異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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ガンガルシア王国編

201話 主人公、討伐者になるー2

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「えっと、僕達は討伐者じゃないよ?ランキングを狙っているのに、そんな僕達をチームに誘う理由は何?」

 ランキングを狙うなら、経験豊富な討伐者をチームに入れた方がいいはずだ。

「うふふっ!ちゃんと理由はあるわよ!私達が狙ってるのは、新人限定ランキングなの!」

 アリシアは自信満々の顔で、そう宣言する。

「そうか、その手があっただな!」
 タムは、納得したようだ。

 ピンとこない僕のために、ミライが説明してくれる。
「タクミ。討伐ランキングには、いろんな種類があるんだ。特に新人限定ランキングは、討伐者歴が一年未満のメンバーで構成されたチームでの討伐が対象なんだよ。」

「なるほど!だから、未経験者の僕達に声をかけたって訳だ。」

「もちろん、それだけじゃないわよ。お兄さん達、強いでしょ。しかも、ドラゴンの血がかなり強い。」
 アリシアが僕とタムを交互に見ながら、そう言う。

 僕はさっきの戦闘でドラゴノイドに変現したからわかることだけど、タムのこともわかるなんて…。

「碧を見て、そう判断しただか?」
「そうよ。」
「よく知っていただな。ドラゴンにかなり詳しくないとわからないはずだべ。」

 タムの疑問に碧が現れて説明してくれる。

「マルクトールの術式研究所のアリシアは、マルクトール国内では、ちょっとした有名人なんだよ~。記憶力抜群、新しい術式の開発。マルクトールにいたのは2年だけど、かなりの仕事を公開してるよ~。だから、ガンガルシアの討伐者になったのは、マルクトール国内でスゴい話題になったくらいなの~。」

「そんなに有名人だっただか?」

「うん。ネジがぶっとんでる方の天才~。」

「あら!私、そんなこと言われてるの?ネジがブッ飛んでるってどういうことかしら?」
 アリシアには心当たりが無いようだ。

 でも、僕には何となく理解できる。
 たぶん、この子には禁忌がないんだ。術式を生物に使ってみたいなんて…。
 アースにもそういう人物はいる。武器があると威力を確かめてみたい。毒物があったら効果を確かめてみたい。好奇心なのだろうが、それを生物に使ってみたいと思う考えは危険だ。
 そういう人はいつか、人に対して使ってみたいと思うかもしれないのだから。

「アリシアは最高!ネジがブッ飛んでるってのは、天才過ぎて凡人には理解できないってことに違いないのだ!」
 アリシアの左手の紋章が光って、何者かが出現した。

 キラキラ光るメタリックなボディ。
 ぐにゃぐにゃ動く流動体。
 これはまさに…、メタルスラ○ム!

「よぉ、凡人共!我輩がアリシアのパートナー、ラトニーである。アリシアを助けるのは凡人の役目。チームの一員として頑張るように。」

「はぁ…。よろしくお願いします…。」

 アリシアのパートナー精霊も個性が強いなぁ。

「ダメだよ。ラトニー、そんな言い方しちゃ。これから一緒に討伐するんだから!タクミとタムは大切なチームの一員よ。」

「そうであるな。これは失礼した。タクミ、タム。よろしく頼むのである。」

 ちゃんとパートナーに礼儀を教えている。こうしてみると、アリシアはしっかりした子に見えるんだけど…。

 すると、今度はシグルトの左手が光る。出てきたのは、首なし騎士。デュラハンだ!

「はじめまして、皆の衆。ワシがシグルトのパートナーのデュラハンだ。シグルトに用がある時はワシを呼ぶがよいぞ。」

 シグルトのパートナー精霊も個性が強かった!

 うーん、どうやら二人は似た者同士なんだな。これはたしかに仲間になろうという人は少ないかもしれない。

 ミライと碧もアリシアとシグルトに挨拶をする。

 お互いのパートナー精霊の紹介が終わると、「さぁ、明日からガンガン討伐するわよ!今日はゆっくり休んでね。明日からよろしく!」と、アリシアは元気にそう宣言した。

 こうして、この食事会はお開きとなった。




 同じ宿屋に戻った僕達はそれぞれの部屋で休むことにしたのだが、夜遅くにタムが僕の部屋へとやって来た。

「タクミ、タムが今から部屋に来るって。何か話があるみたい。」

 こんな遅くになんだろう?何かあったのかな?

「タクミ、遅くに悪いだな。タクミに話があるらしいだよ。」
「話?誰が?」
 目の前にはタムと碧しかいない。
 が、急にラトニーとデュラハンが現れた。

「話があるのは、ラトニーとデュラハンだべよ。」
「パートナー精霊って、離れていても大丈夫なの?」

「我輩達、パートナー精霊は使用者と繋がっている。何かあれば戻ることができるし、いまアリシアとシグルトは眠っているので、大丈夫なのである。」

「それで、話っていうのは?」

「アリシアとシグルトのことである。タクミはドラゴノイドではなく、ドラゴンなのではないか?我輩達、精霊はドラゴンには逆らえない。なんだかそんな雰囲気を感じるのである。」
「うむ。ワシもこんな感覚は初めてだ。でもだからこそ、タクミ殿にお願いがある。」

「アリシアとシグルトのパートナー達は、感覚が鋭いようだべ。まぁ、あの二人のパートナーなんだから、そうでなくては困るだよ。」

 どういうことかな?

「今からここでする会話は、アリシアとシグルトには絶対秘密なのである。だから、タクミも真実を教えてほしいのである。」

 そこまで言うのなら…。

「うん。僕は異世界生まれのドラゴンの先祖返りなんだよ。やっとドラゴノイドにも変現できるようになったから、このガンガルシアではドラゴノイドで戦闘しようと思ってる。異世界生まれってことと、先祖返りっていうのは、秘密にしてほしい。」

「おぉ!やはりそうなのか!さすがはドラゴン。周りの精霊達が喜んでおる。」
 デュラハンの腕に抱えた顔が、嬉しそうな表情になる。

「ドラゴンのタクミにお願いがあるのである。このままでは、アリシアとシグルトは、いつか死んでしまうのである。それを何とかしたいのである。」

 このままでは死んでしまう?二人に何が?


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