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間話
フィレムとシャムの秘密のお話 2
しおりを挟む光の精霊王フィレムの名前がフィルムと間違ってます。(正解はフィレム)時間がある限り少しづつお直しをします。2人の名前から貰ったルルの名前はそのままにします。
◆
ライラは何を考えているのだろうか?しかもシャムは嫌だと言ったはずだ。あの可愛らしいドレスを着せようとするなんて、シャムはため息を付き足を組もうとして思い出した。今は結晶に足を拘束され動かす事は出来ない、大きなため息をついて空を見上げる。
「はぁ…どうしてこうなったの?何がなんだか…全く訳がわからないわ、」
シャムはこれからの事に不安を感じ大きなため息をついた時、パキリと足元の結晶が少しだけヒビが入った。フィレムと2人で足元を見れば、踝のちょうど上の結晶がポロリと音もなくそのまま土の上に転がり落ちた。
恐る恐るシャムは結晶を手に取ろうとしたが結晶はドロリと溶け消えてしまった。視線を上げればフィレムも同じ事を考えたらしい、しばらくの間2人でじっと土を見る、そしてどちらからともなく顔を見合せた。
「土の中に消えた?違うわね、どこに行ったのかしらね?シャム足動かせそう?私の時は全身結晶に捕まっていて、結晶から解放された時は、私を捕らえていた全ての結晶が消えてしまったわ、それにシャムこの魔法陣なぜ空の人族限定なのか分かる?」
「ダメ...動かない、片足だけでも解放されたら少しは楽になると思ったのに...なぜ魔法陣に空の人族限定なのかなんて私にも分からない、1つ言える事があるならこれを作った人は悪趣味過ぎる、」
「そうね。悪趣味なのは私にも分かる、シャムの細い脚を捕まえるだけでは無く、魔力も奪うなんて、魔力どこに流れていってるのかしらね?」
まだ足を動かす事は出来ない、シャムは自分の足元を見て思う。速く脱出したい、足が動かないのはこんなに辛いのかと思う程だった。
フィレムと顔を見合せるとフィレムはシャムの横に椅子を出しそこに座る。金色の長い髪をふわりと背中に流すと、フィレムはシャムに悟られないようにニッコリと微笑んだ。
「ねぇフィレム何か浮かない顔をしてるけど考え事をしてるの?私に隠してる事ない?」
「シャムもしかして心配してくれてるの?まぁ嬉しい!けれどトゥカーナと約束したの、魔力が回復したら必ず結末を話すわ、シャムそれまで少し待って欲しい、ごめんなさい今の私には何も出来ないの、」
フィレムは悲しそうに笑う、逃げる様に椅子から立ち上がった。シャムは慌てて椅子から立ち上がると、フィレムの手をシャムは咄嗟に掴んだ。だが足が動かない為フィレムに抱きつく格好になったが、フィレムは慌ててシャムの両手を掴み抱きとめ、大きな安堵のため息をついた。
フィレムは遠い昔を思い出し眉を寄せるが、シャムにこれ以上心配を掛けないようする為、突然手を掴まれた事に対して困った顔をした。
それにあの話をするのは精神的にとても辛い、だからシャムの見える位置にいようと思ったフィレムは、ただただ驚いてシャムを見る。シャムはそんなフィレムの顔を見て子供のようにニッコリ笑う、フィレムもそんな顔をして笑われると、離れようとする気がおきない、また椅子を出して隣に座った。
「じゃあフィレムに相談をしたい、この日記を見て意見が欲しい、これは空の人族の長で初代始まりの乙女の日記、」
「他の人の日記を私が見ていいの?」
シャムは1冊の空の人族の長の日記を出す。フィレムも先程見ていたから、というかこの場面を知っている、
表紙は赤い花や青い星々で彩られている。そしてとても厚い日記である。その中から赤い表紙を取り出しペラペラとページをめくり、誰かが書いたであろう綺麗な挿絵が描かれたページで止まった。挿絵は花畑の上にはシャムに似た女の人、それと女の人の周りにふわふわと精霊が3柱、白黒だから色までは分からないが、背景には雲の間からは光のハシゴがグルリと乙女と精霊を囲む様に掛かっている、全員が雲に掛かった光を眺めてる様に描かれとても神秘的だ。女性の周りにいる精霊の1柱は髪が長くフィレムに見える。
「この絵と日記の内容に覚えない?メルクは正確に言うと初代長の始まりの乙女が地の人族だった時の名前よ、なぜ名前が変わったのか分からないけど、隣に描かれているのフィレムよね?」
フィレムはルルを呼ぶと白魚の様な手のひらに乗せる。呼ばれたルルはフィルムの手のひらの上に乗った事に喜んだが、キョロキョロと周りを見てなぜ自分が呼ばれたのか分からない、ルルはキョトンと首をかしげフィレムを見上げている。
「知ってるわ、私はメルク様に願われて産まれたの、古い精霊は最初からルルの様な話せる精霊として生まれ、私は自分の意志を持っていた。その時生まれた精霊は光、闇、土、の3精霊だったの、水と火は生まれなかった。理由をラグエル様はお話をしていたわ、でもとても辛い話になるの、シャム少しの間私に時間ちょうだい、」
フィレムは眉を寄せルルの乗っていない手で口元を押さえる。ルルはフィルムの顔まで上がると、ルルは小さな手をフィルムの頬にピッタリとつけた。
ルルの身体がほんのり黄色く徐々に強く光る。ルルから魔力が流れて来た。ルルは優しい子だ。だが魔力を貰う訳にもいかない精霊王は自然と回復していくが、精霊は違う魔力を使うと自身で回復が出来ない、その為精霊王や人や草花から魔力を回収し魔力を補充しなければならない、それにルル1人分貰ったからといってすぐに回復する訳でもない、精霊と精霊王では魔力量も違うその為ルルの身体を慌てて離しホッと息を吐いた。
「ルル気持ちだけ貰っておくわ、ありがとう。」
「フィレム様ルルは魔力が切れた事無いんですも、いつもルクバト様やフィレム様から沢山貰ってますも、ルルは心配なんですも!ルクバト様も沢山たくさん心配してますも…」
ルクバトはフィレムを心配して顔を上げる、でもけして魔法陣から手を離さず必死に首を縦に振るが話さない、
先程フィレムにお話という名目のお説教を受けたばかりだからだ。
「ムム、ルクバトもありがとう、ルルの魔力を沢山貰ってしまうとルルの魔力が無くなってしまうわ、私達は自然と回復するわ、今の私にはお礼の魔力さえも渡せない、」
ルクバトが生まれた頃大暴れし私達を困らせた。大精霊王様は風の精霊王に夢中で眼中にもなかった。俺様のチカラを見せたいこの世界の木々を燃やし尽くす!と宣言した時だった。水色に地面が輝いた。フィレムはすぐに魔法陣だと分かったが、誰だか分からなかった。
転移の魔法陣で転移してきたのは、水の精霊王ミラと闇の精霊王ミクロンとあの子がやってきた。
シャムと名乗った子はミクロンにお願いをすると、ルクバトの周りだけ時を止めた。そこだけ時が止まっているその為、見た目はボールの中に入った飾りの様にも見える、そこをフィレムが触れると器のようになっているようで、ミラが時が止まり固まった所に戸惑いながら水を入れた。
あの頃のミラは借りてきた猫の様に大人しかった。
しかし余程楽しかったのだろう、次々思い付いた物を入れていった。頭が冷えたルクバトは解放されるとシャムから距離を取り、フィレムの後ろに隠れてしまった。フィレムは慌ててルクバトを引っ張り出そうとしたが、頑として離れてくれない、
『フィレム様、ルクバト様は大きな子供ですから、悪い事をしたら厳しく叱ってください。でも叱ってルクバト様が反省したら必ず優しい言葉を掛けてあげて下さい、鞭の後は飴です。』
ムチの後は飴とあの子は言っていた。先程は厳しく言ったから、今度は慈悲を与えるようにフィルムは優しくルクバトに微笑む、ルクバトは感激した様にパァと表情が明るくなった。元気付けるように「頑張って」と言っておく、ルクバトは安心したのか嬉しそうに地面に視線を落とす。
そういえば最初こうした方が良いと言ったのは確かあの子だ。ルクバトが精霊王になって困っていた時だった。シャムと名乗った女の子に出会ったと思い出した。生まれたてのルクバトは凶暴であちこちで暴れていた。まだ交流があった地の人族からの要請で、空の人族の祈りの乙女とシャムと名乗った小さな女の子が鎮めた時、フィルムに言った言葉を思い出した。
『えっ?ルクバト様は生まれたばかりなんですか?…今はあれから…いいえ私は…やる事をしてから帰る、そう決めたのだから、』
シャムと名乗った女の子にフィレムが名乗ると、途端に視線をさ迷わせ首を傾げ考えたらしいが、考えたくなかったのだろう、下を向いて頭を横に小刻みに振り迷いを捨てた。視線を上げた時には強い意志や覚悟を決めた顔をしていた。
あの時フィルムが思った事は、小さな子が前を向いて進んで行ける様に一緒にいた小さな子あと少しで成長しそうで、小さな子の頑張りでフィルムが助けられた事や、これからも応援している意味も込め、シャムが旅立つ前に餞別として魔力を少し多く渡した。
『しかも先代の精霊王様がご隠居されるからすぐに精霊王になるのですか?言ってはなんですが落ち着き無さすぎません?なんだかとてもヤンチャな弟に見えます。
私から見れば好きな子をイジメたいだけルクバト様は見えます。フィルム様が綺麗で話辛いんだと思います。後自分よりも年上の綺麗なお姉さんに出会って嬉しいだけだと思います。精霊王でフィルム様はお姉さんなんですから、キチンと叱ってあげるのはお姉さんとしての役目なのです。困るのはフィレム様やルクバト様ですよ?』
フィレムは自分には関係ないわねと、他人事の様にライラが話すアルゲティの日記を聞いていた。だがフィルムは先程思い出し驚いた。まさか自分も当事者だったなんてと静かに笑う、その鈴を転がす様な小さな笑い声はシャムにも聞こえ、シャムは顔だけを見上げる形でフィルムを見る。
「フフ…」
「フィレムどうしたの?」
「昔シャムと名乗っていた女の子に会った事を思い出したの、あの子と話をしたわ、あの時代にいた祈りの乙女があの子に助言をして、黒いモヤを順調に消せば空の人族を捕らえた結晶は消える、私も聞いていたはずなのよ、今更それをふと思い出してね、笑ってしまったの、その話も含めケーティ達が帰ってきたら話す予定よ。」
フィルムは椅子から優雅に立ち上がると、シャムの前に立った。長い髪や黄色いドレスが地面につき汚れるのも気にもとめず、細い足を地面につけ膝立ちをすると、自分の手でシャムの両手を優しく包んだ。綺麗なピンク色の瞳をじっと見る。
ルルとムムはフィレムの美しい髪が地面につかないようにと、力を合わせ髪を束ねて持つ、それを見たシャムも自分の風の精霊を出し手伝ってとお願いをして
「ねぇ…シャム、あなたに聞きたい事があるの聞いてくれる?でもけして驚かないで、ねぇシャム、あなたの中にいるラグエル様はお元気?あなたは会った事が無いと言っていたけど、あなたのココにいらっしゃるわ、」
「はぁ?!何を言ってるのフィレム?!歴代の乙女の日記にそんな事一言も書かれていなかったわ、変な冗談を言わないで!それに私は1度も夫に会った事なんて無いし、何の為に私が居るのか自分でもよくわからない、けど私には生まれた時からの記憶があるの、泣きながら謝罪をして私に謝る母親、運命の乙女が生まれれば無理矢理に母親から引き離され、隔離される様に屋敷で過ごした日々…私はとても辛かった。唯一慰めてくれたのは屋敷にある膨大な本、屋敷に来た人達は皆引き攣った笑いをする日々、私に笑いかける日々なんてほぼ無かった…私の本音を知る人なんて誰もいない、私を私達をほっといて何が夫よ!自分で空に帰ることも許されず、ただ生かされてる、自分が愛されてるなんて1度も感じたことなんてないし、私自身が誰かを愛するなんて…想像も出来ない、」
シャムは心に思っていた事を初めて声に出した。今まで自分の心の内を話した事なんて無かった。何よりもシャム自身を見る人々は恐怖を顔に張りつかせ、サッと目を逸らすか、強ばらせた顔で無理やり笑っているかの2通りで、自分は愛情を知らないと思っていた。空に帰ってしまった自分の子を産み落としたあの日までは思っていたし…
フィルムはハッとして立ち上がると自分の胸に手を当てた。何も知らないシャムを気遣う様に見る。
言われた当人のシャムは大きく瞳を見開いて固まった。聞いた瞬間すっとんきょんな声を上げ立ち上がろうとしたが立てず、すぐに椅子に座ってしまいイライラとした気持ちで足元に目をやる。
裾部分が刺繍で美しい白いドレス、そこから出る白く細い足結晶はまるで美しい靴に見える。膝下から虹色のブーツの様に結晶で固まっている、
その時結晶の内側から氷を割った様な音が響く、パキッパキっとヒビが入りふくらはぎを包んでいた結晶が崩れ落ちた。割れたからだと思うが、まるで結晶全体にヒビが入ったからか、煙りの様に黒いモヤが足元から上り空に消えていった。それをフィレムと2人で見上げみる。
まじまじと自分の足元を見れば、結晶が取れたのは全部では無く、ごく1部分でヒビが入ったから取れるかと思わせて取れない、だが少しだけ足は自由に動くので先程よりも不快な感じはしない、それでも動けないため不便は不便だ。
だがしかし先程フィレムから話を聞いたが、トゥカーナは過去に飛び黒いモヤを追いかけ頑張っている。早く抜け出したいと思うのと同時に、無理はして欲しくないという気持ちになる、
「これは黒いモヤね、もしかしたら中に閉じ込められていたのかしら?」
「中にあるのなら、もしかしたらモヤが見えないかしらねぇフィレム、結晶の中のモヤ見える?」
フィレムはもう一度膝を着くと、手で結晶を押えまじまじと見る。ルルはフィレムの髪を持つのを他の小さい子に任せるとフィレムと一緒に結晶を見始めた。結晶の中によく見れば黒いモヤが結晶の中にあるのがわかったが、裏側がどうなっているか分からないその為、ルルは確かめようとフィレムとシャムの許可をとる。
「フィレム様シャム様、ルルはシャム様の足元の裏側を見てきますも、フィレム様は休んでいて下さいですも、フィレム様にはルルが頼りになるってわかって欲しいんですも。必ず何か分かったらすぐに報告しますも、」
「ありがとうルルその言葉に甘えるわ、でもけして無理をしないように無理ならちゃんと私の所に来てね、ねぇシャムこの黒いモヤいくら恨みや執念があると言っても、なんだか執念と言うよりも」
フィレムはルルに優しく微笑むと、シャムの方を向き黒いモヤが消えた空を見上げる。
「ルルありがとう、少し狭いかもしれないけど裏側からも見て欲しいの、もし黒いモヤを見つけても触ってはダメよ、だって空の人族の私を捕らえたんだもの、無理をせず無理ならすぐに帰ってきて、ルルに何かあったら私はフィレムに謝っても謝りきれないわ、
フィレムはそう思う?私はなぜ魔力を奪っていくのかを考えていたの、もしかすると…魔力をどこに送っているとか…かしら?」
シャムは顎に手を当て独り言を言う様に話す。フィレムは研究が大好きだった3代目の風の精霊王の様だと思い出した。あの時の風の精霊王の名はザニア、色々とやりたい事が多く研究に付き合わされた。あれこれを思い出して微笑ましく思えたが、研究が好きなタイプの人は人に聞かせて話す訳では無い、なので必死に聞かないと何を言ってるのかわからなくなる、その為必死に耳を傾ける。
「さすがに土に吸われた魔力は追えないわ、空に消えた魔力なら得意だし、自分の子達に任せられるんだけど、風に舞っていった黒いモヤ…もしかしてあの子達なら追えるかもしれない、クク、メメ、お願い来て」
シャムの座る椅子の後ろからスっと黒い影が2つ現れ人の形になる。2つの影の背丈はシャムよりも低い、ククと呼ばれた精霊は薄い緑色した長い髪を2つにし三つ編みにしており、元気にぴょんぴょんと跳ねても束ねた髪は崩れることは無い、ククは無邪気に両手を上にあげ挨拶する。
「やっほー!シャム様クク来たよ、わーフィレム様超久しぶり!丁度いい椅子がある、そこもーらい!」
「お呼びですか?始まりの乙女シャム様。」
ククはシャムとフィレムに手を振り愛想を振りまく、一方のメメは黒いフードを被っており、薄い緑色した前髪がちらりと見える。目に掛かる長さだがそれを気にすることも無くシャムに失礼が無いように頭を下げ、黙って指示を待っている。シャムは相変わらずこの2人は温度差が激しいと思いながらも、けして口には出さない、ただじっとククとメメを見ていた。
「フィレム、この子達の事アウラ達に秘密にして、前にこの子達を使って、私はとても酷い事をしてしまったから、」
シャムは俯き懺悔を始めた。顔は見えないが声色は震えていた。
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