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第68話 1553年(天文二十二年)七月 ふたたび八雲城
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二人の使者の発言に声を上げることが出来なかった三郎に代わり、晴久が話を続けた。
「大内の安芸、備後の国人衆筆頭である毛利家が我らと盟を結びたいと言われても、はいそうですかとその言を鵜呑みにするわけにはいかんな。どの様な事情があるのか、まずはご説明願おう」
角都が答える。
「陶晴賢は安芸、備後、備中における毛利家の動きを制限しようと動いております。あくまでも毛利は陶の配下でありその枠を超えることは許すことはできぬと。そして血と汗を流し、率先して戦い、功を上げたにもかかわらずそれを認めず、実をかすめ取ることを平気で行っております。そして国衆筆頭としての権利を無視し、我らの頭ごなしに国人たちを召集しようとしました。そればかりか大殿の命を奪おうと名指しで津和野に参陣しろと命じております。今毛利は陶の配下になるばかりかすり潰され、お家の存在すら危ぶまれる状況にございます。よって陶と断交し、独立する道を選んだしだいでございます」
「うむ。事情は分かった。しかしことがことだけに、すぐに返事をと言うわけにもいかん。今日は休まれよ。おってお呼びいたす」
「ありがとうございます。まずは安堵いたしました。特に少しでも遅れていれば、おふた方にお目通りすること叶わなかったでしょう。真、神仏のお導きかと。ではなにとぞ、よろしくお願いいたします」
二人は部屋を出ていった。
「三郎、皆を集めよ」
「はっ」
城下にいる家臣たちに招集がかかる。出払っている者たちには鳩が飛んでいった。
その日の夜。夕食を摂ったあと軍議が始まった。
「これは、元就の謀ではないのですか。今まで幾度も元就には煮え湯を飲まされてきました。今回も実は陶と結んでいるのではないですか!」
亀井が真っ先に声を上げた。
「横田衆、鉢屋衆らの知らせを慎重に精査した結果、此度やってきた使者の話は信用に足るものとの結論を出しました」
立原が報告する。
「ふん、仮に信用に足るとしてどうして尼子が毛利を助ける必要があるのだ。陶と毛利が争い、双方が疲れ果てたときこそ尼子が出ていき、纏めてうち滅ぼせば良いではないか。なにを難しく考える必要がある」
続いて宇山が意見を述べる。
「陶と結び毛利を討つという考えもあるのでは。戦力としてはまだ陶が上回っておりましょう。備中、備後を抑えれば安芸も攻略しやすくなるはずです。結ぶのなら陶でございましょう」
「すぐに結論をださず、それとなく毛利に返事をしておき、ことの成り行きを見定めて動いてはどうか。無理に山陽に出張らなくても予定通り若狭、丹後の平定をすすめれば良いでしょう。準備はできております。今更中止はないぞ」
牛尾は先に東に向かうべきだと主張する。
基本的にこの三通りが選択肢になりうる。
「皆に聞きたい。組んで勝った後、何が残るんだ」
三郎が声をだした。
「三郎様…残るとは」
「言葉通りだ、牛尾。領国は残るというかふえるだろう。民はどうだ。毛利の民も陶の民も尼子に従うとは思うが裏では旧領主のことを忘れはしないだろう。それなりに民を統治していた国だ。手のひら返しとはいかんと思うな。国人たちは特にそうだ。領地召し上げにはなかなか応じないだろう。それらを全部滅ぼして行けば国の統治に支障が出る。今の尼子の統治の方法では素早く領土を増やすのは難しい。かと言って今更、所領安堵などもってのほかだ。考えると残るものは面倒だけではないのか。それにやってみなければわからない。尼子は有利な立ち位置にいると思うが下手すると足を掬われかねん」
皆が考え出した。勝ったあとどうする。そして、勝つためにはどうする。
「戦のあとのことまで考えると、どちらかと盟を結ばねばならん。戦をできるだけ早く終わらせなければならんからだ。様子を見るというのは無いな」
晴久が一つ結論に近づいた発言をした。
「御屋形様、三郎様、毛利と結んだほうがよろしいのではないでしょうか。陶は主君弑逆の輩。それと結ぶは尼子も義のない無法者と思われてしまいます」
「某もそう思います。それに陶に国を治める能力があるとは思えません。今の周防、長門の混乱は陶の統治能力の低さを表しています」
為清と松田が揃って毛利を推した。他の者もどうやらその方向で考えているようだ。
三郎は腹を決めた。
「皆のもの、俺は毛利と盟を組もうと思う。この先尼子が残り続けるために選ぶなら毛利だ。なぜなら毛利のほうが考えが深いからだ。それにずるい。今まで尼子と大内の間を見事に泳いできているのだ。その強さは必ず尼子に利をもたらす。こちらがヘマをしなければな。皆いろいろと思うこともあるだろう。だが俺に預けてくれないか。その思い決しておろそかにはしない」
筆頭家老がズイッと前に進み出た。
「我ら一同、御屋形様と三郎様の仰せのままに働く所存。毛利との盟約に異論はありません。皆のものそうであろう」
振り返る亀井に促されたように居並ぶ家臣たちは頭を垂れる。
「はっ。なんの異論もございません」
総意は決まった。後は交渉内容。どこまで押して、どれだけ引くか。休憩を挟んで軍議は続いた。
次の日、角都と恵瓊は昨日と同じ迎賓館に呼ばれた。二人は八雲についた次の日に呼ばれたことに対して安堵し、また緊張と不安も感じていた。尼子の動きの早さは予想以上だった。もう結論が出たのか。どういう結論であれ持って帰ることができるのは使者の任務を達成できたということになる。それと尼子の家中は統制がとれている、一枚岩と言っても過言ではないと報告もできる。まだ安心はできないが、なんとなく手応えを感じている二人はお互いの視線を交差させた。
部屋に入ると昨日と同じ晴久、三郎、亀井の三名が座っていた。晴久と三郎に対するように二人は座った。
「では、毛利家の申し出について尼子家の結論を申し上げます。三郎様、お願いいたします」
亀井の口上で交渉は始まった。
「尼子家は此度の申し出を受け、毛利家と盟を結ぶことを決めた。もちろん条件がある。それについて今から話を進めたい。盟約が結べなくなるような事態は避けたい。そのことをお忘れなきようお願いいたす」
「はっ、してどのような条件をお考えでしょうか」
「まず、此度の盟約はあくまで不戦の約定であること。尼子家と毛利家が争わないということであり、他の国人衆や勢力には不戦は適用されない。期間も毛利と陶の戦が終わるまでとし、毛利の勝利が決まったと尼子が判断した時点で盟約を続けるかどうかの意思を毛利家に伝えるものとする。次に尼子と毛利の国境についてだが、安芸、備後、備中については現在の占領地域をもって国境とする。新見領は返還しない。石見は陶の領地であり、毛利領ではない。よって両者の切り取り次第とする。この盟約が成立した直後に尼子は石見に侵攻し吉見正頼の討伐に向かう。毛利が吉見に合力することは認めない。長門、周防についても同じく、両者の切り取り次第とする。最後にこの盟約は今日結ばれるのではない。後日なるべく速やかに両家の当主が直に相見え書状に名を記し、交わすことによって効力を発揮する。会談の場所は奥出雲、大馬木の金言寺とする。もちろん毛利方の安全は保証する。尼子家からは以上だ」
三郎はしっかりと淀み無く条件を述べた。しばし考えたあと角都は答えた。
「某の一存ではお答えできません。一度安芸に持って帰り、後日返答をしたいと思いますがいかがでしょうか」
晴久がゆっくり頷きながら話す。
「よかろう。ただし長くは待てんぞ。今月中に答えは欲しい。出来るならば盟約まで結び終えたい。毛利殿にもよろしくお伝え下され。お互い時間は大切にせねばな」
「はっ。しかとお伝えいたします」
角都と恵瓊はすぐに八雲城をあとにした。晴久の言うとおり時間が大切だ。歩きながら恵瓊が角都に笑みを浮かべながら楽しそうに話す。
「次に来るときはそのまま金言寺から八雲城に向かい、城下と杵築を見物したいですね。今回は城から一歩も出ること叶わなかったのでとても残念です」
角都は目を丸くした。
「その方、この盟約結ばれると思うてか」
「はい、三郎様が乗る気にございます。隆元様は言わずもがな。大殿も晴久殿も若き嫡男に委ねておられるようですし」
「そうか、そうなればいいな。急ぐか」
二人は歩みを更に早めた。
「大内の安芸、備後の国人衆筆頭である毛利家が我らと盟を結びたいと言われても、はいそうですかとその言を鵜呑みにするわけにはいかんな。どの様な事情があるのか、まずはご説明願おう」
角都が答える。
「陶晴賢は安芸、備後、備中における毛利家の動きを制限しようと動いております。あくまでも毛利は陶の配下でありその枠を超えることは許すことはできぬと。そして血と汗を流し、率先して戦い、功を上げたにもかかわらずそれを認めず、実をかすめ取ることを平気で行っております。そして国衆筆頭としての権利を無視し、我らの頭ごなしに国人たちを召集しようとしました。そればかりか大殿の命を奪おうと名指しで津和野に参陣しろと命じております。今毛利は陶の配下になるばかりかすり潰され、お家の存在すら危ぶまれる状況にございます。よって陶と断交し、独立する道を選んだしだいでございます」
「うむ。事情は分かった。しかしことがことだけに、すぐに返事をと言うわけにもいかん。今日は休まれよ。おってお呼びいたす」
「ありがとうございます。まずは安堵いたしました。特に少しでも遅れていれば、おふた方にお目通りすること叶わなかったでしょう。真、神仏のお導きかと。ではなにとぞ、よろしくお願いいたします」
二人は部屋を出ていった。
「三郎、皆を集めよ」
「はっ」
城下にいる家臣たちに招集がかかる。出払っている者たちには鳩が飛んでいった。
その日の夜。夕食を摂ったあと軍議が始まった。
「これは、元就の謀ではないのですか。今まで幾度も元就には煮え湯を飲まされてきました。今回も実は陶と結んでいるのではないですか!」
亀井が真っ先に声を上げた。
「横田衆、鉢屋衆らの知らせを慎重に精査した結果、此度やってきた使者の話は信用に足るものとの結論を出しました」
立原が報告する。
「ふん、仮に信用に足るとしてどうして尼子が毛利を助ける必要があるのだ。陶と毛利が争い、双方が疲れ果てたときこそ尼子が出ていき、纏めてうち滅ぼせば良いではないか。なにを難しく考える必要がある」
続いて宇山が意見を述べる。
「陶と結び毛利を討つという考えもあるのでは。戦力としてはまだ陶が上回っておりましょう。備中、備後を抑えれば安芸も攻略しやすくなるはずです。結ぶのなら陶でございましょう」
「すぐに結論をださず、それとなく毛利に返事をしておき、ことの成り行きを見定めて動いてはどうか。無理に山陽に出張らなくても予定通り若狭、丹後の平定をすすめれば良いでしょう。準備はできております。今更中止はないぞ」
牛尾は先に東に向かうべきだと主張する。
基本的にこの三通りが選択肢になりうる。
「皆に聞きたい。組んで勝った後、何が残るんだ」
三郎が声をだした。
「三郎様…残るとは」
「言葉通りだ、牛尾。領国は残るというかふえるだろう。民はどうだ。毛利の民も陶の民も尼子に従うとは思うが裏では旧領主のことを忘れはしないだろう。それなりに民を統治していた国だ。手のひら返しとはいかんと思うな。国人たちは特にそうだ。領地召し上げにはなかなか応じないだろう。それらを全部滅ぼして行けば国の統治に支障が出る。今の尼子の統治の方法では素早く領土を増やすのは難しい。かと言って今更、所領安堵などもってのほかだ。考えると残るものは面倒だけではないのか。それにやってみなければわからない。尼子は有利な立ち位置にいると思うが下手すると足を掬われかねん」
皆が考え出した。勝ったあとどうする。そして、勝つためにはどうする。
「戦のあとのことまで考えると、どちらかと盟を結ばねばならん。戦をできるだけ早く終わらせなければならんからだ。様子を見るというのは無いな」
晴久が一つ結論に近づいた発言をした。
「御屋形様、三郎様、毛利と結んだほうがよろしいのではないでしょうか。陶は主君弑逆の輩。それと結ぶは尼子も義のない無法者と思われてしまいます」
「某もそう思います。それに陶に国を治める能力があるとは思えません。今の周防、長門の混乱は陶の統治能力の低さを表しています」
為清と松田が揃って毛利を推した。他の者もどうやらその方向で考えているようだ。
三郎は腹を決めた。
「皆のもの、俺は毛利と盟を組もうと思う。この先尼子が残り続けるために選ぶなら毛利だ。なぜなら毛利のほうが考えが深いからだ。それにずるい。今まで尼子と大内の間を見事に泳いできているのだ。その強さは必ず尼子に利をもたらす。こちらがヘマをしなければな。皆いろいろと思うこともあるだろう。だが俺に預けてくれないか。その思い決しておろそかにはしない」
筆頭家老がズイッと前に進み出た。
「我ら一同、御屋形様と三郎様の仰せのままに働く所存。毛利との盟約に異論はありません。皆のものそうであろう」
振り返る亀井に促されたように居並ぶ家臣たちは頭を垂れる。
「はっ。なんの異論もございません」
総意は決まった。後は交渉内容。どこまで押して、どれだけ引くか。休憩を挟んで軍議は続いた。
次の日、角都と恵瓊は昨日と同じ迎賓館に呼ばれた。二人は八雲についた次の日に呼ばれたことに対して安堵し、また緊張と不安も感じていた。尼子の動きの早さは予想以上だった。もう結論が出たのか。どういう結論であれ持って帰ることができるのは使者の任務を達成できたということになる。それと尼子の家中は統制がとれている、一枚岩と言っても過言ではないと報告もできる。まだ安心はできないが、なんとなく手応えを感じている二人はお互いの視線を交差させた。
部屋に入ると昨日と同じ晴久、三郎、亀井の三名が座っていた。晴久と三郎に対するように二人は座った。
「では、毛利家の申し出について尼子家の結論を申し上げます。三郎様、お願いいたします」
亀井の口上で交渉は始まった。
「尼子家は此度の申し出を受け、毛利家と盟を結ぶことを決めた。もちろん条件がある。それについて今から話を進めたい。盟約が結べなくなるような事態は避けたい。そのことをお忘れなきようお願いいたす」
「はっ、してどのような条件をお考えでしょうか」
「まず、此度の盟約はあくまで不戦の約定であること。尼子家と毛利家が争わないということであり、他の国人衆や勢力には不戦は適用されない。期間も毛利と陶の戦が終わるまでとし、毛利の勝利が決まったと尼子が判断した時点で盟約を続けるかどうかの意思を毛利家に伝えるものとする。次に尼子と毛利の国境についてだが、安芸、備後、備中については現在の占領地域をもって国境とする。新見領は返還しない。石見は陶の領地であり、毛利領ではない。よって両者の切り取り次第とする。この盟約が成立した直後に尼子は石見に侵攻し吉見正頼の討伐に向かう。毛利が吉見に合力することは認めない。長門、周防についても同じく、両者の切り取り次第とする。最後にこの盟約は今日結ばれるのではない。後日なるべく速やかに両家の当主が直に相見え書状に名を記し、交わすことによって効力を発揮する。会談の場所は奥出雲、大馬木の金言寺とする。もちろん毛利方の安全は保証する。尼子家からは以上だ」
三郎はしっかりと淀み無く条件を述べた。しばし考えたあと角都は答えた。
「某の一存ではお答えできません。一度安芸に持って帰り、後日返答をしたいと思いますがいかがでしょうか」
晴久がゆっくり頷きながら話す。
「よかろう。ただし長くは待てんぞ。今月中に答えは欲しい。出来るならば盟約まで結び終えたい。毛利殿にもよろしくお伝え下され。お互い時間は大切にせねばな」
「はっ。しかとお伝えいたします」
角都と恵瓊はすぐに八雲城をあとにした。晴久の言うとおり時間が大切だ。歩きながら恵瓊が角都に笑みを浮かべながら楽しそうに話す。
「次に来るときはそのまま金言寺から八雲城に向かい、城下と杵築を見物したいですね。今回は城から一歩も出ること叶わなかったのでとても残念です」
角都は目を丸くした。
「その方、この盟約結ばれると思うてか」
「はい、三郎様が乗る気にございます。隆元様は言わずもがな。大殿も晴久殿も若き嫡男に委ねておられるようですし」
「そうか、そうなればいいな。急ぐか」
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