白いリンゴと 赤いリンゴと。

もんぶらん

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黒のリンゴ

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『黒のリンゴは 悪のリンゴ』

白いリンゴを作る おばちゃんは、
私に何度もそう言った。

それでも、私には秘密の友達がいた。

黒のリンゴを育てる 家系に生まれた、
私と同い年の男の子。

名前は サン っていうの。

私は月で、彼は太陽。

輝いているものは太陽なのに、
黒く  輝かないものを育ててる。

輝かされるのは 月なのに、
白く 輝くものを育ててる。

一度、おじいちゃんに聞いたんだ。
『どうして 黒と白があるの? 同じにすれば、比べられないじゃない』

おじいちゃんは 私のことを否定しなかった。

『それはね______。

この世には、白と黒が なければいけないんだ。

正義があれば、悪がある。
こちら側から見れば、 白の方が正義であるといえるし、
あちら側から見れば、 黒の方が正義であるといえるだろう、

でも、
だからと言って どちらか片方を消してなならない。

天秤は、必ずしも均等でなくてはいけない。

だからどちらも干渉しないように。
世界のすべては否定しないようにしなければいけない。

互いを 少しでも尊重し、 協力して、
天秤を崩さないようにするんだ。  
                    』



『ふぅん、』

そうして おじいちゃんは付け足した。


ルナは これを聞いたら、『灰色』のリンゴを作れば良いと思うだろう、?


それも この世界の理(ルール) に反するんだよ。

必ずしも 『白』と『黒』がなくてはいけない。
 
男がいれば 女がいるように。
空があれば 海があるように。

月があれば 太陽があるように。

干渉しないように。

否定しないように。


私たちは そうやって、 ずっと生きてきたんだよ。
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