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しおりを挟む「ぅ…。」
知らない天井だ…。あとなんか肌触りのいいワンピース…?いや、一応知ってるな。さらさらワンピースも2回目だ。
「おはよ!ぐっすり眠れたみたいで良かったぁ。」
「…おはよう。」
声のした方へ顔を向けるとシルが満面の笑みで椅子に腰掛けながらこちらを向いている。眩しさを感じて窓を見ると寝る前はしまっていたカーテンが開いていて日が差し込んでいた。
意味もなくじっと見つめ合う。ずっとニコニコしてこっちを見てくるシルが何を考えているのか全くわからない。それにしてもなにか会話しないと気まず過ぎる…!
「えっと…シル?そのここって…」
ぐぅー
「…!ハルくんお腹空いてるよね。ごめんね!ちょっと食べれるもの用意してくる!」
恥ずかしい。
穴があったら入りたい。
ため息をついてシルが出ていった扉を見て部屋を見渡すがなにか違和感があるような…。でもよく分からない。もどかしい気持ちになりながら家で起きたことを思い返す。
「あ、仕事。」
会社は大丈夫なんだろうか。陽が何とかするとも思えないし見ないふりするのは良くなかったかもしれない。やっぱり早めに帰らなきゃな。戻ってきたら交番の場所聞こう。
「ハルくん。おまたせ!あんまりいいものはなかったけど味は大丈夫だと思う。」
「ありがとう。用意してもらって申し訳ないんだけどご飯は大丈夫だよ。さすがにお世話になりすぎだし。」
「そんな事言わないで。ハルくんに食べて欲しいな!お願い!」
ずいっと近寄ってきて美味しそうなスープを手渡される。流れるような作業でスプーンまでいつの間にか手の中にあった。有無を言わせない圧を感じた。シルはただ笑ってるだけなのに。
「?わ…かった。」
恐る恐る口に運ぶと味が弾けた。食レポで多く使われる比喩表現だがこのスープは例えなんかじゃなく生きてるみたいな…。まぁよく分かんないけど美味しい!味は美味しい以外分からないけど俺に食レポは無理だなってことはよく分かった。
「美味しい?」
「美味しい!これすごいな…。」
「良かったぁ。ハルくんに食べられてスープも嬉しそう!」
「こふっ。」
面白い発言に思わず吹き出しそうになる。
笑いを堪えながら飲み込んだ。
「ご馳走様。美味しかった。ありがと。」
「満足したみたいでよかったぁ。 」
「後片付けは手伝わさせて。」
「え?こんなの片手間だよ。ハルくんはゆっくりしてて。」
「そんなわけにはいかないよ。」
「もう。大丈夫だって、ほら魔法でちょちょいのちょい!」
そう言いながらなにか唱えた瞬間皿が浮いてあっという間にさっきまでスープが入っていたとは思えないくらいピカピカになってしまった。
「え、まほ…?」
「ね!だからベッドにいるんだよ?」
呆然とする俺を残してシルは部屋から出ていった。
「…魔法?」
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