巻き込まれ転移者の異世界ライフ。○○人の女を囲って幸せに生きる ~ざまぁで終わらせるわけないだろ~

みかん畑

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42 ユウスケの最期(上)

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 スッキリした俺と二人は、時間停止を解除してデートに戻った。
 
「さて、デートを楽しみましょうか。私はただの便器ですのでお気になさらず」

 エメリスは気を遣っているな。

「エメリス、気持ちは嬉しいが、俺は便器を持ち歩く趣味などない。お前とも正式なデートだ。それとも、俺が相手では嫌か?」
「そのようなことありません……! 自身を便器だと言ったのは自戒の為でもあります。私如きが奥方様や皆様と同じ立場だと考えないようにという自戒です」

 エメリスを好きにできる優越感はいいが、もっと女として俺に媚びて欲しいとも思う。贅沢な悩みだな……。
 俺は先ほど抱いたばかりのエメリスを抱き寄せ、耳を軽くねぶった。
 まだ彼女の中には俺の精液が残ってる。

「あっ……ひぃぃぃん」
「俺が抱いた女は、等しく俺の女だ。形式上の序列はあっても、俺が注ぐ愛情に一片の違いもない。俺が妻に贈り物をする時、お前を放置したことがあったか?」
「贈り……物……?」

 し、しまった……! 放置されていたリンネのトラウマを呼び起こしてしまった!

「いや、リンネにも送ったはずだ。まさか、着服されていたのか? この件は調査をする必要があるが、今日はリンネの欲しいものを全て買ってやるからな? なんでも俺に言うといい」
「あ、ごめんなさい。旦那様を悪く言うつもりはないのです。今日は、期待してますね?」
「そうするといい。それで、エメリス。今日までのお前は確かに便器のように使われることもあった。そこは俺の甘えだった。だが、これからは俺の女である自覚も持って欲しい」
「も、申し訳ありません。なかなか難しい課題ですね」

 屋敷にいる間はマジで便器みたいに使ってたからな。
 高貴なエルフというのが俺の性癖に刺さりまくってたせいだ。

「俺がトイレを頼むと言った時以外は俺の女だ。シンプルで分かりやすいだろ?」
「では……私はトイレと言われた時以外は、ずっとご主人様の女であると、その認識でいいのですか?」
「そうだとも」
「性奴隷でしかなかった私にそのような寛大な……。仕事がないと私が苦しいと、立場を考えての便器でいいということでしょうか?」

 は? そんなこと一切考えてなかったが。という気持ちには蓋をして、俺は頷いた。

「ご主人様! 愛してます!」
「私も、旦那様が好きです!」
「私も好きだよ」

 三人に求愛されて弱ったな。周りの視線が集まってるぞ。
 こんなところをユウスケに見られたら大変だな……と思っていると、呆然と立ち尽くしていたユウスケと目があった。

「お、おお、久しぶりだな」
「ユウ君だっ! 元気にしてましたか?」
「以前より痩せた気がしますね」
「懐かしいなー」
「俺は……冒険者のAランクになった。自分の力だけでだ」

 いきなり独白が始まった。
 Aランクがどれくらい凄いことか分からないな。

「Aランクってどれくらい凄いんだ?」
「トリテア国全体を見ても十数名しかいないランクです。とても凄いことなんですよ?」
「そうだったのか。いや、ユウスケも頑張ってたんだな」

 以前は憎しみに焦がれていたユウスケだが、今は憑き物が落ちた顔をしている。

「二人は今、何をしてるんだ」

 だが、逆に自然に話せていることが恐ろしい。
 ユウスケを狂わせるほど寝取ったのに、その落ち着きはどこからくるんだ?

「私は旦那様の専属メイドですよ。色々なお世話をしています」
「私は性奴隷ですが、待遇はいいです。寵愛もいただけますし」
「そうか。リーダーが、リンネにはパーティに戻ってきて欲しいって言ってたぞ」
「そうですね。冒険者に戻りたい気持ちもありますが、それ以上に今はメイドとしての仕事をしっかり果たしたいと思ってますので」
「そうか。あの、ハジメさんにお願いがあります」

 改まってどうしたんだろうな。

「今、俺は一千万ゴールド貯めてます。その金で、リンネを買わせてもらえませんか」
「えっ?」

 リンネが驚いてる。

「お願いします。あの日の生意気な態度と、転移してきてからの無礼を謝罪します」

 あの高慢だったユウスケが膝をついて土下座をしている。

「頭を上げろ。随分と態度が変わったな」
「この世界に来てから学んだんです。俺は、主役なんかじゃなかった。思いあがっていたんだと気づかされました。これからは、身の丈にあった振る舞いをしたいと思ってます。どうか、リンネを俺に返してください」

 もっと早くにプライドを捨てて謝ってたら、リンネはユウスケの伴侶になっていたかもしれない。

「ユウスケ、俺が憎いか?」
「憎いのは、自分の浅はかさです。舐めきった態度で楯突いて、愛する女性を失いました」
「旦那様、私から返事をしてもよろしいですか?」
「いいだろう」

 リンネは俺の前に回ると、舌を入れてキスをしてきた。

「ちゅ……おい……リンネ……」
「愛してます、旦那様……」

 リンネも酷なことをする。

「ユウスケ、悪いがこれが俺達からの返事だ」
「はは……。最初からこうなる気はしてたんですよ」

 ユウスケの空気が変わる。

「昏天」

 夜の帳が降りた。そう錯覚する程の暗闇に視界が覆われる。
 反射的に時間停止を使い、アイスサークルを広げる。

「参ったな。目を潰されたのか」

 まさか、ユウスケが魔法を修得してるとはな。
 使ってくるとしたら聖剣を使っていた時に身に着けた武技だと思っていた。

「固有結界か。いつの間に覚えたんだ」

 固有結界というのは、他者に自分の決めたルールを押しつける特殊な空間のことだ。
 固有結界に閉じ込められた術師は、別の固有結界を張ってルールをぶつけるか、結界を破壊して外に脱出するしかない。

 クワハラから譲り受けた刀を抜き、天叢雲剣を発動させる。
 武技を発動させた瞬間、俺には結界の繋ぎ目が視えた。

「凄い技だな」

 何もかも切り裂く神刀の具現か。
 この技を使うと神眼が開かれ、世界の綻びが視える。
 完全な術式など、この世には存在しない。
 ここは神の世界ではないのだ。

「散れ」

 刀を振り抜き、一瞬にして『昏天』を終わらせる。
 時間停止を解除した時、俺は陽射しの下にいた。

「こんなはずが……。俺の魔法が一瞬で……」
「残念だったねー。ユウスケも強くなってるけど、ハジメは神様に近い強さだから諦めた方がいいよ」

 シロナが評するが、俺の強さを読み取れるお前も大概だよ……。

「もう一度だ! 昏――」

 ユウスケを中心に、仲間を除いての時間停止を発動させる。
 ユウスケを攻略するより、魔法の供給元を断った方が楽そうだ。

「どこにいるんだ?」

 ユウスケに憑いている精霊を探す。
 アイスサークルの範囲を広げていくと、俺は発見した。
 塔の上から俺達の戦いを観察している精霊がいる。
 名前はルミア。A+の闇の精霊か。

 俺は転移し、精霊の時間停止のみを解除した。

「な……っ」
「よう。ユウスケと契約した精霊だな」
「あ、あんた何!? なんで急に目の前に……」
「俺は……何だろうな。勇者であり、王様でもある」
「ダークフレア!」
「いきなり攻撃するのはなしだろ」

 アイスシールドを展開して魔法を受け止める。
 敵わないことを理解したのか、それ以上の抵抗はなかった。
 精霊王の肩書はないが、実力的にかなり上位の精霊だと思う。

「ユウスケじゃ魔力の供給元として心許ないだろ。契約者は選ぶんだったな」

「……契約はここまでね」

 ルミアはあっさり契約を破棄ようとする。
 だが、その前に彼女は首を斬られた。

「は……?」

 俺も驚いたが、遥か遠方からシロナが斬撃を飛ばしたらしかった。

「た……す……け……」
「おいおい、殺さなくていいだろ。シロナは物騒だな」

 停止の力でルミアのダメージを止める。
 加減したのか、喉を裂く程度で収まったのは不幸中の幸いだった。
 本気だったら首が飛んでただろう。

 彼女は無言で謝意を伝えると、無事に契約を解除して地上から消えた。

 俺としては少し脅かすだけのつもりだったのに、シロナの射程が怖すぎる。
 何キロ離れてると思ってんだよ。あんな風に武技が使えるのは彼女くらいなものだと思う。

「さて、あとはユウスケをどう処理するかだな」

 いい加減、ユウスケとの因縁も終わらせたい。
 だからといって同郷の日本人を殺したくはない。

 好感度操作がユウスケにも使えたらいいんだが、あれは異性にしか……。

 いや、そうか。ユウスケの性別を変えてやればいいんだ。
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