不幸な王子を守りきれっ!

ムニエル

文字の大きさ
7 / 7

第7話

しおりを挟む

   「アベルトっ!!!大丈夫か!!」

   兄様はすぐに出てきて心配そうに駆け寄ってきた。 

   なるほど、そこに隠れていたのか…。

   すぐそばまで来て俺を抱っこして屋敷に連れ帰るため走り出した。

     「なっ、!?」

    「大丈夫だ、アベルト!兄様が今すぐ医者にみせるからな!」

    予測していなかった事態に戸惑う。

    姉様はぽかんとしていたが我に返ると兄様を追った。

   「まっ、待って!兄様!アベルト!」

   いつの間にか屋敷まであと少しの所まで来ている。

    本気を出して走った兄様はかなり速い。

   まずいことになった。

   兄様は恐らく演技ということに気づいていないし医者に見せようとしている。

   ここまでなるとは思っていなかった。

   どうしよう…、、、。

   兄様は屋敷の空いてる窓を飛び越えて部屋の中に入った。

    そこには、父様と母様がいた。

    あ…やっちゃったかも…、?

    「か、母様!父様!あ、アベルトがっ!苦しみ出して……!どうしたら!」

   「なんてこと…!急いで医者を呼んで来ないと…!」

    「呼んでこよう!」

     そう言い父は急いで医者を呼びに行き、母は俺を抱き抱えてぎゅっとした。

    兄様は母様の近くでオロオロしている。

    「か、母様…、」
 
     「アベルト…、!大丈夫!?」

     「アベルト!」

      
     ウッ…きまづい…、、、。

    言いづらい…、

    「医者を連れて来たぞ!」

    「アベルト!」

     姉様と父様と医者が来た…、。

    どうしよこれ……。

   「……ご、ごめんなさい!兄様を捕まえるために演技しました!」

    「「「え……?」」」
  
    「ごめんなさい!来るのが遅れて!アベルトと一緒に兄様を捕まえたくて!」

   「「ほんとうにごめんなさい!」」

    ……。しばらく無言が続いた後医者が

   「その、すいません……。お体に異常がありませんのなら帰ってもよろしいでしょうか……?」

    言った。

   「あ、ぁあ。」
   

    

    
   

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

オメガに転化したアルファ騎士は王の寵愛に戸惑う

hina
BL
国王を護るαの護衛騎士ルカは最近続く体調不良に悩まされていた。 それはビッチングによるものだった。 幼い頃から共に育ってきたαの国王イゼフといつからか身体の関係を持っていたが、それが原因とは思ってもみなかった。 国王から寵愛され戸惑うルカの行方は。 ※不定期更新になります。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

処理中です...