離れたくない、こっそり教会を抜け出して会いに行くと決めた。私達家族の仲を引き裂いたと時折こぼしていたレオニスも納得してくれると思う、これを書いていて思い付いた。時々レオニスを空の人族の街に連れていけばいい、その前に長に連絡しないといけない、それは未来の私に頑張ってもらおう、未来の私頑張れ!』
ライラは苦笑いしながら『頑張れ』じゃないわよ、と顔を上げる、なんだか落ち着かない顔をしたアウラを見つけると笑ってしまった。何か質問したそうなアウラに微笑みで許可を出すと、アウラはライラとシャムを交互に見て話す。
「空の人族の時間の感覚は分かりました。それならカーナが空の人族の街に居た期間は、とても長いのではないですか?」
「その事を失念していたわね、えぇこちらの期間に置き換えれば4年ね。私達空の人族は…いえ、シャム様私達の話をしてもよろしいでしょうか?」
「いいわライラ、魂が地の人族でありなから私を助けようとしてくれているトゥカーナに、少しだけでも恩を返さないとね。あの子が帰って来ないと決められない、」
「私達の街の構造上ゆっくりと時間が流れるの、好きな時間に寝て好きな時間に起きて生活をするわ。皆生活リズムが違う、けど外にいても空の人族が歳をとる時間は長寿のままで変わらないわ、ただ日が暮れるのが速いと思うくらいね。
そして空の人族の街を作ったのは始まりの乙女と、大精霊王ラグエル様で、子供が沢山出来き幸せだった始まりの乙女はラグエル様に願った。産まれてきた子供達と末永く仲良く生きたいと、その願いを聞いたラグエル様が結界を作り、祈りの乙女をお決めになられた。祈りの乙女として街を守り、空に帰った人達を送ったり、祈りで風を吹かせ雲や種を飛ばし地上に風の精霊を送り出す事、この話は代々司祭様が祈りの乙女に話聞かせる事、私達家族は代々祈りの乙女が生まれていたから記録が残っているのよ、」
アウラは苦い顔をするが何とか納得し頷く、話がそれたわねとライラはそっと視線を下ろし日記を読み始めた。
『先の事を考えると正直怖い、愛する人達は私よりも速く空に帰って行くが、子供達は残るから影から見守りたい、
だけど私を知る人は1人も残らなくても、大好きなアウストが愛した街を一緒に守りたいそう思った。
私はあえて母様に私が子供を産んだ事は秘密にした。もし産まれた子の事で空の人族との関係にヒビが入るのなら、私は迷う事はしない地の人族にチカラを貸す。そう陛下やアウストと幾度も話し合いをし決めた。アウストは私達家族の仲がとても良いのを知っている為、私に気遣いとても苦しそうな顔をしていた。決めたのは私だから責任は私にある。例え裏切り者と言われても私の決心は揺らぐことは無い、』
ライラは分からなかったと首を横に振る。アウラとて同じだ。先程カーナの手紙で事実を知ったばかりだ。
先程シャムが話していた昔は恋愛は自由だったと、言っていたからなんら不思議な話でもないのかもしれない、もしかしたら自分達が知らないだけで、地上に空の人族は結構いるのではないか?とアウラは思った。
「それとね空の人族と地の人族の間に子供は出来にくいの、けどあの子は幸運にも子宝に恵まれた。あなた達は娘の…いいえこの話は止めましょう。」
ライラは堪えきれなくなって俯き震え始めた。ミューがそっと寄り添い背中を優しくさすり何度か口をパクパクとさせいる、なんて言っていいのか分からないようだ。
ライラは手を伸ばしてミューを抱きしめた。抱きしめられたミューはされるままを選んだらしい、
「アルゲティなぜもっと私達を頼ってくれなかったの?私達は何でも言い話し合える家族だと思っていたわ、
でも今はこの思考は止めなきゃダメね、もう悲しさは薄れてきたと思ったけど、思い出しても虚しさや後悔しか残らないもの、無理にでも迎えに行けば良かった。私はなぜあの時行動をしなかったのか今は後悔しかない、」
「ライラ…空に帰った人は二度とこちらには戻ってこない、それに私達は空に帰った人達の分まで生きていかなきゃダメなのよ、先に空へと帰ったあの子はそれを望んでいるの、じゃないと残された私達は何に縋って生きていけばいいのか···わからないじゃない、」
ライラは涙を堪えアウラ達を見て微笑む、あの子を忘れた事など1度も無い、数々の楽しかった事を思い返す。楽しければ楽しい程、思い出せば思い出す程に悲しみに顔が歪んだ。
シャムは悲しげにライラを見上げ、ライラも合わせた様に見る、シャムの可愛らしい口から出る言葉は辛辣だったが、親しい者が空に帰った証なのだろう、ライラ様はやアルゲティ様で、シャム様にも色々とあったのかもしれない、とケーティは色々と考えるが、どうするのか答えは出ない、
『私は今怒りに振るえていて過ちを犯すかもしれない、まさか新しく就任した灰色の髪をした帝国の若い宰相、この人が地の人族と空の人族の間の子だと誰が思うのだろうか?
確認した訳では無いけど、宣戦布告しに来た時に見た感じ翼は無かった。だが空の人族の証の球を大事に持っていたのを偶然に見てしまった。
それより今はあれを何とかしなければならない、
それに同族の空返し、父様の仕事を近くで見続けた私だから知っている掟、けどその行為は翼があろうが無かろうとしてはいけない事と当然分かっている。
今日アウストラリス王国に近い場所に来るらしい、何をしに来るのかわからないがアウストと2人で警戒はしておく』
『夜見張っていたら、あの宰相がミューにあげた湖にやって来て自分の守りの球を砕いて投げ入れた。その後から湖は禍々しい色になった。湖の水はとても綺麗で浄化されているから、王国を始めとした飲水になっている、私が浄化しなくては·····』
『私が宰相が空の人族と地の人族の間の子だと知ったのは、愚かな青髪の王が空に帰り残るは宰相だけ、帝国のチカラを削ぎ戦争があと少しで終わると、兵士や私達も浮かれていたのかもしれない、
色々と様々な作戦をして宰相を追い詰めた時だった。
宰相は愉快な話を聞かせる様に大声を上げ私達に話す。自分がアウストラリス王国に病を撒き散らしたと、それを知った瞬間に私は怒りを感じ、すぐに犯人を取り押さえなければと思ったがアウストに止められた。』
ライラはここまでしか書かれていない、と日記をそっと閉じため息をつく、
ケーティは頭を抱えかがみ込んでいるシャムの目の前に座り込み見上げる。じっとピンク色の瞳を見て答えを出す。シャムはケーティをじっと見る。
「ケーティあなたに頼みたいのは祈りの乙女の補助よ、今までの話の流れで分かったと思うけど、トゥカーナはアルゲティの生まれ変わりで魂も同じよ、だけど今回2人に頼みたい事に使う祈りの量が少し多いの、それにケーティのチカラなら大丈夫だと思う、もちろん私もできる限りの事はするわ、それ込みでお願いしているのだから、」
「シャム様ライラ様お話下さりありがとうございます。アルゲティ様の事はわかりました。エニフ王国から帰ってきたらぜひお手伝いをさせて下さい、」
ライラは満足げに頷き日記を丁寧に空間ポッケにしまう、シャムは顔を上げケーティを見る。
「えぇ、私も話したかった事も話せたわ、お茶会行ってからまた話を進めましょう。ライラあとの事はお願い、魔法陣はこの形を使えば近くに行けるはずよ、あの国に行く魔法陣を使う時にこれ使って、これが無いと…あれこの前数年ぶりに抜けたのを入れた筈だけど」
シャムはあった!と空間ポッケから羽根を1つ取り出した。羽根は他の空の人族の羽根とは違う、ライラに手渡すとあかりを灯した様に白く光る。普通なら抜いた羽根は簡単には光らない、妖精に力を借り魔力を羽根に注ぐか、抜けたて(数日以内)なら光る事もある。それが空間ポッケから出してライラに手渡しただけで光った。
ライラは顔を強ばらせ震えた手で羽根を見る。神聖といわれている空の人族の羽根、自分も翼があるかは当然持っている、これは違う、自分が持っていいのかわからない、しかもライラに渡されたのは神聖とされる頂点の長の羽根だ。驚くのも無理はない、信じられないという顔でシャムを見る。
「シャム様いただけません!シャム様の羽根は私達より神聖なものではないですか?受け取れません!」
「ライラ話聞いてた?これを持ってないと行けないのよ、あの国はあれから封印されてるの、あなたの旦那の時に決まりを作ったでしょ?あの国に空の人族は入らない、入れないからって決まりを破った人もいるけどね。これもそれもあなたの関係者よ、はぁ。面倒ごとばかりだわ、グダグダ言ってないでお茶会を終わらせてからお願い無事に帰ってきて、」
「わかりました。準備できたら出発しましょう」
後ろを振り向けばラケルタとワルドの従者が主を待っていた。2人揃って頭を恭しく下げる。
「こちらも準備出来ています。」
レオニスはケーティ瞳が左右不安定に揺れるのを見て、「いきなりだったからな」と不安な気持ちを和らげるように優しく微笑む、
「良いんだ気にする必要は無い、まず自分の事だケーティ、返事をどうするかそれを考えておく事だ。俺達王族は空の人族に関わる事なら拒否しない、アウストラリス王国は過去空の人族のあるお方に色々と沢山助けられ守られていた。反対をしないのはその恩返しの意味もある。」
「はい返事は必ず決めます。今回私は絵本を作るにあたり教会から貴重な本を貸して頂きました。
幼いルピー姫様にも分かりやすい様にと絵本を作りました。それに私も貴重な本を読めてとても勉強になりました。次回絵本を作る時にワルド様がルピー姫様のお好きなお話がある貴重な本を貸していただけると、とても有難いお話を頂きました。
エニフ王国の初代王が教会を建てた理由を、全てではありませんが少しは知識として知っています。
教会にある天使像のモデルのアルゲティ様とトゥカーナ様、似ていい過ぎる程姿が似ています。
私が聞ける範囲迄で構いません、お聞かせ願えないでしょうか?」
レオニスは1度シャムとライラの方をチラリと見る、それからケーティの方を見た。ケーティから見れば誰に気を使っているのかすぐに分かったが、それだけでは話が分からない、レオニスはケーティが言いたい事が分かったがそのまま話を進める。
「俺達王家の人間はその方にとても恩がある。そしてその方の話をけして他の人に話さないと約束をしている。」
「恩人様なのですね。それは仕方がありません」
ケーティが緩く横に首を振った時、話を聞いていたシャムは肘下だけでゆるく手を挙げ、レオニスとケーティを見る。
「その話私達が話すわ、ライラお願い」
シャムがライラに視線を向けると、ライラは返事の代わりにシャムに頭を軽く下げ1歩前に出る。
ライラはケーティにニッコリと微笑むのと同時にアウラに視線を向けると、チラチラとこちらを伺っていたアウラと目が合ったのでこちらに呼んだ。
ライラからの呼び出しを1度目を伏せ考える。
『心優しく美しい天使は、王子に助けられたお礼に王国に蔓延っていた流行病を治した。
心優しい娘は目立ちたくはないという、自分の事は秘密にして欲しいと懸命に訴えた。アウストラリス王国を救うと、愛する者を残し遠い空に帰っていった。』
歌は知っていてもアルゲティの名前は知らなかった。後から教えてもらうと同時にその理由も習う、
アウラは意を決してライラの元に向かう、もう隠し事は出来ないと考え覚悟は決まった。だが王家は口止めされているその為この話をするなら、アルゲティ様のお母様でもあるライラ様に一言断らねばならない、
ライラはアウラと一緒に来たミューにあるお願いをした。アルゲティが書いていた日記と手紙それを出して欲しいと言うと、ミューは空間ポッケから数冊の日記と、大量の手紙をライラに渡す。と言っても魔法陣でサッと移動させ終わった。
アルゲティの話はミューから時折手紙を貰っていた。なのである程度どこに書かれているか分かる。
それにあの子は親の私にも分からない所で律儀な子だった。しんみりした所で目的の日記のページを開きケーティとアウラを交互に見てミューを見る。
「本来なら日記は見せるものでは無いけど、ミューから預かったあの子…アルゲティの日記を見せてもいいかしら?」
「ライラ構わないのよ、空に帰ったあの日アルゲティは書いた日記を私に預けたのよ、もしかしたら分かっていたのかもしれないのよ、自分が無事に帰れない事が分かっていたから、私に無理難題を押し付けてフィレム様の所に送り出したのよ。私が簡単にアルゲティの元に帰って来れない様に祈りを込めたと思うの、でないと契約者が空に帰ってから気がつくなんて事はないと思うの、
もしもの事があったらライラ達にこれを渡して欲しいと言っていたの、驚きすぎて日記を預かった事を忘れてしまったのよ、
それに手紙と日記はライラに全て渡す様に言われていたから、私が持っていても仕方がないのよ。それに今の私にはトゥカーナとアウラがいるの、以前の契約者でもあるアルゲティは、ずっと私のココロの中に居続けているから寂しくなんてないのよ、それにずっとトゥカーナの葛藤をずっと見てきたし感じていたの、アルゲティの夢を見る度に、トゥカーナはとても苦しそうだったの、」
「ありがとうミュー、ケーティとアウラ日記を読むわねくれぐれも他言無用でお願いするわ、
後·····貴方はレオニスだったわね、私と話すのは始めてね、私はライラ宜しくね」
「ライラ様お気遣いありがとうございます。御息女にアウストラリス王国を救って頂いたお礼を、我が国の王に変わってお礼を言わせて下さい。我が国を救って頂きありがとうございます。後からシィ様とライラ様ゆっくり話をしましょう。その前に先に話を進めましょう」
レオニスはスっと頭を下げる、アウラとケーティもレオニスの言葉に頭を下げた。しばらく頭を下げ黙礼をした3人がほぼ同時に頭を上げた。
ライラは3人が納得したのを見て日記を読み始めた。日記は日にちと天気、その日何をして何があったかを簡単に書いているらしい、文字が長い日もあれば短い日もある。ライラは重要な所だけを見つけそれを読み進める。
『私は今日小さな宝物を産んだ。幸い空の人族の証でもある翼と虹色のお守りは持っていなかった。あれはセットで持つと空から迎えがきてしまう、
もし翼とお守りがあったなら、あの子は父様の手により空の人族の街に連れていかれただろう。2人で悩みに悩んで決めた名前は男の子からサムル女の子ならシャム、女の子の名前はお忍びでアウストラリス王国の街をアウストと2人で散策していた時に、街で見つけた女の子の名前だ、
驚く事にその迷子のシャムちゃんも空の人族だったからとても印象が残った。それに私と同じ髪の色と瞳の色だった。アウストが私に向かって隠し子?!と驚いたから全力でシャムちゃんは否定して皆で笑った。
だって空の人族の私の事も詳しく知っていたし、なんだか予言じみたものも言っていた。壺を買えと言われないかハラハラしたが、結局何も買う事なく少し城に客人として滞在し空に帰って行った。
だけど偶然だろうか、幼い頃助けてくれた長の名前と同じだ。私が助けてくれたお礼がしたいと母様に言った時とても嬉しそうな顔をした事を覚えている。
母様が昔聞いて作った長の好きな食べ物、オムライスとたこさんウィンナー喜んで食べてくれただろうか?』
アウラはカーナの名前が出た事で顔を上げた。だがここで話を途切れさせると話が進まない、また視線を下げ考えつく、話の中に聞いた年の数は数年と言っているがこちらの日数はそんなでもないまだ2日だ。
ライラはこの日記を読み進め軽くめまいがする。あの子どこまで行ってるの?と、頭を抱えたくなる気持ちになった。それと同時にアルゲティから変な手紙が来ていた事を思い出す。「母様もしかして私に妹が出来た?」と一言だけの手紙だ。返事は「そんな予定はありません。」と一言添え返したはずだ。
トゥカーナの婚約者アウラの様子を見て、苦笑いをひとつ零す。またライラは日記に目を落とした。
「えっと次はここね。あの子地の人族との間に子供が出来にくいと言われていたの、身体の作りも違うからとか理由は色々あるわ、もう言ってくれればあの子がいない間位は孫の顔くらい見に行って様子見るのに、もうあの子ったら…。もっと甘えて頼って欲しかった。親としてこれほど悲しい事は無いわね。」
はぁ。とライラはため息を漏らし話を続ける。横にいるシャムは話を聞いて頭痛がするらしい、眉間とこめかみを揉みほぐすと大きなため息と共に、肘掛けに力なく手と頭を乗せぐったりとしてしまった。
『小さな手をニギニギするあの子を見て頬が緩む、親になって思うことがある。私は空の人族の街には帰らない、私の命が続く限りこの街を守りたい、あの子の父親でもある優しいアウストや、翼がある私を異端者として見ない優しいお義父さんとお義母さんそして私やアウストを慕ってくれる人々、家を飛び出した時にはけして考えられなかった幸せな日々だ。毎日が楽しい空の街にいた時も父様達と毎日笑っていたがそれとは比べ物にならないくらいに、今はとても幸せで満ち溢れている。なんて幸せな日々だろう、』
『ある日母様から手紙が来た。久しぶりに見る母様の文字に浮かれていた。手紙をアウストと2人で一緒に開いて後悔した。
手紙には10年間だけでいい、祈りの乙女として教会に行きなさい。少し街の結界が弱くなったの、司祭様は祈りの乙女でもあるアルゲティの事を待っているわ、と、
自分の役割は知らない訳では無い、父様も母様も自分の役割を全うしている。私は帰らない決めてしまった。母様の手紙を見て気持ちが揺らいでいた。
アウストは私の気持ちを見透かしたのだろう優しい人だから、私の手を握りしめ1度帰ったらどうだろうか?と私に勧めてきた。
私は母様に後20年だけ待って欲しいと手紙を書き送った。サルムが産まれたのは秘密にしている為理由は書かない、
私達空の人族の10年と地の人族の10年は違う、私達の10年はアウスト達地の人族には1年位の感覚なのだから、
地の人族の成人は15歳、サムルが成人して結婚するまでは心配なので5年追加した。
それに大好きなレオニスと長い時間離れたくない、こっそり教会を抜け出して会いに行くと決めた。私達家族の仲を引き裂いたと時折こぼしていたレオニスも納得してくれると思う、これを書いていて思い付いた。時々レオニスを空の人族の街に連れていけばいい、その前に長に連絡しないといけない、それは未来の私に頑張ってもらおう、未来の私頑張れ!』
ライラは苦笑いしながら『頑張れ』じゃないわよ、と顔を上げる、なんだか落ち着かない顔をしたアウラを見つけると笑ってしまった。何か質問したそうなアウラに微笑みで許可を出すと、アウラはライラとシャムを交互に見て話す。
「空の人族の時間の感覚は分かりました。それならカーナが空の人族の街に居た期間は、とても長いのではないですか?」
「その事を失念していたわね、えぇこちらの期間に置き換えれば4年ね。私達空の人族は…いえ、シャム様私達の話をしてもよろしいでしょうか?」
「いいわライラ、魂が地の人族でありなから私を助けようとしてくれているトゥカーナに、少しだけでも恩を返さないとね。あの子が帰って来ないと決められない、」
「私達の街の構造上ゆっくりと時間が流れるの、好きな時間に寝て好きな時間に起きて生活をするわ。皆生活リズムが違う、けど外にいても空の人族が歳をとる時間は長寿のままで変わらないわ、ただ日が暮れるのが速いと思うくらいね。
そして空の人族の街を作ったのは始まりの乙女と、大精霊王ラグエル様で、子供が沢山出来き幸せだった始まりの乙女はラグエル様に願った。産まれてきた子供達と末永く仲良く生きたいと、その願いを聞いたラグエル様が結界を作り、祈りの乙女をお決めになられた。祈りの乙女として街を守り、空に帰った人達を送ったり、祈りで風を吹かせ雲や種を飛ばし地上に風の精霊を送り出す事、この話は代々司祭様が祈りの乙女に話聞かせる事、私達家族は代々祈りの乙女が生まれていたから記録が残っているのよ、」
アウラは苦い顔をするが何とか納得し頷く、話がそれたわねとライラはそっと視線を下ろし日記を読み始めた。
『先の事を考えると正直怖い、愛する人達は私よりも速く空に帰って行くが、子供達は残るから影から見守りたい、
だけど私を知る人は1人も残らなくても、大好きなアウストが愛した街を一緒に守りたいそう思った。
私はあえて母様に私が子供を産んだ事は秘密にした。もし産まれた子の事で空の人族との関係にヒビが入るのなら、私は迷う事はしない地の人族にチカラを貸す。そう陛下やアウストと幾度も話し合いをし決めた。アウストは私達家族の仲がとても良いのを知っている為、私に気遣いとても苦しそうな顔をしていた。決めたのは私だから責任は私にある。例え裏切り者と言われても私の決心は揺らぐことは無い、』
ライラは分からなかったと首を横に振る。アウラとて同じだ。先程カーナの手紙で事実を知ったばかりだ。
先程シャムが話していた昔は恋愛は自由だったと、言っていたからなんら不思議な話でもないのかもしれない、もしかしたら自分達が知らないだけで、地上に空の人族は結構いるのではないか?とアウラは思った。
「それとね空の人族と地の人族の間に子供は出来にくいの、けどあの子は幸運にも子宝に恵まれた。あなた達は娘の…いいえこの話は止めましょう。」
ライラは堪えきれなくなって俯き震え始めた。ミューがそっと寄り添い背中を優しくさすり何度か口をパクパクとさせいる、なんて言っていいのか分からないようだ。
ライラは手を伸ばしてミューを抱きしめた。抱きしめられたミューはされるままを選んだらしい、
「アルゲティなぜもっと私達を頼ってくれなかったの?私達は何でも言い話し合える家族だと思っていたわ、
でも今はこの思考は止めなきゃダメね、もう悲しさは薄れてきたと思ったけど、思い出しても虚しさや後悔しか残らないもの、無理にでも迎えに行けば良かった。私はなぜあの時行動をしなかったのか今は後悔しかない、」
「ライラ…空に帰った人は二度とこちらには戻ってこない、それに私達は空に帰った人達の分まで生きていかなきゃダメなのよ、先に空へと帰ったあの子はそれを望んでいるの、じゃないと残された私達は何に縋って生きていけばいいのか···わからないじゃない、」
ライラは涙を堪えアウラ達を見て微笑む、あの子を忘れた事など1度も無い、数々の楽しかった事を思い返す。楽しければ楽しい程、思い出せば思い出す程に悲しみに顔が歪んだ。
シャムは悲しげにライラを見上げ、ライラも合わせた様に見る、シャムの可愛らしい口から出る言葉は辛辣だったが、親しい者が空に帰った証なのだろう、ライラ様はやアルゲティ様で、シャム様にも色々とあったのかもしれない、とケーティは色々と考えるが、どうするのか答えは出ない、
『私は今怒りに振るえていて過ちを犯すかもしれない、まさか新しく就任した灰色の髪をした帝国の若い宰相、この人が地の人族と空の人族の間の子だと誰が思うのだろうか?
確認した訳では無いけど、宣戦布告しに来た時に見た感じ翼は無かった。だが空の人族の証の球を大事に持っていたのを偶然に見てしまった。
それより今はあれを何とかしなければならない、
それに同族の空返し、父様の仕事を近くで見続けた私だから知っている掟、けどその行為は翼があろうが無かろうとしてはいけない事と当然分かっている。
今日アウストラリス王国に近い場所に来るらしい、何をしに来るのかわからないがアウストと2人で警戒はしておく』
『夜見張っていたら、あの宰相がミューにあげた湖にやって来て自分の守りの球を砕いて投げ入れた。その後から湖は禍々しい色になった。湖の水はとても綺麗で浄化されているから、王国を始めとした飲水になっている、私が浄化しなくては·····』
『私が宰相が空の人族と地の人族の間の子だと知ったのは、愚かな青髪の王が空に帰り残るは宰相だけ、帝国のチカラを削ぎ戦争があと少しで終わると、兵士や私達も浮かれていたのかもしれない、
色々と様々な作戦をして宰相を追い詰めた時だった。
宰相は愉快な話を聞かせる様に大声を上げ私達に話す。自分がアウストラリス王国に病を撒き散らしたと、それを知った瞬間に私は怒りを感じ、すぐに犯人を取り押さえなければと思ったがアウストに止められた。』
ライラはここまでしか書かれていない、と日記をそっと閉じため息をつく、
ケーティは頭を抱えかがみ込んでいるシャムの目の前に座り込み見上げる。じっとピンク色の瞳を見て答えを出す。シャムはケーティをじっと見る。
「ケーティあなたに頼みたいのは祈りの乙女の補助よ、今までの話の流れで分かったと思うけど、トゥカーナはアルゲティの生まれ変わりで魂も同じよ、だけど今回2人に頼みたい事に使う祈りの量が少し多いの、それにケーティのチカラなら大丈夫だと思う、もちろん私もできる限りの事はするわ、それ込みでお願いしているのだから、」
「シャム様ライラ様お話下さりありがとうございます。アルゲティ様の事はわかりました。エニフ王国から帰ってきたらぜひお手伝いをさせて下さい、」
ライラは満足げに頷き日記を丁寧に空間ポッケにしまう、シャムは顔を上げケーティを見る。
「えぇ、私も話したかった事も話せたわ、お茶会行ってからまた話を進めましょう。ライラあとの事はお願い、魔法陣はこの形を使えば近くに行けるはずよ、あの国に行く魔法陣を使う時にこれ使って、これが無いと…あれこの前数年ぶりに抜けたのを入れた筈だけど」
シャムはあった!と空間ポッケから羽根を1つ取り出した。羽根は他の空の人族の羽根とは違う、ライラに手渡すとあかりを灯した様に白く光る。普通なら抜いた羽根は簡単には光らない、妖精に力を借り魔力を羽根に注ぐか、抜けたて(数日以内)なら光る事もある。それが空間ポッケから出してライラに手渡しただけで光った。
ライラは顔を強ばらせ震えた手で羽根を見る。神聖といわれている空の人族の羽根、自分も翼があるかは当然持っている、これは違う、自分が持っていいのかわからない、しかもライラに渡されたのは神聖とされる頂点の長の羽根だ。驚くのも無理はない、信じられないという顔でシャムを見る。
「シャム様いただけません!シャム様の羽根は私達より神聖なものではないですか?受け取れません!」
「ライラ話聞いてた?これを持ってないと行けないのよ、あの国はあれから封印されてるの、あなたの旦那の時に決まりを作ったでしょ?あの国に空の人族は入らない、入れないからって決まりを破った人もいるけどね。これもそれもあなたの関係者よ、はぁ。面倒ごとばかりだわ、グダグダ言ってないでお茶会を終わらせてからお願い無事に帰ってきて、」
「わかりました。準備できたら出発しましょう」
後ろを振り向けばラケルタとワルドの従者が主を待っていた。2人揃って頭を恭しく下げる。
「こちらも準備出来ています。」
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