異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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イリステラ王国編

159話 主人公、ドラゴンの本質を知るー4

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「その前に、ひとつ話しておくことがある。タクミがうまくドラゴノイドに変現できない理由を考えていて、気付いたんだよ。これから話すことはタクミには受け入れがたいかもしれないが。」

 ソラは真剣な顔だ。
 何を言われるんだろう…。

「タクミは先祖返りだ。先祖返りとは、祖先の能力が何かの拍子に蘇った者達のことだ。ヒト種なのにドラゴンの力が使えるようになった。それがドラゴンの先祖返りだよ。前回、ドラゴンの強さは、魂の強さに比例するって話をしたと思うが。覚えてるか?」

「うん。でもごめん。魂って言われても目には見えないし、先祖返りがどういう存在なのかも、僕は理解できてないんだ。」

「まぁ、そうだろうな。ティアみたいな精霊種には、精霊核という源がある。ヒト種で言うところの、魂みたいなものだ。ヒト種はこの魂の力が弱いために、身体を変化させることができない。逆に 魂の力が強い種族は、姿形を変化させることができる。これが変現だ。」

「じゃあ、ティアも変現できるってこと?」

「うん、出来るよ。ティアは相手の望む姿に変化することができるの。その能力でラシードの作戦を手伝ってた。」

「魂の強さは、身体に影響を及ぼす。魂の強い者は寿命も長いんだよ。タクミは魂の力が強い。長命になると思う。タクミの魂の力は、僕が知ってるドラゴンの中でもびっくりするくらい強いんだ。ヒト種とは思えないほどに。だから僕は、タクミはドラゴンの能力が発現したために、魂の力が変化したのかもしれないと、最初は思ったんだ。」

 最初は?ソラでも分からなかったのか?

「元々、先祖返りはとても稀少だ。僕ですらドラゴンの先祖返りに会ったことはないんだよ。だから、そういうものなのかと思ってたんだ。」

「えっ?ドラゴンの先祖返りに会ったことはない?」

「そうだ。だから、分からなかった。そこで、タクミがどうしてドラゴンの力を発現したかを考えたんだ。」

「僕はグールに取り憑かれて、この世界につながる穴に飲み込まれた…。」

「タクミはアースでグールに取り憑かれて、この世界に召喚された。グールに取り憑かれた者は、この世界に召喚された時点で、グールの糧となり怪異へと変異する。だが、お前はドラゴンの血が発現した。グールはその人の本能を刺激するからな。ドラゴンの力が発現したことで、グールは吹き飛ばされて、お前は助かったんだ。」

 トールくんに最初に会った時に話してくれたのも、そんな感じの説明だったな。

「だが、すべてが助かったわけではなかったんだ。タクミのヒト種としての身体は、その時に消滅していたんだよ。」

 !!!

 ヒト種としての身体は消滅してる?

 そうか…。この世界に来てから、なんとなく違和感は感じていた。何にでも興味がわくし、精神的に若くなってる気がするなと。体質的にも飲めなかったはずの酒が水みたいに飲めるし、何を食べても美味しく感じる。アースにいた頃は、どれを食べても一緒だと思っていた僕が、今では何を食べようか、毎回、ワクワクしているなんて…。

 ヒト種としての僕は、もう死んでたんだな。
 でもそれは…。なんとなく理解していたのもしれない。だが、そうだと認めてしまうのをどこかで拒否していた。それを認めてしまったら、本当にヒトに戻れない気がしたから。

「じゃあ、ヒトの僕はもう死んでいて、ドラゴンとして生まれ変わったってこと?」

「いや、それなら自在に変現できるはずなんだよ。」

「ドラゴンでもないってこと?それじゃ、どうして…。」

「たぶんタクミの魂の一部はヒト種のまま。ヒトとしての魂の核が残っているんだよ。」

 !!!

「ヒトとしての身体は消滅したけど、魂は残ったってこと?」

「そうだ。だから、変現が下手なんだよ。ヒトとしての記憶が刻み込まれているから、通常のヒトができないことは自分にもできないって心が拒否してるんだ。」

 たしかにドラゴノイドの姿は、ヒトとはかなり違う。できないって思い込んでるってことなのか?

「ヒト種としての身体が残っていた場合は、ヒト種の身体を守ろうとして、できることは限られていたはずだ。だが、タクミには、それが無い。だから、ドラゴンの力が発現したばかりなのに色々なことができるんだよ。ヒトとしての経験もあるしな。」

 そうだったんだ…。

「つまり、タクミは先祖返りだが、限りなく純血のドラゴンに近い存在なんだよ!」

 僕が?

「だから、タクミにはもうレッスンはしないって言ったけど、これだけは教えておくぞ。僕達ドラゴンの本質をね。」

「ドラゴンの本質?」

「ティアのような精霊種には精霊核があるように、僕達ドラゴンにも魂の源がある。それは、純粋な力の塊。僕達ドラゴンの源は、高純度のエネルギー体なんだよ。だから、ヒト種では、考えられないような事ができるんだ。」

 高純度のエネルギー体…。

「ってことは、生物ですらないってこと…?」

「たしかに、タクミが理解しているような生物とは違うな。ドラゴンは特殊な存在なんだよ。
 ティアのような精霊種は、精霊核を源にして生物の身体を得た者達のことだ。傷つけば血も出るし、長命で変現できるというだけでほとんどヒトと同じだよ。
 だが、ドラゴンは違う。僕達は、何にでも変現できる。本質が高純度のエネルギー体だから。」

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