乙女ゲームのモブに転生したので、幸せになろうと思います。

飼蛙窪制

いっけなぁ～い！！魅了魅了！！私の名前はファンシー・フェリーチェ！！今孤児院の人気な女の子の周りに集まっている男子を魅了しているの！！そしたらマリアちゃんが怒って…これから私、どうなっちゃうの～！？と、少女漫画風に言えばこうなるだろうか。実際マリアがいじめに来てる。人気のないところで。これは私の望んだ展開が来た。
私の作戦を説明しよう。人気者のマリアは男子をはべらせていて、どこかぶりっ子気味の欺いてる感があった。そのマリアから男をとったら…私はマリアに恨まれる…かなっということ。
マリアが上目遣いでこっちを見る。まつ毛がすごい。
無月は最近どこかに行っていていない。どこに行ったのかな。
「ねぇファンシーちゃん。なんか最近調子乗ってなぁい？」
やっぱりいじめの常套句 は押さなくても変わらないんだね。
「え？乗ってないよ！！」
一応ここでは私のキャラは優しい優しい系元気純粋。わかる？
「私が乗ってると言ったら乗ってるの！！」
見事な逆ギレ。私も見習いたい。
マリアは怒鳴り続ける。
「私はね！！この孤児院のお姫様なの！！なのにあんたが私の…ッ」
「待って！！」
なんだろう。邪魔しないでほしい。こっちは頑張って悲しそうな顔してるんだから。
横から口をはさんできたのはハルカだった。そういえば魅了していたな…。
「ファンシー様を虐めないで！！」
どうしよう。邪魔が入った、えっと計画は…続行しよう。効率よく悲劇が追加されるかもしれない。
「うるさい！！」
「キャッ」
マリアがハルカを突き飛ばした。
…そうだ。いいこと思いついた。最大なる悲劇…それは、過去に殺したくもない人を殺してしまった、じゃない？
勿論私は今までたくさん人を殺してきた。でもそれは裏のこと。私は話せる殺しをする。
ハルカは魅了してから何回か遊んだ一応友達だった。友達が侮辱されたら起こるでしょう皆。それを魔法が使える私がやったら…
ひとひとりくらい、ころしちゃってもしかたないよね？
マリアはそのままハルカに暴言を吐いている。
ふぅ～
私はマリアを睨む。なるべく魔法はハルカに見せたくないな…
ハルカを虐めるのに夢中になっているマリアを通り越してキッチンへ行く。
キッチンから包丁をとってきた。以前、何か起きた時に使えるかもと思って場所を確認していたのだ。
いまだにハルカを虐めているマリアの背後に立ってナイフを振り下ろす。
飛び散る血飛沫　　ゆったりと消えていくマリアの体温
こんなに人の死を身近に感じたのは初めてかもしれない。
じゃあ正義の一言を言いましょう。
「ハルカを虐めないで」
パーフェクト…おっとここからが大事。
血に濡れた顔ではるかににっこりと笑う。
「無事でよかった　ハルカ」
その言葉を言ったらハルカの魅了を解く。そして近づく。
ハルカの顔が恐怖に歪む。
「やだ、近づかないで！！殺さないでよ！！こんなことになるならあんたと友達になんかならなきゃあよかった…ッ！」
私は一瞬落ち込んだ顔をしてから真顔になる。
「うるさい」
とどめの血飛沫　　あったかい　　アカい血の色
やっぱり温かいの気持ち悪い。
よし後は証拠隠め…！？
ドガアアアアア！！
！？なに…
ドガァ！！
私がいる部屋が崩れ、私は瓦礫の中に埋もれる。
魔法で瓦礫を吹っ飛ばし、外に出ていたのは、ドラゴンだった。