異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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フラルアルド王国編

番外編 ミライのお勉強(後)

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「例えば、ライルのメモリアは実際に発掘された文献をもとにした歴史考察だから、事実の分類。加工していない実際の映像は、もちろん事実だ。このエアリーの映像は事実だから、人気が高いんだよ。」

「で、事実以外のものはすべて、創作の分類。エアリーみたいな映像を公開してる人は多いんだけど、ほとんどが創作。映像を加工してるんだよ。」

「ニュースみたいな映像が見たいなら、ミライに、事実の分類で最新のものを見せてってお願いするんだ。この世界には、事件や事故はないからね。あるとしたら、自然災害だよ。どこかの火山が噴火したとかね。パートナー精霊には、記録機能があるから、ちょうど噴火した場所に居合わせた人が、映像を公開することもある。その映像は、火山研究している人の貴重な資料になるからね。珍しい自然現象に遭遇した人は、映像を公開する場合が多い。それによって、研究が飛躍的に進んだ分野もあるんだ。」

「たまにしか起こらない自然現象だと研究するのも困るよね。パートナー精霊は嘘がつけないから、事実として公開された映像はどんなに不思議でも実際に起こったこととして、研究されるんだ。」

「なるほどね。だからこの世界のモノは、アースより進んでいるんだね。自然がいっぱいだし、整備された道路とかもないから、文化レベルが低いのかとおもってたよ。」とタクミが言うと、リオンとシオンが笑い出す。

「道路なんて必要ないから!この世界の乗り物はだいたい空中に浮くものだからね。道路なんか作ったら、整備とか大変じゃないか!」

「そうだよ!それに自然はあるがままの状態がいいんだよ!このログハウスに使ってる木は、増えすぎて間伐した樹木を利用してるだけ。」

「そうなんだ!自然に優しい世界なんだね。」
 タクミが感心したように言う。

「紋章システムを開発したセシルさまは《怠惰》だからね。できるだけ整備が必要じゃないものを理想としてたんだ。だから、水道管や道路、線路なんかは無いよ。」

「そうか。水道管とか道路って作った後、整備や改修が必要だ。けど、その費用が結構かかるし、保守改修って大変なんだよね。」

「そうだよ。セシルさまはそれも理解してて、保守改修が必要無い道具の開発を推奨したんだ。」

「セシルさまの開発品に興味があるなら、時間がある時にミライに見せてもらうといいよ。各王国に王国専用メモリアがあるからね。そこでいろいろな情報が公開されてるよ。」

「じゃあ、次は各個人への連絡の方法を覚えよう。これが出来ないと、僕達と連絡できなくなるからね。」

「各個人への連絡は、タクミが知っている人であることが前提だよ。会ったことがあるとか、知っているとか。」

「えっ?じゃあ、エアリーにも連絡できるってこと?」

「できるよ。でも、エアリーはタクミのこと知らないから、返事は来ないと思うけど。」

「この世界の連絡は、映像による直接通話やパートナー精霊を介した伝言がある。タクミに分かりやすく言うと、直接通話は電話、伝言はメールみたいなものかな。あとは、手紙を送るっていう手もある。例えば、ここにある紙に何か書く。で、これをウサ吉、リオンに送って。」とシオンがウサ吉に頼む。

 目の前にある紙が、消えてなくなった。

 それを見ていたタクミが、「シオンはちゃんと自分のパートナー精霊も使うんだね。」と、意外だ!という顔で言う。

「当たり前だよ。僕達はお互いのパートナー精霊も使えるっていう、特殊な双子なだけだ!」
 シオンが、ドヤ顔で返す。

「そっ、そうなんだ…。」
 タクミが困った顔をしている。

「じゃあ、ウサ子。シオンの手紙を出して。」
 リオンの言葉に、ウサ子が手紙を出現させる。
「この手紙は厳密に言うと、さっきシオンが書いたものじゃない。紋章システムに収納した時にデータ解析して分解、出す時にはデータを基に再構築するんだ。分解して収納した方が効率がいいからね。分解できるものはそうするのが、普通だ。丸太とか食材、再現できない一点物なんかは、そのままの状態で収納される。これが紋章システムの基本だよ。」

「なるほどね。やっぱりすごい技術だよね。」

「だから、連絡したい時はどれかの方法を選ぶんだ。知らない相手に連絡する時は、どういう要件で、必要があるから連絡したんだよって伝えないと、相手のパートナー精霊が取り合ってくれない。そうじゃないと、ランキング上位の人達はいろいろな人から連絡が来て、大変な事になるからね。」

「そうそう。例えばジルだと、こういう事に困っているから助けてほしいって連絡してきた人は繋ぐようにってドグーに言ってあるらしいよ。」

「あんな顔して、ジルってば面倒見がいいからね。だから、タクミもミライに条件を言っておくと、その通りにしてくれるよ。」

「そうなんだ。まぁでも、とりあえずは知ってる人から連絡が来たときに教えてくれればいいよ。ミライ、お願いしたよ」とタクミが言う。

 これで説明は終わりかと思ったら、リオンが慌てて付け足す。
「あっ、肝心な事を教えるの忘れてたよ。衣服を出す時なんだけど。」

「いつもはリオンとシオンが出してくれてたね。ここって洗濯も必要ないから、不思議だったんだよね。」

「衣服は、まず公開されたデザインの中から気に入ったものを選ぶんだ。するとパートナー精霊が本人の体型に合わせて再構築してくれる。だから常に体型にあった衣服を出してくれるってわけ。」

「逆に分解するときは、皮脂や汚れを除いて素材別に分解されるからね。次の衣服の素材になるよ。」

「そういう仕組みだったんだ!だから洗濯も必要ないんだね。なるほど。」と、タクミが感心している。

「これで基本的な事は全部だよ。後は徐々に覚えよう。」
「ちゃんと使えるようになるまで、機能制限してあるからね。」
「そうだよ。タクミはいま、成人前の子供達と同じ状態。普通はこれが何年か続くんだけどね。」
「問題なく使えるようになったら、制限もなくなるから。ミライも頑張るんだよ。」

 このリオンとシオンの言葉に、ミライは「あい!」と元気良く返事をする。

 タクミのパートナーとして、頑張るぞ!という意思表明を込めた返事だった。
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