10 / 19
急いで来たね
しおりを挟む
慧仁親王 京 仙洞御所 1522年 正月
「明けましておめでとう御座います。それがし北条氏綱に御座います。お初にお目にかかりますが、以降お見知り置きをお願い申し上げます。」
「慧仁と申します。遠い所、わざわざご足労頂き有り難う御座います。宜しくお願いします。ここまで船でお出でと伺いました。船旅は如何でした?」
「慣れない船旅、揺れと寒さで些か身に応えました。しかし、良い経験になったと思ってるのも確かです。」
「私など狭い御所どころか、何処へ行くのもこの雅綱の手を借りなければなりません。誠に羨ましいかぎりです。」
「失礼と承知ながら伺いますが、お幾つになられますか?」
「先日、数え2歳となりました。」
「なるほど、受け応えなど、まさに神憑りに御座いますな。」
などと、一通り世間話で時を過ごす。
「さて、先に本題と参りましょうか。」
「そうですな、まずは親王様に頂いたお手紙に相違ありませんか?」
「概ね間違いない。伊豆・相模・武蔵・安房・上総・下総・常陸・下野・上野を錦の御旗の元に治めて貰いたい。」
「誠で御座いますか!」
「ただ、一つだけ条件がある。一人一国だ。菊寿丸には是非伊豆を。氏綱殿には武蔵を治めて貰い、残りを兄弟なり家臣なりで一国ずつ治めて貰いたいのだ。」
「何故、菊寿丸に伊豆なのですか?」
「簡単だ、縁だ。あの日に近江に居た。それが重要だ。そして、約束を守る男だと感じた。」
「なるほど、では、何故一人一国なのですか?」
「国創りの為だ。天皇家は君臨すれども統治はしない。例えば関東州。何年かに一度、9ヶ国の話し合いで州の主を決めて貰う。そして推薦された主が相応しいか天皇家が調べて任命する。統治はしないが州主の任命権を持つ事になる。馬鹿が州主になる危険度が下がる。そして、州主が集まって総州主を決めて政を行って貰う。分かり辛いかな?まあ、それは草案で詳しくはおいおいだ。」
「何となくですが分かりました。先ほど話にも出て来ましたが、錦の御旗を下賜して下さるとの話でしたが。」
「うぬ、話が決まれば氏綱殿は従四位武蔵守が任命されます。侵攻し易い様に、一時的に関東将軍も任命しときますか。その上で拝謁、錦の御旗の下賜になります。」
「従四位ですか、身に余る光栄で御座います。」
「関東ですと、東関東は米作、西関東は麦栽培が向いてますね。沿岸は豊富な魚介類が獲れ、銚子・勝浦・江戸・横浜・三浦・小田原・稲取・下田・沼津と条件の良い港が出来ます。西関東は土地が痩せているので、南部はお茶を北部では養蚕がオススメの様です。」
「何故そこまで詳しく。」
「私は昨年、一月くらい昏睡状態だった様です。その間に天照大御神様と様々な土地を巡り、そして様々な知識を授かりました。そして昏睡から目覚めるとこの通りです。数え2歳でこれでは気味悪いですよね。しかし、天照大御神様のお導きです。その知識を日の本の民の為に使おうと、身に宿るオモイカネ様と共に考えています。」
「なるほど」
「如何でしょう、天皇家に臣従して下さいますか?」
「身を賭してお仕え致します。」
「それではその様に取り計らいます。今しばらく京に滞在ください。これから、末永く宜しくお願いします。」
「明けましておめでとう御座います。それがし北条氏綱に御座います。お初にお目にかかりますが、以降お見知り置きをお願い申し上げます。」
「慧仁と申します。遠い所、わざわざご足労頂き有り難う御座います。宜しくお願いします。ここまで船でお出でと伺いました。船旅は如何でした?」
「慣れない船旅、揺れと寒さで些か身に応えました。しかし、良い経験になったと思ってるのも確かです。」
「私など狭い御所どころか、何処へ行くのもこの雅綱の手を借りなければなりません。誠に羨ましいかぎりです。」
「失礼と承知ながら伺いますが、お幾つになられますか?」
「先日、数え2歳となりました。」
「なるほど、受け応えなど、まさに神憑りに御座いますな。」
などと、一通り世間話で時を過ごす。
「さて、先に本題と参りましょうか。」
「そうですな、まずは親王様に頂いたお手紙に相違ありませんか?」
「概ね間違いない。伊豆・相模・武蔵・安房・上総・下総・常陸・下野・上野を錦の御旗の元に治めて貰いたい。」
「誠で御座いますか!」
「ただ、一つだけ条件がある。一人一国だ。菊寿丸には是非伊豆を。氏綱殿には武蔵を治めて貰い、残りを兄弟なり家臣なりで一国ずつ治めて貰いたいのだ。」
「何故、菊寿丸に伊豆なのですか?」
「簡単だ、縁だ。あの日に近江に居た。それが重要だ。そして、約束を守る男だと感じた。」
「なるほど、では、何故一人一国なのですか?」
「国創りの為だ。天皇家は君臨すれども統治はしない。例えば関東州。何年かに一度、9ヶ国の話し合いで州の主を決めて貰う。そして推薦された主が相応しいか天皇家が調べて任命する。統治はしないが州主の任命権を持つ事になる。馬鹿が州主になる危険度が下がる。そして、州主が集まって総州主を決めて政を行って貰う。分かり辛いかな?まあ、それは草案で詳しくはおいおいだ。」
「何となくですが分かりました。先ほど話にも出て来ましたが、錦の御旗を下賜して下さるとの話でしたが。」
「うぬ、話が決まれば氏綱殿は従四位武蔵守が任命されます。侵攻し易い様に、一時的に関東将軍も任命しときますか。その上で拝謁、錦の御旗の下賜になります。」
「従四位ですか、身に余る光栄で御座います。」
「関東ですと、東関東は米作、西関東は麦栽培が向いてますね。沿岸は豊富な魚介類が獲れ、銚子・勝浦・江戸・横浜・三浦・小田原・稲取・下田・沼津と条件の良い港が出来ます。西関東は土地が痩せているので、南部はお茶を北部では養蚕がオススメの様です。」
「何故そこまで詳しく。」
「私は昨年、一月くらい昏睡状態だった様です。その間に天照大御神様と様々な土地を巡り、そして様々な知識を授かりました。そして昏睡から目覚めるとこの通りです。数え2歳でこれでは気味悪いですよね。しかし、天照大御神様のお導きです。その知識を日の本の民の為に使おうと、身に宿るオモイカネ様と共に考えています。」
「なるほど」
「如何でしょう、天皇家に臣従して下さいますか?」
「身を賭してお仕え致します。」
「それではその様に取り計らいます。今しばらく京に滞在ください。これから、末永く宜しくお願いします。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる