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第6話
しおりを挟むうーん……。
前探した場所はもう探し済みだし……。
少し卑怯だけど、ここは兄の習性を利用するか……。
うん。
そうと決まったら、姉様に協力してもらおう……!
「姉様。」
「ん?なぁに?」
「ごにょごにょ……」
「なるほど、卑怯だけど見つけたいし…、いい案ね!協力するわ!」
よし、姉様の協力は得られた!
あとは、俺と姉様の演技力にかかっている!
すぅー。
「ゔッ……!」
「アベルトっ!大丈夫!?」
俺は、おそらく今この瞬間も俺の近くにいるであろう兄様に聞こえるように大きな声で呻き声をあげ膝をつく。
姉様は、心配そうに駆け寄ってくる。
少し、本気さが滲むのは俺の演技が上手いからだろう。どやっ。
「く、くるしい……!」
胸を抑えながら姉様に支えられる。
「ど、どうしたらいいの……!」
姉様の声が泣きそうに聞こえる。
「アベルト!」
その声が聞こえた俺と姉様は兄様に見えないように目を合わせニヤッと笑った。
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